はい。第5話です。
今回はぶっちゃけちゃうと奈落落下まで突っ切っちゃいました。
途中で切ろうかなぁっと思ったんですが、長さが半端になっちゃいそうで結局最後までやる事に……
結果今回も七千字越えという……まあ1万字越えの方に比べれば三千字も少ないですし?(言い訳)
とまあそんなこんなで、Ready GO!
「気持ち悪い……オェッ!」
「いや初っ端からグロッキー過ぎでしょ!?」
一夜明けて一行は【オルクス大迷宮】へ挑戦していた。
もう既に何層かクリアしているのだが、何やら青ざめた様子のタケル。
「だってお前……あんなん見たら誰かって気持ち悪いやろ……」
「まあ……前衛の天之河君達も顔引きつってたしね。」
その理由は迷宮に巣食う魔物『ラットマン』。筋骨隆々のネズミ型の魔物であり、その出立は控えめに言っても気持ちが悪い。特に小動物全般NGなタケルにとっては地獄以外の何物でもない。
そんなこんなで序盤からタケルが精神的ダメージを受けていると、前衛にいる香織とその友人であるロリッ娘の『
……それはもう跡形もなく。
「何あのグランドジオウがアナザー電王に叩き込んだ必殺技レベルのオーバーキル……」
「見ていない人には分からない例えをありがとう。」
「じゃあダイナマイティングライオンレイダーを中身ごと剥いだメタルクラスタホッパーのような──」
「うん、一旦ライダーから離れようか?」
そんな話をしていると香織達がメルドから注意を受けている。やはりオーバーキル過ぎたらしく、魔物からドロップされる魔石の採取も念頭に入れるようにとの事。
その後も入れ替わり立ち替わりで魔物を倒していき、遂にハジメとタケルの番だ。
「よし、まずはハジメからだな!じゃあコイツを倒してみてくれ!」
そう言うと既にいくらかダメージを受けて満身創痍なラットマンを用意される。万全の状態ではステータスの低いハジメには危険と判断したのだろう。物凄く微妙な顔をしながらハジメが前に出る。
「“錬成”」
その瞬間、地面に穴が開きラットマンが落下する。何やら悲鳴が聞こえたのでメルドが穴を覗いてみると、無数の岩が突き出してラットマンを串刺しにしていた。
「ほう、錬成は鍛治に奴立つとだけ考えていたが使い方次第ではこんな事も出来るのか……正直不安だったが、中々良かったぞ!」
褒められ自然に顔が綻ぶハジメ。訓練中に編み出し実戦で使うのは初めてだったが、上手くいった事、褒められた事は素直に嬉しいらしい。
「次はタケルだな!お前はハジメ程ステータスが低いわけでもないし……普通に倒してみるか!」
「はい。」
其処へタイミング良く出現したのは『コボルト』。犬の顔をした二足歩行のモンスターで、武器として剣を用いている。タケルを見るや一気に間合いを詰めて剣を振り下ろす。
「ッ!ウラァ!」
すかさず反応しメロンディフェンダーでガッチリ受け止めると、そのまま一気に押し戻す。
「──!グルァアアアアア!!」
押し戻された事に苛立ちを覚えたのか、一心不乱に襲いかかってくるコボルト。タケルはメロンディフェンダーを振りかぶり──
「せいやぁ!」
──ぶん投げる。そのままコボルトの首をまるで豆腐でも切るようにアッサリと切断し手元に戻る。首無しとなったコボルトの肉体は、力なく倒れ込み砂のように消えていった。
「盾としてでなく投擲武器としても使えるのか……危なければ介入するつもりだったが、要らぬ心配だったみたいだなぁ!ワハハハ!」
「……ども。」
褒められているのに、余り嬉しくなさそうに呟きハジメの元へと戻る。
「どうしたの?褒められたんだから喜べば良いのに……」
見かねたハジメがそう尋ねると……
「褒められた事は素直に嬉しいけど……あんな風に動物の形したモンの首はねるんは正直ええ気持ちやない……ウップ…」
「ああ、成る程……」
グロ系が駄目という訳ではないが自分で手を下したとなれば別であり、やはり気持ちの良い物ではないらしい。顔を青くして口元を押さえているタケルを心配そうに見つめるハジメ。
