ギャラクシーエンジェルⅡ ~失われた英雄と心に傷を負った天使~   作:ゼクス

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黒百合大好き様、誤字報告ありがとうございます!


7-2

 ブリッジから退出したカズヤは、リリィと共にエレベーターに乗りながら先ほどの説明を思い出す。

 

(戦闘中での再合体……)

 

 これまでの戦闘でカズヤが戦闘中に最初にブレイブハートと合体していた『紋章機』から、別の『紋章機』に再合体を行なったのは一度だけ。

 最初にアニスと遭遇した時に、クロスキャリバーからスペルキャスターに再合体した時だ。

 

(でも、あの時と今回の戦闘は違う。あの時は、戦闘も殆ど終わっていたから妨害なんてなかったおかげで成功したけど、今回は戦闘の最中で再合体することになる)

 

 ブレイブハートと『NEUE(ノイエ)』製の『紋章機』が合体を行なう時は、当たり前だがシールドなどの機能を停止させ無防備になる。

 カズヤは、レーザー砲や砲弾が飛び交う中での無防備に近い状態での再合体を想像して手が震えてしまうのを抑えられなかった。

 

(僕に出来るのか!?)

 

「……少尉! 聞いてるのか!? シラナミ少尉!」

 

「わっ! あっ、はい!」

 

 自身が呼ばれている事に気が付いたカズヤは、慌ててリリィに返事を返した。

 

「漸く顔を向けた」

 

「す、すみません、シャーベット先輩……少し考え事をしていて」

 

「まぁ、分からんでもない。次の戦場でシラナミ少尉の役割は重要だ。緊張するのは仕方がない事だ」

 

 リリィもカズヤの役割の重要性を理解しているので、その事に悩んでいる事を察していた。

 腰に手を当ててカズヤを見るリリィの様子からは堂々とした印象しか感じられず、カズヤは思わず呆然とリリィを見つめてしまう。

 

(凄い……シャーベット先輩だって、次の任務の過酷さを分かってる筈なのに)

 

 カズヤの役割も重要だが、リリィの役割も重要である事には変わりはない。

 セルダールの衛星軌道上に設置されているクラストブレイカーを、遠距離からピンポイントで備わっているブースターの破壊。これを成功させなければ、地上に向かってクラストブレイカーが発射された場合、追いついて破壊するしか方法がなくなってしまう。

 リリィはそれが分かっていながらも臆した様子が、カズヤには見られなかった。

 

「失敗を恐れるのは仕方の無い事だ。だが、恐れているばかりでは何も始まらない。私達は出来る限りの事をして全力で挑むしかない」

 

「……はい! そうですね。絶対にセルダールを、フォルテ教官を救いましょう!」

 

「うむ。その意気だ。では、先ず今後の為にだが、私達の関係を円滑になるようにするとしよう」

 

「円滑? どう言う事ですか?」

 

「説明するまでも無い事だと思うが、少尉のブレイブハートと『紋章機』が合体するだけでは性能が飛躍的に向上する訳ではない。互いの信頼があってこそ、性能は飛躍的に向上する」

 

「そうですね」

 

「だが、私と少尉では他のエンジェル隊とメンバーとの付き合いの長さが違う」

 

「ああっ!」

 

 言われてカズヤは気が付いた。

 他のエンジェル隊のメンバーとは、アニスも含めてそれなりの期間、苦楽を共にして一緒に戦ってきた。

 だが、リリィとは直接話をしたのも今日が初めて。ルクシオールに帰還してからは報告やファントムシューターの件に続き、今日までリリィは医務室で過ごしていたのでカズヤとの接点が少なかった。

 そしてセルダール奪還の為の決戦は、あと数日以内に行なわれる。

 

「故に、早急に私と少尉は互いの関係を円滑にする必要がある」

 

「はい。それで具体的には何をすれば良いんでしょうか?」

 

 カズヤもリリィの言いたい事を理解し、少しでも親睦を深められるのならば断わるつもりはなかった。

 

「うむ、先ずは我々の関係を『フランク』にする事から始めよう」

 

「フ、フランクですか?」

 

