遊☆戯☆王 Return of Legend   作:黒夢羊

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どうも皆様、黒夢羊です。

今回からデュエル回ですが、本作品ではリンクを使用するために場所の位置が重要となってきます。
ですのでフィールドの表記を考えました。

(A)(B)(C)(D)(E)
(a)(b)(c)(d)(e)

やっつけ仕事ですが、大文字がモンスターゾーン、小文字が魔法・罠ゾーンとなります。
この並びはプレイヤー側から見た時の並びですので、対戦相手の(B)の列とプレイヤーの(D)の列は同じとなっています。
またEXモンスターゾーンは(EXB)と(EXD)がありますが、これはそのモンスターを特殊召喚したプレイヤー側からの位置になりますのでご注意下さい。

まぁ、分からなくても流れでデュエルを楽しんでいただければな……と思います。


それでは、本編へどうぞ


フェイズ002 絶体零度

「じゃあ先攻か後攻、好きな方を選んでくれるかい?」

 

そういうと氷月(ひづき)さんは右手を腰に当てながら、口に笑みを浮かべながらそう言う。

 

「俺が選んでも良いんですか?」

「そういう決まりだからね……『相手のデッキを受け止めてこそ試験官!』っていう学園長からのご命令さ」

 

先攻後攻はデュエルに置いて重要な要素である。

それを相手に決めさせると言うことは自分が不利な状況へと追い込む事になるのだ。

本来ならば平等にコイントス等で決めるのだが、生憎これは自分の今後が決まる試験なので喜んで提案に乗らせてもらおう。

 

「じゃあ先行を頂きます」

「分かった、じゃあ君の先攻で始めよう」

 

 

「「決闘!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

●Turn1

 

 

「俺のターン!」

「モンスターを1体、カードを2枚セットしてターンエンド!」

 

遊真:LP8000

手札 2枚

フィールド

 

モンスター

セットモンスター(C)

 

伏せ

???(a)

???(c)

 

 

 

 

 

 

 

●Turn2

 

 

「僕のターン!ドロー!……さて、スタンバイフェイズに何かあるかい?」

「いいえ、何もないですよ」

 

ドローしたカードを手札に加えながら遊真に問いかける氷月。問いかけられた遊真は首を左右に振りながら何もないの意を示す。

 

「そうかい?思ったよりも静かな動き出しだからちょっとビックリしたよ」

「俺、ソリティアっていうのはあんまり得意じゃなんで」

「偶然だね。僕もソリティアは少し苦手でさ……さて、メインフェイズだ」

 

氷月のその言葉に身構える遊真。

そんな遊真を気にする様子もなく氷月は手札を一枚取り出す。

 

「僕は手札から【E・HERO(エレメンタル・ヒーロー) ソリッドマン】を通常召喚!そしてそのままソリッドマンの効果を発動!」

「HEROデッキか!」

「半分当たりで半分外れ!!効果で手札から【HERO】を1体特殊召喚できる!僕は【E・HERO リキッドマン】を特殊召喚するよ!」

 

 

【E・HEROソリッドマン】(B)

土属性 ☆4 効果/戦士族 ATK1300 DEF1100

 

【E・HEROリキッドマン】(D)

水属性 ☆4 効果/戦士族 ATK1400 DEF1300

 

 

「そして僕は手札から魔法(マジック)カード【超越融合(ちょうえつゆうごう)】を発動!ライフを2000支払って自分フィールドのモンスター2体で融合召喚を行う!」

 

氷月:LP8000→6000

 

「僕は【ソリッドマン】と【リキッドマン】で融合召喚!!」

 

土と水、大地と命を形成する属性を宿した2人のHEROが、混ざり合い1つの渦となって目映い光を放ち、その光を浴びながら氷月は両手を合わせて高らかに叫ぶ。

 

「硬質の英雄と流動の英雄。相反する2つの魂が新たなる英雄の日の出を迎える光となる!来い!【E・HERO サンライザー】ッ!!」

 

『オオオオオッ!!』

 

氷月の叫びに光の中から現れた日の出の英雄─【サンライザー】が力強く答える。

 

 

【E・HERO サンライザー】(C)

光属性 ☆7 融合/戦士族 ATK2500 DEF1200

 

 

「早速来ましたね!融合HERO!」

「まだまだ行くよ!まずは融合召喚した【サンライザー】の効果を発動!そしてそれにチェーンして融合素材になった【リキッドマン】の効果を発動!!」

 

