仮面ライダーWAR-Z[ウォーズ]   作:津上幻夢

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「はあっ!!」

1人の騎士、ロックが、鷲の怪物、アドラーに剣を振り下ろした。

「これで決める。」そう必殺技を構えたその時だった。

「待ってくれ!これは幹部に言われてやったんだ…俺はこんな事したくない…だから見逃してくれ。二度と人間には危害を加えない!」

怪物はそう叫んだ。

「優、そんな事信じるなよ。」ユーズが言う。しかし、ロックは剣を止めた。

「でも…」

その時、2人の間に赤黒い戦士が割って入った。そして、アドラーを掴み上げるとそのまま空間に生み出したホールへと入っていった。

「待て!!」


ロックはそう叫ぶと…叫んだ時にはすでにホールの中へ一緒に入っていた。












第49話 消失した都市と鍵の騎士

「ここが、元アトランティスがあった場所か…」

 

 

5月の空が隅から隅まで晴れ渡っている日、康介はアトランティスがあった山の中の広大な空き地に来ていた。

 

そこはアトランティスが消えてから何度も再開発の計画があった。しかし、その話が上がるたびに関係者が謎の死を遂げると言う怪談じみた話が広まり、結局今日に至るまで空き地のままだった。

 

 

そんな場所になぜ彼は居るのか、それは数日前までに遡る。

 

 

 

 

 

「ただいま。」康介はいつも通り会社から帰るとリビングに顔を出し母の様子を見るのが習慣となっている。

 

「おかえりなさい。」

 

リビングには白夜総三の姿があり、帰ってきた康介に対してそう言った。

 

康介はその後風呂に直行しようとした、が明らかにそこに居ないはずの人物の姿を見るともう一度リビングの扉を開けた。

 

「どうしたんだ?」総三は聞く。

 

「どうしたんだはこっちの台詞だ、何で居るんだよ。」康介はリビングに入り父親の前に立つ。

 

「康介に用があってきた、それだけだ。それに母さんに顔を見せておけと言ったのは康介だろ?」

 

「まぁ確かにそうだけどさ…ところで母さんは?」

 

「今風呂だよ。料理は冷蔵庫の中にあるから温めて食べてくれって。」総三の前から居ましたよのオーラを出しながら話す様子に一瞬苛立ちを感じたが、空腹には耐えられず冷蔵庫を開けた。

 

「で、要件って何だ?」康介は夕食のサラダをテーブルに置き、炊飯器からライスを皿に盛り付けた。

 

「アトランティス跡地に、正体不明の怪物らしき生物が現れた。それを調べて貰いたい。」単刀直入に言う。

 

「それぐらい自分でやればいいじゃないか。」康介はライスに温め直したハヤシライスのルーをたっぷりとかけた。

 

「私は、まだ世に姿を見せる訳にはいかない。だから頼んでいる。それに明日は休みだろ?」総三は康介にどんどん詰め寄る。

 

 

 

 

 

 

 

そしてその答えが今の状況だ。

 

「それにしても…」彼は先程から違和感を感じていた。誰がこちらを見ている、そんな感覚がした。

 

 

しかし後ろを振り返っても人の影すら見当たらない。気のせいかと再び正面を向き直した…。

 

「あれは?」そこには、徐々に地面から湧いて出るホッパー達の姿があった。

 

「なんでこんな所に!」

 

康介はすぐ様バックルを装着し、キーを構えた。

 

「変身!」[open!][Masked warrior!KAMEN RIDER WAR-Z!]

 

変身するのはほぼ2ヶ月ぶりの彼、すぐ様ホッパーに対して剣を突きつける。

 

「ホッパーか、久々の運動に丁度いい!」

 

現れた10数体のホッパーは瞬く間に消滅する。

 

しかしそれ以上のペースでホッパーは生成されていく。

 

「キリがない…」そう言うと剣にキーを装填する。

 

[full open!][WAR-Z slash!]翠色のエネルギーを纏った剣はホッパーを切り裂いていく。

 

ホッパーがいたところは爆発によって枯れた葉が舞っていた。

 

「ここは…森か?いつの間に…」

 

ウォーズは森林へと迷い込んでしまった…そう考えた、だが明らかにおかしい、さっきまで空き地に居たはずだ。そう考え彼は木の葉の道を歩いていく。

 

