[完結済み] この素晴らしい田舎生活に祝福を!   作:Rabbit Queen

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 二話です。

 大体の設定はメモ帳に書き終えたので後は設定に沿って話を作らないとですね。


 

 あと今回このみが登場しますが、カズマさんはこのみと同じ17歳ということで。


この可愛い女の子との青春を!

 

 「というわけでね。れんげと遊んでくれないかな」

 

 インターホンが鳴り玄関のドアを開けると、目の前にはポニーテールがよく似合う綺麗な女性が居た。一瞬見惚れていた俺は彼女が何を言っているのか理解していなかった。

 

 彼女の髪を見ていると、何故かあのれんげちゃんを思い出させた。

 ……というか、れんげちゃんの名前を出さなかったか?

 

 「えーと……お姉さんどなたです?」

 

 「あれー?さっきも自己紹介したんだけどなぁ。宮内一穂。れんげのお姉さんだよ」

 

 宮内一穂?れんげちゃんのお姉さん?……そういえば、れんげちゃんも宮内って言ってたな。

 そのお姉さんが直接俺に会いに来て?自分の妹と遊んでくれないかと話す?

 

 怪しい。

 

 怪しすぎるぞこの人。本当にれんげちゃんのお姉さんなのか?新手の詐欺じゃないのか?

 断ろう。そして今すぐ鍵を締めて警察に電話しよう。そうしよう。

 

 「いやー、今ちょっと忙しいというか……そうそう!れんげちゃん、だっけ?俺その子の事知らないし!」

 

 「んー?おかしいなぁー、れんげから引きこもりのお兄ちゃんに会ったって話を聞いたんだけど」

 

 「え」

 

 「確か道端で転びそうになったのを助けてもらって、逆に派手にすっ転んだっていう話を」

 

 「あー!!れんげちゃんね!知ってます!知ってるからそれ以上やめて!!」

 

 蘇る悪夢!

 あの時の恥ずかしさを思い出したくない!

 

 「うぅ……まさかれんげちゃんが話してるなんて……」

 

 「あれ?ごめんごめん、そんなに弄るつもりはなかったんだけど……ごめんね?」

 

 「いえ……うぅ……大丈夫です……」

 

 「そ、それでだね!れんげが君のことすごい楽しそうに話すもんだから、よかったら遊んでやってくれないかなと思ってね」

 

 「れんげちゃんと遊ぶのは全然いいですけど、その、いいんですか?」

 

 遊ぶことは全然良い。

 丁度暇してたし。れんげちゃんとは、また遊びたいなと思っていたから。

 別にロリコンじゃないぞ!ただ、まぁ……今の俺が俺だからなぁ……。

 

 「ん?どういうこと?」

 

 「いやぁ、その、自分で言うのもあれですけど、俺って、ひ、引きこもりじゃないですか。だから……」

 

 自分で言ってて恥ずかしくなる。

 仕方ないとはいえ、やっぱり口に出すのは辛い。

 

 「うーん、まぁねぇ、今の君の状態というか、現状は好ましくないよね」

 

 「で、でしょ!?だからその、悪影響じゃないかなーって。危ないと思うし……」

 

 「君はれんげに何かしようと思ってるの?」

 

 なっ!?そ、そんなこと―!

 

 「そんなことあるわけないじゃないですか!」

 

 つい口に出してしまった。でも、実際にやましいことなど考えたことはない。

 少ししか話していないけど、何故だかれんげちゃんには元気が貰えたからだ。

 純粋に遊びたいとは思っていた。でも今の俺は悪影響だし……。

 

 「なら、いいんじゃないかな」

 

 「え?いやいや、ダメでしょ!だって俺」

 

 「引きこもりだからって悪い人ではないでしょー。そうなってしまってるだけで、それだけでカズマ君が悪い人には思えないなぁ。もちろん、いきなり知らない人に自分の妹を任せるのはどうかしてると思うよ。でもね、私は、カズマ君になら任せてもいいんじゃないかなって思ってるよ」

 

 「しょ、初対面の俺に何でそこまで……」

 

 「れんげがねぇ、あんなに何度も同じ話をすることってないんだよね。楽しい事は何でも話してくるけど、何度も同じことを話してくるのはめったにないんだよ。あのお兄ちゃんはいい人だー楽しい人だーって。だから、あの子がそうだと思ったのなら、私もそうなんだと思うんだよね」

