ギャラクシーエンジェルⅡ ~失われた英雄と心に傷を負った天使~ 作:ゼクス
原作では名前だけしか登場しなかったキャラ達が出て来ます。
黒百合大好き様、誤字報告ありがとうございます!!
8-1
セルダールの第二衛星『ホッコリ―』。
『
そんな中、ルクシオールの『紋章機』を発進させる為のハッチが開き、ファントムシューターが外へと出て来た。
「此方、ファントムシューター。搭乗者、烏丸ちとせです。ルクシオール、応答願いします」
ファントムシューターのパイロット席に座って操縦桿を握りながら、ちとせはルクシオールに通信を入れた。
通信は繋がり、ルクシオールのブリッジの様子が展開されたモニターに映る。
モニターの中ではレスター、フォルテ、ヴァニラ、ミント、ランファ、そしてアルモやココを始めとしたブリッジのメンバー全員に加え、カズヤを含めたルーンエンジェル隊の面々も心配そうな顔をしていた。
『ちとせ。分かっていると思うが……』
「はい、クールダラス司令。私達の我儘を聞いて頂き、ありがとうございます」
『サンキュー! レスター!!』
ちとせの感謝の言葉と共に、タクトの声も通信に割り込んで来た。
モニターの中でレスターは溜め息を吐きながら、口を開く。
『気にするな。俺達としても『
「はい。お約束した通り、『アナザースペース』の探索などは決して行なわず、迅速に『
ファントムシューターが『
だが、『
更には『白き月』に向かうのだから、橋役としてちとせは必要だった。
しかし、ちとせが『
どうすべきかとレスターは悩んだ末、タクトとちとせを信じてファントムシューターで『
『ちとせ! 分かっていると思うけど、ちゃんと戻って来なさいよ!!」
『あたしもやるべき事を終わらせるからさ。アンタも頑張りな、ちとせ』
『タクトさんと一緒だからと言って、無理をしてはいけませんわ』
『ちとせさん。必ず帰って来て下さい。私もナノマシンの研究を頑張りますから』
「先輩方……」
自身を心配して声を掛けてくれるランファ、フォルテ、ミント、ヴァニラの言葉にちとせは胸が温かくなるのを感じる。
ファントムシューターのおかげで行き来が出来るとは言え、『アナザースペース』にちとせとタクトを再び行かせるのはランファ達にとって並々ならぬ決断だった。
一度、二人だけを『アナザースペース』に行かせてしまい、その結果、帰還したちとせは深い心の傷を負い、タクトに至っては肉体を失ってしまった。
そんな危険な場所である『アナザースペース』に行かせなければならない。其処には深い葛藤があったに違いないのに、それでも送り出してくれるランファ達に深い感謝をちとせとタクトは抱く。
『ありがとう、皆。今度は必ず戻って来るよ』
「ええ。では、行って来ます!」
ちとせが操縦桿を強く握って精神を集中させると同時に、ファントムシューターが微かに輝き、左右から吹き出すように光が放たれ、エンジェルフェザーが展開された。
白銀に輝く白き大きな翼を羽ばたかせると共に背部ブースターが噴き出し、ファントムシューターは前方に向かって加速する。
《『アナザースペース』へシフト開始10秒前》
コクピット内に電子音声が鳴る。それと同時にファントムシューターの前方の空間が歪み、亀裂が走り穴が出現した。
『ちとせ。今なら分かっていると思うけど、『アナザースペース』はちとせや俺が来た時とは全く変わってる。充分に警戒してくれ』
「了解しました」
まるで昔に戻ったような懐かしい心地良さをちとせは感じながら、ファントムシューターを操作する。
《『アナザースペース』シフト!》
その音声と共にファントムシューターは穴の中に飛び込み、『
時が凍った空間であり、時間も場所も関係ないとされる『アナザースペース』
その空間に突如、穴が発生し、ファントムシューターが『アナザースペース』内に侵入した。