しばらく進むと開けた所へと出た。

 

それを見たウォーズは、驚きで言葉が出ない。

 

 

植物の生い茂った建物、荒廃した街、それは紛れもなく自分達が前に戦っていたアトランティスそのものだった。

むしろ腐敗具合が前よりも酷くなっている。

 

その時、右奥の建物の裏から何か音がしたことに気がついた。

 

 

 

ウォーズはその建物へと近づく。

 

そこには、ウォーズと似た姿をした赤黒い戦士と、鷲の怪物、更に騎士の様な見た目をした仮面ライダーの姿があった。ウォーズはその騎士に見覚えがあった。確か仮面ライダーロック…そう名乗っていた。彼とは少し前に会ったことがあり、肩を並べて戦ったこともある。

 

ウォーズはしばらく会話を聞くことにした。

 

「そいつを離せ!」ロックが言う。

 

「ここまで追ってきたのか…やはりしぶとい奴だな。」赤黒い戦士が言い放つ。

 

「アンタ、俺のことなんか気にしないで逃げてくれよ!」鷲の怪物が言う。

 

「そんな事出来ない、平和に暮らしたいと願うなら人だろうとホールズだろうと助ける!」ロックは剣を構えた。

 

ロックは、地面を蹴り上げ赤黒い戦士に迫る。それを赤黒い戦士は鷲の怪物を押し倒し避けた。

 

「お前とは戦いたくないのだかな…!」赤黒い戦士は剣を取り出した。

 

「だが剣を向けた以上、返すのが筋って奴だ。その運命呪うんだな。」

 

赤黒い戦士はそう言うとロックに向かって剣を振り下ろす。

 

その斬撃は鎧のない所を敢えて狙い彼を一気に追い落とす。

 

「これで終わりだ。」[再施錠…][ネガブレイク!]

 

右脚にエネルギーを纏いロックに蹴りを放とうとする。

 

あれを喰らえば死ぬ、そう悟ったウォーズは咄嗟に弾丸を放つ。

 

その攻撃に気付いた赤黒い戦士は避ける。

 

「何者だ!」

 

「おい色違い。そいつを殺す気か?」

 

「色違い?違う、俺の名は仮面ライダーネガウォーズ。覚えておけ。」

 

「そうかよ、それよりそれ以上の攻撃をやめてもらおうか。」ウォーズはネガウォーズと銃を構えながら距離を詰める。

 

「ふっ、ならこいつはどうなってもいいのか。」ネガウォーズはそう言うと倒れていた鷲の怪物に剣をかけた。

 

「アドラー!!」後ろのロックが叫ぶ。

 

「ウォーズ、その変身を解きキーを全て出せ。そうすればこいつを解放してやる。」

 

「そんな要求に乗らなくていい!俺がとこいつを倒せ!」鷲の怪物…アドラーは叫ぶ。

 

ウォーズは静かに腰のキーに手をかけ、抜いた。

 

変身を解き康介の身体が現れた様子を見てネガウォーズは意外だと呟いた。

 

ウォーズは、自身の持っているウォーズキーを始めとした5本のキー、スペシャルキーを置いた。

 

「…一緒にノヴァも出して貰おうか。」

 

「…仕方ない。」康介は隠し持っていたノヴァバックルも出した。

 

ネガウォーズはそれを一つずつ回収するとその場を後にした。

 

ロックは、変身を解き康介の前に立つ。

 

「久しぶりだね、康介。」彼は康介の名を呼んだ。

 

「ああ、2ヶ月くらいぶりだな、優。」

 

獅童優、それが彼の名だ。またの名を仮面ライダーロック。

 

「…あの、ありがとう。俺を助けてくれて。」

 

その時、2人の後ろからアドラーが声をかけた。

 

「いいって、それより怪我はない?」優は彼の身体を気遣う。

 

「ああ、なんとかな。そちらの戦士もありがとう…」

 

「礼には及ばない。」戦って感謝されるなんてことがない康介は一瞬照れた。

 

「それにしても、2人は何故ここに?」康介は話題を変えた。

 

「俺達は、ネガウォーズを追って来たんだ。」

 

優達はここまでの経緯を話した。それに康介はやや驚くが、すぐに納得した。

 

「つまり、アドラーを救う為にやって来たと。」

 

