モテる為に異世界転生してヒーロー目指すわ‼   作:自己顕示欲MAXマン

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更新遅くなりましたが、日間ランキング乗ってましたね!ありがとうございます!
あ~、自己顕示欲が満たされるんじゃぁ~(恍)
スクショ撮るくらいには浮かれてましたねw

これからも導凌空君をよろしくお願いします。
今回は普段の倍の長さあります。理由はお分かりですね!?(ジョルノ風)


もっと私をすこって……


中の上って言われてもピンとこないし、何ならお前は特上じゃねぇか。

 今日は摩花から自宅への招待を受けて、現在は待ち合わせ場所にいる。

 季節は夏休みの七月。夏休みを犠牲にする補修が心配事項ではあったが、中間テストの頑張りようは目を見張るものがあった。主にトガちゃんの。それでもあいつ等はゲームしてたけど……。

 雄英高校に行くんならもっと勉強に身を入れないといけない事もわかっているんだが……どうしても三人で遊ぶ時間が楽しすぎる。と言うかトガちゃんと一緒に居るのが楽しい。摩花?あいつはホラ、役回り的にウザキャラだから……。

 

 「今、失礼な事考えてたりしなかったかい?」

 

 「ピィッフゥ↑!?」

 

 唐突に肩を叩かれ予期しない声が漏れる。駅前のモニュメントで待ち合わせていた事もあり、人通りが多いため俺は他人からの視線を一身に浴びてしまう。やめろ!そんな目で俺を見るなぁ!!

 

 「くっくっく……どんな驚き方してるんだい。おかげで僕まで注目されてしまったじゃないか」

 

 見慣れたオーバーリアクションで「ヤレヤレ」と首を左右に振る。なまじ見た目がよすぎる為、学生服ではなく私服にもなると、女性からの注目は3.14倍(適当)くらいには上がる。

 腹立たしい事に、こいつと外を歩くとやたら街角のアンケートやモデルの誘いに出くわす。そしてそいつらは俺を見ると「あぁ……君はいいかな」って言う。毎回思うんだけど失礼すぎませんかねぇ!?

 

 「君だって見た目は全然悪くないさ。むしろ中の上はあるよ?前髪で目元を隠している事と、猫背気味の姿勢の悪さが印象を変えているんだよ」

 

 いつも言ってるだろう?と、俺の前を歩きだした摩花に付いていく。誰が三枚目キャラだ!!

 トガちゃんは家族で行く所があるとかで、そちらの用事が終わる時間に合わせて待ち合わせをしていた。今はトガちゃんに合流するために向かっている……の、だが―――。

 

 「すみません!よかったら街角アンケートにご協力いただけませんか!?」

 「私、芸能事務所のスカウトでして!よければ名刺だけでも!」

 「あぁん!アタシのお店で働かない?アナタなら絶対人気になれるわ!」

 

 あぁんもぉう……。

 街角アンケートを取ってる女性、芸能事務所スカウトの男性、あとオカマ。お前、男女問わずモテモテだなぁ!!もげろ!!

 

 「アラ?隣のあなたも姿勢が悪くて目元まで髪の毛がかかってるから分かりにくいけれど……童顔気味でかなりの原石じゃない?アタシのお店でズッポリ磨いていく気ないかしら?」

 

 何をズッポリして、ナニを磨くんですかねぇ……。

 しかも磨くのアナタの剣だったら僕は何も磨かれないし、何なら貞操というものを失うんですけどねぇ。ってやめろ!髪の毛を上げようとするな!うわ腕毛すごい!!

