「兄さん!!」
幼い一美が俺の名を呼んだ。彼女は笑顔で俺に抱きついた。
「一美!お前は可愛いな…」
俺は彼女を抱きしめ、頭を撫でた。これでもかと言うぐらい。
俺にとって一美は宝物同然。命をかけて守りたい。そう思っていた。
俺は誰がどう見ても幸せだった。父親、母親、そして妹に愛されて。俺は生まれてよかった。
本当に…
あの時、全てが終わりを告げた。
崩れる建物、下敷きになる人。全てがこの世のものとは思えなかった。街が地球から消えた。科学実験都市アトランティス、まさに名前の通り消失してしまったその事件。俺達兄妹はそこにいた。
その時は、俺と一美の2人で家に留守番していた。その時、突然揺れが起きた。これはまずいと思った俺は、一美の手を握った。
俺は一美を連れて逃げた。だけど、知らず知らずのうちに瓦礫に挟まれ、身動きが取れなくなっていた。
「兄さん!!」
その時、一美の上にガシャンと看板が崩れ落ちてきた。
俺が近づく前に、一美の姿は看板の下に消えた。
「一美!!!!」
俺は泣き叫びながら看板を退かそうとした。しかし、小学校中学年ぐらいの力では全く動かなかった。
「絶対に助け出す!」
その時、看板がふわっと持ち上がった。
そこにいたのは、漆黒の戦士。青色の目、鋭く伸びた触覚、左胸の特徴的なライン、まるで仮面ライダーだと、俺は思った。
「大丈夫か?」
漆黒の戦士は、俺に向けて言った。
しかし、それを無視した俺は、下敷きになっていた一美に駆け寄った。
一美の身体を揺すり、起こそうとした。だが、そこに息はなかった。
泣いた。泣き叫び、目の下が腫れている。
帰らぬ者の名を叫びながら…
「ここにいては危険だ。逃げるぞ。」
その戦士は生き絶えた一美と俺を担ぎ、急いでその場を後にした。
「…ん?朝か…」
俺は寝ていたのか。いつ振りだろうか、あの時の夢を見たのは。
俺の顔には朝日が降り注いでいた。
「兄さん、起きた?」
そこには、一美がいた。すっかりと大人に成長した一美が。
「おはよう…一美。ありがとう…俺に生きることを許してくれて。」
彼が、幸せを取り戻すにはまだこの先、未来の話。
彼はその名の通り道を…未来を創り出す仮面ライダー、ローディ。
彼とウォーズ、エレクスが交わる時、全ての謎が紐解かれ、歯車が動き出す。
その時は、きっと漆黒のウォーズも姿を現すだろう。
「俺の名は仮面ライダーローディ。失われしYの名を持ち、未来を創り変える者。」
[Remake the future![未来を創り変える!]仮面ライダーローディ!!]
康介達の前に現れる新たな敵。
そして、漆黒のウォーズ、遂に現れる。
第3章 フューチャー・ロード
2021年2月公開!
皆さん、こんにちは。津上幻夢です。ここまでウォーズをご覧いただきありがとうございます!
第2章、いかがでしたでしょうか?この章から本格的に旧版と路線が変わっていきました。10年前の事件。それによって大切なものを奪われた者達…
そして第3章では、今回登場した人物も本格参戦。お楽しみに。
ちなみに、上記の予告通り、ウォーズ本編は1ヶ月ほど休刊いたします。「本編」は。ここ、重要ですよ。
それでは皆さん、次回もお楽しみに!