「そうだ! フランクだ。とりあえず、お互いの呼称を改めてはどうかと思うのだが?」

 

「は、はぁ……」

 

「私はお前を『カズヤ』と呼ぶことにしよう。お前は私を『リリィ』と呼ぶのだ」

 

「えっ? ええええっ!? む、無理ですー!」

 

「何故だ? お前は他のメンバーの事は普通に名前で呼んでいるではないか。医務室で過ごしている時に、プディング少尉はそう言っていたぞ」

 

「い、いやでも、シャーベット先輩はエンジェル隊の隊長じゃないですか!?」

 

 他のメンバーとリリィとの明確な違い。

 外部協力者という立場であるアニスは除くとしても、リコ、ナノナノ、カルーアはカズヤと同じ隊員という立場であるのに対して、リリィは明確に隊長という隊の中でも上の立場にある。

 他にもリリィがセルダールの騎士である事など、辺境出身のカズヤからすれば色々と恐れ多い相手なので、すぐに他のメンバーと同じように接する事は難しかった。

 

「いや、確かに私は隊長の肩書きを持っていたが、正式に任命された訳ではない。あくまで暫定隊長だったのだ」

 

「そ、そうだったんですか!?」

 

「色々な兼ね合いの関係でな。だから、私の事も他のメンバー同様に接してくれていい。だから呼ぶのだ。『リ・リ・イ』と!」

 

「リ……」

 

 逃げ道を塞がれたカズヤは、意を決したように口を動かそうとする。

 リリィはそれを期待するように見つめる。

 

「リ、リリ、リ……やっぱり無理だ―!! 呼び捨てなんて絶対に無理だ―!!」

 

 緊張と呼び捨てにする事への抵抗感から、カズヤは思わず叫んでしまった。それに対してリリィは……。

 

「OKだ! その調子だぞ!」

 

 急に喜んで笑顔をカズヤに向けた。

 

「はぁっ!?」

 

 何故喜ばされた分からないカズヤは、困惑したように声を漏らした。

 

「今フランクな口調だったではないか! 良いぞ。先ずは最初の一歩だ!」

 

「う~……」

 

「いいな? お互いの呼称は、私がカズヤ。お前がリリィだ」

 

「が……頑張るよ」

 

「うむ、良いぞ! では、次のステップだ。少しついて来てくれ」

 

 言い終えるや否や、リリィは身を翻して通路を歩きだす。

 慌ててカズヤはその後をついていく。二人は通路を歩き、ピロティへと辿り着き、そのままリリィは私室として宛がわれた自身の部屋に辿り着いた。

 

「少し待っていてくれ」

 

 自らの私室にリリィは入り、カズヤは静かにその場に立ってリリィを待つ。

 すぐにリリィは私室から出て来た。その手には綺麗に畳まれた服を持っていた。

 

「この服を着て、一時間後にティーラウンジに来てくれ」

 

「わ、分かりました。この服を着て一時間後にティーラウンジですね」

 

「そうだ! 良いか。絶対だからな! 必ずこの服を着てこい! 着ていなければ意味がないのだからな!」

 

「は、はい!」

 

「OKだ! では、ティーラウンジで!」

 

 言い終わると共にリリィは私室に戻った。

 その場に残されたカズヤは戸惑いながらも、一先ず落ち着くために畳まれた服を持ったままピロティに向かって歩き出す。

 

「あっ! シラナミさん!」

 

「うわぁっ!」

 

 ピロティに戻ったところで、丁度リコにカズヤは出くわした。

 思わずカズヤはリリィから渡された服を背後に手を回して隠しながら、リコに挨拶する。

 

「や、やぁ、リコ……」

 

「どうされたんですか? 何だか少し疲れているように見えますけど?」

 

「い、いや、何でもないよ! 何でも!? ところで、リコもどうしたの?」

 

「あっ! 実はさっきカルーアさんからとっても嬉しい報告があったんです! ファントムシューターのコックピットから感じていた呪いの魔力が感じられなくなったそうなんです!」

 

「えっ!? それ本当!?」

 