同時にちとせが握る操縦桿が重くなり、ファントムシューターは何かに引っ張られ出す。
「こ、これは!?」
『ちとせ! 機体を立て直すんだ!』
《即時離脱!!》
「くっ!!」
タクトとファントムシューターの警告にちとせは即座に操縦桿を動かして、ファントムシューターを引っ張る何かから逃れた。
しかし、逃れたにも関わらずファントムシューターの装甲から軋むような音が聞こえる。
『不味い! 予想以上に広がっていたか! ファントムシューター!』
《了解。周囲状況確認。確認終了まで操作一任》
「任せて下さい」
操作を全て任されたちとせは、今判明しているデータを確認しながらファントムシューターを動かしていく。
上下左右。まるで針の穴を縫うような移動を強いられる状況に、ちとせの額から汗が流れる。
ファントムシューターに選ばれたとは言え、今のちとせはパイロットとしてのブランクが大きい。そのブランクを『
《確認完了。航路決定》
その報告と共に『
僅かなズレなどはファントムシューターが修正し、漸くファントムシューターは安全圏へと抜けた。
「……アレが、タクトさんとファントムシューターが『ウィル』を探索出来なかった理由なのですね」
全天周囲モニターで後方の様子を確信したちとせに、タクトは苦虫を嚙み潰したように告げる。
『ああ……アレが俺達が『ウィル』を調査できなかった理由だ』
タクトも自分の身体を奪い、襲って来た『ウィル』に関して調査をしようとした。
ファントムシューターも『アナザースペース』内に存在している『ウィル』の存在に興味を覚え、調査を了承して行なおうとしていた。
だが、出来なかった。その理由が今、ちとせの視界にうつっていた。
「『アナザースペース』の……空間が……歪んでいる」
嘗てちとせとタクトが訪れた時の『アナザースペース』は、『ウィル』が現れるまで無音と静寂しかない空間だった。
しかし、ちとせの目の前に広がる今の『アナザースペース』内には、所々空間が歪み、幾つもの光点らしきものが存在していた。
《観測結果報告。空間の歪みは『マイクロブラックホール』。光点は『中性子星』。現在『アナザースペース』内は、重力場の嵐が荒れ狂う空間へと変化》
「……四年前に私とタクトさんが来た時には、こんな場所では……」
『ああ、ちとせの言う通りだ。だけど、俺達が『
《原因。発生したマイクロブラックホールによる重力場。以降、マイクロブラックホールは総数を増やし、中性子星も複数発生。徐々にその範囲は広域に及び、『ウィル』の調査は危険と判断し断念》
『ウィル』という存在には興味を覚えていたファントムシューターだが、マイクロブラックホールと中性子星という超重力天体がひしめく空間を超えるのは危険と判断して調査を取り止めた。
タクトもそれは同感であり、無音と静寂しか無かった筈の『アナザースペース』を変貌させた『ウィル』の危険度を飛躍的に上げ、『ウィル』を調査するのを諦めるしかないと判断するしかなかった。
『さっき俺達が現れた場所は、前回までは安全な場所だった筈なんだ』
これまで移動の為に『アナザースペース』に短期間で入る事で安全圏の確認を行なっていたので、重力場に囚われる事は無かったが、今回は時間をおいてしまっての侵入だった為に安全圏を見誤ってしまった。他にも。
《マイクロブラックホール及び中性子星の増加を確認。重力場の範囲は更に増大すると思われる》
「……『ウィル』は……これほどまでの力を持つ存在だと言うのですか?」
モニターに映るマイクロブラックホールと中性子星の数々に、ちとせも震えが隠せなかった。
何れ奪われた、タクトの肉体を取り戻す為に戦う事になるかも知れない『ウィル』。だが、その力の一端だけでも、現在最も発展している宇宙である『
『怖いかい、ちとせ?』
「っ……申し訳ありません、タクトさん」
