黒夢羊です。
今回遊戯王の二次創作を書くことにしました。
相変わらずの見切り発車となってしまいますが、どうか皆様宜しくお願いします。
では、本編へどうぞ
不思議な夢を見た。
空から無数の隕石が降ってきて、次々と何処かの町へ、都市へ、村へと落ちていく。
だけど、その隕石は落ちても衝撃は無く、周りの家が壊れることもない。その隕石はあるときはビルへぶつかり、またあるときは木々にぶつかっていた。
その中でも10個程の隕石は輝きが異なっていて、それぞれが独自の軌跡を描いて世界に散らばっていく。
そんな光景を俺、
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「はぁ……はぁ……急げっ!!」
冬休みの間に何度も何度も下見をしたルートを太陽が照らす中、背中のリュックサックを揺らしながら全力で走る。
「くそっ!なんでこんな日に限って目覚まし時計の電池が切れるとかいうテンプレのハプニングが起きるんだよ!!」
少し寒い風が走って熱くなる頭を冷ましてはくれるが、体の方は服に守られていて熱くなる一方である。
『この度なんと2年前世界大会で──』
都市の広告として使われている大型のテレビには2年前に世界大会で優勝したチャンピオンが何かのテレビ番組に出るようで、何時もであれば気になって立ち止まるのだろうが今はそんな余裕さえない。
高層ビルが建ち並ぶ中を走り抜けて、行き当たりの信号を渡り右へと曲がる。すると、そこには『ようこそ!天野商店街へ!』とかかれた大きな看板があり、自分を迎えてくれる……のだが、それを華麗にスルーし、商店街内を突っ走る。
商店街を抜けて、大きな環状交差点へ出ると信号は青から赤へとかわる瞬間であり急いで渡るが中程で赤色へと変わってしまったのだが
「真ん中まで来たからセーフって事で1つ!!」
そう叫びながら歩道を駆け抜ける。
途中クラクションをならされるが遅れたらヤバイから今日ばかりは見逃してほしい、とスピード違反車のドライバーみたいな言い訳を心の中でするが、事実今日ばかりは遅れる訳には行かないのである。
交差点を抜けてビルとビルの間を進むとそこには辺り一面の海……ではなく湖。
岸の方へ渡るために車が通って来ていないかを軽く確認してから道路を横切り、すぐそばにあるフェリー乗り場へと急ぐ。
乗り場の受付の女性に学生証とこれから向かう場所から配布されたチケットを見せると「頑張って下さい」とスマイルを返された、ヤバイ惚れそう……じゃなくて!
時刻を見るともう出港する3分前で、慌てて乗り込む。
危ない危ない……。
──さて、周りを見てみると色や形違えど、どこもかしこも学生服だらけ。雰囲気もギラついているのが多くて息がし辛いのは気のせいだろうか?
ポケットから端末を取りだし、仲間達に何処にいるのかを聞いてみると4階の屋上にいるらしいので、階段を1段飛ばしで上がっていく。
4階へと上がってくると流石に人が少なく、比較的早く四人席の丸テーブルへ座る2人を見つけることができた。
向こうもこちらに気付いたのか、片方は手を振ってここだということを示す……もう片方はこちらを見た後、再びテーブルへと視線を戻したが。
そんな二人に近づいて挨拶を交わす。
「よっ
そう言って4人席の余っている2つの席の内、2人の少年に挟まれる位置にある手前の席へと腰をおろすと同時に先に座っていた2人の内金髪に黒のメッシュが入った人の良さそうな少年─
「随分と遅かったな?ナンパでもしてた?」
「馬鹿言うなよ、これから本番だってのにそんなことしている暇ないだろ」
「えー、本当かなー?オマエモテルシナー」
「棒読みで言っても意味無いぞ」
そう竜堂とやり取りを繰り広げていると、右隣に座っていた鋭い三白眼に濃い隈を作っているボサボサの銀髪を持つ、竜堂とは正反対の暗い印象を受ける少年─
「……そもそも遊真にナンパなんて出来るわけ無い」
「あ、そっかー」
「おい、「そっかー」ってなんだ「そっかー」って!」
思わず先程腰かけた椅子から立ち上がり抗議するが、大きな声を出しすぎたのか、周りから睨まれてしまい、居心地が悪くのと共に謎の罪悪感にかられて小さく文句を呟きながらしぶしぶ再度椅子に座ることにした。
そんな俺を見て竜堂は口を押さえて笑いを堪え、桐久はハァ……と呆れたようにため息を付きながらポリポリと頭を掻いた。
印象だけでなくその対応すら正反対の自分の友人を見た俺はなんだか怒る気が失せてしまい桐久と同じくため息を付く……まぁ、桐久よりは浅かったが。
場が一旦落ち着いたと思ったのか「なあなあ」と、竜堂が机に身を乗り出してまるでこれから内密の話をしますよと、言わんがばかりに真剣な顔をしながら声を小さくして喋り始める。
