第1話 ウォーズ・バース
全ての始まりは、1人の生徒の一斉送信メールから始まった。
差出人は東雲早苗、内容は
[2月29日午前9時、常盤高校の校庭に全員集合。来てみれば分かる。]
ということだった。
俺は、とりあえず行くつもりはなかった。
しかし、1人の友達が、「一緒に行こう!」と強く誘われてしまい、結局行くことになってしまった。
で、今その彼女を彼女の家の前で待っていた。
「遅いな…仕方なく行ってやろうって言ってるのに…」
俺は、山田康介。まぁ、一言で言えば仮面ライダーオタクだ。俺は生まれた時からライダーと一緒だったような者だ。そして、今やってる仮面ライダーゼロワンも、もちろん見てる。
「康介、ごめん!遅くなっちゃった!」
すると、彼女の家の扉から、待ち合わせ相手の清宮一美が出てきた。髪は首辺りで、胸は小さく、身長は俺とほとんど同じくらいだ。
「一美、遅いぞ。そっちから呼び出しておいて寝坊だなんて…」
俺はやや呆れ気味に言った。彼女はごめんごめんと頭を下げた。
「早く行くぞ。」
清宮一美、彼女はゲーマーで、いろいろな大会の賞を総なめしている凄いやつだ。まぁ、勉強は結構やばいがな。それにおっちょこちょいだ。彼女は両親がいない代わりに叔父叔母が営むパン屋に住んでいる。
俺達は、徒歩で学校へ行った。俺は自転車を押しながら、一美はゲーム機を片手に歩いた。
一美は、ゲーム機を両手持ちし、ゲームを始めようとした。
「ゲームやりながら歩くと事故るぞ。」
俺は注意した。俺の目の前で事故なんて起こされたら溜まったもんじゃない。
「はいはい、分かりましたよ真面目君。」
一美はそう言うとゲーム機を片手に持った。
俺はよく一美と居ることが多い。まぁ、1番は話し相手がいないと言うことだ。俺はライダーオタクで彼女はおっちょこちょい。どちらも人に好かれる性格じゃない。
そんなこんなで、学校へ着いた。
今日は土曜日だ。部活をやってる生徒が多く居ると思ったが、全くと言って良いほど人影はなかった。唯一、グランドの隅で3年2組の生徒が居るぐらいだった。
「あっ、康介!こっちこっち!」
俺を最初にこっちに呼んだのは呼び出した本人、早苗だ。
「なんだ、この休みの日に呼び出したりして…言っておくが、何か良からぬことを始めようとしたら、俺は帰らせてもらうからな。」
俺は早苗に強く言った。
「わかってるって。」
早苗は周りを見回した。どうやら、俺達が最後だったらしい。早苗は、小声で全員いるね、と言うと、台の上に乗った。
「これより、このクラス最期の思い出作りをしようと思います!」
早苗の声にみんな騒めいた。
「じゃあ、私達のバッタちゃん、後はよろしく!」
すると、早苗の後ろから現れたのは、バッタ型の怪人だった。
「何あれ!」「気持ち悪い!」
女子達が次々とそう言った。
「これ、かなり不味いんじゃないか。」
俺は、足を少しずつ後ろに下げた。
「さぁ、ゲームスタート。ライダーバトルの始まりよ。」
早苗の声は先程と違い、暗く、不気味な声になっていた。
その声と同時にホッパーは次々と現れ、生徒達に次々と攻撃を始めた。
「一美!」
俺は一美の手を強く握り校門から外へ出ようとした。
しかし、校門にも大量のホッパーが押し寄せていた。
「康介!校舎の中に逃げよう!あと、手離しなさいよ!」
「ああ…」
俺は一美の手を離し、校舎へ急いで逃げ込んだ。
校舎には既にクラスの3分の1が逃げ込んでいた。
「とりあえず、北校舎に行こう!」
中にいた1人の男がみんなに北校舎へ行こうと言い、皆それに着いて行った。
「私達も!」
一美も皆と一緒に行こうと言った。
「いや、俺達は上に行こう。」
「なんで?」