 

 なんという妹想いというか……ただのアレな人なのか……

 

 「で、どうかな?あぁ、もちろん遊んでる時は私も近くに居るよ」

 

 「はぁ……わかりました。俺でよければ、れんげちゃんと遊びますよ」

 

 「ほんと?いやー助かるよ。ほっといたられんげ、カズマ君の家に勝手に行きそうだったからさー。流石にそれはまずいと思って今日来たんだよ」

 

 なるほど、それでか。

 一穂さんの手には回覧板が握られていた。回すついでに俺にこの話を持ってきたのだろう。

 俺は一穂さんから回覧板を受け取ると、親が後で回すと考え玄関に置いておいた。

 そしてお気に入りのジャージに着替えると、一穂さんと共に宮内家に向かった。

 

 

 

 

 「ただいまぁ。さぁさぁ、上がって上がって」

 

 「お、お邪魔します」

 

 「うちの親畑仕事に行ってるから、いつもはれんげと二人なんだよねぇ」

 

 「そうなんですか?大変ですもんね、畑仕事」

 

 昔中学生だった時に学校の授業で畑仕事の手伝いをしたことがあったけど、あれは本当に大変だった。ここは田舎だし、畑仕事してる人が多いけど、自分には出来ないなと思った。

 

 しかしあれだ、畑仕事してる人の家って、どれもでかいよなぁ。この宮内家もでかいし。

 俺もこう、でかい屋敷に住んでみたいな。

 コタツにでも入って、可愛い女の子達に囲まれて……うへへ。

 

 「ねえねえ帰ってきたのーん?」

 

 聞いたことのある可愛らしい声と共に、ツインテールが似合っているあの女の子が現れた。

 

 「のん!?かずにぃ!?かずにぃなんな!?」

 

 れんげちゃんは俺を見ると驚き、そして興奮しながら俺の腕を掴む。

 

 「なんで居るのん!?ねえねえが連れてきたん!?」

 

 キランと輝かせた瞳を見ると、物凄く心が落ち着く。

 あぁ、これは期待している目じゃない。純粋に喜んでくれている目だ。

 嬉しく感じた俺は、れんげちゃんの頭を撫でた。アホ毛の感触がなんとも言えない気持ちよさだった。

 

 「そうだよー。れんげが会いたいーって言うから頼みに行ってたんだよー」

 

 「そうそう。一穂さんに頼まれてれんげちゃんに会いに来たんだよ」

 

 れんげちゃんの目の輝きが更に増す。うぉまぶしい!

 

 「そうなんなー!うち、かずにぃといろいろお話したかったのん!今日はいろいろお話しますのん!」

 

 「れんげ、うちお茶入れてくるから、カズマ君を部屋に連れて行ってくれる?」

 

 「あーい!」

 

 れんげちゃんは俺の腕を掴んだまま引っ張ると、広い部屋へと連れて行く。

 

 「うちなー、この前百点取ったのん。その前も百点取ったん。それでなー」

 

 ピコピコと、頭の上のアホ毛が動く。

 なるほど、嬉しくなるとあれは動く感じなのか。

 その様子が面白くて、そして何より、れんげちゃんの楽しそうに話す姿が可愛くて、俺は相槌を打ちながら話を聞いた。一穂さんはそんな俺とれんげちゃんを、少し離れた場所に座って見守っていた。

 

 そして一通り話し終えたれんげちゃんは満足すると、一穂さんが淹れてきたお茶をゴクゴクと飲む。しかし話を聞いてみると、やはりれんげちゃんは独特な感性を持っているというか、ぶっちゃけ天才の類では?と感じた。この姉にしてこの妹あり、か。もしかして宮内家って結構すごいのでは?

 

 話を聞くとどうやら次女が居るらしい。

 その次女も恐らくすごい人なのだろう。

 宮内家の凄さを感じながら、俺もまたお茶を飲んだ。いい感じの渋さで好きだなこれ。

 

 「ところで、かずにぃはひきこもりなん?」

 

 「ぶふっ」

 

 唐突な大天使の一言でお茶を吹く。

 

 「れんげー、そういう事を言っちゃだめだよー」

 

 「でもねえねえ言ってたのん。どういう意味なのん?」

 

 「あー、うーん……」

 

 一穂さんが俺に視線を送る。

 え、俺任せですか!?