「それよりさ、知ってるか?去年の合格者数」
「いや、知らないけど?」
俺達がこれから受けに行く場所、ネオ・デュエルアカデミア──通称NDAは最難関のデュエリスト教育機関として有名であり、プロデュエリストを目指す学生ならまず真っ先に試験先として選ぶであろう最高峰の学舎。
その知名度はバラエティ等は勿論の事、新聞やニュース、果てには報道番組にもその名がではない日は無いと言っても過言ではない程。
しかし、それほど大衆に認知されているにも関わらず、その詳細は知られておらず、世に出ている情報と言えばせいぜい一握りであろう構内施設の紹介や授業についての大まかな方針と学園行事の内容に加えて、学園長と代表的な教員の顔写真と名前くらいである。
卒業生もそれは沢山居るのだが、皆口を揃えてアカデミアの詳細を語ることはない。
ただ詳細を語ることは無いだけで、アカデミアでの楽しい思い出や辛い経験。それらを踏まえた上での自分のアカデミアへの評価等は各々がしているので、アカデミアはそれを許容しているらしい。
さて、ここまで情報が少ないのだが、俺達がいま向かっている入学試験も情報が開示されていない一つであり、試験の内容は当たり前だが、合格者数なども一切世に出た事がないのである。
後者は単に不合格になった人物の名誉を守るためだったりするらしいのだが、一部の人は「合格者は経歴や賄賂等で決めている!差別だ!」なんて言っているらしい。
それに対してアカデミアの返答は
『ご自由に仰って下さい、その発言こそが人を格差でしか見ていない差別だと思わないのならですが』
だったのだが、これによって当時はかなりの数が居た反論意見も鳴りを潜めたらしい。
……ちょっと話が逸れたけど、そんな設立当初から1度も漏れたことのない入学試験の合格者だが、それがどうかしたのだろうか?
そんな自分の疑問に対して竜堂は小さかった声を更に小さくして答える。
「去年の受験者が約1万人、合格したのは約200人程って言われているらしいぜ」
「……どこから手に入れたんだよ、そんな情報」
そう、先程も言ったがアカデミアの情報は今日に至るまで漏れたことはない。それっぽい情報はネットの海に幾らでもあるが、それら全てデマだと言われている。
訝しげに見つめ返す俺に対し、得意気な笑みを浮かべた竜堂は声は小さくしたまま答えた。
「いや、ネットで去年のアカデミアの受験者を実際に計測した人物が居たらしくてな?」
「どんな暇人だよそいつは……」
「それは否定しない。でだな、そいつが言うには朝から計測した所俺達のようにこの船に乗ったのが約3万人……そしてその日から1ヶ月後くらいに入学者と思わしき人達が試験当日と同じように船に乗っていったらしく、その時の人数が数え間違いがなければ102人だったそうだ」
「マジかよ……?」
それが真実だとしたらかなり確証性の高い情報じゃないだろうか?というか、そもそもアカデミアはそこら辺の防御は甘いんじゃないでしょうか?
……いやでも数万人来るのであれば数えるのも億劫だし、そもそもそんな考えに至った所で実行する馬鹿はまずいないだろう……実際に居たんだが。
俺がそんなことを考えていたら、黙って居た桐久がため息を付きながら口を開いた。
「……情報が消されていない以上確証があるとは言えない」
「と、言いますと?」
「本当にアカデミアの正しい情報ならアカデミアが真っ先に消す……まぁ、消されてないってことはその情報がデマか、あるいは公表されてもさして困らないって事になると思う」
成る程、確かに桐久の言うとおりかもしれない。
というかそもそもの話合格者の数くらいは分かっても問題は無いだろうし……多分。
自分の言い分に納得している俺と竜堂を見た桐久は本日何度目か分からないため息を付き、その初見の人物には高確率で悪い印象しか与えない三白眼で睨みながら呟く。
「これくらい判断できないとダメ……それに、去年の合格者数なんて知ったところで、どうしようも出来ない」
「ま、まぁそれはそうだけどさ……」
桐久のもっともな言葉に話題を切り出した本人である竜堂は少し居心地が悪いのかゴニョゴニョと聞こえないような声で言い訳だろうか?何かを呟く。
ちょっと可哀想なので、少しだけフォローをしておくとしよう。
「まぁまぁ桐久、竜堂だって緊張してるし話すことで緊張を和らげたかったんだろ」
「分かってる……それでも、話題選びはもう少し考えるべき」
「返す言葉もございません……っ!!」
俺のフォローも空しく、逆に竜堂のメンタルにダメージを与えることになってしまった。
すまん竜堂っ!!