 

 「悪いけれど、僕はモデルにも芸能人にも興味がないんだ。行こうか凌空君、このままだと遅刻して姫の機嫌を損ねてしまう」

 

 髪をかき上げる仕草をしながら華麗に断りを入れる。周りの奴ら「オォー」じゃねぇし、メスの顔してるアンケートの人もさっさと仕事に戻れ。そしてオカマ、さりげなくケツを触るな。助けて……。

 いつの間にか囲まれていた状態から抜け出していた摩花を追う様に、俺も全力でこの危険地帯(オカマ)から逃げる。人込みを抜ける際に、ポケットに何か入れられたのでちらりと確認すると……。

 

 

 

 店名『六欲店・阿那瑠地獄』

 源氏名『夜のスーパーエンジェウ・ガブリエル ゴリ美』

 

 

 

 癖が強すぎるんじゃぁ…。こいつもゴリラだし、店名これア○ル地獄じゃん。やっぱり俺の貞操近い将来開通されるの?ヤなんだけど。どうせならトガちゃんに『それ以上はいけない』。

 

 「君もスカウトされてたじゃないか。行く事になったら教えておくれよ、贔屓にするから」

 

 普段のにやけスマイル二割り増しみたいな顔で俺を見るな。それに行くんじゃなくて逝っちまうんだよなぁ……俺の精神が。

 盛大なため息を吐きつつも目的の場所へと向かう。途中で車椅子で段差を上手く登れない高齢夫婦の手伝いをしたり、外国人から道を聞かれたりもあったが全て対応しておく。英語?出来る訳ないじゃん。フィーリングよフィーリング。

 アイ アム ペン!!

 

 「君と一緒に行動する度に思うんだけど、君も声をかけられたり声をかける事も多くないかい?」

 

 「たまたまだろ。ヒーローが気付く前に気付いて声をかけてるだけだ。別にヒーローに絶対やってもらわないといけないってルールもないしな。」

 

 「それにしたって、わざわざ君がやる事でもないだろう?ヒーローはそういう事も業務に入ってるんだから、彼らに投げればいいのさ」

 

 「……逆に聞くけど、ヒーローが居たら人助けしなくていいのか?違うだろ?たとえ人が見てなくたって日頃の行動が自分を作るんだ。公民館とか便所のスリッパ並べるのだって、店で飯食った後にごちそうさまと伝えるのだって誰が見てるわけでなくても、やる事に意味があるんだ。……あぁ、クッソ!お前俺がこういう事言うのわかってて嫌味な聞き方したな!?」

 

 摩花の方を見れば、腹立つにやけ面でコッチを見てやがる!お前のそう言う所がトガちゃんの辛辣な態度につながってるんだぞ!!チラっと聞いたけど、個性使って悪戯したことあるってマ?

 

 「それは誤解さ。トガさんを喜ばせようと君の幻覚を見せたりしてないさ」

 

 そら嫌われるわ。マジで何してんの?ってか、勝手に俺を使うな。

 どうなったのか問い詰めようとした所で待ち合わせ場所についた。公園の入り口で待ち合わせだが、近場にはカフェや移動販売車が止まっており、公園のベンチでは若者から中高年と様々な人達が休憩している。大きめの総合病院も見える。

 俺はカフェオレを買ってベンチで座って待つことにした。摩花は隣のOLさんと何か話してる。内容?キョーミないね。ケッ!

 

 

 待つこと数十分。信号を挟んで向かい側にトガちゃんとご両親の姿が見えた。トガちゃんが此方に気付くと、両親を置いて手を振りながら真っ直ぐに走ってくる。

 

 あぁ^~私服が可愛いんじゃぁ^~。

 

 夏用の制服も、半そでから覗く細い腕が目の保養に108役くらい買ってくれてますが、今回の私服姿もたまりません!ボーダーのカットソーにデニムパンツ、スニーカーというスポーティータイプで来るなんて……ッ。あ、摩花が当日は動きやすい服でとか言ってたわ。見直したぜ!

 

 「凌空君、コンニチワ!!お待たせしましたか?」

 

 「全然待ってないよ。あと3年は待てる」

 

 「学校卒業しちゃいますね!」

 

 俺の冗談に対しクスクスと笑う。遅れてトガちゃんのご両親が俺の前まで歩いてくると、トガちゃんは俺の後ろに移動する。……なるほど、これが初顔合わせってやつなんですね!?