ふと視線を感じそちらを見ると、雫と目が合い互いに苦笑する。
(ちゃんと気にかけてくれてるんだ。今度何かお礼しないとなぁ。)
心の中で感謝の意を伝えておく。そして、特に問題という問題はなく今回の最終目的地である20階層に到達した。
「ここまでは、ある程度順調に来てるね。」
「そらあんだけチートなステータスしてたらこんな序盤の階層で躓かへんやろ。経験積んだ兵士もおるし、トラップを見つけれる『フェアスコープ』とかいうアイテムもあるしな。ただ……」
そこでいったん言葉を句切るタケル。
「……ステータスが高いだけでクリア出来るほど、甘いことも無いやろ。」
「……だね。」
と、そこで前衛の香織と目が合い、ニッコリと笑顔を向けてくる彼女にハジメは照れ臭そうに目をそらす。
不満そうな顔をする香織だが雫にからかわれてすぐに意識を迷宮攻略に戻す。
「お前等何かあった?」
「うぇ!?な、何かって?」
「な~んか、こないだ迄と雰囲気が違うような感じがしてのう。」
「あ、ああ……実は昨日タケルが寝た後色々あって、まあそれ関連だとは思う──!?(バッ!)」
と、そこで何かを感じ取ったのかいきなり周囲を見渡すハジメ。
「な、何や?どないした?」
「いや……今視線を感じて……気持ちの悪い。嫌な視線を……」
「……またあの小悪党共が睨んでんのとちゃうか?」
「どうだろう……今までのよりも更に濁った視線だったんだけど……」
不安に駆られながらも、20階層攻略の為に態勢を整える。と、その時タケルの“気配感知”の技能に反応があった。
「……いる。」
「え?」
「姿は見えへんけど、確かにおる……っ!」
そう言うのと同時に突如前方の壁が変色し、2本の腕が生えたゴリラのような魔物に変化する。
「ロックマウント、擬態能力がある魔物だ!二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」
メルドが叫ぶと、光輝達が陣形を整える。天職“拳士”の龍太郎がロックマウントをはじき返し、その隙に光輝と“剣士”の天職である雫が斬りかかろうとするも、足場が悪く上手く動けないでいた。
その隙にロックマウントが後ろに下がり大きくのけぞる。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」
ビリビリと洞窟全体を揺らすような叫声が響き渡る。
「ぐっ!?」
「うわっ!?」
「きゃあ!?」
ダメージこそないがその声に一瞬ひるんだ前衛組。
その隙にロックマウントが岩を投げつけてくるが、魔法支援組の3人が魔法で迎撃しようと詠唱を開始する。
だが、そこで予想外の事が起こる。
「──!?ひぃ!?」
誰かがそんな声を漏らして詠唱が止まってしまう。
見れば投げられた岩の正体もまたロックマウントだった。しかも体を大きく広げ抱きつかんばかりの勢いで飛んできている。
どうやらその様子が気持ち悪くて気を取られた様だ。
「おいおい!詠唱止めんなや!死にたいんか!」
言うが早いかメロンディフェンダーを投げ飛ばす。偶々近くで索敵していたことも功を奏し、発見が手早かった様だ。
メロンディフェンダーはそのまま空中浮遊中のロックマウントに激突、勢いを殺されたロックマウントそのまま地面にキスする結果となる。
「良いぞタケル!コラお前たち!戦闘中に怯むんじゃない!」
そう叱りつけながらメルドが落下したロックマウントを倒す。叱られた3人はションボリしながらも、先ほどの光景が目に焼き付いてしまったのか少々青ざめている。
すると、その様子を見て死の恐怖に怯えていると思ったのか、光輝が怒りの形相で残ったロックマウントを睨み付ける。
「貴様……よくも香織達を……許さない!」
そう言うと彼の持つバスターソードが眩い光を放つ。
「万翔羽ばたき、天へと至れ──“天翔閃”!」
「あっ、こら、馬鹿者!」
慌ててメルドが制止するも、頭に血が上った光輝はそのまま剣を振り下ろす。
