ドラクエは5か6までしかしていません   作:send

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そろそろ書くのが大変な部分に差し掛かってきました。
(大変じゃないところは無いんですが、より大変という事で)

基本的に原作に沿うように書いておりますが、この辺りから特に独自要素(描かれていない部分の想像とか解釈も含めて)が強くなってくる予定です。
原作のドラクエ8の世界観が好き、原作通りのストーリーが好きという方はちょっとお勧めできないかなぁと思っています。
その辺りは、あ、無理と思われたらそっとブラウザバックでお願いします。

それから誤字報告いつもありがとうございます。
なかなかパソコンを開いて確認出来ない環境のため反映が遅れまくっていますが、時間作って確認して反映していきますのですみません。

あと、前話の
『姫様に痂皮を~』は誤りです……(恥)
『姫様に瑕疵を~』が正しいです。瑕疵はキズや欠点という意味合いです。
ちなみに痂皮はかさぶたの事です。
本当、携帯の変換機能が敵です……あれ何とかなりませんかね……(泣


サザンビークに向かった

 翌朝、見張りのモリーさんを除くみんなで朝食をとりながら、トルネコさんにバックパックの試作品の相談をしているとモリーさんが何やら小さな紙のようなものを手にして甲板から降りてきた。

 

「情報屋からの知らせのようだ」

「ありがとうございます」

 

 片手は姫様に触れているので申し訳ないが片手で受け取って、それを指で伸ばして中を読む。だいぶんこの世界の文字にも慣れてきたが、こう小さいとちょっと読みにくい……

 

「なんと言っておるんじゃ?」

 

 姫様を挟んだ向こうに座る王が顔を伸ばしてきたので、姫様に謝って前に手を伸ばし紙を渡す。

 

「ドルマゲスはやはり操られている可能性が高く、推測ですが操っているのは……陛下、その部分読んでいただけますか?」

 

 そこだけ知らない単語で何と読むのかわからなかった。

 

「どこじゃ?」

「ええと……ここです」

「あんこく……神。暗黒神と書いてあるな」

「暗黒神?」

 

 なんだそれ?というようなククールさんのオウム返しに、私も知らないので首を振る。

 

「詳細はまだ不明だそうです。ただ、各地に残る遺跡に暗黒神?とその暗黒神を封じた賢者にまつわるものが残っているそうで、情報屋はその賢者というのがどうもドルマゲスの狙いに関わっているのではないかと思い調査しているみたいです」

 

 ふぅん?とよくわからないという顔をしている面々。

 私としては賢者と聞くと魔法使いと僧侶の兼業職のイメージが強いのだが、この世界でも同様なのだろうか? 個人的なイメージだと、賢者よりもそういうのは勇者の方がしっくりくるんだけどな……

 まぁこちらに来てから賢者と名乗る人に出会った事が無いからその辺はわからない。調べてくれるというのならその結果を待とう。こっちはこっちで魔法の鏡を手に入れないといけないのだから。

 っていうかそうだ、魔法の鏡の交渉がうまくいかないなら情報屋に手伝ってもらうのも手じゃないか。

 

「……賢者」

 

 先に食事を終えていたゼシカさんが何かを思い出したように顔を上げた。

 

「ねえリツ、情報屋に連絡取れる?」

「連絡というか、ルーラですぐに行って帰ってこれますが」

「じゃあ悪いんだけど、ちょっと付き合ってくれる? すぐに終わると思うから」

 

 私が王とエイトさんに視線を向けると、構わないと頷かれた。

 ミーティア姫も早く食べてしまいますねと綺麗な所作でぱくぱくと食事を口に入れるので、こちらも急いでご飯を食べて急かすゼシカさんに追い立てられるようにルーラで飛んだ。

 

 どうにかルーラの浮遊感にも慣れて無事に着地したところで、すぐに歩き出したゼシカさんの後を慌てて追う。

 

「どうしたんです?」

「ちょっと思い出した事があるの。もしかしてって程度なんだけど、それでも何か手掛かりになるなら先に知らせておいた方がいいと思って」

「はぁ」

 

 思い出した事ってなんだろう?と首を傾げつつ、いつ来ても雑多な様子のパルミドの街並みを二人で早足に進んでいく。

 居るかどうかわからないが、いなければいないで書置きを残しておけばいいだろう。見覚えのある情報屋の家のドアを叩くと、幸いな事に応えがあった。

 

「お久しぶりです。朝から申し訳ありません、今少しよろしいですか?」

「ちょっと思い出した事があるの。賢者の件でお邪魔するわよ」

 

 私の言葉に被せるようにゼシカさんが言って、少しだけ開いていたドアをがっと掴んで開けた。

 

「ちょ、ゼシカさん」

「思ってる事が当たってたら急いだほうがいいのよ」

 

 訪問販売の犯罪バージョンのような入り方に思わず止めようとしたが、ゼシカさんは強い口調で遮って中へと入ってしまった。

 

