「久しぶりだな、康介。」
「父さん…」
白夜総三が再び現れたその日の夕方、康介と一美は早速総三の元に現れた。
「一美君も、元気そうで。」
「いえいえ。」
白夜総三は、手短に用件を済ますと言うと、持っていた黒の鞄からスペシャルキーとサファイアキーを取り出した。
「これを作っていて合流が遅くなった。」
「これはスペシャルキーにサファイアキー。」
康介は驚きを口にし、スペシャルキーを手に取った。一美も、サファイアキーを手に取った。
「私は一度見たものはある程度複製できるからな。前と同じ使い心地かは分からないがな。」
「あるだけでも嬉しいです。ありがとうございます!」
「それと康介にはもう一つ。」
そう言うと、今度は白い布に包まれたものを取り出した。丁寧にその布を開くと、ノヴァバックルが姿を現した。
「ノヴァバックルか…それまで作っていたんだな。」
康介はそれを右手で取ろうとした。しかし、総三もノヴァバックルを強く握りしめ、取れない。
「なんで力入れてるんだよ。」
「ノヴァバックルはあの世界では何事もなかったが、現実では違う。強大な負荷がかかる。だからあくまで最終手段として使ってくれ。」
康介は、分かったと頷いたことでようやく力を抜き、手に取ることができた。
「私は一旦帰る。知り合いを待たせているんでね。」
そう言うと総三はバイクに乗り、夕日に背を向けて走り出した。その姿を康介と一美は見えなくなるまで見送った。
「そういえば、この事をせめて担任には…湯山先生には話した方がいいんじゃないの?」
一美はそう呟いた。
「いいや、だめだ。この戦いに関係ない人を巻き込むわけにはいかない。例えそれが担任でも…」
湯山玄武…彼らの担任の教師だ。とてもいい教師として生徒には人気がある。そんな人を巻き込みたくないと康介は思っていた。
「明日、お前達は私と共に行動してくれ。」
西本鷲花は、後ろに立つ北川光司と東雲早苗に言った。
「承知しました。」
鷲花がその場を後にした後、2人は顔を見合わせた。
「鷲花、学校にいた頃の煙たい女とは別人の様だな。」
「そうね、前は女優志望だったのかしら…」
翌日、鮫島は親の遣いで買い物をしていた。鮫島はこう見えても買い物の名人で、新鮮なものを安く買ってくる。特に魚は。
生憎今日の夕食はカレーで魚介類は一切使用しないため、腕を振るえなくて残念だ。
「よし、これで全てだな…」
「よお、鮫島。」
帰路についていた彼に後ろから声をかけた人物がいた。
「…北川か…」
「今日はお前の命日だ。」
鮫島が後ろを振り返ると、絶王の他、悪道と怪駕の姿があった。
「俺を仕留めようという訳か…やってみろよ。」
鮫島は買い物袋を道の端に避けると、ロードライバーを取り出し、装着した。
「変身。」
[set up!][大展開!][仮面ライダーメガロドン!!]
腕や脚から銀に輝く鰭の様な刀を見せる仮面ライダー、メガロドンが再び現れた。
剣、槍、斧を振りかざそうと迫る。それらを右腕の手刀で振り払う。
後ろへバク転しながら下がり、敵を寄せ付けない。その姿はまさに海の王者メガロドン。
しかし、地に脚をつけた瞬間、身動きが取れなくなった。
絶王のヘルブリザーによって凍らされた脚を動かそうと錯誤するが、それよりも早く悪道の剣が彼の体を切り裂いた。
怪駕はトドメを刺そうと斧に風のエネルギーを吸収し始めた。
その時、横から新たな戦士が怪駕を攻撃しながら現れた。
電撃を纏った剣を振りかざしたのは、エレクスだった。
「大丈夫か?」
「まさかこんな所で会うなんてな。」
エレクスは、剣で氷を突き刺し砕いた。
「2人になった所で変わらない。」
「それはどうかな。」
エレクスはそう言うと、サファイアキーを取り出し、変身した。
[Sapphire key!][open!][Blue flame!Brave fire!KAMEN RIDER Sapphire ERE-X!]