その瞬間、詠唱により強烈な光を纏っていた聖剣から、その光自体が斬撃となって放たれた。逃げ場などない。曲線を描く極太の輝く斬撃が僅かな抵抗も許さずロックマウントを縦に両断し、更に奥の壁を破壊し尽くしてようやく止まった。
その後、やりきった様に「ふぅっ!」と息を吐くと、満面の笑みで振り返る。
香織達の安否を確認しようとしたのだろうが、そこで待っていたのはメルドからの鉄拳だった。「へぶぅ!」と珍妙な声を漏らして頭を押さえる光輝にメルドが一喝する。
「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」
「っ!す、すみません!」
メルドの言葉に自分のしたことの重大さを悟ったのか、即座に謝罪する。
その後ショックだったのか多少落ち込んでいる光輝に香織達が励ましの言葉を投げかけているとメルドがタケルに近寄ってくる。
「タケル、良くやったな!あそこで咄嗟に武器を投げつけて行動を阻害するのは良かったぞ。」
満面の笑みで賞賛するメルドに対する反応に困っていると、香織達も礼を言うために寄ってきた。
「ありがとう木場君!助かったよ!」
「いや~、結構男らしいところあるんだねぇ!鈴からもありがとう!」
「そ、その……ありがとう」
三者三様に礼を述べられ、遂には盾で顔全体を隠してしまう。
「べ、別に……目の前で死なれたりしても、寝覚めが悪いだけやし……礼言われることとちゃうし……」
顔を隠しながら言い訳するように告げるその様子は、誰が見ても照れ隠しであるとわかる。それが可笑しかったのか、クスクスと笑う香織達。
「ねえ南雲君、もしかして木場君って……褒められるの慣れてないの?」
「うん、昔からああ言う感じだから、周りからは白い目で見られる事の方が多かったしね。」
「そう……」
雫はハジメの言葉に少し思うところがあったのか、微笑んでタケルを見つめる。そんなやりとりをしていると、ふと香織が何かを見つけたように声を漏らす。
「あれ……何だろう?凄くキラキラしてる。」
見ると先ほどの光輝の攻撃で抉れた地表から何かが剥き出しになっており、煌びやかなに輝きを放っていた。
「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。加工して女性用の装飾品として売られる事もあるらしいぞ。」
メルドの説明にウットリとした様子で、鉱石を見つめる女性達。タケルも綺麗だとは思うがそれ以上の感想は浮かばず、興味が失せたようでそっぽを向く。
そんな中、何か良からぬ事を考えたのか檜山が動き出す。
「だったら俺らで回収しようぜ!」
そう言うと、壁をよじ登り鉱石を取り出そうとする。そんな檜山の独断行動をメルドが一喝する。
「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」
明らかに聞こえているであろうに、檜山はその声を無視し続け、とうとうその手が鉱石に触れたその瞬間──
「団長! トラップです!」
「ッ!?」
フェアスコープで確認を取っていた団員が声を上げる。同時に鉱石から魔方陣があふれ出し、皆を包み込む。まるであの日、このトータスに召喚されたときのように……
「くっ、撤退だ!皆急げ!」
メルドが慌ててそう命じるも時すでに遅く、光に包まれた一行は謎の浮遊感を感じた後、叩きつけられるようにお尻から着地する。
「ここは……」
「……さっきまでおった場所でないことは確かやな」
どうやら転移系のトラップだったようで、一行は巨大な石造りの橋の上にいた。そしてその片側には上へと続くであろう階段がある。それを見つけた瞬間慌ててメルドが指令を出す。
「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」
その切羽詰まった様子に生徒達も慌てて立ち上がると、一斉に走り出す。
──だが、何故メルドはここまで焦っているのか?