「そうだね。」

 

それにしても、アドラーの様に正義の心を持った怪物もいるのだな、そう素直に思った。

 

「で、ここはどこなの?明らかに人が住んでいる様子は無いし…」

 

「ここは、科学都市アトランティス…だった場所だ。ここが例の戦場だ。」康介が例の戦場と言うと優は少し悲しい顔をしながら頷いた。

 

「とりあえず、ネガウォーズを探そう…別れると先程みたいに襲われるかもしれない、団体行動しよう。」康介がそう言うと、背後の人物が真っ先に頷いた。

 

「是非賛成です!!」明らかに優でもアドラーでも無い声に康介は後ろを振り返った。

 

そこにはグレーのスーツを着たカメラを首から下げている男がいた。

 

「アンタ誰だよ!というかなんでここにいる。」康介は聞く。

 

「申し遅れました、私こういうものでして…」そう言うと名刺を差し出した。そこには[北一新聞 天野星也]と書かれていた。北一新聞、インターネットで新聞を読むと言う革新的な方法をいち早く取り入れたことで有名な新聞社の記者が何故ここに…

 

「実は私、今白夜総三さんについて調べておりまして。それでご子息である貴方について行けば何か分かると思いついて行ったら、ここに入ってしまって…」

 

父親について調べているのか…色々詮索をしたかったが、それは諦めた。刺激して余計なことにならない様にと敢えてそこまで聞かなかった。それにしても、アトランティス跡地で感じた視線はこいつだったのかと一安心した。

 

「しょうがない、俺達から離れるなよ。」

 

こうして4人はアトランティスを進むこととなった。

 

 

 

 

途中、音楽の話で優と星也は意気投合し、話しながら歩いているのを眺めながら康介はアドラーに話しかけた。

 

「なんで、戦うのが嫌になったんだ?」

 

「俺は、血を見るのが嫌いになっただけさ。誰かが死ぬ所なんて見たくもない…君達はなんでそんな事を気にせず剣を握り戦えるんだ?」アドラーは逆に問いかけた。

 

「…血を見て喜ぶ奴なんてまともな感性を持っていない奴だけだ。誰だってそんなもの見たくないさ…ただ、それを現実と割り切るしかないんだ。そうやって俺は戦って来た。」

 

「…俺には少し難しいな。」アドラーはそう呟いた。

 

「とにかく、簡単に言えば逃げちゃダメだって思う事だ。俺が逃げれば怪物は野放しにされ、より人は死ぬ。そんな事を放っておきたくない。」康介は自身が思う事をそのまま口にした。

 

「うぅああ!!」

 

その時、前から悲鳴が聞こえた。視線を前に戻すと星也がダークホッパーに捕らえられていた。更に周りには大量のホッパーが出現していた。

 

「たたた助けて!!」

 

「今助ける!!変身!!」[施錠!騎乗!向上!…仮面ライダーロック!]

韻を踏んだ変身音と共にロックは姿を現す。ロックは剣を呼び出すとホッパー達を次々と切り裂く。

 

瞬く間に消えたホッパーを横目にロックは星也を捕らえているダークホッパーに迫る。

 

「優、気をつけろ!そいつは魔法を使ってくるぞ!」

 

「分かった、それならレイア、力を貸してくれ!」

 

「Form up」「大変身!」「ok、changethe key・・・form flame!」

 

深紅の鎧を見に纏い、ロックは炎の剣を前に構える。

 

ダークホッパーは康介の言った通り魔法を、それも炎魔法をロックに浴びせた。

 

しかし、それはまさに火に油という奴だった。その攻撃によりロックの剣はより強化され、天に登るほどの火の柱を生み出した。

 

それで斬られたダークホッパーは、焼かれた所を痛がり、うずくまっていた。

 

「星也さん、あっちに!!」その時、ロックの横から斬撃が走った。

 

そこにはもう一体のダークホッパーがいた。そいつはもう一体のダークホッパーを起こすと2人揃ってロックに迫る。2体の不意打ちの連携攻撃にロックは一気に形成逆転され星也は結局ホッパー達の元だった。

 

「どうしよう…」アドラーはそう呟いた。

 

「…優を…星也を助ける!!」康介は走り出した。ロックが落とした剣を拾い上げると一体のダークホッパーに振り下ろす。しかし、人が振り下ろす剣は軽く、簡単に弾かれてしまった。

