仮面ライダーWAR-Z[ウォーズ]   作:津上幻夢

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第36話 クローズ・アトランティス

「フフ…ハハッ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、炎の中から高笑いと共に、ボロボロになった康介が地面に倒れた状態で現れた。

 

 

「えっ…」

 

 

エレクスは、その光景に唖然とした。

 

 

「光を使って動きを止める。実にいい対処法だ。ただ、それも慣れて仕舞えば、痛くも無い。その慣れるまで彼には盾になってもらったけどな。」

 

 

「そんな…」

 

エレクスは、狂気的に高笑いする降魔を見た。そして、彼にどうすれば勝てるか考えた。

 

先程の光を出しても、慣れた彼には対抗できない。サファイアの火力でも倒せるか分からない。

 

康介も重症だ…撤退するしか…

 

 

「よそ見をするな!!」

 

その時、降魔の拳がエレクスの顔面に激突する。

 

 

その衝撃で、エレクスの変身は解け、地面に屈した。

 

 

 

「…これで…終わりなの…何も出来ずに…」

 

一美は、立ち上がろうと手のひらを地面につけた。

 

その時、そこに何かが落ちているのを感じた。

 

 

それは、道永が彼女に遺した最後の切り札、アイギスバックルだった。

 

 

「無駄だ…もうお前達に勝ち目はない。この闘技は僕の勝ちだ!!!!」

 

 

 

 

「まだだ!!まだ勝負は終わってない!!」

 

降魔の前に、一美が再び立ち上がった。

 

「往生際の悪い奴め…」

 

「私は今まで、何も出来なかった。誰かを犠牲にすることも…戦う事も…でも、今なら覚悟できる。」

 

彼女はアイギスバックルを構えた。

 

[Shield up!]

 

「今なら、変身できる…本当の仮面ライダーエレクスに!」

 

一美は、バックルにアイギスバックルを装着し新たなエレクスへと姿を変える。

 

[AEGIS open!][I protect all and fight!KAMEN RIDER AEGIS ERE-X!]

 

 

背後に現れた煉瓦壁のような盾が現れた。それは、一美を覆うように前へと進み、新たなエレクスに姿を変えた。重厚な鎧を身につけて、動く要塞となったその姿は、神話に登場する神から授けられた盾のようだった。頭部の王冠は、ローディと同じ青も加わり、より神々しく輝く。

 

仮面ライダーアイギスエレクス。それが彼女の名だ。

 

 

「なんだ…その姿は…」

 

降魔は、見たこともないエレクスの姿に驚いていた。

 

康介も、薄れる意識の中、一美の覚悟を見届けた。

 

「第二ラウンドよ。私のプレイにシビレなさい。」

 

サバイブソードガンソードモードを右手に少しずつ歩き始める。

 

 

降魔は、エレクスに先制攻撃を仕掛ける。

 

拳をエレクスに再びぶつける。

 

しかし、エレクスはその攻撃にびくともしない。

 

次は闇を使い、爆発攻撃を試みる。だが、これも鉄壁の彼女の装甲には無意味だ。ノックバックすらしない彼女の硬さに彼は恐怖を覚えた。

 

 

「なんで…なんで効かない!!」

 

 

「それは…兄さんに聞きなさい!!」

 

 

攻撃に隙が多すぎる彼の攻撃を、エレクスは剣に全て吸収し、闇を光に変え降魔の前に構えた。

 

 

そして、上から下へ剣を振り下ろし、闇を打ち払う。

 

 

光を一つにまとめたその力に再生能力も虚しく、怪我も治らない。

 

 

 

「貴様…許さん…絶対に!!」

 

 

「あんたにとってこれはゲームなんでしょ、だっだら、恨みっこ無しよ!!」

 

 

アイギスエレクスは、バックルを押し込んだ。

 

 

「これで終わりよ…」

 

 

[AEGIS reopen!][DISASTER ERE-X lightning!]

 

 

 

アイギスエレクスは、降魔に閃光の回し蹴りを喰らわす。

 

その蹴りは、降魔の身体を抉り取り、今度こそ降魔を追い詰めた。

 

 

 

降魔は地面に転がるように倒れた。

 

 

「くそっ…」

 

 

 

「あなたの負けよ…」

 

 

「こうなったら…この闇で全てを無かったことにしてやる!!」

 

 

すると、彼はベルトの錠前を開いた。前にウォーズ達を葬った時と同じように翳した。

 

 

しかし、それはすぐに下げられた。

 

後ろには最後の力を振り絞って降魔を押さえつける康介の姿があった。

 

 

「一美…今のうちに!!」

 

康介は叫んだ。降魔は必死に抵抗するが、身動きが取れない。

 

「でも…そんな事やったら!」

 

そんな事やったら、康介も…死ぬ。

 

「俺もここで死ねば…一美だけでも助かる…だからやれ!!」

 

一美は、葛藤した。いくら自分が助かるとはいえ…今までずっと自分を守ってくれた…自分が愛した人を…

 

「ごめん…」

 

そう呟くと、アイギスバックルを押し込んだ。

 

 

 

右足に力を集中させ降魔に照準を合わせる。

 

 

「はっ!」

 

 

雷の如く一瞬にして降魔のベルトにキックを放つ。

 

 

轟音が彼らを包み込み、今度こそ降魔を撃破した。

 

 

 

 

爆炎が晴れると、康介を抱える一美の姿があった。

 

 

「康介…しっかりしてよ…」

 

一美は、康介を起こそうとした。

 

「…一、美…」

 

康介は、少し目を開き、右手で彼女の頬を流れる涙を拭き取った。

 

 

「あり、がと…う…」

 

 

その手は、地面に落ちた。身体が徐々に消え、光となった。

 

 

「それはこっちの台詞だよ…ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「作戦は失敗…か。仕方ない。彼ら4人にもう一度チャンスを与えてやろう。君達にも丁度いいだろ?」

 

玉座の男が見下ろす先には、傷だらけの亡骸になっている昭彦と香の姿があった。

 

「今度こそは成功させる…普通ならやり直す事はできない。時間を巻き戻さない限りね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんにちは、津上幻夢です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回の章では、残りのライダー達を全て撃破しエレクスが生き残るという旧版を知っている方はなんとなく分かったかもしれませんが、かなり変えましたね。

次回、果たしてどうなるか…時間を巻き戻すとは…
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