『いや、俺も同じ気持ちだ。正直言って、俺は『ウィル』が恐ろしくて仕方がない』
肉体を奪われた事もあるが、タクトは現状の変貌した『アナザースペース』を見る度に恐ろしさを抱かずにはいられない。
『でも、俺はもう覚悟を決めた』
悪夢を乗り越える時に誓った言葉に、嘘はない。
必ずちとせと共に残酷な運命を乗り越え、そして『ウィル』から奪われた身体を取り戻す決意が変わる事はない。
だが、今はまだその決意を叶える時ではない。
『ちとせ。すぐに『アナザースペース』を離脱だ』
「……了解しました」
改めて操縦桿を握り直して、ファントムシューターの姿勢を安定させる。
出来るだけ重力場が弱い場所をスキャンしながら、其方の方向に機首を向けて前へと進む。
《『
「シフト先。『クロノゲート』付近でお願いします」
幾ら『紋章機』とは言え、ファントムシューターは識別コードもないどころか軍にも所属していない機体。『セントラルグロウブ』で協力関係を築けて、指揮まで取れたのはミルフィーユのおかげ。
トランスバール皇国の象徴である『白き月』に、所属も何もかもが不明なファントムシューターが近づける筈がない。
先ずは『
(俺は殉職した事に成ってるから、名前は出せないからなあ)
タクトは知らない。『
《音声入力完了。シフト位置、『クロノゲート』付近の宙域に設定。シフト開始》
音声が発せられると同時に再びファントムシューターの前方の空間が歪み、『アナザースペース』内に穴が発生した。
ちとせは操縦桿を操作して、エンジェルフェザーを羽ばたかせながら『
後に残されたのは、少し離れた場所でマイクロブラックホールと中性子星が発生させる重力場の嵐が荒れ狂う『アナザースペース』のみ。だが……
――クスクス……オドロイタワ……
――ハハハハ……ウン、オドロイタヨ……
――マサカ……チイサイケド『鍵』ヲ、ジブンタチデ……ツックテイタダナンテ……
――ウン……オドロキダ……デモ、ヨウヤクダネ……
――エエ……ヨウヤクヨ……デモ、モウスコシ『時』ヲ……アゲマショウ
――イイノカイ? ……アノ『器』ヲ、ズットホシガッテイタノニ……
――イイノ……ソレニ『器』ハ、シュツエンシャ……ナラ劇ヲ、タノシマナイト……
――ソウダネ……セッカクノ、道化ゲキ……
――タノシマナイト……ソンダワ……
誰もいない場所。しかし、誰が確かにいた。
その者達はまだ動かない。だが、何れその巨大すぎる力は、タクトやちとせだけではなく宇宙全体に向けられるのだった。
『
『クロノゲート』が完全に閉じて以降、『
必ず『クロノゲート』は再び開く。それを配置されている艦隊の者達は信じていたが、やはり変化の無い日々は焦りを募らせ、人々の心を不安と心配で蝕んでいた。
「流石に、此処まで動きが無いとじれったく成るわね」
『
正体不明の何者かによる『セントラルグロウブ』の襲撃により、『
そして『クロノゲート』が閉じたという事は、『セントラルグロウブ』が占拠された事を意味し、『ゲートキーパー』であるミルフィーユも敵の手に落ちた事を意味する。
これに関してトランスバール皇国現女王『シヴァ・トランスバール』は、かなりの心労を持ってしまった。
「では、シヴァ陛下とはもうご連絡を?」
執務室の中にノア以外にもう一人。
ノアと同じ金色の髪に青い瞳の女性。古代『
「ええ、もう毎日必ず連絡して来るわ。幾らトランスバール本星から離れた此処まで長距離通信が出来るからって、毎日あんな気が滅入りそうな顔を見せられるこっちは溜まったもんじゃないわよ」
「……仕方ありません。シヴァ陛下はタクトさんのように、皆さんが帰って来ないのではと心配されているのでしょうから」
「………」
流石のノアも何も言い返せなかった。
クロノ・クェイクボムの爆発のエネルギーを『アナザースペース』に送る案を出した時、最も強硬にその案を拒絶したのはシヴァだった。
