仮面ライダーWAR-Z[ウォーズ]   作:津上幻夢

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記憶4 分かった、約束だ

「よっしゃ!!今年最後の学校終わりだぜ!!」

 

放課後、そう叫んだのは香だ。彼女は一美の机の上に座っていた。

 

「イチミン、ハヤナエ!ゲーセン行くぞ!!」

 

「悪い、私この後用事が…」

 

一美は、香にそう伝え、先に教室を出た。

 

 

「ハヤナエは行くよな?」

 

 

「別にいいけど、その前に先生に呼び出しくらってるから、先行ってて。」

 

 

早苗もそう言って教室を出た。

 

 

「はぁ…つまんな。」

 

香は机の上から降りた。

 

「お前は退屈しないだろ?隣のクラスに彼氏いるんだろ?名前は確か、神谷昭彦だっけ?」

 

そう言ったのは鮫島だ。

 

「別にあんたには関係ないでしょ?それともあれ?嫉妬?」

 

「さあね、ま、いつでも中指立てる準備はできてる。」

 

そう言って彼も教室を後にした。

 

「こわっ…しょうがないか…アッキーに連絡するか。」

 

 

 

同刻、資料室にて

 

「ありがとう、レイ君。お陰で早く終わらせれたよ。」

 

恵理とレイは、資料室で整理を終わらせていた。

 

「ううん。気にしてないよ。それにしても大変だね。一人でこんな作業を…」

 

「本当そうだよ…光司のやつ…どこに行ったのよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、北川光司は応接室である男に会っていた。

 

 

「一体、どのような用件でここに?」

 

 

 

「山田康介について、どこまで情報を入手した?」

 

 

 

「いえ…殆ど何も…」

 

 

 

「はぁ…やはり君ではその役目は無理だったか…もういい。お前は下がれ…これからは彼に頼む。」

 

 

 

そう言うと、後ろから南条翔が姿を見せた。

 

 

 

「お前!」

 

 

 

「そう言うわけだ。まぁ、俺に任せてくれよ。」

 

 

 

 

 

光司は、半ば追い出される形で応接室を後にした。

 

 

そこへ今度は入れ替わるように東雲早苗が入っていった。

 

 

「お呼びですか?」

 

 

 

「ああ、ライダーシステムについてだ。」

 

 

 

「それなら、すでに2機完成しております。」

 

 

 

「全部で4機、と言ったな。それを5機に変えてくれないか?」

 

 

 

「はい、でも、データは?」

 

 

 

「そのデータは私が用意する。お前は詮索するな。それともう一つ…」

 

 

 

「なんでしょう?」

 

 

 

「お前、でしゃばりすぎだ。数合わせは数合わせらしく角で大人しくしていろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…ようやく学校終わりだ…帰ったら何しようかな…とりあえずエグゼイド1話から見直そうかな…」

 

その頃、康介は昇降口を後にしようとしていた。

 

「康介君!」

 

その時、脳を刺激するような高音で彼を呼ぶ声がした。

 

「お前は…西本鷲花。」

 

「そそ、名前覚えてくれてたんだ。」

 

彼女は擦り寄るように康介に近づく。

 

康介は、それを振り払った。

 

「やめろ、気持ち悪い。」

 

「そんな引くことないって、私と遊んでよ。」

 

今度は上目遣いで彼を見た。

 

「嫌だね。興味ない女と遊ぶつもりはない。」

 

「康介!」

 

その時、一美が現れた。康介は彼女が助け舟に見えた。

 

「どうしたの?」

 

「なんでもない。早く帰ろう。」

 

二人は、すぐさまこの場を離れた。

 

 

「へぇ、男を知るためにやりたくもない役をやって取り入ろうってか?」

 

西本の後ろから南条が現れた。

 

「そうね、やってて恥ずかしい。」

 

彼女は、先程とは全く違う低い声で返した。

 

「それを何なりとやってのける…お前役者志望か?」

 

「そうだったかもね。私はもう覚えていないけど。」

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、康介は自転車を押し、彼女の歩くペースに合わせていた。

 

「ねぇ、明日遊ばない?私、行きたい店あるんだ。」

 

一美が康介の方を向いて話す。

 

「だめだ。お前は勉強優先だ。付き合ってやるから、明日は勉強会だ。」

 

康介は、表情変えずに言う。

 

「冬休み早々勉強とか萎えるんですけど…」

 

一美はわざと大きく残念そうな表情をした。

 

「だったら宿題を早く終わらせる事だな。」

 

康介は、一美の方を見て、嘲笑うように言った。

 

「…しょうがない、じゃあ、その代わり明日までに宿題終わらせたら、絶対その店付き合ってね。」

 

 

「分かった、約束だ。」

 

 

 

 

 

 

昔の自分なら、こんな事想像できなかっただろう…

 

俺が、普通の人間と同じように笑ったり、喜んだりする事に…

 

俺はこの三年でだいぶ変わった気がする。

 

ただそれは彼女も同じだ。最初はあれだけ暗かったその背中は、今では俺にとって輝きをもたらすもののように感じる。

 

本当はもっと伝えたいことが沢山あった。でも、それも伝えられないまま死んでいく…

 

そうか…俺、死ぬのか…

 

死ぬのは怖くない…今まで何度もそんな瞬間があったから…

 

俺が行くのは天国だろうか…そんなわけないか。沢山のクラスメイトをこの手で殺したんだ。俺こそ地獄にすら行けないな…

 

きっとこの眼は二度と覚めることはない…

 

永遠の無…

 

その時、何か見えた気がする…

 

黒く、だが何色にも瞬くその姿が…

 

宇宙のように暗く明るいその身体が…

 

その時、その光が俺を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんこんにちは、津上幻夢です。ここまで読んでいただきありがとうございます!

今回の章は番外編として、康介と一美の高校一年生の時を断片的に描いてみました。

正直、仮面ライダーが全く出てこないんで、全然描けないんじゃないかと思ってましたが、余裕で3000字を超えるものが2話も…

来月からは、再び本編へと戻ります。この4話にしか出てきていないキャラも本格参戦、どう活躍するかお楽しみに…

それでは、皆さん第3章でまたお会いしましょう。第21話は2月1日に投稿!お楽しみに…
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