 

『チェーン』

サンライザー①効果→リキッドマン②効果

 

 

「デッキから2枚ドローして、その後手札を1枚捨てる、僕は【置換融合(ちかんゆうごう)】を捨てるよ」

 

(リキッドマンで消費した手札を回復しながら捨てたカードは置換融合……たしか墓地でも発動する効果を持っていたはず……無駄がないな)

 

「そして【サンライザー】の効果でデッキから【ミラクル・フュージョン】1枚を手札に加える」

 

ディスクに装着されたデッキからカードが1枚頭を除かせ、そのカードを氷月は引き抜き手札に加える。

そしてカードを引き抜かれたデッキら自動的にシャッフルを行う。シャッフルを確認したヤマトは再びデュエルを再開する。

 

「僕は墓地の【超越融合】の効果を発動!このカードを除外し、このカードの効果で融合召喚したモンスター1体を選択する。勿論選択するのは【サンライザー】!」

「そしてその選択したモンスターの融合素材一組が墓地に揃っていれば、その一組を自分のフィールドに特殊召喚出来る!!還ってこい【ソリッドマン】!【リキッドマン】!」

 

氷月の場に先程融合素材にされた2体のHEROが現れる。その光景を見ながら遊真は表面上は何てことない顔をしているが、その実内心では試験官である彼の実力に舌を巻いていた。

 

(HEROの初動はファリスやヴァイオンが主流だけど、その2枚を使わずにE・HEROだけでここまで……)

 

遊真がそう考えていると、不意に氷月が口を開いた。

 

「ファリスやヴァイオンが無いのに……とか思ったかい?」

「はい!E・HEROだけでここまで展開できるのは凄いと思いました!」

「……そっか」

 

遊真の称賛の言葉を聞いて氷月は嬉しそうな……しかし何処か悔しそうな、何とも言えない複雑な表情を浮かべる。

それを不思議そうに見つめる遊真に気付くと、その表情を消して先程と同じように穏やかな笑顔を浮かべ、デュエルを再開する

 

「あ、ごめんごめん……それで続き、良いかな?」

「はい、大丈夫です!」

「よし……じゃあ行くよ!アローヘッド確認!召喚条件は「HERO」モンスター2体!僕は【ソリッドマン】と【リキッドマン】の2体をリンクマーカーにセット!」

 

氷月の言葉に従うように空中に四方八方に9つの矢印を持つ正四角形のゲートが現れ、ソリッドマンが鋼色、リキッドマンが淡い水色の光となりゲートに描かれている上と下の矢印へそれぞれが吸収されていく。

 

「リンク召喚!リンク2【X・HERO(エクストラ・ヒーロー)ワンダードライバー】!」

 

ゲートが輝くのとほぼ同時に、ゲートの中心から真紅の燃え上がるサンライザーとは違い、落ち着いた球碧色の体に、萩色に光るバイザーを付けた仮面のHEROが現れる。

 

 

【X・HERO ワンダー・ドライバー】(EXB)

光属性 リンク2 リンク/戦士族 ATK1900 リンク先(上、下)

 

「【サンライザー】の永続効果によって僕のフィールドのモンスターは僕のフィールドの【HERO】の属性の種類×200ポイント攻撃力をアップさせる」

 

 

【E・HERO サンライザー】

ATK2500 → 2700

 

【X・HERO ワンダー・ドライバー】

ATK1900 → 2100

 

 

「そして、サンライザーの効果で手札に加えた【ミラクル・フュージョン】を発動!!」

「僕は墓地のソリッドマンとリキッドマンを除外して融合召喚!!」

 

2体のHEROが底無しの闇の空間へと飲み込まれると、暗闇は次第に光を放ち始め、その光は青白く、そして冷たい冷気を帯びる。

 

「流動の英雄よ、今硬質の英雄の力を見に纏い全てを凍らす絶対零度の英雄へと生まれ変わり、僕に力を貸してくれ!!」

 

氷月の言葉に頷くように暗闇から放たれる冷ややかだった光は段々と温度を下げていき、やがて絶対零度の吹雪へと変わる。そして彼は右手を前に突き出し、叫ぶ。

 

「来い!僕のマイフェイバリットヒーロー!【E・HERO アブソルートZero】!!」

 

