君がこれを聴く時、僕はもう『ここ』にはいないだろう………
これは僕の大切な場所で過ごした大切な時間を纏めた物だ。
是非とも僕の大切な場所で過ごした掛け替えのない日々を皆の記憶に留めてほしい。

『蒼穹のファフナー』ファンによる。彼等の日常をShangri-La(楽園)化したお花畑な物語。

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第一話「僕の日常」

僕の言う『ここ』とはこの太平洋に浮かぶ島『竜宮島』。

 

ここが僕の故郷だ。町と自然が調和を果たした美しい島である。

 

「では総士。留守を頼んだぞ」

 

僕の父『皆城公蔵』。父と母『皆城梢』は『フェストゥム』と呼ばれる未確認物体の研究をする学者だ。

 

二人は仕事の関係上島の外に出ることが多く、基本的に僕は妹と二人で暮らしていた。

 

「乙姫起きろ、学校に遅刻するぞ」

 

「…」

 

「乙姫」

 

「ふぁ~。おはよう総士」

 

「急いで支度をするんだ。授業開始まで残り30分だ」

 

「総士ったら、そんなにバタバタしなくても大丈夫だよ」

 

『皆城乙姫』僕の妹。妹なのだが僕を常に呼び捨てし、時々驚くようなとても年齢に似つかわしくない言動をする。マイペースで何を考えているのかイマイチわからない不思議な妹だ。

 

「乙姫ちゃん。おはよう」

 

「あっ、芹ちゃんだ。総士先に行ってるね」

 

「おい。待て乙姫」

 

時間ギリギリに起きながら、友達の『立上芹』が迎えに来る頃にはいつも支度を終え、僕よりも先に学校に向かっている。

 

(全く。食器くらい片付けていかないか)

 

僕は基本的に室内での行動を好む。勿論学校の級友と外で遊ぶこともあるが、読書や勉学など自分の見識を広げることを好む。

 

「総士。サッカーやらないか」

 

「剣司か、すまない今日はどうしても読んでおきたい書物があるんだ」

 

「そうか、まあ遊びたくなったらいつでも来いよ」

 

「そうさせてもらう」

 

至福の時を過ごしていると

 

「難しそうな本だね」

 

1人の少女が話しかけて来た。

 

「どんな本なの皆城くん」

 

「これはとある学者が発表した【フェストゥムが生命体である可能性】についてを論じた書物だ」

 

「書いた人は皆城くんのお母さん」

 

「よくわかったな」

 

「なんとなくね、私が知ってる学者さんって皆城くんのお父さんとお母さんくらいしか知らないから」

 

「読むか。遠見」

 

「…うーん。いいやよくわからないし、邪魔してごめんね皆城くん」

 

「…そうか」

 

『遠見真矢』。僕の級友で洞察力に優れた非常に活発的な女子だ。

 

彼女の天真爛漫な言動に僕はよく振り回されている。

 

(読むのに夢中でもうこんな時間か、急いで夕飯の支度をせねば)

 

日が沈みかけた頃急いで学校を出ると丁度生徒と1人出くわした。

 

「一騎…今から帰りか」

 

「総士…お前こそ」

 

『真壁一騎』。僕の幼なじみで昔からずっと一緒に行動を共にした仲の少年だ。

 

「また読書に夢中だったのか」

 

「お前こそ、剣司達とのサッカーはとっくの昔に終わったんじゃないのか」

 

「…観てたのか」

 

「息詰まった時に気分転換に外を眺めたらお前達を目撃しただけだ」

 

「やりたかったなら来ればよかったのに」

 

「気分転換に観てただけだその必要は無かった」

 

「そうか」

 

「お前はどうしたんだ一騎」

 

「数学と理科の補修を受けてた」

 

「身体を動かすことは得意だが学問は相変わらずなのか」

 

「理数系が苦手なだけで、他はそこまで悪い成績じゃない」

 

「今度、僕が教えてやろう」

 

「いい。自分でやる」

 

「遠慮はいらないぞ一騎」

 

「だからいいって」

 

「総士遅い~。夕飯作って待ってるんだから早く」

 

いつの間にか乙姫が家から僕を探しに来ていた。

 

「こんばんは一騎。一騎も一緒に夕飯食べる」

 

「ありがとう。でも父さんが腹を空かせて待ってるからまた今度お邪魔するよ」

 

「そうか。じゃあまた明日な」

 

「あぁ、また明日」

 

こうして一騎と二人で時間を忘れて語り合い、乙姫と夕飯を食べ再び至福の時間に入り1日を終える。

 

それが僕の日常であった。


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