そんな風にやり取りをしていると船に備え付けのスピーカーからピンポーンと軽快な音が鳴り、若い男性の声でアナウンスが流れてきた。
「まもなく本船は試験会場であるネオ・デュエルアカデミアに到着致します。受験生の皆様は降りる用意を始めてください」
それを聞いて周りの生徒が慌てて机の上に広げていたデッキ等を仕舞っているのを見て、デッキの最終確認をしていなかった事を思い出した。
慌てて2人にもその事を伝えたら、2人とも
「ん?デッキの確認?出てくる前にもう済ましてるから問題ないぜ!」
「竜堂と同じく終わってる……というか、そもそも昨日の内に終わらしておくべき作業」
とのことで、昨日の夜遅くまでデッキは練ってはいたが改めて確認はしていなかった。
慌てて腰のデッキケースを取りだしカードに目を通して確認する。そんな俺を見て竜堂はケラケラと笑い、桐久は観測した限り本日5度目のため息を付いたのだった。
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そして俺がデッキの確認を終えてケースへ戻そうとした時、船が停船した。俺はその揺れで手元からカードを落としてしまい、床にぶちまけてしまう。
二人はもう既に下に降りる列に並んでしまっていたようでその姿はない、なんて薄情な奴等だ。
桐久ではないがこれから試験会場だと言うのに気分が沈んでしまい、ため息を付いてしまう。
そうしてしゃがみこんで床に散らばったカード達を拾っていると頭上から声が聞こえた。
「あ、あの……手伝いましょうか?」
「え?」
そう思い頭をあげるとそこには黒髪に龍と鳥が刻まれた銀のヘアピンをしたおとなしそうな少女がおり、少し怯えたようにこちらを見ていた。
少しして目の前の少女が言っていた事を頭が理解し、慌てて言葉を発する。
「あ、えーと、そのー……はい、お願い、します……」
「あっ、わっ、分かりました!」
しどろもどろな返事になったことに顔が赤くなるのが体温で分かり、少女をそのまま見ることができず下を見てカードを拾うのに集中しようとする。
1人でも時間はそこまでかからなかっただろうが、やはり2人だとその時間は更に速く終わった。
「はい、どうぞ……」
「あ、有難う御座います……」
なんだこれは。いやなんか妙に気恥ずかしい。
この空気をどうしようかと頭の中で必死に考えていると、目の前の少女が先に口を開いた。
「お、降りませんか……?」
「え?あ、はい!そうですね!」
予想外の事で思わず声が上ずってしまった、スッゴい恥ずかしい。だが、それが幸を制したのか目の前の少女はクスクスと小さく笑った後に下へと続く階段の元へ向かい、いざ降りようとするところで此方へ振り替えった。
「今度は落とさないようにしてくださいね、カードが泣いちゃいますよ?」
そう言うと少女はそのまま下へ降りていった。
少しの間呆けていたが、ハッと意識を取り戻し試験開始時刻が近づいているのを携帯の通知で知らされ、慌てて船を降りた。
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「随分と遅かったな?ナンパでもしてた?」
「その台詞2度目だぞ」
「キャパシティ不足」
「うっさいわ!……さっさと行こうぜ」
アカデミアの門の前で待っていた2人と合流するや否や船上と同じ台詞を吐く竜堂にツッコミを入れると、それに便乗して桐久もツッコミを入れる……若干桐久のは鋭すぎた気もするが。
そんなツッコミに対して投げやりな反応を返し、先に歩き出した竜堂に続いて俺と桐久も止めていた足を動かした。
入り口で受付を済ませて、各々が自分に割り振られた番号に決められた場所へ向かうことになる。
どうやら俺は二人とは別のグループになったようで、各会場への入り口で別れ、それぞれの会場へと向かう事になる。
テレビや雑誌でも見たことのある半ドーム状の講義室に案内され、指定された自分と同じ番号の席に腰をかける。すると左の1つ席を開けた所へ見覚えのある姿が座っていた。
黒髪に龍と鳥を刻んだ銀のヘアピン。
先程船上でカードを拾うのを手伝ってくれた少女がそこに居た。
ボーッと見ていると向こうもこちらの視線に気付いたようで此方を見る、すると此方の顔を覚えていてくれたのか小さく手を振ってくれたので、こちらも軽く手を振り替えしておいた。
うん、元気が出た。
現金だって?いやいや、男子諸君よ、女子から手を振られて元気のでない奴なんていない……と思いたいな、うん。