異次元へと繋がる穴から飛び出る絶対零度のHERO。

彼がフィールドに降り立つと、その周囲がそして現れたのゲートが凍りつき、砕ける。

砕けた氷は試験会場のライトに照らされながら輝く、それはさながらダイヤモンドダストのよう。

こんな時でなければその景色の美しさに見惚れしまうだろう……それだけ、あの絶対零度のHEROの存在感があるのだ。アブソルートZeroの威圧感に呑まれかけていた遊真の意識を呼び戻したのは他でもないそのアブソルートZeroを呼び出した氷月だった。

 

 

【E・HERO アブソルートZero】(B)

水属性 ☆8 融合/戦士族 ATK2500 DEF2000

 

 

「自身のリンク先に【HERO】モンスターが特殊召喚された為、【ワンダー・ドライバー】の効果を発動!」

「っ!?」

「墓地にある【融合】または【フュージョン】魔法カード、もしくは【チェンジ】速攻魔法カード1枚をセットすることができる……僕は【ミラクル・フュージョン】をセットさせてもらうよ」

 

ワンダー・ドライバーが持つ杖の先端が青白く輝き、その輝きの中からミラクル・フュージョンが呼び出され、フィールドにセットされる。

 

「さて、準備はこれくらいにしてバトルフェイズに入らせて貰うかな」

 

(このまま攻撃されたら最低でも5000は貰ってしまうか……それはちょっとヤバイな。ならここで賭けに出るしかない!)

 

「メインフェイズ終了時、罠カードを発動!【天地開闢】!!」

「おっと、流石にそうやすやすと通してはくれないか……」

「デッキから【カオス・ソルジャー】モンスターもしくは【暗黒騎士ガイア】モンスターを含む戦士族モンスターを3枚選択し、相手に見せる」

 

デッキをディスクから引き抜き、広げる。そしてその中から3枚を引き抜き、再びデッキをディスクへと戻す。

デッキを再認識したディスクはデッキを自動でシャッフルし、シャッフルが終わったことを電子音で知らせる。

それを聞いた遊真は選択したカードをヤマトに向けて見せる。

 

「俺が選んだのは【聖戦士カオス・ソルジャー】【混沌の使者】【ネクロ・ガードナー】の3体。そして、ヤマトさんにはこの3枚から1枚ランダムに選んでもらいます」

 

そう言うとソリッドヴィジョンにより浮かび上がった3枚のカードは裏返り、妖しい光を放った後に1度消え、数秒後に再びその姿を表す。

 

「そして、氷月さんが選んだカードが【カオス・ソルジャー】もしくは【暗黒騎士ガイア】モンスターだった場合、そのカードを手札に加えて残りを墓地に送ります」

「じゃあそれ以外だったら?」

「3枚全てを墓地に送ります」

 

(ネクロ・ガードナーは墓地にある自身を除外して攻撃を1度防ぐカード……そして何を選んだってネクロ・ガードナーは必ず墓地に送られるから、絶対に攻撃を1回防がれる訳か……)

 

中々に上手いことをするな、と心の中で目の前の少年に称賛を送る。従来であれば全てカオス・ソルジャーか暗黒騎士ガイアにし、必ず手札に加える方法を取るだろう。しかし、この少年はそれを防御手段として活用したのだ。

自分には出来ない発想だ、試験官という立場上駄目だと分かっているがそれでもワクワクが止まらない。

 

「じゃあ、真ん中を選択しようかな?」

 

そう言って3枚のうち真ん中のカードを指差すと、選ばれたカードが反転し正体を表す。

そのカードは……

 

「選択されたのは【聖戦士カオス・ソルジャー】、よって残りの2枚を墓地に送ります」

 

ソリッドヴィジョンによって写し出されたカードは陽炎のように揺らめきながら消えて行き、遊真も聖戦士を手札に加えて、残りの2枚を墓地へと送る。

 

「この場合は……アタリって言った方が良いのかな?」

「さぁ、どうでしょうね。取り敢えず俺ができるのはここまでです」

「そうかい?なら遠慮なく行かせてもらうよ!改めてバトルフェイズ!!」

 

氷月の宣言と共に3体のHEROが各々の戦闘体型を取り始める。

 

「まずは【ワンダー・ドライバー】でセットモンスターに攻撃!そしてこの時【サンライザー】の効果を発動!」

「何だって!?」

「【サンライザー】以外のHEROが攻撃をする時、フィールドのカードを1枚破壊する!僕はセットモンスターを破壊!!」

 