「情報屋、賢者について調べているんでしょ? ドルマゲスの狙いが賢者に関わっているかもしれないって」

「……朝から随分と強引ですね」

 

 情報屋は至極ごもっともな事を言ってから、それでも溜息をついて入り口でおろおろしている私を招き入れてくれた。

 それからドアを閉めると眼鏡の縁に指を当て神経質そうにくいっと持ち上げると、仁王立ちのまま返答を待っているゼシカさんにもう一度ため息をついて諦めたように答えた。

 

「……ええまぁ。

 手あたり次第に人を殺していないところを見ると、何かしら目的のある殺人を行っている。つまり標的がいるのは間違いないでしょう。集めた情報を見直すと封印を行った賢者が何らかの鍵だとは思います」

「じゃあその賢者が……いいえ、賢者の子孫が標的だという線も有り得るという話ね?」

「可能性の一つとして考えてはいますが、何分賢者がどのような存在であったのかまだ判然としていないので………もしや今まで殺害された中にそのような人物が?」

「詳しくは覚えていないけれど、私の御先祖様のリーザスという女性が賢者の子孫だという話を聞いた事があるの」

 

 リーザスってリーザス村の名前そのままじゃ……いや、そうか。その人からリーザス村という名が付けられたのか。それがゼシカさんの御先祖様で。

 

「リーザスは魔法剣士の家系で、とても強かったと聞くわ。そして兄も……魔法剣士としてとても強かった」

「……二人目の被害者ですね」

 

 なるほど、と目を細め呟く情報屋。

 

「もしかして他の殺された人も同じじゃないの? 他にも賢者がいて、その子孫を殺して回っているなら、狙われる人だってわかるかもしれない」

「待ってください。そうであれば同じく子孫のあなたも殺されている筈では?」

 

 情報屋の冷静な指摘に、ゼシカさんは「あ」と言葉を途切らせた。

 

「それに人の血は年月と共に混じるものです。かなりの人数が子孫となっていてもおかしくない。だが殺害された対象はそうではない」

「………そう……ね。ごめんなさい。もしかしてと思ったら早く調べた方がいいと思って」

 

 これ以上、犠牲者が出て欲しくなかったから。

 言葉にはされなかったが、ゼシカさんの気持ちは見て取れた。それがわかったのか、情報屋も少し表情を緩めていた。

 

「追加の情報です。

 ドルマゲスが向かったと言われている北の島ですが、そこには闇の遺跡と呼ばれるものがあるそうです。昔、暗黒神を祀った異教徒たちの神殿ですね」

「暗黒神……」

「どのような存在だったのかまだ調査途中ですが、そこにドルマゲスがいるのなら、やはり暗黒神と無関係である確率は低いでしょう。仮にも神とつくものです。重々気をつけてください」

 

 ゼシカさんは少し笑みを浮かべて頷いた。

 

「わかったわ、気をつける」

「こちらも狙いについてもう少し調べてみます。貴女のおっしゃっている事もあながち外れていないのかもしれません。賢者が封印に使用した何かを殺害された人が持っていたという可能性もありますから」

「……そうね。ありがとう」

 

 話が途切れたところで、ちょっと手を上げる。

 

「その闇の遺跡の件なんですけど、少しいいですか?」

「どうぞ」

 

 二人の視線がこちらに来て、情報屋が表情を元に戻して促した。

 

「遺跡に入ろうとすると、黒い靄みたいなもので覆われて進めないみたいなんです」

 

 ですよね?とゼシカさんに同意を求めると、すぐに頷いてくれた。

 

「それでサザンビークにあるという魔法の鏡で打ち払えないかという話になったんですけど、さすがに簡単には貸してもらえないかと思っていまして、交渉がうまくいくよう助力いただけないでしょうか?」

「サザンビーク? ……あぁもしや、そういう事ですか」

 

 何やら納得されてしまった。

 あの?と首を傾げると、失礼と謝られた。

 

「サザンビークに盗人が入ったという話があったのです。ですが何も取らずに逃げ帰ったと。ひょっとするとドルマゲスが闇の遺跡への侵入を阻止するために押し入ったのかもしれませんが………ここで推測を立てていても仕方がありませんね。

 サザンビークは軍事国家です。あまりコネなどは通用しない国柄ですが、ちょうどいいネタがあります」

 

 情報屋が語ったところによると、例のチャゴス王子が王家の儀式というものを受ける時期らしく、おそらく強そうな者を見れば逆に交渉を持ちかけてくるだろうとの事だった。

 王家の儀式というのは、王位後継者が王に次の王となるだけの器がある事を示す儀式で、アルゴンリザードという魔物を一人で倒しその魔物から取れるアルゴンハートという宝石を持ち帰るというものらしい。

 件の王子はどうやらその試練から逃げ回っているそうで、王が兵をつけてでも行かせようとするのをさすがにそれはと重鎮達が止めて、かといってどうやって行かせるのかと頭を悩ませているのだと……