 

 「娘さんを僕に下さぶべっ!!」

 

 俺の全力の告白は、全てを言い終わる前にトガちゃんに頭を叩かれて阻止された。……違うのね。

 

 「君が導 凌空君だね?娘から話は聞いてるよ」

 

 えっ、何の話してるの?チラリとトガちゃんの方を見れば目をそらされた。ねぇ!なんの話したの!?

 

 「ははは、大丈夫だよ。学校が楽しいって、この前笑顔で話してくれてね。娘も思春期なのか気難しい時があって……全く話さない時もあったんだが、マトモに学校生活を送れているみたいで安心しているよ。ありがとう」

 

 はぁ?マトモって、こっちのトガちゃんは普通じゃね?

 トガちゃんの両親がお礼を言いつつも、世間話へと話題がそれた所で俺の背中が引っ張られた。振り返ると、トガちゃんが服の裾を摘まんで俯いていた。あぁ、はいはい……仰せのままにですよ。

 

 「すいません、色々とお話ししたいのは山々なのですが……」

 

 「あぁ、それもそうだね。こんな暑い日に外で長々と話すのも良くない。もう一人友達がいるんだよね?確か……摩花 氏取君だっけ?彼はどこに?」

 

 俺は無言でOL五人を相手に楽しそうに談笑している優男を指さす。

 

 「アイツは何時もあんな感じなのでお礼を言う価値も無いですよ」

 

 「そんな連れない事言わないでおくれよ」

 

 だからお前は急に現れるのをやめろ!

 

 「呼んでないのに来るんですか……。摩花もう帰っていいですよ、道案内ご苦労様でした」

 

 「今日も一段と辛辣だね!?」

 

 摩花とトガちゃんが何時ものように言い争いを始める。その姿を心から安心したような表情で見つめる両親。……原作では家庭状況がどうなってるのかわからないけれど、今がご両親にとって幸せなら、俺が異世界転生した意味が少しはあったのかもな。

 

 「って言うか、今日は摩花の家に行くんだろ?帰られたら困るって」

 

 「凌空君はワタシとデートしたくないんですか?」

 

 じゃ、摩花。そういう事だから……。

 

 「待て待て!僕に味方はいないのかい!?」

 

 トガちゃんの家族も含めて皆が笑顔になる。

 改めてトガちゃんのご両親にお別れをして、今日の目的地である摩花の家へと三人で向かうのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 「ここが僕の家だよ。一般的な家庭に比べると少し大きいかもしれないが、そこは目を瞑っておくれ」

 

 ……この豪邸が一般的な家庭よりも少し大きいだったら、一世帯はスーパーマーケットみたいなでかさの家になるわ。

 

 「摩花はやっぱり金持ちだったんだな。これからも仲良くしてくれよな金くれ」

 

 「金くれ」

 

 俺が流れるように両手を指し出して金品を求めると、俺の口調を真似してトガちゃんも同じ動作をする。えぇぇ……カワイイ。

 

 「君達、お金をせびるのはやめるんだ。そして、差し出してるその手を引っ込めなさい。正しくは家でもあり、僕の父親の仕事場だよ。僕の父親はゲーム会社の社長なんだ」

 

 ゲーム会社にしても野球のドーム球場ばりに広いし何作ってるんだよ。

 神は二物を与えないとか言うけど、こいつ与えられすぎだろ。どうなってんだよ。

 

 『パワプ○でも天才選手とか確率で出るじゃろ?それじゃよ』

 

 はぁ~?俺もリセマラ……したらベル○ルク送りだったな。あの漫画俺が生きてる間に完結するの?

 

 「こんな所で立ち話するのも何だし行こうか」

 

 摩花が指紋認証を行い、受付の警備員に従業員証のような物を見せると、従業員専用であろう扉が開いた。企業名が隣に書いてあり『花月堂』と書いてあった……。あー、あのマリ○カートもどきお前の会社の商品じゃねぇか。そら勝てんわ。この世界の任○堂的な立ち位置はお前の親父の会社なのね。

 

 真っ白な廊下を進んでいくとエレベーターがあり、乗り込めば摩花が結構な上階のボタンを押す。ここにきてから圧倒されっぱなしで、俺もトガちゃんも口数が減ってしまっている。ってか、俺たちはどこに向かってるの?