サンライザーの両腕に付けられた半月状の装甲から2発の光弾が放たれ、セットされていたモンスターを破壊する。

 

「ぐっ!」

「これで君を守るモンスターはいないね……じゃあ改めて行くよ!ワンダー・ドライバーでダイレクトアタック!」

「【サンライザー】の効果によって攻撃力は2300!」

 

『ハァァァァ!』

 

ワンダー・ドライバーの杖が再度輝き、オーラを纏い光の剣へと変わり、その光の剣で天城を切りつける。

 

「くっ!」

 

遊真:LP8000 → 5700

 

「更に【サンライザー】でダイレクトアタック!自身の効果で攻撃力は2900!」

 

『オオオオッ!!』

 

サンライザーが天高く飛び上がり、遊真に向かって高高度からの飛び蹴りを行う。

 

「ぐううッ!」

 

遊真:LP5700 → 2800

 

「最後に【アブソルートZero】でダイレクトアタック!攻撃力は2900!」

 

『ハァッ!!』

 

右腕を氷の剣へと変化させたアブソルートZeroが遊真へトドメを刺そうと切りかかる。

 

「そうはさせない!墓地の【ネクロ・ガードナー】の効果を発動!!このカードを除外してそのモンスターの攻撃を無効にする!」

 

墓地のネクロ・ガードナーを除外するとネクロ・ガードナーの幻影が現れ、遊真を庇うようにアブソルートZeroの前へと立ちはだかるが、それを絶対零度のHEROは容赦なく一刀両断する。

 

氷の剣を振るったことにより発生した冷気が遊真を問答無用で襲う。その冷気の寒さに耐えながら生き延びた事に遊真は安堵の息を吐く。

 

「うーん、やっぱり防がれるか……流石にワンターンキルは難しかったかな?僕はバトルフェイズを終了。メインフェイズ2へ移るよ」

 

怒濤の展開を繰り広げていながら録に減った様子を見せない手札を眺めながら、そのうちの1枚をディスクに差し込む。

 

「僕はカードを1枚セットしてターンエンド……さぁ、君のターンだよ」

 

その表情は優しそうな色を残しているが、目付きは完全に戦いに飢える決闘者の目そのものであり、彼が試験官に選ばれたのも頷ける。

 

 

 

氷月:LP6000

手札 3枚

フィールド

 

モンスター

ワンダードライバー(EXB)

アブソルートZero(B)

サンライザー(C)

 

伏せ

ミラクルフュージョン(a)

???(d)

 

 

 

 

 

●Turn3

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

「スタンバイフェイズからメインフェイズへ」

 

改めて相手のフィールドを眺める。

3体のHEROに正体不明のセットカードが1枚、そして戦闘破壊しようにも攻撃力がアップして2900以上無いと相討ちすら難しく、かといって最低でも4体は並べないと次のターンで総攻撃をくらいゲームエンド。

 

……更に厄介なのはアブソルートZeroだ。

HEROというデッキについてあまり詳しくない自分ですらあのHEROの事は知っている。かつて世界大会で史上初の2連覇を成し遂げた伝説のHERO使い音郷(おとざと) (かえで)……その人が使っていたHEROの1体だ。

 

あのHEROが進化を発揮するのは自身がフィールドから離れた時、その身1つで相手のモンスターを全て道連れにしようとする文字通り生きるものが居ない世界を作る絶対零度の効果。フィールドから離れることで発動する効果の為に破壊は勿論、除外にデッキや手札に戻す効果を使ったとしてもその効果は発動する。

 

(相性最悪だな……)

 

そう心の中で溜め息を付くが、このターンで何とかしなければ次のターンが回ってこないのだ。

やるしかない。

 

「手札からレベル8の【聖戦士カオス・ソルジャー】を捨てて魔法カード【トレード・イン】を発動!」

「デッキからカードを2枚ドローする!」

 

先程加えたカードを墓地へと送り、手札の交換を行う……まだこれなら何とかなりそうだ。

 

「俺は魔法カード【儀式の下準備】を発動!これによってデッキから儀式魔法【原初(げんしょ)叫喚(きょうかん)】を手札に加え、更にテキストに書かれている儀式モンスター【輝神鳥(きしんちょう)ヴェーヌ】を手札に加える!」

 

自分の予想とは違ったカード名が出たことにより、氷月は目を見開く。驚き半分興味半分の内心は混ざりあって更なる興奮を呼ぶ。

 