 

 「えーとだな、あー、あれだ、運動不足の人だよ!」

 

 嘘は言ってない。

 うん。嘘は言ってないぞ。

 

 「そうなのん?」

 

 「そうそう、カズマ君はねー、ほとんど家に居るから運動してないんだよ。それでれんげに外に連れて行ってもらおうとね」

 

 あれ?そんな話でしたっけ一穂さん。

 

 「そうだったんなー。わかりましたん!うちがかずにぃを外に連れ出してあげるん!」

 

 おやおや?話の流れがおかしな方向に行ってるぞ?

 

 「い、いやーでも、俺にも予定があるというかなんというか」

 

 「まぁまぁ。無理にとは言わないけど、今日は付き合ってあげてくれないかな」

 

 「えー……」

 

 「だめなのん……?」

 

 「よし行こう」

 

 丁度外に行きたかったし仕方ない。

 決してれんげちゃんの上目遣いに負けたわけではない。うん。

 

 

 

 

 さて、そうしてれんげちゃんと一穂さんと外に出たわけだが……その一穂さんに急用が出来てしまいれんげちゃんを任される形になってしまった。

 

 流石に二人だけではまずいのでは?と思ったのだが、れんげちゃんが物凄い悲しそうな顔をしたのでそのまま引き受けてしまった。我ながられんげちゃんに弱いなと思った。

 そうして俺はれんげちゃんと外で遊んでいた。

 鬼ごっこをしたり、絵を描いたり。小さい頃にやっていた事を懐かしく感じながら遊んでいた。

 そしてれんげちゃんが見せたいものがあると言ったので、俺は一人その近くで待つことにした。れんげちゃん曰く「驚かせたい」とのこと。

 

 果たして何が出るのかとワクワクしていた俺の目の前に、これまた綺麗な女の子が現れた。

 

 

 「それでそれで、きみはれんげちゃんと何をしていたのかなー?」

 

 三編みの髪型をした女性は、優しい声で話しかけてくるがどこか警戒してるように感じた。

 俺はこの女性を知らない。

 だが、この女性はどうやられんげちゃんの事を知っているらしい。

 れんげちゃんの知人か、それともこの人が次女なのか?

 しかし聞いていた話と容姿が違う気がする。

 それにれんげちゃんから今日帰ってくるとも聞いていない。もちろん一穂さんからも。

 となると、知り合いなのか。俺は彼女に聞いてみた。

 「えーと、もしかしてひかげさん?」

 

 「うん?わたしひかげちゃんじゃないよー。富士宮このみ。高校三年生だよ。ひかげちゃんは私の友達かな」

 

 なるほど、ひかげさんと友達か。それなら納得。

 

 「そうでしたか。俺、佐藤和真って言います」

 

 「カズマくん?一穂さんが言ってた人かな?ひきこ」

 

 「あーそう!多分そうです!そのカズマですはい!」

 

 「なるほどなるほど。それで?そのカズマくんがれんげちゃんと何してたのー?」

 

 「一穂さんに頼まれたんですよ。れんげちゃんと遊んでくれないかーって」

 

 「ふーん?」

 

 ジロジロと俺を見るこのみさん。

 れんげちゃんが友達の妹だからか、やはり警戒はしている。

 ここで下手にジタバタしても仕方ない。

 

 「そうそう、れんげちゃんがそろそろ戻ってくると思うので、彼女に聞いてください。頼まれたってこと証明してくれると思うので」

 

 「れんげちゃんなにしてるの?」

 

 「見せたいものがあるって言って奥の方に行きましたよ。驚かせたいとかどうとか」

 

 「見せたいもの?うーん……あ、もしかしてアレかな?」

 

 「アレ?」

 

 「お待たせしましたのん。むむ?このみ姉が居るのん!にゃんぱすー」

 

 「こんにちはれんげちゃん」

 

 「にゃんぱす?」

 

 にゃんぱすとはなんだろうか。

 

 「あぁ、れんげちゃんの独特な挨拶みたいなものだよ」

 

 なるほどよくわからん。やはり天才か。

 

 「それでねれんげちゃん、このお兄さんと遊んでたみたいだけど、かずちゃんは知ってるのかな?」

 

 「しってるのん。うち、ねえねえにお願いされたん。かずにぃは運動不足だから外で一緒に運動してあげてほしいって」

 

 「へぇー。そうなんだね」

 

 「いや間違いではないけども!間違いではないけどもね!」

 

 このみさんの視線が痛い!

