仮面ライダーWAR-Z[ウォーズ]   作:津上幻夢

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第44話 最終手段

「久しぶりだな、康介。」

 

「父さん…」

 

白夜総三が再び現れたその日の夕方、康介と一美は早速総三の元に現れた。

 

「一美君も、元気そうで。」

 

「いえいえ。」

 

白夜総三は、手短に用件を済ますと言うと、持っていた黒の鞄からスペシャルキーとサファイアキーを取り出した。

 

「これを作っていて合流が遅くなった。」

 

「これはスペシャルキーにサファイアキー。」

 

康介は驚きを口にし、スペシャルキーを手に取った。一美も、サファイアキーを手に取った。

 

「私は一度見たものはある程度複製できるからな。前と同じ使い心地かは分からないがな。」

 

「あるだけでも嬉しいです。ありがとうございます!」

 

「それと康介にはもう一つ。」

 

そう言うと、今度は白い布に包まれたものを取り出した。丁寧にその布を開くと、ノヴァバックルが姿を現した。

 

「ノヴァバックルか…それまで作っていたんだな。」

 

康介はそれを右手で取ろうとした。しかし、総三もノヴァバックルを強く握りしめ、取れない。

 

「なんで力入れてるんだよ。」

 

「ノヴァバックルはあの世界では何事もなかったが、現実では違う。強大な負荷がかかる。だからあくまで最終手段として使ってくれ。」

 

康介は、分かったと頷いたことでようやく力を抜き、手に取ることができた。

 

「私は一旦帰る。知り合いを待たせているんでね。」

 

そう言うと総三はバイクに乗り、夕日に背を向けて走り出した。その姿を康介と一美は見えなくなるまで見送った。

 

「そういえば、この事をせめて担任には…湯山先生には話した方がいいんじゃないの?」

 

一美はそう呟いた。

 

「いいや、だめだ。この戦いに関係ない人を巻き込むわけにはいかない。例えそれが担任でも…」

 

湯山玄武…彼らの担任の教師だ。とてもいい教師として生徒には人気がある。そんな人を巻き込みたくないと康介は思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明日、お前達は私と共に行動してくれ。」

 

西本鷲花は、後ろに立つ北川光司と東雲早苗に言った。

 

「承知しました。」

 

鷲花がその場を後にした後、2人は顔を見合わせた。

 

「鷲花、学校にいた頃の煙たい女とは別人の様だな。」

 

「そうね、前は女優志望だったのかしら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、鮫島は親の遣いで買い物をしていた。鮫島はこう見えても買い物の名人で、新鮮なものを安く買ってくる。特に魚は。

生憎今日の夕食はカレーで魚介類は一切使用しないため、腕を振るえなくて残念だ。

 

「よし、これで全てだな…」

 

「よお、鮫島。」

 

帰路についていた彼に後ろから声をかけた人物がいた。

 

「…北川か…」

 

「今日はお前の命日だ。」

 

鮫島が後ろを振り返ると、絶王の他、悪道と怪駕の姿があった。

 

「俺を仕留めようという訳か…やってみろよ。」

 

鮫島は買い物袋を道の端に避けると、ロードライバーを取り出し、装着した。

 

「変身。」

 

[set up!][大展開!][仮面ライダーメガロドン!!]

 

腕や脚から銀に輝く鰭の様な刀を見せる仮面ライダー、メガロドンが再び現れた。

 

剣、槍、斧を振りかざそうと迫る。それらを右腕の手刀で振り払う。

 

後ろへバク転しながら下がり、敵を寄せ付けない。その姿はまさに海の王者メガロドン。

 

しかし、地に脚をつけた瞬間、身動きが取れなくなった。

 

絶王のヘルブリザーによって凍らされた脚を動かそうと錯誤するが、それよりも早く悪道の剣が彼の体を切り裂いた。

 

怪駕はトドメを刺そうと斧に風のエネルギーを吸収し始めた。

 

その時、横から新たな戦士が怪駕を攻撃しながら現れた。

 

電撃を纏った剣を振りかざしたのは、エレクスだった。

 

「大丈夫か?」

 

「まさかこんな所で会うなんてな。」

 

エレクスは、剣で氷を突き刺し砕いた。

 

「2人になった所で変わらない。」

 

「それはどうかな。」

 

エレクスはそう言うと、サファイアキーを取り出し、変身した。

 

[Sapphire key!][open!][Blue flame!Brave fire!KAMEN RIDER Sapphire ERE-X!]