「その姿か…俺は大嫌いなんだよ。」
絶王は、自分が2度も敗北したサファイアエレクスを見ると激昂した。
氷柱の様な氷、プロミネンスの様な炎、竜巻の様な風を3人は放出し、エレクスにぶつける。
しかし、氷は弾かれ炎は効果なく、風も重量があり持ち上がらない。
「前より強化されている…」
サファイアエレクスは、6本の角が生えたサファイアブレードを構え歩き出す。怪駕は武器を邪剣に変え、迫る。
剣の攻撃をエレクスは横へと流し、絶王も難なく斬り裂く。
しかし、やはり数が多いため決め手に欠けていた。
その時だった。
「私も助太刀する。」
[set up!][大展開!][仮面ライダークノイチ!!]
現れたのは、クノイチに変身した八代忍だ。漆黒の鎧に身を包んだ彼女は変幻自在な攻撃で敵を撹乱していく。
3人は、防戦するしかできない。
「俺も負けていられるか!」
メガロドンも完全に回復し、敵を斬り裂く。
3人の戦士は、それぞれ武器を構えた。
[Grade up!][Prism lightning star!]
[再展開!][MEGALODON viking!]
[再展開!][KUNOICHI assassin!]
流星群の如く降り注ぐ光弾、銀の斬撃エネルギー、漆黒の手裏剣弾は、敵を爆散させた…
が、彼らは炎の中から再び姿を現した。それも怪物の姿として。
悪道が変身したデビル、絶王が変身したカイザー、そして怪駕が変身したのは指輪の様な装備を身体の至る所につけ、左右でブルーとピンクで正反対の色をした怪物、ラバーリング。
「さぁ、第二回戦とシヨウじゃナイか…」
濁った声ながらも、怪駕は意識を留めていた。しかし、悪道とカイザーは完全に力に飲まれ今にも暴走しそうだった。
いや、すでに暴走を始めライダー達に襲いかかろうとしている…
「はあっ!!」
その時、頭上から大剣を振り下ろし地面に着地する戦士が現れた。
漆黒の鎧を身につけた最強の戦士ウォーズ・ノヴァだ。
「一美、鮫島、八代。大丈夫か?」
「遅いよ、康介。」
「ああ、悪い悪い。」
ウォーズは軽く詫びると、剣を再び構えた。
「前より重く感じるが、戦えなくはない。」
そう言うと、ラバーリングとカイザーに攻撃を始めた。
エレクスも、デビルに攻撃を仕掛ける。
ウォーズ・ノヴァは、メガロドン、クノイチと共に2人を追い詰めていく。
暴走で目が眩んでいるカイザーは、ウォーズの一太刀を喰らった後、クノイチの連続斬撃とメガロドンの踵落としをくらい撃沈。そのまま人間態に戻った。
ラバーリングはトマホークの様な斧を2つ握りしめて仕掛ける。が、ウォーズノヴァノヴァ特効能力には敵わず、弾き返される。
「もう2度と、傷つけさせない。」
[WAR-Z Bigbang!]
ビックバンの様な力を持った大剣が、ラバーリングに降り注ぐ。
間一髪の所で死を免れた彼女は、変身を解き気絶している光司と共にその場を後にした。
一方エレクスはデビルと互角に戦っていた。
どちらも一歩も譲らず、倒れる気配もない。
その一瞬だった。エレクスは、足元を滑らせ転びそうになった。その隙をデビルは逃さず攻撃を仕掛けようとした。刃の様に鋭い尾をエレクスに突き刺そうとした…が、そちらも動きが止まった。
しばらくもがき苦しむと、デビルは元の早苗の姿に戻った。
「早苗…」
早苗は何も言わず姿を消した。
「康介、一つお願いがあるのだけど。」
戦いが終わった後、鮫島と忍と別れた2人は並んで歩いていた。
「なんだ?」
「悪道を…早苗を倒すのは…止めるのは、私に任せて欲しい。」
「なんでだ?」
康介はそう聞いた。
「親友だから…」
そう言った後、しばらく沈黙が流れた。
そのまま家に着いた康介は答えを出さずに一美と別れた。