 

 「そ、そういえばれんげちゃん!俺に見せたいものってなにかな!?」

 

 話題を逸らす。これしかない。物凄い視線が痛いけど!!

 

 「はっ!忘れてたん。かずにぃ、よく見ておくん!これがうちの秘密兵器!」

 

 指を口に咥え、ピーッ!と高い音を鳴らす。

 その音の後に、草むらからザザザと音がすると、それは姿を表した。

 

 「……」

 

 「……え?」

 

 

 それは、たぬきだった。

 

 そう、たぬきだった。

 

 たぬきだったんだ。

 

 

 

 「え?」

 

 「れんげちゃん、相変わらず上手いねー、口笛」

 

 「照れるのん。で、どうですか!うちの秘密兵器の具は」

 

 「え?具?」

 

 「れんげちゃんのセンスはすごいよねー。わたしじゃ思いつかないもん」

 

 「照れますのん。具もなんだか嬉しそうなんなー」

 

 「え?そうなの?」

 

 「……」

 

 「いやなにも言わないけど」

 

 まさかたぬきが現れるとは思わなかった。

 このみさんも何も驚いてないし。

 え?こういうもんなの?

 普通にすごいものを見た気がする。動物までも操るとは、やはり天才だった。

 ……いやしかし本当にすごいな。これ商売になるのでは?

 

 れんげちゃんの凄さを改めて知る一日だった。

 

 

 

 

 「たぬき可愛かったねー」

 

 「そ、そうですねー」

 

 あの後このみさんも加えて三人で遊び、しばらくして一穂さんが帰ってきた。

 そして時間も遅くなってきたので、今日はもう帰ることにした。

 一穂さんに遊んでくれてありがとうと、お礼の言葉と一緒に宮内家で作られたカレーを頂いた。せっかくなのでこれを晩御飯にしよう。

 

 そして帰ろうとした時、このみさんも同じ方向だからと言って一緒に帰ることになった。

 

 このみさん。話を聞くとどうやら俺と同じ歳らしい。同い歳で女の子。

 テンションが上っているのは言うまでもない。

 だって、ねぇ?

 

 

 めちゃくちゃ可愛いんですけど!正直、いやぶっちゃけ物凄いタイプ。

 

 

 いやー、こんなに可愛い子が同じ歳とは……ワンチャンあるか!?あるのか!?

 

 「それでねー……おやおや?カズマくん、なに考えてるのかなー?」

 

 話を聞いていなかった俺に対し、このみさんはひょこっと顔を覗かせる。

 なんですかそれ!だめだ、この人は確実に俺を落としに来ている!!

 いやしかし落ち着け佐藤和真。確かに女性経験がない俺だがこれは明らかなトラップ。

 

 何度もネットやアニメで見た妄想!!こんなのものは現実ではない!!

 騙されんぞ!俺は騙されんぞ!!

 

 「ねぇねぇー、何考えてたのー?」

 

 「えーと、な、なんでしょうね!あははは!」

 

 騙されない!けど! ……こういう青春もいいよね?

 

 

 

 

 「……ねぇちゃん、見た?」

 

 「見た。……あれこのみちゃんだよね」

 

 「だねー。そんで隣には知らない男の人が。友達かな?」

 

 「違うよ夏海。あれは絶対彼氏だよ!」

 

 「えー。流石にそれは違う気がするけど……」

 

 「だってほら、あんなに楽しそうに話してるんだよ!?」

 

 「うーん、そう言われてみれば……え、マジで彼氏?」

 

 「このみちゃんが彼氏を……お、大人だぁ……」

 

 

 

 そうして、俺は知らないうちに、このみさんの彼氏として噂が広まるのだった―。

 

 




 お疲れさまでした。

 丁度これを書いている時に某ネット番組でこのすばの一挙やってたので聞きながら作業してましたが全然話進まなかったですな!何度見てもついつい見てしまう中毒性って凄いなと改めて思いました。


 あとこのみちゃん可愛い。こんな女の子が同級生に居る世界に行きたかった。

 けど無理なので代わりにカズマさんに楽しんでもらうことにしました。

 何故か憎めない主人公。それがカズマさん。

 また次回。
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