覇王~誰よりも優しく強くそして弱かった男の冒険譚~ 作:金舎
基本的に週1投稿になります。
これから、皆さんを楽しませられるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
「ただいま~。イシス、帰ったよ。」
「あら、お帰りなさい。ハル。ところで、その子はどうしたの?」
イシスと呼ばれた人は帰ってきた彼女の腕に抱えられていた赤ん坊をみて尋ねた。
「いや、ちょっとレベルアップでの体のずれがあるかも知んないから調整しにダンジョンに潜ってて、帰り際に見つけたんだ。そのまま放っておくわけにはいかないから連れてきたんだが。」
「え?その子、ダンジョンで拾ってきたの?」
「ああ、周りにほかの人間の気配もなかったしな。」
彼女は赤ん坊をダンジョンで拾ってきたと聞いて、驚愕していた。
驚愕するのも無理はない。
本来、ダンジョンとはモンスターが常に生まれ続ける場所なのだからそこに赤ん坊一人がぽつんと一人だけいるということはあり得ない。
それに、戦闘力皆無の赤ん坊が一人でいようものなら魔物に食われて終わりなのだ。
それなのに、赤ん坊一人で無事でいることはあり得ないといってもいい。
「ダンジョンで捨てられたか?それとも、ダンジョンから赤ん坊が生まれたか。そんなことあるわけないか。どう思う、イシス。」
「う~ん。ウラノスに聞いてみなきゃわからないけど。ダンジョンから子供が生まれるなんて聞いたことないよ。そう考えると、どっかの冒険者が捨てていった可能性の方が高いわね。」
「で、連れてきたのはいいがこの子どうする?」
「ここには孤児院なんてないしね~。う~ん…。」
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女の人が会話してるのが聞こえる。
一人はさっきの助けてくれた女の人だろうけど。
もう一人は誰だろう。
目を開けると、ボーイッシュな女性の腕に抱かれていた。
その隣にはとてもきれいな女性が立っていた。
周りを見渡すと大きな家の庭のようなところにいるようだ。
庭の真ん中には大きな噴水が見える。
他にも何かあるのだろかとキョロキョロしていると目が合った。
「あら。起きたのね。おはよう。」
「お、起きたか。」
どうせ赤ん坊なので『あ~。』とか『う~。』としか聞こえないだろうけど。一応挨拶しておこう。
「う~う。うあうう~う。《どうも。城田優斗です。》」
「ん~。どうしたのかなぁ~。私はイシス。神様よ。わかる?」
「あう。《はい。》」
「わかんないかなぁ~。ま、赤ん坊だしね。わかるわけないか。あ!ちょっと待ってて。」
そう言ってイシスという神様?と言ってた女の人が家の中に入っていった。
「はい。」と返事してみたのはいいもののちゃんとした発音ができないので会話が全く成立しない。
なんか伝えるのにいい方法はないかと思案していると彼女が家の中から何やら紙のようなものを持ってきた。
「はい、これ持ってみて!」
そう言われて、赤ん坊ながらの大人の人差し指をぎりぎりつかめるくらいの小さな手でその紙を掴んだ。
その瞬間、その紙に自分の名前や性別、そしてゲームのステータスのような数字が魔法のように一人でに書き出されていった。
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ユウト・シロタ
Level0
力 10
耐久 13
器用 25
敏捷 36
魔力 50
《魔法》
・アブソーブ Lv.0
詠唱『汝の身、我が糧となれ。―アブソーブ』
対象の身体能力、知識、経験を一時的に吸収し、自分に反映する。
但し、レベルに応じて対象数が増える。
《スキル》
・
あらゆる環境に適応する。
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僕の手からそっと紙をイシスが取り、紙に書かれたステータスを見て大きく目を見開いた。
「え、うそ。この子、
それを聞いたハルも彼女同様驚愕していた。
魔法とスキルがLevel1の状態ですでに発現しているというのは珍しいことだが、
そう、
だが、彼は
「それで、そのスキルと魔法ってなんなのさ。イシス。」
「魔法はアブソーブ。これは、簡単に言えば人の経験や身体能力をコピーして自分の力にするみたい。そして、スキルは
「このあらゆるっていうのが本当に未知数だな。で、結局この子どうするんだ?ウチで育てるか?」
「そうね~。それが、一番いいのかもしれないわね。私は、あなたがいいならいいわよ。ここの団長はハルなんだから。」
そう言われた、彼女は顎に手を当て、少し考え、僕の方を見て微笑んだ。
「…じゃあ、この子はウチで育てることにする。ダンジョンで見つけたのも何かの縁だしな。」
どうやら、僕はこの人たちの家で育てられることになったようだ。
これから、どうなっていくのかは見当もつかないがとりあえず、何か自分の意思を伝えられるようになんないと。