 

 「今回は僕がアイデアを出した体感型ゲームをプレイしてもらいたくて呼んだんだ!ヒーロースーツの技術は上がっているのに、ゲーム業界は技術の浸透が遅くてね。僕は一人のゲーム会社の息子として、また、ゲーム好きの一人として、ゲームの文化を発展させていきたいんだよ」

 

 立派な考えだな。でも、そんなにゲームが好きなら開発を目指すものじゃないのか?それが何でヒーローを目指す事になってるんだ?

 俺の何気ない発言を聞いた摩花の表情が真剣な顔つきになる。普段はニコニコと閉じている糸目を開き、何かを思い出すようにゆっくりと話し始める。

 

 「僕はこれでも小学生の時に一度だけイジメにあってね。この容姿だからクラスの女の子からモテすぎて、上級生に目をつけられたんだ。今まで好意を寄せられた事はあっても、敵意を向けられたのはそれが初めてで、とても恐ろしかったのを覚えているよ。で、恥ずかしながら学校に行くのが怖くなってしまって、家に引きこもっていたんだ。二人の姉も心配してくれてたんだけど、姉にイジメてきた上級生の名前を出すのは恥ずかしくてね……僕みたいな人間には学校は退屈なんだって嘯いてた。今思えば、きっと二人は気づいていただろうけどね」

 

 恥ずかしげにポリポリと頬を掻く。その飾らない姿が普段の演技がかった様子ではない事から、きっと今の状態が摩花氏取の等身大の姿なんだろう。

 俺もトガちゃんも横槍を入れること無く静かに聞く。今は摩花の話す声と、エレベーターから聞こえてくる機械の音だけが微かに響く。

 

 「その時に、とある童話を見たんだ。それが『シンデレラ』さ。……笑ってくれて良いんだよ?ただね、憧れたのはシンデレラじゃなくて魔法使いさ!夜の12時には魔法が解ける。その間は夢を見せることが出来る……正しく僕と同じだと思わないかい?だけど、魔法使いがなんで見ず知らずの女の子にそこまでしたのか不思議でね……」

 

 エレベーターが目的の階につき、階層を無機質な機械の声が告げる。自動扉が開くと、摩花が目的の場所まで歩いていくので、俺とトガちゃんも後ろを付いていく。

 

 「魔法使いの行動の意味が分からなくてうんうん唸ってた。そんな時、姉二人が様子を見に部屋に入ってきたんだ。本当に魔が差してね……姉に対して個性を使ってみたんだ。今まで個性を使ったこともなかったから、頭痛と吐き気で物凄く目眩がしたのを今でも覚えているよ。まるでガラス瓶に入れられてシェイクされてるみたいだったよ。だけど、それ以上に姉の笑顔が忘れられないんだ」

 

 過去を思い出すように空間を見つめる。そして、ゆっくりと俺に目線を交錯させる。

 

 「あの時の二人の笑顔が離れないんだ。僕の胸の高鳴りも……!その時に子供ながらに思ったのさ。人を笑顔にすることに理由なんていらないってね。その日から色々な人を笑顔にする為に、僕は僕なりに努力を重ねてきたってわけさ。ヒーローになるのは、僕がこれから見せるゲームの宣伝塔に僕自身がなるためでもある。そして、ヒーローになった僕にしか、笑顔にできない人も大勢いるはずだからね」

 

 「この世の中は、個性を持っている人と持っていない人、強い個性の人と弱い個性の人、病気のない人と病気のある人……常に平等じゃないから、夢を見ることすら平等ではない。だけど僕の個性なら、泡沫の幻であっても、人を笑顔に……夢を見せてあげる事が出来る。目が見えない人に花畑を見せることも出来る。耳が聞こえない人に波音を聞かせることも出来る。僕の個性は脳に直接影響を与える事も出来るからね。だけど、それが必ずその人の幸せに繋がるわけじゃない」