「へぇ……【カオスの儀式】じゃないんだね?」

「【カオス・ソルジャー】だと、残念なことに突破できないので」

 

その通りだ。少なくともサンライザーとアブソルートZeroを倒してかつ、フィールドにモンスターを残しておかないと次のターン即死は確実。

 

「儀式魔法【原初の叫喚】を発動!手札のレベル7【覚醒の暗黒騎士ガイア】とレベル1【サクリボー】をリリースして手札から【輝神鳥ヴェーヌ】を儀式召喚!!」

 

手札の2体のモンスターが白く輝き天に昇る。その輝きはやがてオーロラのような光の帯へと変わり、天から地へと何か導く道標へとなる。そしてその光に導かれるように1羽の神鳥がフィールドに降臨する。

 

 

【輝神鳥ヴェーヌ】(C)

光属性 ☆8 儀式/天使族 ATK2800 DEF2000

 

『キュアアアアアア!』

 

 

「そして、リリースされた【覚醒の暗黒騎士ガイア】の効果を発動。そしてそれにチェーンして同じくリリースされた【サクリボー】の効果を発動する!」

 

 

『チェーン』

覚醒の暗黒騎士ガイア②効果 → サクリボー①効果

 

 

「【サクリボー】の効果によってデッキからカードを1枚ドローし、【覚醒の暗黒騎士ガイア】の効果で手札、墓地の【カオス・ソルジャー】モンスター1体を特殊召喚する!俺は墓地の【聖戦士カオス・ソルジャー】を特殊召喚!!」

 

 

【聖戦士カオス・ソルジャー】(A)

光属性 ☆8 効果/戦士族 ATK3000 DEF2500

 

 

「成る程……【覚醒の暗黒騎士ガイア】の効果で特殊召喚するから聖戦士が墓地に送られても大丈夫って訳か……」

「どうなるかは正直賭けでしたけどね!特殊召喚に成功した【聖戦士カオス・ソルジャー】の効果を発動!」

「除外されている自分の【ネクロ・ガードナー】を墓地に戻し、氷月さんの【サンライザー】を除外します!」

 

聖戦士の剣から放たれた剣閃がサンライザーを切り裂き、次元の彼方へと葬る……後はただ、祈るだけだ。

 

「メインフェイズを終了してバトルフェイズ!」

「【聖戦士カオス・ソルジャー】で【ワンダー・ドライバー】に攻撃!」

 

 

【聖戦士カオス・ソルジャー】

ATK3000

VS

【X・HERO ワンダー・ドライバー】

ATK1900

 

 

聖戦士の剣がワンダー・ドライバーの杖ごと一文字に切り裂き、ワンダー・ドライバーが爆発する。

 

「……ッ!やるね!」

 

氷月LP:6000→4900

 

「【聖戦士】がモンスターを戦闘破壊したことで墓地の【混沌の使者】を対象に効果を発動!」

「ならそれにチェーンして破壊された【ワンダー・ドライバー】の効果を発動!」

「何っ!?」

 

 

『チェーン』

聖戦士カオス・ソルジャー②効果 → X・HEROワンダー・ドライバー②効果

 

 

「手札から【HERO】1体を特殊召喚できる!僕は【E・HERO フォレストマン】を守備表示で特殊召喚!」

 

 

【E・HERO フォレストマン】(D)

土属性 ☆4 効果/戦士族 ATK1000 DEF2000

 

 

「くっ、またモンスターが……【聖戦士】の効果で墓地の【混沌の使者】を手札に加える!」

「続けて行け!【輝神鳥ヴェーヌ】で【アブソルートZero】に攻撃!」

 

 

【輝神鳥ヴェーヌ】

ATK2800

VS

【E・HERO アブソルートZero】

ATK2500

 

 

ヴェーヌが高く飛び上がり、急降下を始める。

アブソルートZeroはそれを受け止めようとするがヴェーヌの嘴に腹を貫かれて爆発する……かと思われたが。

 

「【アブソルートZero】がフィールドを離れた事で効果を発動!君のフィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

ヴェーヌの嘴から段々と全身が凍っていく。必死に逃れようとするが一対の白い腕がそれをさせようとしない。アブソルートZeroの体が凍結していき、完全な氷の彫像になった瞬間、爆発する。

爆発したことによって飛び散った大小様々な氷の破片が雪崩のように遊真のカオス・ソルジャーへ襲い掛かり、砕く。

 

「くっ……!!」

 

