私には、従兄弟のようで従兄弟じゃないふわふわピンクの身内がいる   作:KSM

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彩&蒼「「オープニングトークのコーナー」」
K「唐突のパパが来た展開」
千聖「ほんと…急よね…()」
日菜「でも蒼くんのお父さんを納得させれば、蒼くんはここに残れるんだよね?」
麻弥「なら、私達も頑張るしかありませんね!」
イヴ「私もビリョクながら、協力します!」
彩「それじゃあ本編、始まるよー」


大変!パパが来た!

「…」

 

自分は今、自分が最も苦手とする人物と対話をさせられていた。

対話の相手は、父親だ。

我が強いというか強情というか…そんな性格で、家族のことを顧みないせいで、母親との口論が絶えなかった。自分が中学を卒業したタイミングで、母親は夜逃げし、それとほぼ同じタイミングで自分もここに来たので、実質今の父親は独り身同然なのだ。

 

「…息子よ。」

 

張り詰めた場の空気を突き破り、最初に話し始めたのは父親だった。

 

「京都に戻れ…彩ちゃんからお前が失踪した理由も聞いた。今度はお前にストレスを与えぬよう、努力するつもりだ。戻って…来てはくれぬか…?」

 

素直な話、父親のこの喋り方がまず自分は嫌いだ。このやんわりした話し方の中に、どこか威圧的なニュアンスが含まれているような気がしてならない。

ストレスを与えぬよう努力するとか言ってるけど、それもおそらく嘘なのだろう。

言ってすぐ努力できるような人だったら、母親は夜逃げなんざしなかっただろうし、自分がここに来ることもなかったはずだ。

故に、自分の答えは一つだけだった。

 

「断る。自分はここでまだやるべきこといっぱいあるから。」

 

次の瞬間、肌で感じられるほどに場の空気が変わった。

さっき以上にピリピリと張り詰めた空気が空間全体を支配する。

目の前から「そんな趣味同然の仕事するくらいやったら京都に戻ってこい」と言わんばかりのオーラが見えてくる。

父親は昔からこうだった。病的なほど自己中心的で、他人のやっている仕事を趣味同然と見下していたのだ。

この空気がもう既に多大なストレスだ。本気でストレスを与えない努力をするつもりなら、いっそ自分の目の前から消えて欲しい。

しかし、次の瞬間自分の口から出た言葉は、自分の本心とは全く異なる言葉だった。

 

「そんなに納得がいかないんなら、来週にあるパスパレの大型ライブ、事前準備が明日から始まるんやけど、自分それに呼ばれてるからさ、それみてくれへんかな?もちろんパスパレのライブの方もセットで見るってことで、そこで自分がどんくらいこのバンドサポートの仕事に熱入れてるから見せるからさ。」

「ふん、よかろう。しかし私を納得させられなかったら…その時は…」

「ええ…覚悟の上でございます。」

 

若干挑発のニュアンスを含めた言いぶりで自分は最後にそう言い放ち、この日は父親と別れた。

 

翌日、自分はとある球場で、装飾の作業をしていた。

さすがに球場なだけあって広い。普段は試合なんかで使用されるこのスペースをパスパレ一色に染めあげるというのだからすごい話である。

スタッフの人から詳しい電飾の数は聞かなかったが、まりなさんに聞いたら、多分3桁万くらいあるんじゃないかなと言っていた。電気代やばそう

それと自分の父親は案の定来ていた。まりなさんに装飾のことを聞いてきた時に施設の隅っこにいるのを目の隅でみた。雰囲気的に、その場の空気に馴染めなくて孤立している陰キャラのそれやんと思ってしまったのはここだけの話である。

 

ちなみに父親はその後6日間毎日来ていた。品定めでもされているようで気分はすこぶるよろしくない。

 

3日目あたりからパスパレのメンバーも、まだ未完成のステージにたってフォーメーションなどの確認やセトリの順番なんかを確認していたりした。

中には実際に歌った時もあった。でもまだやはり未完成感が拭えない。パスパレの練度の問題もあるかもしれないが、装飾がまだまだ完成の域に達していないのも原因の一つだろう。ライブではパフォーマンスの他にステージの飾り付けなどで観客の心を掴むことも大事なのだ。

 

そうこうしているうちにあっという間に事前準備最終日が来た。この日はほぼ完成したステージにパスパレのメンバーが立って本番同然のパフォーマンスをする、いわゆるリハーサルの日だった。

楽器は元々使う予定ではなかったそうなのだが、千聖先輩が直談判して、楽器演奏込みでリハをすることになった。

 

彩姉のステージをみて改めて思ったのだが、やはりステージにたった時の彩姉はひと味もふた味も違う。

普段はトチってばっかりだが、ステージに立つ時は、アイドルとしてのスイッチが入ったという感じがする。

アイドル・丸山彩をファンの方だ他に見てもらう、そしてパスパレのライブを必ず成功させるためにも

 

「あともう少し、頑張ろう。」

 

自分は己を鼓舞するかのようにそうつぶやき、また作業に戻った。

 

結局あの後、当然のように夜遅くまで作業を続け、夕餉はいつぞやのごとく彩姉とのファミレスになってしまった。




K「さて、展開からわかるかもしれませんが、次回を持ってこのSS本編、最終回になります。」
千聖「い…未だに実感がわかないわね。」
日菜「ちなみにそのあとはもしも蒼くんとパスパレのメンバーが〇〇の関係だったら…っていう読み切りのSSを予定しているみたいだよ!」
蒼「えなにそれ聞いてないんだが」
K「だって今言ったもん」
麻弥「し…しれっととんでもないこといいましたね」
彩「うぅ…蒼くん行かないでぇー」
イヴ「えっと…それでは次回最終回、蒼の決意・ワタシとアナタ」
日菜「最終回もるんっとしちゃうよ!」
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