そんなこんなで改めてデッキやらを確認していると試験官らしき人が入ってきて試験開始前の注意と筆記用具の準備をするように言ってきた。
どうやら最初は筆記試験のようで、俺を含めた全員が準備を終えると、補佐の役目だろうか黒いスーツを着た数人がそれぞれ問題用紙を配って行った。
黒スーツが全員に配り終えたのを確認した試験官は試験の開始時刻から問題数や解き方等を説明していく。
そして全てを説明し終わると時計を確認し、試験開始時刻までの時間を確認し、10秒前になるとカウントを始める。
「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1…始めてください」
その言葉が発せられると同時に自分の机の上から、そして試験会場全体から紙を捲る音が聞こえる。
問題はデュエルモンスターズの裁定に関して20問、テーマについての問題が29問、そしてラストの記述問題が1問と比較的基礎的な問題から応用的な問題までがあり、中々に難しい。
試験が開始してから約40分程たった頃だろうか、遂に50問目になると、その問題の内容に思わず声が出そうになった。
第50問
以下の条件に全て当てはまるカード名と、またそのカードを選んだ理由を答えよ。
・現在のレギュレーションで比較的達成可能な召喚条件を持つ。
・単体で自分のターンから数えて2ターンで2枚以上の安定した墓地肥やしが出来る。
・最上級モンスター。
……はい?
ちょーーっと情報が少なくは無いですかね?
最後の最後になかなか厄介な問題がやって来たな……取り敢えず、時間がかかることは確実だ。
なら、先に他の問題の見直しをしてから挑もう。
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──
──全くわからない。
なんだ?まず墓地肥やしという観点からまずライトロードの【
次にトワイライトロードの【
【エルシャドール・ネフィリム】も考えたが、そもそも前提条件で融合や他の融合素材モンスターを使ってしまっている時点でアウトだ。
……分からない、下級で該当するかもしれないモンスターも思い付くのは思い付くが、この条件にある最上級モンスターがそれを許さない。
──最後の最後にとんでもないのをアカデミアは用意して来たな。
最上級……2ターンで墓地肥やし……ん?墓地肥やし……。
あくまでも墓地にカードを送ることがこのカードは出来るという事だろ?なら、もっと別のところに答えがあるんじゃないか?
それから試験終了時刻ギリギリになって俺は答えを用意できた。
これで間違いなら俺はちょっとヘコむぞ……だが、もし間違いならそれこそ最高峰のデュエリスト教育機関と言うことだ。
改めて他の回答を見直していると終了時刻が来たのか、試験官が終了の一言を告げて、黒スーツの人達が後ろから回収に来た。
全ての回答を集め終えた黒スーツ達は退出していき、それを確認した試験官は口を開く。
「皆さん筆記試験お疲れ様でした。続いて実技試験へと移らせて頂きます」
筆記試験で頭を使った後に実技試験とは。
あの二人なら問題ないだろうが、頭を使うことが苦手な俺としては正直勘弁して欲しいが、それでも3人で入学すると決めたのだからやるしかないだろう。
そんな俺を余所に試験官は試験の内容について説明を始める。
「試験は別会場の試験官との1対1のデュエルとなります。いま手元にある番号の順に試験会場へと向かっていただきます」
「例えばこの会場では1001番から始まりますので1001番の方はEの会場へ、1002番の方はFの会場へと向かっていただくようになります。そして始めに各会場へと2人ずつ向かって頂き、前の方が終わりましたら5分後に試験官とデュエルしていただきます……まぁ、そこの動きは会場の別のスタッフがしてくださるのでご安心下さい」
そう言うと、試験官は番号を読み上げて行く。
どうやら横一列が同じ会場のようで、自分の背後に他の生徒はいない……つまり最後辺りになると言うことだ。
そして、試験官は呼ばれるまでは自由にして良いと言うことで改めてデッキを確認する。
抜けているカードは……ないな。
今のこのデッキで勝てるかは分からないが、やるしかないだろう。
机にカードを広げて改めて自分の戦術を見直していると、隣のあの黒髪の女子生徒が話しかけてきた。
「あの……筆記試験、どうでした?」
「え?ああ……まぁまぁですかね?」
「へ、へぇ…そうですか」
……か、会話が続かない!