 

「その姿か…俺は大嫌いなんだよ。」

 

絶王は、自分が2度も敗北したサファイアエレクスを見ると激昂した。

 

氷柱の様な氷、プロミネンスの様な炎、竜巻の様な風を3人は放出し、エレクスにぶつける。

 

しかし、氷は弾かれ炎は効果なく、風も重量があり持ち上がらない。

 

「前より強化されている…」

 

サファイアエレクスは、6本の角が生えたサファイアブレードを構え歩き出す。怪駕は武器を邪剣に変え、迫る。

 

剣の攻撃をエレクスは横へと流し、絶王も難なく斬り裂く。

 

しかし、やはり数が多いため決め手に欠けていた。

 

その時だった。

 

「私も助太刀する。」

 

[set up!][大展開!][仮面ライダークノイチ!!]

 

現れたのは、クノイチに変身した八代忍だ。漆黒の鎧に身を包んだ彼女は変幻自在な攻撃で敵を撹乱していく。

 

3人は、防戦するしかできない。

 

「俺も負けていられるか!」

 

メガロドンも完全に回復し、敵を斬り裂く。

 

3人の戦士は、それぞれ武器を構えた。

 

[Grade up!][Prism lightning star!]

 

[再展開!][MEGALODON viking!]

 

[再展開!][KUNOICHI assassin!]

 

流星群の如く降り注ぐ光弾、銀の斬撃エネルギー、漆黒の手裏剣弾は、敵を爆散させた…

 

 

 

が、彼らは炎の中から再び姿を現した。それも怪物の姿として。

 

悪道が変身したデビル、絶王が変身したカイザー、そして怪駕が変身したのは指輪の様な装備を身体の至る所につけ、左右でブルーとピンクで正反対の色をした怪物、ラバーリング。

 

「さぁ、第二回戦とシヨウじゃナイか…」

 

濁った声ながらも、怪駕は意識を留めていた。しかし、悪道とカイザーは完全に力に飲まれ今にも暴走しそうだった。

 

いや、すでに暴走を始めライダー達に襲いかかろうとしている…

 

 

 

「はあっ!!」

 

その時、頭上から大剣を振り下ろし地面に着地する戦士が現れた。

 

漆黒の鎧を身につけた最強の戦士ウォーズ・ノヴァだ。

 

「一美、鮫島、八代。大丈夫か?」

 

「遅いよ、康介。」

 

「ああ、悪い悪い。」

 

ウォーズは軽く詫びると、剣を再び構えた。

 

「前より重く感じるが、戦えなくはない。」

 

そう言うと、ラバーリングとカイザーに攻撃を始めた。

 

エレクスも、デビルに攻撃を仕掛ける。

 

 

ウォーズ・ノヴァは、メガロドン、クノイチと共に2人を追い詰めていく。

 

暴走で目が眩んでいるカイザーは、ウォーズの一太刀を喰らった後、クノイチの連続斬撃とメガロドンの踵落としをくらい撃沈。そのまま人間態に戻った。

 

ラバーリングはトマホークの様な斧を2つ握りしめて仕掛ける。が、ウォーズノヴァノヴァ特効能力には敵わず、弾き返される。

 

「もう2度と、傷つけさせない。」

 

[WAR-Z Bigbang!]

 

ビックバンの様な力を持った大剣が、ラバーリングに降り注ぐ。

 

間一髪の所で死を免れた彼女は、変身を解き気絶している光司と共にその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

一方エレクスはデビルと互角に戦っていた。

 

どちらも一歩も譲らず、倒れる気配もない。

 

その一瞬だった。エレクスは、足元を滑らせ転びそうになった。その隙をデビルは逃さず攻撃を仕掛けようとした。刃の様に鋭い尾をエレクスに突き刺そうとした…が、そちらも動きが止まった。

 

しばらくもがき苦しむと、デビルは元の早苗の姿に戻った。

 

「早苗…」

 

早苗は何も言わず姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「康介、一つお願いがあるのだけど。」

 

戦いが終わった後、鮫島と忍と別れた2人は並んで歩いていた。

 

「なんだ?」

 

「悪道を…早苗を倒すのは…止めるのは、私に任せて欲しい。」

 

「なんでだ?」

 

康介はそう聞いた。

 

「親友だから…」

 

そう言った後、しばらく沈黙が流れた。

 

そのまま家に着いた康介は答えを出さずに一美と別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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