──それは、仮にも迷宮に設置されたトラップが、ただ転移するだけでは終わるはずがないと知っているからだ。
その予想を裏付けるように、階段付近の床から魔方陣が出現し、そこから鎧を着た骸骨のような魔物が大量にあふれ出す。
更に階段があるのとは逆の通路の方からも魔方陣が現れ、巨大な体躯の四足歩行の魔物が出現した。
それを見た瞬間、絶望したような顔でメルドが呟く。
「まさか……ベヒモスなのか?」
◇
階段付近は阿鼻叫喚に包まれていた。生徒達は突然別の場所に転移されしかも魔物に囲まれているという状況にパニックを起こし、陣形はバラバラでそこかしこから悲鳴が上がっている。
「くっ!確実に20階層の遙か下の階層みたいやのお!魔物の強さが段違いや!」
「う、うん!しかも皆パニックを起こしてる……ステータス的には切り抜けられる可能性はあるのに、冷静じゃない分上手く対処できてない!」
襲い来る魔物『トラウムソルジャー』の大群を受け流しながらどうしたものかと思案する。だがその思考は周囲から聞こえる悲鳴によって遮断される。
「ああもう!やかましいて全然思考がまとまらん!」
『感覚過敏』……自閉症の症状の一つであり、人間の五感が過剰に反応してしまうというモノだ。例えば視覚が過敏な者は色々な物に目移りしてしまうし、触覚が過敏な者は人との物理的な接触を極端に拒む傾向にあり、複数持ち合わせる者もいる。
タケルは聴覚が過敏であり、集中して取り組みたい時に音があると途端にかき乱されてしまう。蚊の鳴くような声でも気が散るのに、悲鳴など以ての外。
しかもハジメがいる故大分マシではあるがタケルも不足の事態には弱く、軽くパニック状態なのも冷静な思考が出来ていない要因だ。
「くそっ!そもそもあのボケナスがトラップに引っかからんかったら……ん?──!?」
諸悪の根源たる檜山への恨み節を呟いていると、ふと視界の端に女子生徒が今正にトラウムソルジャーに切り伏せられようとしているのを捉える。どうやら恐怖で動けない様だ。
「だあああくそ!!」
それを見るやその間に割って入り、メロンディフェンダーで斬撃を受け止める。
「おいコラぼさっとすんな!死にたくなかったらとっとと立て!」
一喝するとその女子生徒は「う、うん!」と言って立ち上がる。対してタケルは少々不安定な態勢で受け止めたことで力が込めにくく徐々に押されていた。
「“錬成”!」
と、そこでハジメが駆けつけ錬成で地面を隆起させる。それは波打つように広がり数体のトラウムソルジャーを巻き込んで橋の方まで押しだし、遂には諸共落下していった。
「大丈夫!?」
「ああ……けど状況は最悪やぞ……」
「……足りないんだ……皆を引っ張るリーダーも、此処を突破できるだけの火力も……」
「……そう言えば、あのアホ勇者どこ行った?」
見渡してみると──いた。遥か前方、橋の上でベヒモスと対峙していた。しかも最悪な事にベヒモスはピンピンしている。
「あんのボケェ!こんな状況なら即刻撤退すんのが吉やろ!これやから嫌いやねんアイツは!」
「でも……今この混沌とした状況を切り抜けるには彼の力が必要だ。タケル……ごめん、行ってくる!」
「は?あ!おい!」
そう言うと光輝の元へ駆けていくハジメ。呆然とそれを見送ると、更にイライラした様に頭を掻き毟る。
「くそっ!言うてもアイツが戻ってくるまで持たへんやろこの状況!」
既にボロボロの生徒達、団員達も応戦しているのだが如何せん数が多い上に、パニック状態の生徒が連携を乱している。
