仮面ライダーWAR-Z[ウォーズ]   作:津上幻夢

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第13話 デビル・モンスター

あれからどれぐらい山中を歩いただろう。

 

ひたすら進んでも木々が俺を邪魔するように生い茂っている。

 

怪物の子…

 

俺は…そんなはずはない…父さんが…怪物な訳…

 

「まさかあの攻撃を喰らって生きてるなんてな…」

 

その時、どこからか女の声がした。

 

俺は当たりを見回し、木々の間にいる女を見つけた。

 

東雲早苗だ。

 

「お前…」

 

「山田康介、ここで倒す。」

 

[施錠…][悪魔ノ覇道…仮面ライダー悪道…]

 

早苗の姿は炎の使者、仮面ライダー悪道に姿を変えた。

 

「…変身。」

 

[open!][Masked warrior!KAMEN RIDER WAR-Z!]

 

俺はウォーズにその身を変え、拳を構えた。

 

悪道は剣を構え、刀身を光らせた。

 

「はあっ!」

 

悪道は一瞬で間合いを詰め、斬り込んだ。

 

俺はそれを避け、左脚で蹴り上げた。

 

悪道はその攻撃に反応する事なく、再び剣で切り裂こうとした。

 

俺も剣を取り出し、防いだ。

 

飛び上がり、悪道と距離をとった。

 

「これで終わりだ。」

 

[再施錠…][悪道炎舞!]

 

[full open!][WAR-Z slash!]

 

悪道とウォーズは必殺技を発動、紅と翠の刃が、木々ごと相手を切り裂いた。

 

 

 

木々が次々と倒れた。

 

ウォーズは地に膝をつけた。

 

悪道は、何事もなく立っていた。

 

「光司、悪いがウォーズを倒すのは私だ。」

 

 

その時、木々を掻い潜り、クナイ型のエネルギー弾が悪道を襲った。

 

悪道は腕で攻撃を防いだ。

 

「なっ!」

 

悪道の目の前には、クノイチの姿があった。クノイチはウォーズを庇うように立ち尽くしていた。

 

「…お前…」

 

ウォーズが上を見上げた。

 

「先程の詫びだ。」

 

そう言うと、クノイチは剣を逆手持ちし、構えた。

 

「…俺も行く。」

 

ウォーズも立ち上がり、剣を構え直した。

 

「ニ対一、無謀だな。」

 

悪道は、剣を蛇腹状に変え、2人に振り下ろした。

 

ウォーズとクノイチはさっと左右に避け、悪道向け走り出した。

 

悪道はそれを防ごうと再び剣を振り下ろした。その攻撃は2人に激突。しかし…

 

「「そっちは偽物だ!!」」

 

ウォーズとクノイチは悪道の上方にいた。

 

「何!」

 

悪道は、剣で防ごうと構えたが、それよりも早くウォーズとクノイチの剣が激突、火花を散らした。

 

 

「ぐっ…私は確かに攻撃したはず…」

 

悪道はふらふらしながら、聞いた。

 

「変わり身の術よ。」

 

「ダミーキーの力さ。」

 

2人はそれぞれ答えた。

 

「ぐっ…私は、負ける訳にはいかない…」

 

悪道は立ち上がった。その身体からは漆黒の炎が湧き上がっていた。

 

「なんだ…この力は…」

 

すると、その炎は悪道を包み込んだ。

 

「ぐっ…ああっ!!」

 

「なんかやばいぞ。」

 

ウォーズは身構えた。

 

クノイチもこの光景に釘付けになっていた。

 

 

 

しばらくすると、漆黒の炎は消えた。しかし、そこに悪道の姿はなかった。代わりに悪魔の形相をした『怪物』がそこにいた。

 

 

「ゥグ…ウギャァァ!!」

 

悪道の意思はそこにはなく、純粋に獣が立ち尽くしていた。

 

怪物は、ウォーズとクノイチに飛びかかった。

 

2人が身構えるよりも早くウォーズに飛び付き、剣で切り裂いた。

 

「うがっ!!」

 

ウォーズが吹き飛ばされ、変身が解けた。

 

「なっ、1発で!」

 

クノイチはこの状況に動揺していた。

 

しかし、だからといってこの状況が止まるわけではなく、怪物は今度はクノイチに、尾を突き刺した。

 

クノイチも変身を解かれ、地面に屈した。

 

怪物は遠吠えをあげ、ウォーズの息の根を止めようとした。その時、バイクの走行音が鳴り響いた。

 

その音で怪物は動きを止めた。

 

しばらくすると、怪物の背後から、漆黒の戦士が現れた。

 

怪物はそのことに気がつき、振り返った。

 

その戦士は左胸に『Z』の文字が浮かび上がり、頭部には黒いアンテナが2本立っていた。それを一言で表すなら『漆黒のウォーズ』。

 

漆黒のウォーズは剣を振り下ろし、怪物と康介を引き剥がした。

 

「俺の…に手を出すな。」

 

漆黒のウォーズは剣を銃に変えると、何か薬品のようなものを怪物に投与した。

 

 

すると、怪物はもがき苦しみ始め、悪道、そして早苗の姿に戻った。

 

 

その隙を見て、漆黒のウォーズは康介と忍を抱えて立ち去った。

 

 

しばらくすると早苗は意識を取り戻した。

 

「なんだ…今のは。」

 

自分の腕を見た。確かに人間のものに戻っていた。

 

早苗はあの強大な力を操ることはできなかった。

 

 

 

漆黒のウォーズは、小川の辺りで2人を下ろした。

 

「ここまでこれば安全だろう。」

 

そう言うと、漆黒のウォーズはスマホぐらいのサイズのスイッチを押した。

 

すると漆黒のウォーズの身体は光に包まれ、その場から消えた。

 

 

それからすぐ、康介と忍は目を覚ました。

 

「…ここは…」

 

忍は当たりを見回した。

 

「とりあえず、あの森からは出たのか。」

 

康介が言った。

 

「ここならしばらくは安全だろう。」

 

忍はそう言うと、康介の方を向いた。

 

「さっきは、あんな呼び方をして済まなかった。」

 

忍は頭を下げた。

 

康介はしばらく考えた。そして、拳を振り上げようとした。

 

それを見た忍は警戒をした。

 

が、その必要はなく、康介は握りしめた拳を開き、差し出した。

 

「さっきの戦いで、無かったことにする。」

 

忍の顔に笑みが浮かんだ。

 

「そのかわり、教えてくれ。なんでさっきはあんな呼び方を…?」

 

忍は一瞬躊躇ったが、すぐに覚悟を決めた顔になり、口を開いた。

 

「それは…」

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