 

「やめろよ。なんでそんな無茶な事を…」アドラーが駆け寄る。

 

「言っただろ…もう逃げたくないんだ、現実から。だから無謀でもやるんだ。」

 

その言葉をアドラーは心の底から理解し、自身のすべき事が見えた気がした。

 

倒れる康介の前に立つと、トマホークを構え敵に向かって走り出す。

 

アドラーは、トマホークを振り下ろす…ダークホッパーはダメージを喰らうが、殆ど無傷だ。アドラーもダークホッパーに吹き飛ばされ康介の隣に倒れる。

 

「アドラー…どうやら俺達は似たもの同士らしいな。」康介が声をかけながら起き上がる。

 

「そうみたいだな…康介。」アドラーも再び立ち上がる。

 

「「…俺達は、絶対に諦めない!!」」起き上がった2人はそう固く決意した。

 

その時、康介のサバイブバックルとアドラーの身体が金色に光り輝いた。

 

「なんだ…この力は…」アドラーは突然の出来事に動揺した。

 

「さあな…だが、もしかしたら変身できるって事じゃないのか…俺とお前で。」康介はそう言う。

 

「「変身!!」」2人はそう叫んだ。すると、アドラーの姿は新たなキーへと姿を変えバックルに収まる。

 

[open!][Ever!Never!Over!KAMEN RIDER WAR-KNIGHTS!]

 

ウォーズの素体に鷲と騎士の鎧を混ぜた様な金色の鎧が装着され、新たな姿へと変える。一言で言うなら騎士風のウォーズ、仮面ライダーウォーナイツの完成だ。

双頭の鷲を象った両刃の斧オートクレールをガッチリと右手に持ちながらウォーナイツは2体のダークホッパーに近づく。

 

一体のダークホッパーは、同時に剣を振り下ろす。

 

だが、それは甲高い金属の擦れ合う音と共に弾かれる。ウォーナイツは斧を振り上げるとダークホッパーに攻撃を与える。

 

「俺達も負けてられないな…行くぞ!」

ロックはキーパットライザーを召喚、「1593」とコードを入力して新たな形態へと進化する。

「サイバーアップ!」

「Password Consent change up!」

 

ファイヤーウォールフォーム…ロックの身体を灼熱へと変化させる。武器を剣から槍へと変え自身の目の前に迫るダークホッパーを振り払う。

 

「一気に方をつける!」ロックは槍に自身のエネルギーを集中させる。

 

「俺達も決めるぞ!」「いつでも行ける!」ウォーナイツも斧を振り上げエネルギーを溜める。

 

「ガッチングストライク!」[KNIGHTS clash!]

 

振り下ろされた槍と斧は地面を轟音と共に進む。強烈な炎と氷が混ざり合い光となり2体のダークホッパーに迫る。

避けるのではなく応撃しようと2体は画策しようとしたが、そう考えるまもなく光に飲まれ塵一つ残らなかった。

 

 

「よし、やったな。優、アドラー。」

 

「ウォーナイツ…2人の力があってこそだよ。」

 

3人の背後から拍手をしながら隠れていた星也がやってきた。

 

「いやーやはりお強いですね。」そう言いながら目線はウォーナイツのバックルにあった。

 

「少し見せてくださいな!」彼はウォーナイツキーをバックルから引き抜こうとした。

 

「やめろよ!」ウォーナイツはそれを後ろに下がる事で防いだ。

 

「しょうがないですね…なら物々交換といきませんか?」

 

そう言いながら星也が彼らに見せたのは、先程ネガウォーズに取られた筈のウォーズキーだった。それだけでなく他のキー全て星也が持っていた。

 

「お前…何故それを持っている。」ウォーナイツが聞く。

 

「こう言う事だからですよ。」そう言って腰に巻き付けてあるものを見せつけた。それは紛れもなくネガウォーズがつけていたアルファサバイブバックルだった。

 

「つまり、最初から嘘を演じてたって訳か…」

 

「ええ、そのホールズという異界の力、そしてウォーズの抹殺をあの人は望んでいるんでね…」星也はそう言うとネガウォーズのキーを構える。

 

「力を持って全てを制す…変身!」[施錠…][仮面ノ絶望…仮面ライダーネガ・ウォーズ…]