 感じていた疲れなど吹き飛んでしまうような嬉しい報告に、カズヤは目を見開いて驚きながら質問した。

 呪いの魔力が感じられなくなったという事は、ちとせに掛けられていたディータの呪いが解けたと言う事を意味する。

 

「はい! さっき一緒に格納庫に行ったところで、カルーアさんが間違いないって教えてくれたんです。それで私もカルーアさんも嬉しくて、皆に報告しようって事になったんです。今、カルーアさんはブリッジに行って、私はシラナミさんやナノちゃん、アニスさんやリリィさんに伝えに来たんです!」

 

「そっか! ありがとう、リコ!」

 

 今だちとせ本人はファントムシューターの中にいるので絶対に安心とは言い切れないが、呪いからの解放だけでも充分に嬉しいニュースだった。

 

(ちとせさんとマイヤーズさんがやり遂げたんだ! 僕も頑張らないと!)

 

「いえ、私が嬉しくて皆に伝えたかっただけですから!」

 

「それでも嬉しいよ。あっ、アニスは知らないけど、ナノナノは医務室だと思うよ。それと()()()さんは私室の方にいるから」

 

「そうなんですね……あれ?、どうしてシラナミさんがリリィさんが自分の部屋に居る事を知っているんですか? それに名前でも……」

 

「あっ! いや、ちょっとね! そ、それじゃ、僕も自分の部屋に戻るから! それじゃあ!」

 

「あっ……今後ろに何かを隠してたような?」

 

 背後から聞こえるリコの声に構わず、カズヤは自分の自室に飛び込む勢いで入り込んだ。

 

「はぁ、はぁっ……な、何で僕、リコに隠そうとしたんだろう?」

 

 今更ながら名前呼びの経緯を話せば良かったと、カズヤは自室の扉の背を預けながら後悔する。

 

(リコ、誤解してなければって!? だから、誤解も何もないのに!?)

 

 リコと自分はただの仲の良い同僚。そうカズヤは思いながら、一先ずリリィから手渡された服を広げた。

 

「……ええええっ!? こ、これを着て、ティーラウンジに行くの?」

 

 カズヤは悲鳴のような声を上げながら、広げたリリィが渡した服を見て固まるのだった。

 

 

 

 

 

「はぅぅぅ……」

 

 約束の時間の五分ぐらい前。カズヤはティーラウンジ内の出来るだけ人目に付きにくい場所に座って、リリィが来るのを待っていた。

 

『…………』

 

(し、視線が痛い……)

 

 人目が付きにくい場所に座りながらも、ウェイトレスのメルバを始めとして、客として訪れていた乗員達も興味と困惑に満ちた顔でカズヤを見ていた。

 その視線の理由をカズヤは痛いほどに分かっている。

 

(な、なんだってこんなド派手なピンク色のトレーナーを着なきゃいけないんだ! しかも、リリィさんの似顔絵までプリントされていて、それがハートマークに入っている上にリリィさんの名前までプリントされいる服を!?)

 

 恥ずかし過ぎて顔を真っ赤にしながらカズヤは、テーブルの上で頭を抱えた。

 リリィから渡された服。それはまるでラブラブカップルが着るようなド派手なピンク色の似顔絵までプリントされているトレーナーだった。

 言うまでもないが、そんな服をティーラウンジのような人が集まる場所で着れば、好奇の視線を向けられない筈がなく、人目が付きにくい場所に座りながらも視線がカズヤに集まっていた。

 

(うぅぅ……でも、必ず着て来いって言ってたしなぁ……着てこなければ意味がないとも言ってったっけ……せめて隊の皆に見られてないだけが救いか……アニスが見たら笑うだろうし、カルーアは困惑して僕を見て来そうだし、テキーラは絶対に大笑いするよね‥…ナノナノは似合ってるとか言いそうで嫌だなぁ……リコは……うっ、何だか寒気がする)

 

 自身でも分からないカズヤが寒気に襲われている中、ティーラウンジの扉が開いた。

 

(あっ、リリィさんが来たみたいだ! 良かった!)

