第11話 ライフ・ブレイク
「私が戦う目的は唯一つ……」
男の声だ。その声の主は、俺を庇うように立っていた。
「…変身。」
その男は、漆黒の仮面ライダーに変身した。しかし、そこに禍々しさはなく、純粋な正義の眼差しがあった。
「私の罪は、私が背負う!」
「…きろ。起…ろ。」
その時、女の声が脳に直接語りかけてきた。
それと同時に視界が暗転した。
「起きろ。」
その声に起こされ、目を開けた。そこには、黒の忍者装束を見に纏った仮面ライダーの姿があった。
「なんだ…ここ?」
「話の説明は後だ。今は私と戦え。」
俺は重い身体を勢いよく起こし、周りを見渡した。すると、既に何人かのライダーに囲まれていた。敵は全部で5体。
待てよ、つまりこいつは俺が寝ている間一人で相手していたのか…余程の強者だ。
「分かった、とりあえず、何が何だか分かんねーけど。」
俺はベルトを巻いた。
「変身!」
[open!][Masked warrior!KAMEN RIDER WAR-Z!]
「そっちの奴も変身できたのか。面白くなってきたじゃねーか!!」
忍者ライダーの目線の先にいた銀色の西洋鎧に身を包んだ仮面ライダーが言った。
「こっちはなんも面白くないね。レイド。」
銀色のライダー、レイドに忍者ライダーは言葉を返した。
「さぁ、今日こそこのチョロスケをぶった斬ってやる!」
レイドはサバイブソードガンを構えた。
「…殺し尽くしてやる!!」
レイドの掛け声で、周りのライダー達は一斉に俺達向けて駆け出した。
「緑の奴を倒してやる!!」
まず先陣を切って現れた石灰色の仮面ライダーが俺に拳を振り下ろした。
「はあっ!!」
俺はその拳を受け止め、カウンターを決めた。
更に、右脚で蹴り上げ、続いてやってきた白衣を見に纏ったライダーにぶつけた。
「いった!何すんの!」
白衣のライダーは女か。石灰色のライダーの右肩を叩いた。
「悪い悪い。思っていたより強くてな。」
「なら私に任せなさい。」
白衣のライダーは右手を太陽に翳した。
「おっ、いつものあれか。」
石灰色のライダーは何かを察したのか、サバイブソードガンの剣先を俺に向け駆け出した。
そしてその剣を俺の喉元に突き刺そうとした。
俺もすかさず剣を取り出し、弾こうとした。その時。
「剣で弾かれる。」
白衣のライダーが俺のしたい事を突然言葉にした。
「あいよ!」
すると石灰色のライダーは剣を引き、右脚で蹴り上げた。
そして剣を銃に変え、吹き飛ばされている俺に弾丸を撃ちつけた。
俺の身体に激痛が走り、地面に屈した。
「終わりだぜ。」
石灰色のライダーと白衣のライダーはベルトのキーを回した。
[Great bomb!]
[Nobel intelligence!]
2人のライダーはそれぞれ銃を構え、強大な弾丸を叩きつけた。
「…やったな。」
石灰色のライダーが銃を下ろした。その時、彼のベルトはウォーズの剣によって砕かれた。
「は…」
状況の読み込めない彼はそのまま消え失せてしまった。
「…何が起きたのよ…」
「折角予知能力があるのに、そこまで見通せなかったのか…」
彼女の目の前にはウォーズが2人いた。
「ダミーキー。こいつはただ分身するだけじゃなく、片方を身代わりにできるんだ。」
「ふ、ふざけるな!!」
[Re open!][Gemini drop!]
2人のウォーズは、一気に距離を詰め、ダブルタイキックを喰らわせた。
その攻撃はベルトを破壊、そしてライダーを消滅させた。
「…生き残るには、この手しか無い。」
康介はそう呟いた。
「ふっ!」
忍者ライダーはその身の軽やかさを利用し、3人のライダーの攻撃を次々と避けた。
あるものは眼に似た自立行動をする二つ銃口を使い不規則な攻撃を繰り出し、あるものは野性の猪の様に飛び付こうとした。レイドは、剣を使い、切り刻もうとした。
しかし、これら全てをそよ風が吹いたかの様に避け、姿を隠した。
「どこへ行った…」
すると、レイドを取り囲んでいたライダー2人に手裏剣型のエネルギー弾が激突、それぞれベルトを貫き、命を絶たせた。
「何が起きてやがる…」
その時、忍者ライダーは天高く舞い上がり、剣を逆手持ちし構えた。
[KUNOICHI assassin!]
「そこか!!」
[RAID calamity!]
レイドの一太刀が忍者ライダーの胸元を貫いた。
「俺の勝ちだな!」
その声と共に爆発が起きた。しかし、その爆発はレイドを中心としたものだった。
「変わり身の術だ。」
忍者ライダー…クノイチは吐き捨てた。
「君、すごいな。」
変身を解いた康介が近寄ってきた。
「お前、戦闘後にしては気を抜きすぎだ。斬られても知らないぞ。」
クノイチは変身を解いた。中から姿を表したのは、長髪が目立つ地味な青色の服を着た女だった。
「君、八代忍だったのか…」
「ああ」
忍は冷淡に返した。
「俺の事、助けたのか。」
「そういうことね。」
俺は気になった事を尋ねた。
「いずれ殺し合うのにか?」
「お前は殺す殺さぬ以前に役目がある…『怪物の子』としてな。」
その言葉を聞いた時、頭の中が真っ白になった。
俺がこの世で一番嫌いな言葉、口にする事すらしたくないもの。
「…関係ないだろ…君には」
俺は冷静を保とうとしたが、忍には即座に見破られていた。
「関係なくない。私もあの事件の被害者だから」
「うるさい…うるさいうるさいうるさい!!」
俺は耳を塞いだ。
「どいつもこいつも…何で俺が怪物の子供呼ばわりされなきゃならない!確かに、俺の父さんは科学実験都市アトランティスの研究に関わってた…だが、人は絶対に殺さない!あの全てが滅んだその時も!」
「何も私はそこまで言って…」
忍は俺を落ち着かせようと言葉をかけた。
「…俺を…人殺しの息子と言っているような奴に話すことなど何もない!失せろ!!」
俺は忍を押しのけ、山中に逃げるように入っていった。
父さんは…人なんて殺さないよな…絶対に