ソリッドヴィジョンと分かっていたが、その氷の雪崩の勢いに思わず腕で顔を守ってしまう。

雪崩が終わった後に腕を降ろし目を開けると、真っ更になった自分のモンスターゾーンと、その向こうに佇む氷月が映った。

その目は自分と同じくフィールドが壊滅的になったと言うのに、笑顔だった。

 

「……バトルフェイズを終了してメインフェイズ2へ以降、カードを1枚セットしてエンドフェイズ」

「エンドフェイズに墓地の【原初の叫喚】の効果を発動。このカードを除外してこのターン墓地に送られた【輝神鳥ヴェーヌ】を守備表示で復活させる」

 

自分のフィールドに蘇ったヴェーヌを確認すると、大きく深呼吸をする。

 

(1体残してしまったけど、一先ず次のターンにやられるってことはどうにか避けれるか……)

 

「これで俺はターンエンド」

 

 

 

遊真:LP2800

手札 2枚

フィールド

 

モンスター

輝神鳥ヴェーヌ(C)

 

伏せ

???(b)

???(c)

 

 

 

 

 

●Turn4

 

 

「僕のターンドロー」

「スタンバイフェイズに【フォレストマン】の効果を発動、僕はデッキから魔法カード【融合】を手札に加えるよ」

 

(効果で出したモンスターの効果で次の動きを用意する……無駄がない)

 

「いやぁ流石だ、まさかアレを突破されるなんてね……参ったよ」

「まだまだ余裕なのに嘘はやめてくださいよ」

「いや……うん、そうだね。確かに余力は残してる」

「やっぱり「けど」

「これくらいで良いか……なんて君にとって失礼な考えで挑んでしまっていた……まずそれを謝罪させてくれ、すまなかった」

 

デュエル中にも関わらず腰をきっちりと曲げて頭を下げる氷月。まさか頭を下げられるとは思っていなかった遊真は一瞬呆けていたが、慌ててその頭を上げるようにお願いする。

 

 

「え…いやいや、謝る必要なんて」

「いや、謝らなければいけない……そして、先の言葉を撤回させてもらうよ」

 

「撤回」。その一言が気になって遊真は思わず氷月に向かって問い返す。

 

「撤回……ですか?」

「ああ、撤回するよ……余力なんて残さない」

 

遊真のその発言に伏せていた顔を上げ、閉じていた目を開く。その目を見た遊真は言い様の無い寒気を感じた。

それは確実に仕留めるという殺意すら込められていそうな鋭い目。一体どれ程の戦いを経験したらあの目になるのだろうか……。

そうして、固まっている彼へ向けて一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今持てる全力で君を倒させてもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、氷月の雰囲気が一変した。

先程までは、鋭い目をしていてもどこか柔らかい雰囲気が抜けていなかった。しかし、今は違う。

彼のエースであろうアブソルートZeroが放つ冷気のように鋭く、そして冷たい。

 

 

「僕は手札から魔法カード【フェイク・ヒーロー】を発動!この効果で手札から【HERO】1体を特殊召喚するよ……僕が特殊召喚するのは【E・HERO ブレイズマン】」

 

 

【E・HERO ブレイズマン】(C)

炎属性 ☆4 効果/戦士族 ATK1200 DEF1800

 

 

「特殊召喚された【ブレイズマン】の効果を発動!デッキから2枚目の【融合】を手札に加える!」

「アローヘッド確認!召喚条件は【HERO】モンスター2体!僕は【フォレストマン】と【ブレイズマン】をリンクマーカーにセット!」

 

再び氷月の頭上に正四角形のゲートが現れ、そこに2体のHEROが渦となり灰色の矢印へと吸い込まれていく……が、今度は前と異なり下と左下であった。

 

「リンク召喚!現れよリンク2!【X・HERO ヘル・デバイザー】!!」

 

 

【X・HERO ヘル・デバイザー】(EXB)

闇属性 リンク2 リンク/悪魔族 ATK1700 リンク先(左下、下)

 

 

同じ素材条件、そして同じHERO。しかし、今しがたゲートから現れた新たなるHEROは英雄とは程遠い禍々しいオーラを纏っていた。

 

「リンク召喚に成功した【ヘル・デバイザー】の効果を発動!EXデッキの【HERO】融合モンスター見せる!……僕が見せるのは【E・HERO ダーク・ブライトマン】!」

「そして、今見せたカードに記されているモンスターを2枚まで手札に加える事が出来る!これによって僕は【E・HERO スパークマン】と【E・HERO ネクロダークマン】を手札に加える!」

 

(手札の枚数は5、そして手札には2枚の融合とフィールドには伏せが2枚……来るか!?)