「大人数で行動したら見つかりやすいだろ。」
俺は再び一美の手を握り、一気に4階まで駆け上った。その間、一美は何回も手を離すよう言ってきたが、階が上がるにつれて、それは少なくなった。
「着いた!」
そして、俺達は屋上に着いた。俺達はもう息切れを起こしていた。
フェンスにもたれかかり、座り込んだ。
俺達はふと下を見てみた。グランドや、花壇などいろんな所で、生徒達が倒れていた。少なくとも、校舎に逃げ込んだのは正解だったらしい。
「みんな…やられちゃったのかね…」
一美が、心配そうに聞いてきた。
「さぁ…どうだろうな…とりあえず、助けが来るまでここで待とう…」
すると、空からバタバタと音が聞こえた。
「ヘリコプターか?」
しかし、その音はホッパー達の羽音だった。西側からホッパーが大群で攻めてきた。
「空からかよ!」
俺達は立ち上がり、東側へ逃げようとしたが、階段から上がってきたホッパーに進路を絶たれた。
「ねぇ…私ここで死ぬのやだよ!」
一美が俺にしがみついた。
「俺だって嫌だよ、こんな所で…死んでられるかよ!」
俺は、一美を庇うように手を添えた。
「ここで終わらせるかよ…俺と…一美の運命を!」
その時だった。ホッパーの大軍の中から、二本ベルトが投げ込まれた。二つとも同じ盾のような形で、色も同じシアンだったが、左側に刺さっている物の色が緑の物と、金色の物があった。
「それを使い、変身しろ!」
そして、男の声が聞こえた。
「これをどう使えって言うのよ!」
一美がそう聞き返したが、返答はなかった。
俺は緑の物が刺さっている方のベルトを手に取り、腰に巻いた。
「一美…今はやるしかない。」
俺は、ベルトの緑の物を引き抜いた。どうやら「鍵」らしい。俺はその鍵を右手で持ち、天に掲げた。
「変身!」
俺はそのキーをベルトに刺し、回した。
[WAR-Z key!][open!]
俺の身体は、少しずつ灰色に変化していき、肩、胸、腕、足に黒のアーマーが装着された。
更に、身体に力が溢れてくるのと同時に、ベルトから身体中に緑色のラインが流れてアーマーが緑に染まった。最後に、複眼が青に染まり、俺は変身した。左胸には「Z」の文字があった。
「なんだ?マジで変身したのか?」
俺は状況理解が全くできていなかった。
「康介!後ろ!」
俺は一美の声で、ふと我に帰った。そして、後ろから迫るホッパーを避けた。
ホッパーは、俺の姿が変わったことに一瞬動揺したが、すぐさま攻撃を始めた。
俺は、まず向かってくるホッパーに右ストレートを放った。ホッパーは、吹っ飛ばされ、校庭に真っ逆さまに落ちた。
「これなら行ける!」
俺は更に右脚を上げ、ホッパーを蹴り飛ばした。
「康介!」
その時、一美が俺を呼んだ。
俺が一美の方を見ると、一美はベルトをつけたまま変身しようとせず、ホッパーから逃げる為にフェンスによじ登っていた。
「一美!変身しろ!」
「無理!どうやるの!」
「ベルトのキーを回せ!」
「ベルトのキーって!きゃあ!」
その時、一美がフェンスから足を滑らせ、校庭に真っ逆さまに落ちた。
「一美!!!!!!!」
俺は一美を追いかけようと飛び上がろうとしたが、左足を誰かに掴まれ、倒れてしまった。
「誰だ!っ…!」
俺が誰であるかを聞く前にそいつは剣で俺を突き刺した。唯一分かったのは、血のような色をした仮面ライダーであるということだけだった。
「Zのライダーとまさかここで出会すとは…これは楽しみだ…」
次回、康介が目を覚ますと、知らない場所にいた。
「どこだよ…ここ!」
そして、金色の仮面ライダー現る。
「私?うーん、仮面ライダーエレクス?かな。」
「次回の運命も俺の手の上だ!」