 

 扉の方から見えた青い髪に、漸くこの地獄から解放される事を知ってカズヤは安堵した。

 その間にウェイトレスのメルバが接客の為に、開いた扉の方に向かった。

 

「いらっしゃ……いっ! ま! せっ!!」

 

(ん? なんだろう? 一体何が、って! えええーーー!!)

 

 変なメルバの反応が気になって顔を覗かせたカズヤは、メルバ同様に驚愕で固まった。

 やって来たのはカズヤが待ち望んでいたリリィだった。しかし、先ほど会っていた時に来ていた騎士服を思わせる制服ではなく、カズヤが着ているド派手なピンク色のトレーナーを着ていた。

 違いがあるとすれば、胸のハートに囲まれている似顔絵がカズヤの顔になっているのと、名前がカズヤとプリントされているだけだが、何の救いにもなっていなかった。

 メルバは思わずカズヤとリリィを何度か見回し、やがて額から汗を流しながらリリィに尋ねる。

 

「あ、あの、ご注文は~?」

 

「先ほど連絡したシャーベットだが……」

 

「あっ! う、承っております! 少々お待ち下さい」

 

 そう言いながらメルバは、カズヤの下へとリリィを案内した。

 同じ服というよりも、ペアルックを着ているからの判断だったが、間違ってはいなかったらしくリリィは満足そうに頷いた。

 

「リ、リ、リ、リリィさん!?」

 

「OKだ! 出来る事ならば呼び捨てが最も好ましいが、それは今後に期待しよう」

 

「そ、その、服は、一体?」

 

「この服か? カズヤとお揃いのトレーナーではないか?」

 

 一体何を言ってるんだと言うような顔をしてリリィは答えた。

 カズヤが聞きたいのはそう言う事ではないのだが、まだ心が落ち着いていないのか気になった事を口にしてしまう。

 

「ぼ、僕の似顔絵が、プ、ププ、プリントされてますけどぉ……?」

 

「そうだ。カズヤのには私の似顔絵が。私のにはカズヤの似顔絵が入ってる」

 

(一体、いつ作ったんだ―!?)

 

「これでこそペアルック。互いの信頼度も上がるというものだ。必要になるかもと思って、医務室で過ごしていた時に製作しておいて良かった。プディング少尉にも褒められた」

 

(ああーー!!)

 

 知られたく相手の一人に、既に知られてしまっているかも知れない可能性を知って、カズヤは内心で頭を抱えながら悲鳴を上げた。

 そんな中、メルバが大きなケーキのように見える物が乗った大皿をカズヤとリリィが座るテーブルに置く。

 

「お待たせしました」

 

「こ、これわぁー!!!」

 

 ドンっと重たげな音と共にテーブルに置かれたケーキのような物を見て、カズヤは声を上げながら質問した。

 形状としてはケーキに近いが、独創的な形をしていて、たい焼きや団子なども盛りつけられている。

 パティシェの資格を持っているカズヤからすれば、信じられないような独創的なケーキのように見える何かだった。

 

「特製のあんこケーキだ。先ほど厨房を借りて作った」

 

「あ、あんこですか!?」

 

「あんこだ」

 

「ケーキなんですよね?」

 

「ケーキだ。本来ならばクリームでデコレーションするのだが、私なりにアレンジしてみたのだ。やはり、こういうものは個性を出さないとな。さあ、食べるが良い?」

 

「僕がですか!?」

 

 巨大なリリィ特製のあんこケーキを目にしながら、カズヤは叫んでしまった。

 

「もちろんだ。カズヤの為に作ったのだからな。丹精込めて作ったのだぞ」

 

(丹精って言うか、込められているのは念だな……)

 

 ケーキからは執念のようなものが込められているのを、カズヤはパテシェとして直感していた。

 

「では、あ~ん」

 

 ケーキの一角をナイフで切り分けてフォークに差したリリィが、カズヤの口に向かって差し出した。

 

「…………」

 

「…………カズヤ。口を開けて貰わないと食べさせられないだが」

 

「何で僕が、リリィさんに食べさせて貰わなければいけないのでしょうか?」

 

 ただでさえペアルックという注目を集める服を着たリリィとカズヤが、この上にリリィ特製の手作りあんこケーキを食べさせられる事になれば、言い訳が出来ないような噂が立ってしまう。

 その噂を少しでも言い逃れできるようにするために、カズヤが質問すると、やはりリリィは当然だと言うような顔をして説明する。

 

「私達の親睦を深める為だ」

 

「は、はぁ……」

 

「さっ。あ~んだ。あ~ん!!」

 

(こうなったらもうヤケクソだ!)