しかし、結局その案を使用するしかなく、タクトとちとせはシャープシューターと共に『アナザースペース』に消え去った。そして『
だが、戻って来たのは心に深い傷を負ったちとせだけ。タクトは二度と『アナザースペース』からの帰還は不可能とノアが告げた。
その時の出来事はちとせだけではなく、関わった者達に少なからず傷を残した。
シヴァも当然ながら心の傷を負い、今回の全く連絡が取れない現状に深い心労を重ねて抱いてしまった。
「……シヴァに関しては、ルフトとシャトヤーンに任せるしかないわ。私達は私達で出来る事をするだけ。それで変なデータが『ライブラリ』で見つかったって言うのは本当なの?」
「はい」
本来首都惑星ジュノーから出る事が無いルシャーティが、わざわざエルシオールに来たのは、同じ管理者の役割を持っているノアに『ライブラリ』で見つけた閲覧できないデータに関して相談する為だった。
「発見した時は驚きました。他のデータに紛れるように、プロテクトが掛かったデータが幾つも見つかったのですから」
『ライブラリ』の正当な管理者であるルシャーティは、古代『
「それでその閲覧できないデータが紛れていた情報は何だったの?」
「『白き月と黒き月』。『紋章機』。『クロノゲート』。『セントラルグロウブ』。そして『アナザースぺース』に関する事でした」
「……気になるわね。特に今は『クロノゲート』に関して優先的に知りたいわ。もしかしたら『ゲートキーパー』以外の『クロノゲート』開放の手段がそのデータに記述されているかも知れないわ」
『ライブラリ』の管理者である、ルシャーティにさえ閲覧できないデータというのはノアも気になるが、今はそれよりも隠されていたデータの中身が重要だった。
「良いわ。私もジュノーに行って、そのデータのロックが解除出来ないか二人で確かめましょう」
このまま無為に時間を過ごすよりは良いとノアは判断して、エルシオールを一度ジュノーに向かわせる為にブリッジに連絡を取ろうとする。
――ピピッ!!
「えっ? 通信? 一体誰から?」
連絡を取る前に緊急を告げる音が、司令官室に備わっている通信機器から鳴り響いた。
「此方、ノア。一体誰が緊急の通信を……」
『キュオォォォォォォーーーーーーン!!!!!』
『っ!?』
大音量で鳴り響いた鳴き声に、ノアとルシャーティは思わず両耳を押さえた。
それと共に鳴き声から離れるような足音が通信機器から聞こえ、やがて中性的な声が聞こえてくる。
『すみません、ノアさん』
「ク、クロミエ!? アンタ一体どう言うつもりよ!?」
通信の向こう側にいるのは、エルシオール内のクジラルームの担当者である『クロミエ・クワルク』だった。
先ほどの鳴き声の主は、彼の担当部署であるクジラルームのプール内に生息している宇宙クジラ。
人の心の動きを感じ取れる特殊な精神感応能力を持ち、遠くに、それこそ星系単位での距離からさえも感じ取れるほどの力を持っている。
『申し訳ありません。ですが、幾ら僕が落ち着いてと言っても……』
『キュオォォーーーン!!!』
『こんな様子でして、興奮と喜びが止まらないようなんです』
「宇宙クジラが喜んでいる? 一体何によ?」
今だ通信機越しの宇宙クジラの歓喜に満ちた鳴き声は止まっていない。
一体何に宇宙クジラが喜んでいるのかとノアとルシャーティは首を傾げる。
『宇宙クジラはこう言っています。『帰って来る! 帰って来る! 待っていた! この日が来るのをずっと! ずっと待っていた!』そう叫び続けて、僕の声も届かない程に喜んでいます』
「帰って来る? 一体誰がよ?」
「一体どうしたのでしょうか? 宇宙クジラは?」
クロミエから伝えられた明らかに様子がおかしい宇宙クジラの様子に、ノアとルシャーティは疑問を抱く。
そんな中、今度は新たな緊急を告げる音が司令室内に響く。
――ピピッ!!