 

 何時ものいけ好かない糸目ニヤニヤ面に戻ると、一つ咳払いをして二枚扉の前に立つ。プレートには何の飾り気もなく『試作機』とだけ書かれている。

 

 「これは多くの子供達や、夢を捨てた大人達の救いになって欲しい。無個性の人達を世界で活躍するヒーローにする事は僕には出来ない……しかし、だけども!ゲームの世界ならどうだい!?どんな自分にでもなれるとするなら?手から火を出し、目からビーム、腕も伸びて、分身が出来て、ワンパンチで敵を倒せるようなヒーローにだってなれる!誰にも迷惑はかからず、ヴィランを倒し、ヒーローになる!自分だけの夢を叶えられるんだ!!……ゲーム内だけ、だけどね」

 

 見慣れた大げさな動作をしながらキラキラと無垢な少年のように瞳を輝かせ熱弁するが、最後に一言、少し寂しそうな表情をしながら付け加える。

 

 「追記事項になるけど、人を笑顔にする喜びが胸に刻まれた日から僕は他人を思いやれない人が大嫌いになったとさ。……まぁ、いじめっ子には悪いことをしたよ。反省と後悔はしてないけどね!」

 

 絶対コイツを敵に回すのはやめよう。なんか精神的にやられそうな気がする……。

 

 「扉の前で長く話し込んでしまったね。今日のメインは僕の過去じゃないんだ、未来へ向けた体験をしてほしくて二人を呼んだんだからね。……しっかり笑顔になって帰って欲しい!!これは僕の挑戦の第一歩でもあるからね!!」

 

 噛みしめるように最後の一言を告げると、ゆっくりと扉を開いた。

 

 

 

 

 そこにはコンテナ室の様なものが部屋の角に設置するように置いてあり、中央には巨大なモニター、そして、上の階層からコチラを見渡せるようにガラス張りの部屋が全面グルリと張り巡らされている。どうやらシステムの状況を見るためなのか、従業員らしき人がパソコンを見たり、コチラを見ていたりとまちまちである。

 摩花がにこやかに手を振ると、作業をしていた作業員も皆が手を止め笑顔で手を振り返す。コイツ、唯のお坊ちゃんじゃないな。別に手を止めろと指示された訳でもなく、全員が自発的に手を止めて返事を返す。きっと従業員とも、今日ナンパしてたOLを相手にするように笑顔で話しかけてるんだろう。ウザキャラのくせに憎めないやつだ。

 

 「君は失礼な事を考えると口の端が上がるって知ってたかい?」

 

 そう言いながら俺の頬をムニムニと揉む。やめめめめめめ!オラァ!

 摩花の手を勢いよく弾き、華麗なバックステッポゥ!で離れる。男のくせにしなやかでスベスベした手してんじゃねぇ!!

 

 「手入れは欠かさないからね。そう言えば、トガさんにあげたハンドケア一式は役に立ってるかい?」

 

 「めんどくさくてやってないです!!」

 

 「いい笑顔で素直に答えるねぇ!!結構高いんだよ!?」

 

 ショックそうにトガちゃんへ詰め寄る摩花だが、トガちゃんは意にも介さずモニターの前へと移動する。モニター画面には複数のキャラクターが並んでおり、『種族』や『職業』と書かれていた。

 試作機と言う割にはかなり金がかかってそうなんだが……。

 

 「当たり前だろう?僕の挑戦の第一歩なんだ。お父さんにはかなり無理を言ったよ……」

 

 だけど、かなりのものだよ!これは!!

 と、普段は見せないような無邪気な演技も見せる。いや、演技じゃないのか?もう普段の大げさな仕草の見過ぎでわからん!!