 

「俺達とやろうって訳か…アドラーを奪わせない、そして俺を殺させない。」ウォーナイツは再び斧を構えた。

 

「右に同じだ、行こう康介!!」ロックも槍を構えてネガウォーズに刃先を向ける。

 

「かかってこい…まとめて撫で切りにしてやる!!」

 

そう言うとネガウォーズは剣を装備し2人に迫る。

 

ネガウォーズのなんも捻りもない単調な攻撃を後ろに下がる事で2人は交わし、ウォーナイツが斧を振り下ろす。

 

「まだまだ!」ネガウォーズは立ち上がると今度はロックへと迫る。

これを槍で攻撃が当たる前に貫く。その勢いでウォーズのキーが全てネガウォーズの懐から転がり落ちた。それをウォーナイツは手に取った。

 

もはや2人に手も足も出ないネガウォーズは、2人に叫んだ。

 

「何故だ…明らかにネガウォーズの方が強い筈だ!!」

 

「俺達とお前では場数が違うんだよ。」ウォーナイツが言う。

 

「破壊する為の力ではその先には何もない。でも誰かを守りたいと思う力には平和を守れるという未来がある。抱えている重荷の量が段違いなんだよ!」更にロックが付け足す。

 

「うるさい…こうなったら、アトランティスごと消えてしまえ!!!!」

 

そう言うとネガウォーズは銃を周りの建物へと乱射した。それにより腐敗の進んでいるコンクリート壁が一気に崩れ出し、2人の騎士の元に迫った。

 

「まずい!!」避けきれない突然の出来事に立ち尽くす2人。そして、巨大な破片が迫る。

 

「俺に任せてくれ!!」その時、ウォーナイツの変身が解け、アドラーが飛び出した。

 

アドラーは翼を広げ2人にコンクリート片が落ちない様支えた。

 

「アドラー!大丈夫か!」優が心配そうに聞く。

 

「こんな痛み…2人に比べれば全然…!」しかし、コンクリート片は更に積み重なり重量を増す。

 

「早く、出て!」アドラーはそう力を振り絞り叫ぶ。

 

「お前を置いていけるか!」康介はそう強く言い放った。

 

「…いいんだ、俺に少しでも正義の味方をさせてくれた事、感謝してる。俺も2人みたいに大切な人を守りたいんだ。だから…最後に、最期に自分の翼で守らせてくれ!!」

 

アドラーの願いに、康介は応えたいと、そう思った。優もそれは同じだ。

 

「すまない!」康介はそう言うとロックと共に安全地帯へと逃げる。

 

 

2人が逃げ、振り返った時には、アドラーがコンクリートの重荷に耐えている姿は見えずコンクリートの山ができていた。

 

「そんな…アドラー…」優が落胆の声を上げる。

 

「…」康介も黙ったまま瓦礫を見つめる。

 

「仲間を庇って犠牲に…ねぇ。ストーリー映えしそうだ。」ネガウォーズはわざと瓦礫の上を歩きながら楽しそうにいう。こんな悲しい時に…そう怒りをぶつけようと康介が口を開いた時、ネガウォーズの下から右腕が姿を見せた。

 

「本当、そうだよな!」アドラーだ。瓦礫をかき分け現れたその腕はネガウォーズの右脚を捕らえた。

 

「生きていたのか!」ネガウォーズは驚きで銃を構える。

 

アドラーは、右腕だけでなく身体全体を地上に上げると、そのまま銃を奪い取った。

 

「最期は仲良く道連れだ。一緒に地獄へ行こうぜ。」

 

アドラーは、ズタズタに切り裂かれた両翼の痛みに耐えながらネガウォーズを両腕で捕らえる。

 

「優…俺にもう一度生きるチャンスをくれてありがとう。康介…俺と共に戦ってくれてありがとう。2人には感謝している、だから絶対生き延びてくれよ!!」そう言うとまだ崩れていない外壁にアドラーは銃で攻撃した。その外壁は一瞬にして2人を簡単に潰してしまった。

 

 

 

 

アドラーの最期を見届けた2人に、帰還を伝える声が聞こえた。

 

2人の背後には、黒く空間に輝くホールができていた。

 

「康介、今すぐ帰還しろ。時間が限られている。」それは総三の声だった。

 