 

 カズヤは覚悟を決めて、差し出されたあんこケーキを口にいれた。

 

「あ~ん! んんっ!!」

 

(あっ、あっまーー!!)

 

 見た目の時点で覚悟はしていたが、口の中は甘さで一杯になった。

 覚悟はしていたがリリィが丹精込めて製作したと言うあんこケーキは、とにかく甘かった。

 胸焼けしそうになりながらも、カズヤはリリィが差し出してくるケーキを食べていく。

 

「ああ~ん!」

 

「OKだ! いいぞ!」

 

「あ、あの、リリィさん」

 

「ん? なんだ?」

 

「この服とケーキを食べさせて貰うのが、親睦を深める為だと言う事は分かりましたけど、どう言う経緯でこんなやり方を? ああ~ん」

 

 騎士然としたリリィが思いつくには奇抜としか言えない親睦の深め方に、差し出されるケーキを食べながら質問した。

 

「うむ、なるほど。確かに意図を説明していなかったな。これは旧エンジェル隊の方々に私が尋ねて考えた隊員との親睦を深めるやり方だ」

 

「ええっ!? あむっ! つ、つまり、これはマイヤーズ司令とムーンエンジェル隊の方々の、んくっ……し、親睦の深め方を再現、はむっ……し、してるんですか?」

 

「そうだ! 因みにこれはランファ及びミルフィーユプログラムだ!」

 

(マイヤーズさ~ん! 貴方はちとせさんと言う女性が居ながら、他のエンジェル隊の人達ともこんな事をしていたんですか~!?)

 

 改めてタクトという人物にカズヤの中で不審が芽生えた。

 因みにタクトはちとせ一筋だったので、他のムーンエンジェル隊の皆とは仲の良い友人関係止まりである。ランファとペアルックを着た事も無いのだが、その事を今のカズヤが知る事を出来る筈もなく、リリィが差し出してくるケーキを食べ続けるしかなかった。

 そして暫らく経って、漸くカズヤはリリィの特製あんこケーキを完食した。

 

「OKだ! 良い食べっぷりだったぞ、カズヤ。やはり男性はこうでなくてはな」

 

(う! む、胸が焼ける……)

 

 甘すぎたケーキを食べ終えたせいで、カズヤは胸を苦しそうに押さえる。

 

「そ、それで、一先ずはこれで終わりですか?」

 

「ん。そうだ。()()でするプログラムは終わりだ」

 

「そ、そうですか……えっ? ()()で?」

 

「そうだ。次は展望公園でフォルテプログラムを行なう! 我々は早急に親睦を深めなければならないからな。五分後に出頭だ。良いな!」

 

「せ、先輩! 待って下さい!」

 

「リリィさんだ! 戻っているぞ!」

 

 強く叫びながらリリィは、ティーラウンジを出て行った。

 

「あ~……」

 

 残されたカズヤは、呆然とリリィが出て行った出入り口の扉に向かって手を伸ばす。

 そんな中、ウェイトレスのメルバがカズヤの座る席に近寄って来る。

 

「お皿をお下げしますね……ところで、お二人は何時からそう言うご関係に?」

 

「これは訓練です!」

 

 ペアルックを着たままで言い訳になるとはとても思えない言葉を、邪推するメルバに向かってカズヤは叫ぶのだった。




この後フォルテプログラムで水遊び、ミントプログラムで深夜に着ぐるみを着て応援襲撃、ちとせプログラムで茶柱が立つまでお茶のみ、ヴァニラプログラムなどがありますが、ダイジェストになります。

『無限回廊の鍵』で登場のロゼルの役割

  • リコに接近
  • ちとせに接近
  • 別ヒロインと結ばれる
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