 だから強そうな外部の人間を見れば、その儀式をサポートするように持ちかけられる可能性が高いという事だった。

 なんかどっかで聞いた事があるようなエピソードなのだが……

 それはともかく、王子の例の噂に一歩近づいてしまったような不安を覚える。

 ゼシカさんを見れば、眉間に皺を寄せて不快感が殊更露わに……

 これ以上聞いたらサザンビークとの交渉に支障が出そうな気がして早々にお暇した。

 情報屋には朝からすみませんでしたと謝り、でもまた王子の件で聞きにくるかもしれないですと、別件でこっそりお願いして船に戻った。私個人のお財布って実は無いのだが……あれだな、上薬草作って売るぐらいしかないな。時間見つけて作らないと。

 

 船に戻ってすぐにエイトさん達に事情を説明し、急遽サザンビークに行くメンバーの交代を行った。

 まずはエイトさん、ククールさん、ゼシカさん、私。ここは変わらずで、トルネコさんの代わりにヤンガスさんを、そして追加でライアンさんも一緒に行く事になった。ゴリゴリの戦闘メンバーだ。私が残留したのはトルネコさんの代わりに交渉の手助けとして——というのは半分ぐらいの理由で、もう半分は色仕掛け担当と、実際にその王子を直接確認したかったからだ。

 役を譲ってもらったようなものだから、そこはちゃんとしないとと気を引き締めてエイトさんのルーラで移動し、サザンビークへと降り立った。

 

 サザンビークは城も街も、一目でトロデーンよりも大きいとわかった。

 その華やかさ、行き届いた街の整備、城の威容、それを都と称するならトロデーンは辺境の地方都市。そのぐらいの差がある。

 地面一つ取ってみてもここは隅々までレンガが敷かれ、排水機構もきちんと整えられているのだ。トロデーンでも主要な通りは石畳にされていたが、それ以外は普通に地面で雨の日はぬかるみで結構大変だった。

 これ……国力に結構差があるんじゃ……

 姫様の婚姻は対等なものだと聞いたが、あれはやっぱりあくまでも対外的なもので、水面化では違うような気がしてならない……

 

「城門はもう開いている筈だ、面倒な事はさっはと済ませるぞ」

 

 ククールさんが先陣を切って歩き出し、それにみなついて行く形で歩き出す。が、

 

「なんだか違和感がすごいわ」

 

 同感ですゼシカさん。

 ククールさんは今回、騎士団の赤い服を脱いで普通の服を着ている。服はエイトさんの服を借りているから、もう違和感がすごい。

 何故そんな事をしているかというと、サザンビーク側が王子の儀式を実行させる手を探しているなら、聖堂騎士団の人間だと思われるような服装をしていない方がいいと判断したからだ。

 王家の儀式を外部の人間が手助けするとか普通に考えてよろしくない。巷にバレたら王家の威信に傷がつく可能性もあるし、王として不適格ではないかといちゃもんをつけられる恐れもあるのではないかと思う。形式的なものだとしても、バレたら面倒な事は間違いないだろう。そんな事を教会の人間とわかる人物に依頼する筈がない。そういう事だ。

 

「惚れ直したか?」

「最初から惚れてないわよ」

 

 冷たくあしらうゼシカさんに、ククッと笑ってククールさんはこちらを見た。

 

「違和感って言ったら俺よりリツだしな」

 

 わかってますよ、違和感あるぐらい。

 今回私も色仕掛け要因として姫様と歌った時に着ていた肩が出る服を着て、胸の下に詰め物を当てて胴衣でぎっちぎちに締めている。これでツーカップは上がっている。それに加えてゼシカさんと差別化を図るためにお姉さん路線を意識した化粧をして、いつも一本に縛っている髪を下ろして片側に流した。

 ちなみに偽乳の見分け方はジャンプだ。偽乳は、揺れない。

 横のゼシカさん(普通の服に着替えてもらった。バニースーツはいくら上に羽織っていてもTPO的にアウトだろう)の方は見ない。見ないったら見ない。

 

「それは確かに。意外と化粧が上手いのねリツ」

「顔を作るのは武装でしたから」

 

 社会だとその出来で女子のカーストが決まったり、お客の態度が変わったりするからな。鍛えられましたよ。ははっ。はぁ……

 武装って何よと笑うゼシカさんには誤魔化して、少し後ろを歩くエイトさんに視線を向ける。

 昨日ほど思い詰めた顔はしていないが、表情はやっぱり強張ったままだ。

 

「エイトさん、ひとまず鏡の入手に専念しましょう」

 

 横に行って小声で囁くと、意識的にか笑顔を浮かべて大丈夫ですと頷かれた。

 全然大丈夫に見えないんだが、言っても仕方がない。交渉は基本的にエイトさんがやる予定だが、フォロー出来るように身構えておこう。

 

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