未だ鳴り止まぬ悲鳴……冷静になろうにも、状況と己の障害がそれを許さない。
(
幾つもの最悪の状況が重なった結果、遂にタケルの我慢の限界値が振り切れた。
「じゃかあしいんじゃあああああああああああ!!!!!!!!こんのボケナス共がああああああああああ!!!!!!!」
ロックマウントのそれより遥かに大きい咆哮。それは生徒達の意識を向けさせるには十分だった。
「お前ら今まで何しとったんじゃ!!!“こういう状況ではパニックになりましょう。”とでも言われたんか!!!戦争に参加する言うた時点でこんな状況に陥る事も想定に入れとけド阿呆!!!悲鳴あげる暇あるんやったらとっとと陣形立て直せやウスノロ共!!!」」
普段見ない厳しい言葉で叱責するタケルに面食らいながらも、その物言いに不満の表情を浮かべる。だが、どうやら恐怖心を和らげる事には成功した様で各々陣形を立て直して行く。
因みに言った本人は本当にただ苛立っていただけなのだが……
そして、徐々に押しては来ているがやはり決定打がなくジリ貧になっていたその時──
「“天翔閃”!!」
光輝が前線から復帰しトラウムソルジャーをなぎ払う。メルド他前衛組も同じく戻ってきて存分に力を振るい活路を切り開いていく。
生徒達はその様子に一気に調子を取り戻し、遂に階段前を陣取った。後はここを上ればこの状況を抜け出せる。
だがそこで、香織が待ったをかける。
「皆、待って! 南雲君を助けなきゃ! 南雲君がたった一人であの怪物を抑えてるの!」
(……はあ!?)
その言葉でタケルは再び橋の方を見ると、そこには地面を隆起させて必死にベヒモスを食い止めるハジメの姿があった。
「そうだ! ハジメがたった一人であの化け物を抑えているから撤退できたんだ! 前衛組! ソルジャーどもを寄せ付けるな! 後衛組は遠距離魔法準備! もうすぐハジメの魔力が尽きる。アイツが離脱したら一斉攻撃で、あの化け物を足止めしろ!」
メルドが即座に指示を飛ばす。生徒達は気を引き締め直し各々態勢を整える。タケルもまた後衛組として詠唱の準備をする。
そして魔力がほぼ尽きたのかハジメがこちらを見てくる。それと同時にこちらも詠唱の準備が整い、それを確認したハジメが離脱したのを見届けると……
「撃てえええええええええええええ!!!!!」
その声で皆一斉に様々な属性の魔法弾を放つ。それらはベヒモスに降り注ぎ、ダメージこそたいしたことは無いが足止めとしては充分機能している模様。
このままハジメがこちらに来れれば、皆無事に帰れる……そう誰もが思った次の瞬間──
「な!?」
火属性と思われる魔法弾が突如軌道を変えてハジメに襲いかかった!突然のことで回避が間に合わなかったハジメはまともに食らってしまい吹き飛ぶ。
なんとか立ち上がるものの、吹き飛ばされたショックからか、足下が覚束ない。その隙にベヒモスがハジメを捉え、一歩踏み出した。
そして度重なる負荷により耐えきれなくなったのだろう……石橋が崩落を始めた。ハジメはなんとか向こう岸まで渡ろうとするが間に合うはずもなく……その結果──
──ハジメは奈落へと消えていった。
そしてその様子を、タケルはただただ呆然と見ていた。手を伸ばすでもなく、泣き叫ぶでもなく、まるで目の前で起こった事をまだ処理できていないかのように……その瞳は、奈落の暗闇をジッと捉えていた。
如何でしたか?
タケルは落ちません。ハジメのいない環境で彼がどう変化するか……将又しないのか…てそれを見届けて下さい。
それではまた次回、チャオ〜