「次から次へと。はい、此方ノア」
『ノア臨時司令! すぐにブリッジに来て下さい! 『クロノゲート』の傍で空間異常が発生しました!』
「空間異常ですって!? 分かったわ。すぐにそっちに向かうわ」
「あっ! ノアさん! 私も!」
司令室を慌ただしく出て行ったノアにルシャーティもついていった。
二人がブリッジに到着すると、モニター画面に『クロノゲート』の傍で空間の歪みが罅へと至り、何かが内側から出て来ようとしていた。
「アレは……まさか!?」
「データ照合。分析結果。四年前に現れた『ゴースト』が発生させた空間異常と一致しています!」
解析に当たっていたオペレーターがノアに調査結果を報告した。
「っ!? すぐにエルシオ―ルに用意していたペイントミサイルの発射準備をしなさい! そして全艦に通達! 『ゴースト』が現れた場合、ペイント弾命中後に捕獲すると!」
「ノアさん!?」
強硬なノアの命令にルシャーティは思わず声を上げた。
だが、ノアはルシャーティの声など気にせずに、座席に座りコンソールを操作していく。
「これはチャンスなの。『ゴースト』を捕獲できれば、その技術を利用して私達は『クロノゲート』を介せずに『
「っ!?」
ノアの強硬な行動の根幹に何があるのか察したルシャーティは、何も言えなくなってしまう。
素っ気ない様子でいながらも、ノアもずっと『
そして『ゴースト』は今、唯一『クロノゲート』を介さずに別宇宙に渡れる手段を持つ機体。
その機体を捕獲できる最後のチャンスかもしれないこの機会を、ノアは逃すつもりはなかった。
「空間歪曲最大! 出て来ます!」
「ペイントミサイル発射!」
ドドドッ!!
エルシオールから対『ゴースト』用の電磁波を発するペイントミサイルが、穴になる直前の空間の歪みに向かって発射された。
そして一定の距離にミサイルが達した瞬間、自動的に自爆し、内部に詰め込まれていたピンクのペイントが土砂降りの雨ように空間の歪みから飛び出して来たものに降りかかった。
「ペイント着弾!」
「よし! これでもうステルスで逃げられ……えっ?」
発生した空間の穴付近に漂っていたピンクのペイントが全て周囲に吹き飛んだ。
それと共にノアを始めとしたエルシオールを含めた『
白銀に輝く翼を羽ばたかせている黒き機体。ファントムシューターの姿を。
「……ペ、ペイント。目標が発生させているシールドによって、着弾を防がれ弾かれました……ア、アレは……」
「エンジェルフェザー!?」
ただ形状が似ているだけではなく、『紋章機』だという事を示すエンジェルフェザーを展開させながらファントムシューターはエルシオールと『
――ピピッ!!
「これは!? 『ゴースト』より通信です!」
「『ゴースト』が通信ですって? 繋ぎなさい!」
「りょ、了解……」
ノアの指示にオペレーターは慌てて通信を繋ぐ。すると、ノアにもルシャーティにも想像もしていなかった人物の声が響く。
『此方、『白き月』からルクシオールに派遣されていた研究員。烏丸ちとせです! エルシオール! 攻撃を止めて下さい!!』
『ちとせ(さん)!?』
『
『その声はノアさんにルシャーティさん!? 良かった! すぐに此方に向けているロックを解除して下さい。出ないと……』
《本機への攻撃と認定。即時反撃》
『お、落ち着くんだ! ちとせがちゃんと防いだんだから!』
《否定。本機への再度のペイント攻撃。敵対行為と認定すべき》
『やっぱり怒ってるよね? ペイントを付けられそうになったことに対して怒ってるよね?』
《……怒りという感情は存在せず》
通信先からちとせ以外の男性の声と電子音声のやり取りが、エルシオールのブリッジ内に響いた。
その声を聞いたノアとルシャーティは、呆然とモニターに映っているエンジェルフェザーを展開しているファントムシューターを見つめる。
「今聞こえた男の声って……まさか……」
「タクトさん……?」
聞こえる筈がないその声に、ノアとルシャーティは信じられないと言うような顔をしながらも声の主の顔が頭に浮かんだ。
『ああ、うん。まぁ、その……た、ただいま、ノア、ルシャーティ。エルシオールの皆も久しぶり』
『『
通信の向こう側でちとせが微笑んでいるのが分かる程に明るい声が、エルシオールのブリッジに響くのだった。
実はシヴァも本作では結構ダメージを受けています。
『無限回廊の鍵』で登場のロゼルの役割
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リコに接近
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ちとせに接近
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別ヒロインと結ばれる