 

「僕は手札から【融合】を発動!手札の【スパークマン】と【ネクロダークマン】で融合を行う!」

 

雷撃を放つスパークマンと真紅の体を持つネクロダークマンが混ざり合い金と赤の渦を作り出す。

そして氷月が叫ぶ。

 

「雷撃の英雄よ、死を司る暗黒の英雄と混ざり合い、漆黒の雷鳴を轟かせて僕の勝利を照らせ!融合召喚!【E・HERO ダークブライトマン】!!」

 

『ハッハッー!!』

 

氷月の言葉に従うかのように辺りに黒い雷が落ちると、渦の中から巨大な黄金の翼が特徴的な漆黒のHEROが現れた。

 

 

【E・HERO ダークブライトマン】(C)

闇属性 ☆6 融合/戦士族 ATK2000 DEF1000

 

 

「これが【E・HERO】……!?」

 

ヘル・デバイザー同様先程までのHEROとは正反対のような闇に呑まれたようなHERO。

 

「何を驚いているんだい?僕は手札から【E・HERO エアーマン】を通常召喚して効果を発動!デッキから【E・HERO アイスエッジ】を手札に加える!」

 

【E・HERO エアーマン】(E)

 

 

「そして再び【融合】を発動!僕は手札の【アイスエッジ】とフィールドの【エアーマン】で融合を行う!」

 

先程と同じようにアイスエッジとエアーマンが混ざり合い、今度は緑と青の渦を生み出す。

そして、渦からは次第に風が吹き始め氷月と遊真。二人の服をたなびかせる。

 

「氷刃の英雄よ、いま烈風の英雄の力を纏いて全てを荒らす嵐の英雄へと生まれ変われ!融合召喚!【E・HERO Great TORNADO】!!」

 

氷月に呼ばれたHEROはその名の通り竜巻のように圧倒的なスピードで渦巻く風を従えて渦の中から現れた。

 

 

【E・HERO Great(グレイト) TORNADO(トルネード)】(A)

風属性 ☆8 融合/戦士族 ATK2800 DEF2200

 

「融合召喚に成功した【Great TORNADO】の効果を発動!相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力を元々の数値の半分にする!」

「なっ!?」

 

 

【輝神鳥ヴェーヌ】

ATK2800 DEF2000 → ATK1400 DEF1000

 

 

「続けて僕は伏せている【貪欲な壺】を発動!」

「墓地から【アブソルートZero】【エアーマン】【ブレイズマン】【ワンダー・ドライバー】【スパークマン】の5体をデッキに戻して、2枚ドロー!」

 

氷月のフィールドに巨大な人面の壺が現れ、不気味な笑いを浮かべている。その中へHEROたちが吸い込まれて行き壺が揺れ、その中からカードが2枚が彼の手元へと渡る。

 

「僕は【ミラクル・フュージョン】を発動!!」

「あれら最初に【ワンダー・ドライバー】で伏せていた……」

「そのとおり!僕は墓地の【エアーマン】と【アイスエッジ】で融合!」

 

再び現れた次元の渦の中に2体のHEROが飲み込まれていき、青白い光を放ち始めたその渦は次第に凍り始めていく……遊真はその光景を見たことが……いやつい先程見かけたばかりだ。

 

「まさか……!」

「疾風の英雄よ、氷刃の英雄の力纏い、全てを凍てつかせる絶対零度の英雄となりて再び僕に力を貸してくれ!融合召喚!!」

 

 

それが現れる時、次元の渦は凍り砕け散る。

光を反射し煌めく氷の塵……その光景は幻想的で、しかし遊真にとっては限りなく絶望を知らせる光景でもあった。

 

「来い!【E・HERO アブソルートZero】!!」

 

全てが凍る絶対零度のHEROが再びその姿を表す。

 

 

 

「さぁ……本気でいくよ」

 

 

 

 




今回も最後まで読んで頂き有難う御座います。

HERO強すぎやしませんかね……?
アブソルートZeroが最強と言われていたことにも頷けるような気がします。
次回で氷月さんとのデュエルは一応決着予定となっておりますので、どうかお付き合いください。

ではまた、次のお話で。

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