「分かった…すぐ行く。」康介はそれに答え優と共に潜り抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ…まだ終わっていない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か、康介。」ホールの先には先程までいたアトランティス跡地が広がっていた。そして、変わった機械を操作している白夜総三の姿があった。

 

「ああ、色々あったけどな。」康介はそう答える。

 

「康介、あの人は?」優は聞く。

 

「あの人は…頭の…」おかしい、そう言おうと康介は思ったがすぐに言い換えた。

 

「頭のいい父親だ。」その言葉を聞き総三は笑顔を見せた。

 

しかし、その顔はすぐ真剣なものへと変わった。

 

「何かがホールを潜ってやってくる!」

 

「何!」3人がホールに目線を移すと、そこにはネガウォーズの姿があった。

 

「探したぞ…今度こそぶっ殺す!」ネガウォーズは怨霊の如く蘇りそこにいた。

 

「死んでなかったのか!」優が驚く。

 

「父さん、下がってろ。コイツは俺達が倒す。」康介は総三にそう言った。頷いた彼はすぐさま立ち退いた。

 

「お前は俺達が倒す。お前の運命は俺達が終わらせる。」康介はノヴァバックルを装着する。

 

「アドラーの為にも、俺達は戦う!!」優もキーパットライザーを装備しキーを構える。

 

「「変身!!」」

 

[Destiny more than the space!KAMEN RIDER WAR-Z・NOVA!]宇宙をも超える運命を手にした戦士、漆黒の仮面ライダーウォーズ・ノヴァ。

 

[疾風!激流!烈火!フォームアップトライ!]蒼炎、激流、疾風を更に纏った鎧を身につけた騎士、蒼き仮面ライダーロックトライフォーム。

 

2人の最強形態が今ここに並び立つ。

 

「相棒は鍵!纏うは鎧!仮面ライダー...ロック!」ロックはそう名乗る様子を見たウォーズも即興で名乗りを考える。

 

「俺の名は仮面の戦士、仮面ライダーウォーズ!」ウォーズの名乗る姿をロックは見届けた。

 

「行こう、康介!」「優、いつでもいける!」

 

2人は剣を構えてネガウォーズに向かって走り出す。

 

ネガウォーズは先程と同様剣を構えた。そして、2人が剣を振り下ろすタイミングで剣を前に出し防ごうとする。

 

が、そんな抵抗も虚しく剣ごと叩き割られる。

 

「何!」ネガウォーズが動揺する間にも2人は必殺技を発動させた。

 

[full power][WAR-Z drop NOVA!]

 

2人は声を合わせて叫ぶ。

 

「「ガッチングストライクノヴァ!!」」

 

2人のキックがネガウォーズの胸部に一瞬で迫る。

 

そして刹那、その脚は地面に着地している。

 

僅か1秒足らずでネガウォーズは爆散し、爆炎の中へ消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また迷惑をかけたな。」康介は優に言った。

 

「困った時はお互い様、ライダーは助け合いでしょ。」優は康介に笑顔で答える。

 

「どこかで聞いた事ある台詞だな。」

 

「これは、俺の恩師が言ってた言葉なんだ。って言っても受け売りらしいけどね。」

 

2人が笑い合っていると、目の前にまたホールが現れた。

 

「よし、優君、これで帰れる筈だ。」総三は、2人に別れの時間を告げた。

 

「じゃあ、またどこかで!」優は康介に手を振りながらホールの中へと入っていった。

 

康介は優の姿が見えなくなるまで見届けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日、俺全然出番なかったな…」

 

「仕方ないじゃん、他の人には聞こえないし、そんなにゆっくり話す時間もなかったんだから…」

 

優はホールの中キーに、ユーズに答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世界で、中々いいものが手に入りました…」

 

 

[ウォズ…」

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。今回はリメイク前のウォーズと同様仮面ライダーロックとコラボしました。

今回コラボした仮面ライダーロックのリンク
https://syosetu.org/novel/187829/

高町魁兎さん、再びコラボありがとうございました!













「結局、自身の手では仲間を斬れないと。」明日登呂は目の前にいる人物に言った。

「だからあの時、天野星也に一式を託しました。」目の前の人物はそう言う。

「…まあいいでしょう。今回、他の世界にも仮面ライダーがいることが分かってあの人はさぞお喜びでしょうね…」
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