仮面ライダーWAR-Z[ウォーズ]   作:津上幻夢

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第35話 クローズ・アイズ

夜明け前、東側の空が少し明るい頃、康介は1人どこかへ向かおうと西へ歩いていた。

 

 

「どこ行くの?」

 

 

それを止める声がした。

 

 

後ろには朝日に照らされる一美がいた。

 

 

彼女は、康介の後ろ姿をずっと見ていた。そして、その影に徐々に迫っていく。

 

 

「また、一人で行くの?」

 

 

「そういうことだな。」

 

 

康介はここで初めて口を開いた。

 

 

「一美は、もう大丈夫なのか。」

 

 

「うん、それよりも今日は兄さんを偽っていた奴を…?」

 

 

「そういうことだな。」

 

 

康介は、一美を見た。彼女の泣き疲れた目を見て、言った。

 

 

「一美、お前は…」

 

 

「私は行くよ。」

 

 

康介の言葉を一美は遮った。

 

 

「止めても行くよ。私わがままなんだから…」

 

 

そういうと先導して歩き始めた。

 

 

康介はその様子に、少し口元を緩めた。

 

 

「しょうがない。来るなら勝手にしろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日と同じように、康介は総合本部の中へと入っていった。一美も置いていかれないよう後ろをしっかりとついていった。

 

待合所を抜け、奥の電気室へと足を踏み入れた。

 

「ここに…」

 

一美はそう呟いた。

 

康介は前と同じように奥の扉をゆっくり開けた。

 

 

そこには、ソファーに座る男の姿があった。

 

「久しぶりだね、康介君に一美ちゃん。」

 

 

「火神麒麟…お前が…」

 

康介は、気色の悪い彼の目を睨んだ。

 

赤と黄色の服を組み合わせている彼は、黒い部屋にいてもよくわかった。

 

「僕は、今までの戦い。全部見てきて。特にウォーズ、あんたは誰よりも多くライダーを倒してきた。すごいよ。ホント」

 

「お前には分からないだろうな、俺の気持ちは。」

 

康介は、麒麟にそう言った。

 

「別に、どうでもいいし。そんなこと。君達は、ゲームのコンピュータに過ぎない。コンピュータ同士で戦わせて、その中で強いのが僕と戦える。そして、君は選ばれた。」

 

「俺は、そんな児戯の為に仲間を殺した訳じゃない。生き残る為に、そして生き残って彼らの無念を晴らす為に…」

 

「そういうのはつまらないよ。人殺しはどんな理由があろうと人殺しだし、君の気持ちとかどうでもいいし。」

 

 

そういうと麒麟は、前に康介達を襲ったあの錠前を手にした。

 

「それは…」

 

「僕の為に作られたロックサバイブバックル。これで僕は最強の仮面ライダーになれる。」

 

彼はそういうと錠前にキーを差し込み、開いた。

 

[降魔ノ錠前…]

 

「変身。」

 

[激施錠…][降リユク魔ノ力…仮面ライダー降魔…]

 

彼はバックルにロックサバイブバックルを装填、錠前を閉じた。

 

そして、恒久の闇が彼の身体を覆う。そして、赤、青、緑、銀の道化師のような面を被った仮面ライダーが姿を表す。仮面ライダー降魔、闇を操りし、最後の仮面ライダー。

 

「行くぞ、一美。」

 

2人はそれぞれベルトを装着、キーを回した。

 

「「変身!!」」

 

[Destiny more than the space!KAMEN RIDER WAR-Z・NOVA!]

 

[Blue flame!Brave fire!KAMEN RIDER Sapphire ERE-X!]

 

 

ウォーズ・ノヴァとサファイアエレクスはそれぞれ剣を構えた。

 

「さあ始めよう、闇の最終決戦を。」

 

降魔は、両手から『闇』を出現させ、2人を掴み上げる。

 

ウォーズとエレクスはその闇を払い除けようと剣を振るうが、逆にその闇が分裂し、身体に纏わりつく。

 

纏わりついた闇は、降魔の拳が閉じると同時に爆発、2人の体力を一気に削る。

 

「一美、大丈夫か?」

 

「なんとか。」

 

2人はすぐさま立ち上がり、剣を降魔に向け走らせる。

 

降魔は闇の攻撃を次々と出すが、彼らは、それらを次々と掻い潜り、懐まで一気に迫る。

 

ノヴァセイバーが降魔の左腕を斬り裂く。

 

しかし、降魔は欠けた左腕をすぐさま再生させた。

 

「何!」

 

「僕はあの4人のように怪人態を持たない代わりに、闇の力へ極限まで対応した。甘く見ないで欲しいね!」

 

後ろから迫るエレクスの剣撃を降魔は、闇になり避けた。

 

エレクスはそのまま光を遮った窓に激突。ガラスが割れ、外の光が差し込み、エレクスのサファイアの身体に反射した。

 

降魔は、エレクスの居る場所とは反対側に立っていた。

 

「危ないな…」

 

そう降魔は呟いた。

 

ウォーズは、降魔に間髪入れず次から次へと攻撃を仕掛ける。剣では遅すぎる為、格闘術で攻撃を仕掛ける。オレンジのエネルギーを纏った拳を降魔に突き出すが全て避けられ、攻撃が一切当たらない。

 

「くそっ!何か攻略法は無いのか!」

 

その時、部屋中に強い光が輝いた。

 

「なんだ?」

 

ウォーズは攻撃の手を止めた。

 

その光はエレクスが発生していた。

 

スパークキーを使い自ら発光していたのだ。

 

「康介!今よ!」

 

 

その声で再び降魔を見ると、彼は光に狼狽していた。

 

「光に弱いのか!」

 

降魔は先程窓から光が刺した時、慌てて奥へ逃げた。その様子を一美は見逃さなかった。

 

光で彼の動きを止めて、弱体化させれば勝機は訪れると。

 

[NOVA reopen!][WAR-Z drop NOVA!]

 

ウォーズは、キックの体勢に入った。身動きの取れない降魔の元まで一気に走り右脚を突き出した。

 

「これで終わりだ!」

 

その勢いにエレクスも必殺技を発動させる。

 

[Re open!][Prism ERE-X lightning!]

 

「はあっ!!」

 

エレクスも左脚で降魔を攻撃した。

 

2人の攻撃が、凄まじい爆発を起こし、闇をも焼き尽くす炎へと変わった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフ…ハハッ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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