いやいやなんで話しかけてきたの?いや本当に俺女子と話したことなんて殆ど無いから困るんだけど!?
嬉しいけどね!めっちゃ嬉しいけどね!!
お、おお落ち着け!落ち着けよ夢宮 遊真(15)!!実技試験の前なんだ、落ち着いて行こうじゃないか。そう、あくまでも向こうはさっき知り合った人が隣にいたから話しかけてきただけなんだから。
冷静に……冷静に……
「あ、あのー」
「ひゃんでしょうか?」
もうやだ死にたい。
なんで噛むんだよ俺!そこは普通に返すべきだろ!もうまじで女子と会話するの無理じゃないのか?
アイツならまだ普通に話せたんだろうけどな……。
すると落ち込むを見て、何を思ったのかその女子生徒は船の時同様にクスクスと口に手を当てて静かに笑いだした。何?最近は前にした言動と同じことをするのが流行ってるの?
そんな俺の心境を知ってか知らずか笑い終えた女子生徒は、1度息を整えてから口を開く。
「そう言えば自己紹介してなかったですね。私は
「えっと……じゃあ俺もだな。俺の名前は夢宮 遊真って言います」
「宜しくお願いします、夢宮さん」
「あ、ああ……こちらこそ宜しくお願いします龍風さん」
俺がそう言うと龍風さんが手を差し出してきた……えっと?これはどういう意味で?
「えっと……これは?」
どうやら口に出ていたようである。
それを聞いた龍風さんは少し顔を赤らめながら慌てて弁明するように話し始める
「あ、これは、えっとですね……宜しくお願いしますって意味の握手なだけで、変な意味はっ」
「あ、あー分かりました、分かりましたから大丈夫です」
「そ、そそそうですか……」
慌てながらも差し出してきた手を引っ込める気は無いようなのでこちらから手を握り返す。
握った後に龍風さんがそのまま腕を軽く上下に振りながら口を開く。
「お互いに頑張りましょうね、夢宮さん」
「ああ、絶対に合格しましょう」
そう言い握っていた手を放す。
浮かれるのはこれで終わりだ、彼女だってここに受かりたくて来たんだろう……なら、これ以上は迷惑になるかもしれない。
それに自分だって受かるかどうか怪しいんだ。
集中しろ……集中だ、集中。
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そして、遂に俺の番がやって来た。
俺の前の人は入ってから数分で終わってしまったようで、それは受験生が強かったのか……それともその逆か。
息を整えて開いたゲートへ向けて歩を進めて、ゲートをくぐる。
目映い照明の光の次に目に入ってきたのは先程の教室とは違い完全なドーム状の部屋……いや、観客席が用意されてるところを見ると、どちらかと言えばコロッセオをイメージさせる。
そんな部屋の中心にある1段高く作られた円状のステージの上に1人の人物が立っていた。
俺がステージへと上ると、その人物は閉じていた口を開いた。
「やぁ、君が次の受験生だね」
「まぁ、そうですね」
「おっと、冷たい反応だ」
寧ろこれにどう反応しろと。
今の自分は受験生……目の前の試練に挑むチャレンジャーでしかないのだ。
「まぁいいや、じゃあ準備は出来てるかな?」
そう言いながら目の前の青年は腕に付けたデュエルディスクを腕ごと持ち上げてこちらに見せてくる。
デュエルディスクには既にデッキがセットされており、向こうは既にやる気だということが伝わってきた。
それに応じるように俺もディスクにデッキをセットして同じように持ち上げる。
「大丈夫ですよ」
「そうかい……じゃあ名乗るとしよう、こう言うのはその場のノリってのが大事だからね」
舞台役者のようにディスクを付けていない右手を胸に当て、1度息を軽く呼吸をした後にこちらを強く睨む。
「僕の名前は
「俺の名前は
最後まで読んで頂き本当に有難う御座います。
次回からデュエルとなります。
ややこしくならないように気を付けはしますが、どうしても展開の都合上ややこしくなってしまうかも知れませんので、先に謝罪しておきます。
本当に申し訳ありません。
次回はTwitterで募集した際に人気だったあるテーマとの戦いになります。
たぶん好きな方も多いのではないかと思うので上手く魅せれるように努力したいと思います。
では、また次のお話で。