私には、従兄弟のようで従兄弟じゃないふわふわピンクの身内がいる 作:KSM
日菜「今回は麻弥ちゃんの回だよー♪」
麻弥「フヘヘ…な、なんか緊張します…」
K「設定上麻弥さんと蒼くんはほぼ初対面なんで、結構他人行儀な態度になってるよな」
千聖「Kさんメタいわよ()」
イヴ「それではホンペンをどうぞ!」
日菜先輩がうちに来た日から1週間くらいたった日、自分はバイト先である音楽スタジオ・circleの受付にいた。
この日は珍しく朝からずっと雨が降っていた。寒い季節だというのもあって暖房がないと手のひらがまるで言うことをきかないほどに冷えていた。
雨の日というのもあってか今日はcircleを利用しているバンドもいつもより少ない。Roseliaと…パステルパレット…この2組だけだ。
バンド名簿を適当に整理していると、丁寧な手つきで入口の扉が開けられ、茶髪の女性が入ってきた。
「いらっしゃいまs…あ、あなたは確か…大和麻弥さん…でしたっけ?」
「覚えていてくれたんですか?フヘヘ…光栄です!」
大和麻弥…確か彩姉のバンドのドラム担当の人で、楽器や機材の知識が豊富な人だ。
千聖先輩や日菜先輩と比べると、面識がない訳では無いが、パスパレのデビューライブの時やセカンドライブの時に顔を見たことがあるだけだ。
そういえば大和さん、プライベートだとメガネかけてるんだな。ライブだとコンタクトつけているのかな。
「えっと、今日のこの時間にcircleを予約させていただいたのですけど…」
「あ、はい、予約通っていますよ。えーとこれですね。2番の部屋使ってください。」
「はい、ありがとうございますっ」
大和さんに鍵を渡すと、彼女はにこにこしながら2番の部屋へ向かっていった。
「時計は…まだ予約していた時間より10分くらいあるな…そんだけ熱心にバンドに打ち込んでるってことなんかな。」
ほかのメンバーとは違い、顔を合わせた経験がほぼないせいか、自ずと色んなことを考えてしまう。
パスパレにはどうやって入ったのか、ドラムを始めたきっかけ、アイドルやる前は何をしていたのか等々
後でファミレスに誘って見ようかな…その余裕があればいいけど。とか考えていたら、大和さんに呼ばれた。考えてること見抜かれたとかじゃないよな、千聖先輩じゃあるまいし
「あ、どうしました?大和さん」
「すみません、もし後でお時間よろしければどこか食事にでも行きませんか?」
「いいんですか?大和さんの予定とかは…」
「ジブンは今日の午後はオフなので大丈夫です!」
「あ、それじゃあお言葉に甘えて。」
どうやら一部大和さんと考えていることが一致したらしい。そのあとは大和さんはパスパレの練習を、自分も特に滞りもなく仕事を終わらせ、現在近くのファミレスにて2人で食事をしていた。
話してみると意外と新しい共通点がいくつか見つかったりするもので、自分と大和さんにも結構な数の共通点があった。
特に、ものは違えどヲタクなところとかそっくりだなと思った。
話をしていくうちに、大和さんとの共通点以外にも知らなかったことなんかが次々と明らかになっていった。
元は引きこもりだったこと、とあるバンドのドラマーに憧れ、ドラムを始めたこと。最初はスタジオミュージシャンという仕事をしていたが、たまたまパスパレの4人と仕事で一緒になった時に千聖先輩にパスパレに入らないかと誘われ、メンバーになったこと…
その後自分の思っているアイドル像と自分を比較して悩んでいたことなんかも聞いた。ヲタクなアイドルって全然いいと思うんだけどな。
「それでですねーその時の彩さんがですね…あ、ごめんなさいつい喋りすぎちゃって…」
「いえいえ、気にしないでください。自分も彩姉とかからバンドのこと、こんなに詳しく教えてもらう機会もあまりなかったんで…それに」
「それに?」
「大和さんをみていると、パスパレのメンバーや機材のことがめっちゃ好きなんやなーって実感できるんですよ。」
そういうと目の前にいる大和さんが若干頬を染めた。そうなるようなことを言った覚えはないのだけれど。
「え?あ、あ、ありがとうございま、す?」
「?…どういたしまして」
そうして自分たちは数分ほどで昼餉を食べ終え、会計を済ませて外に出た。
「あ、」
「どうしました?」
ファミレスを出て帰路に着いた時、何かを思い出したような大和さんに自分はそう聞いた。
「最近練習中にスティック1本折っちゃったんですよね。それで予備を買いに行こうかと思ったんですが…」
「あぁ、このまんま自分と一緒に行ったら自分が迷惑するんじゃないかと思って…みたいなやつですか?」
「う…」
あ、なんか適当に言ったつもりだけど当たってたらしい…そんなに気を使うことないのに。
「ご一緒しますよ?」
そう自分が言うと、大和さんは
「え?いやでもそれだと」
やっぱり迷惑になることを危惧しているのか…丁寧な人だな。後輩を脅迫してショッピングに連れていくどこかの大女優様とは大違いだ。
「自分もcircleでバイトしている身ですし、せめてどんな楽器が使われているのか知っておく必要もありそうだなーと思ってたんで。」
「ほ、本当ですか?ありがとうございます!」
その後自分は大和さんと一緒にとある楽器店に入った。
詳しくは割愛するのだが、まあ大和さんの楽器に対する知識がすごかった()
エレキギターはアンプと呼ばれる機材を専用のコードで繋がないと大きな音が出ないとか、イヴちゃんの持っているあのキーボードは普通のキーボードじゃなくてショルダーキーボードと言うんだとか、そんな感じ。
ほぼ一日一緒に過ごして感じたのだが、千聖先輩とはまた違った意味で疲れそうな人だなと感じた。
今回は大和さんが自重してくれたからよかったけど、ストッパーが外れた時ってどうなるんだろう。
とか考えつつ、大和さんと別れ現在家路を歩いていた。
「大和……麻弥さん…」
家に向かう途中で、自分はもう一度その人の名前を、忘れないようにゆっくりと呟いた。
蒼「今回も今回で長かったな。」
K「内容一つ一つにそれなりにこだわろうとしたらこうなる謎」
千聖「謎じゃないわよね?それ結構理由は明白よね??」
日菜「あはは♪千聖ちゃんキャラ変わってるー!」
彩「え…えーと次回は…」
イヴ「私の回ですね!」
麻弥「次回、ブシドー少女の部活事情」
日菜&K「次回もるんっとしちゃうよ!」
蒼「もう突っ込まんぞ」