 

 「摩花の過去のお話が長すぎて退屈でした!そんなやり取りはもういいんで、早く本題に入ってください」

 

 トガちゃんの刺々しい物言いに、摩花も咳払いを一つして、モニターを指差しながら説明を始めた。

 

 「これはね『Virtual(バーチャル) Reality( リアリティ) Battle( バトル) Simulator( シュミレーター)』。略す必要もないけど『VRBS』って僕らは呼んでる。正式名称もまだ決まってないからね」

 

 モニター下にあるスイッチを押すと、キーボードとマウスが出てくる。それを操作して、画面を動かしながらキャラクターの説明を始める。

 

 「このゲームはあそこにあるコンテナ室で機器を体に取り付け、その中で動く事で実際にゲーム内で走ったり物を掴んだりが出来るのさ。この機器を軽量化・無線化するのにどれだけの苦労があったことか……うぅん、開発の話はまた別の機会に。その際に僕達の身長と体重も自動的に測ってくれるのさ」

 

 「トガちゃんのスリーサイズも?…いてぇ!?」

 

 「凌空君は叩かれるのわかって聞いてますよね?」

 

 「データは暗号化されて保管されるから、一般の人にはわからないよ。細かい数値を入力すれば、その人の身体能力に合わせた動きも可能だけど、今回は種族と職業を選ぶ事で能力が振り分けられるんだ」

 

 そういいながら種族を『獣人』、職業を『軽装』に選択する。

 画面には虎のような顔をした細身のキャラクターが立っており、片手剣を腰に差している。

 

 「まぁ細かい設定は触ってもらえばいいと思う。折角の体感型のゲームなんだし、何が強いとか関係なく好みで一度やってみようじゃないか!」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 コンテナ室は思ったよりも結構な大きさの空間になっており、中では設備を設置してくれる作業員とモニターでデータを取っているらしき人達がいた。

 

 「きつかったり、違和感があったら遠慮なく言ってください」

 

 透き通るような青色の髪をした女性の作業員が声をかけてくれる。あのねぇ、この人すっごい美人さんなの……。VRヘッドギアつけられる時に胸が目の前にきてすっごくこわかったの(大嘘)

 

 「問題ないです。で……なるほど、手を動かしてタッチパネルの要領で選択していけばいいのか」

 

 俺の目の前には複数の種族や職業がずらりと並んでいた。その中に『魔法使い』という文字が見える。まぁ、十中八九摩花はこれだろうな。

 俺は摩花がさっき選んでいた獣人を選択する。次に職業だが……え~、結構ありすぎてわからん。案外こういう時はランダムとかがよかったりしない?

 ランダムボタンを軽い気持ちで押すと『職業』の枠が『特殊』になり、選ばれたのは『進化』だった。……えっ?俺の個性あいつにバレてたりしないよね?まだ話してないよ!?

 

 「それは現段階では試作状態で、外枠はありますが中身のデータはほとんど入っておりません」

 

 あ、なーるほど。びっくりしたわ。

 じゃ、もう一回選択肢しなお……せないんですけど?

 

 「試作機なので、一度選んでしまうとキャンセルできません。一戦目はそれでお願いいたします。あと、職業の選択枠からも外れてしまっていますので、装備も出来ません。では、スタートします」

 

 はー!?クソゲーやん!!二度とやるかこんなクソゲーーー!!一回目なんですけどね!。

 

 

 俺の意志とは裏腹に、画面にはそれぞれの選択した職業と種族が表示される。

 

 

 ・M.Siya 『エルフ・魔法使い』

 

 ・T.Himiko 『人間・吸血鬼』

 

 ・M.Riku 『獣人・進化』

 

 

 俺のMはモンスターのMってかぁ!?前世はM禿!よろしくな!!

 半ばやけくそになりながらも、最新技術による世界観のリアルさに没頭していくのを感じていた。





長すぎですかね?
長かったら今までと同じように4000文字くらいで纏めようと思います。

コロナ流行ってるんで、外に出ないで皆もSS書こうぜ?
俺の更新がおせぇ!!って思ってる方は未完成の前作とか見てくださってもええのよ?
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