仮面ライダーツルギ   作:大ちゃんネオ

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早速オリジナルライダー設定協力ありがとうございます!
タイミングはいつ頃になるか分かりませんが登場しますのでお楽しみに!
まだまだ募集してますのでよろしくお願いします。
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?ー2 宵闇に惑う

 合わせ鏡が無限に広がる空間。

 たくさんの鏡に写る少女、アリスは蜘蛛のようなモンスターを踏みにじっていた。

 

「まさかあの女を狙っていたなんて……。おかげで燐君がこっちに来ちゃったじゃないですか。今は私が守っているからいいけど……。これじゃただの監禁女みたいに思われるじゃないですか~。どうしてくれるんですか?……というわけで、あなたにはお仕置きです」

 

 アリスが更に強くモンスターを踏むとモンスターの体に黒と赤の禍々しい紋様が浮かび上がり……モンスターは消滅した。

 

「ふう……。さ~て、どうやらライダーがいるようなのでテキトーに誰か呼んでバトらせますか……こういうイライラした時はライダーバトルの観戦が一番です」

 

 そう決めるとアリスは力なく前に倒れ、目の前の鏡に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミラーワールド内の宮原邸やその周辺を探索したが彼の姿もなく、モンスターの気配すらなかった。

 独特の環境音ばかりが聞こえる。

 もう既に彼は……。

 嫌な考えばかりが頭に浮かぶ。

 駄目だ駄目だ。

 絶対に彼は助ける。

 そうしなければ、私は……。

 この世界にいられる時間は限られている。

 およそ10分程度。

 それしか探す時間はないのだ、立ち止まっている暇などない。

 

「燐!いるなら返事をしなさい!」

 

 普段は全く張らない声を張る。

 だが返事はない。

 彼だけは、彼だけは助けないといけないのだ。

 私の、願いのために。

 

「へえ、人探ししてるんだ?アンタみたいな冷徹な人が」

 

 独特な環境音に混じり、女の声がした。

 何度か、この世界で聞いたことのある声。

 何度も戦い、引き分けてきた相手の声だ。

 

「……悪いけど、今はあなたと遊んでいる暇はないの」

 

 振り返り、そう返事をした。

 やはり予想通りあいつだった。

 黒いアンダースーツに黄色いアーマー、蜂の巣のような意匠の仮面……。

 

『仮面ライダースティンガー』

 

「つれないなぁ……。折角アリスがここにアンタがいるって言うから会いに来てあげたのに」

 

 あの女……余計なことを。

 

「それじゃあさ、やろっか」

「……そうするしかないようね」

 

 こいつが来てしまった以上、戦闘は避けられない。

 こいつはライダー達の中でも戦闘狂なのだ。

 逃げるのは困難。

 探索はガナーウイングに任せてやるしかない。

 

 

 

 

 

 

 黒い空間が破られると、そこは鏡華さんの家の庭だった。

 変身したはいいが……。

 なにをどうしたら……。

 いや、分かる。

 知っている。

 僕は知っている。

 この姿のこと、仮面ライダーのことを。

 バックルのデッキからカードを引き抜き、この剣に装填することで武器を召喚したり、技を使ったりして……。

 傍らのこのドラゴンはドラグスラッシャー。

 僕の相棒だ。

 首を撫でてやると目を閉じて気持ち良さそうにしている。

 そういえば、あの声の正体は……。

 近くにいないか。

 あたりを見回しても人影なんてない。

 一体、何者なんだろう?

 助けてくれたからいい人なんだろうけど。

 取り敢えず、まずは助かったことを喜ぼう。

 まずは現実世界に戻って……あ。

 鏡華さんと美玲先輩にどう説明しよう。

 鏡の中で仮面ライダーになって助かったよ!と正直に言おうかそれとも濁そうか……。

 言い訳に頭を悩ませると、鎧が音を拾った。

 金属と金属がぶつかりあう音……戦いの音だ。

 

「スラッシャー。行くよ」

 

 僕の言葉にスラッシャーは頷き、翼を広げ空へと飛び立った。

 あの、僕も乗せてってほしいんだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 敵に対して向かい合い、互いにデッキからカードを引き抜きバイザーへと装填する。

 私のバイザーは弩型。

 ガナーウイングの翼を模したバイザーを展開しカードを装填。

 相手は蜂の針のような細い刃の剣型のバイザーにカードを入れる。

 

【SWORD VENT】

 

【STRIKE VENT】

 

 電子音声がそう告げると、空から互いの武器が降り注ぎそれを掴む。

 私は青い翼を模した双剣「エッジウイング」を、相手は蜂の腹を模したものを右腕に装備した。

 見慣れた武器。あれの先端には鋭い針があり、突き刺し毒を注入。弱ってきたところを殺すという戦法を得意としている。

 当たるわけにはいかない。

 

「ハアッ!」

 

 先に動き出したのは向こう。

 武器を装備した右腕で殴り付けてくるが大振り。回避するのは容易い。

 体を反らし、がら空きとなったスティンガーの胴をエッジウイングで切り裂く。

 装甲から火花が飛び散り、宵闇を照らす。

 そうして切り結び合う。

 優勢なのは私。

 機動力を活かして、ヒットアンドアウェイ戦法を取る。

 

「はっ……。いいね、早い」

 

 一度距離を取ったスティンガーは再びカードを引き抜きバイザーへ装填した。

 

【GUARD VENT】

 

 雀蜂の顔のような盾を左腕に装備したスティンガーが迫る。

 殴りかかるストライクベントを避け、エッジウイングを交差して受け止める。

 重い……!

 

「アタシはアンタほど速くはないけど……。パワーはあるってこと知ってるでしょ?それにこいつもぉ!」

 

 盾を装備した左腕を振りかざすスティンガー。

 するとその盾が展開する。

 まるで、雀蜂の顎のように。

 

「噛まれな」

 

 突き出される大顎。

 私の首を断ち切ろうと迫る───。

 

 

 

 

 

 

 

 戦う二人のライダーを民家の屋根に腰掛け観賞するものがいた。

 アリスである。

 

「いいですねいいですね~。さっすが最古参の二人。そんじょそこらのライダーの戦いより断然見てて面白いですね~」

 

 好きな番組を見るかのような気楽さで殺し合いを眺めるその光景は…現代の感覚で言えば異常である。

 古代ローマでは円形闘技場で剣闘士の戦いを見ることが市民の娯楽となっていたがそんなものは大昔の話だ。

 

「あっ、瀬那ちゃんが勝つかなこれは。今日で美玲ちゃんは終わりか~って、うん?あれ、は……」

 

 星空を翔る流星。

 白い流星……。

 いや、違う。

 あれは……。

 

「まさか、そんな……!」

 

 

 

 

 

 

 

 迫る大顎。

 だが、それは飛来してきた何かにより阻まれた。

 咄嗟に攻撃をやめて盾で防御するスティンガー。

 この隙に腹を蹴込み、距離を取る。

 地面に落ちたそれは……刃?

 

「なに?新手?」

 

 苛立ちを含んだ声で呟くスティンガー。

 この刃が飛んできた方向を見るとそこにいたのは……。

 白い仮面ライダー(騎士)とそれに付き従う白いドラゴン。

 街灯の光に照らされた純白の鎧が眩しい。

 聖騎士という言葉が相応しい。

 威風堂々としている。

 ゆっくりとこちらに歩き出すそのライダーから発せられるオーラは敵を圧倒するだろう。

 

「折角のバトルに水差しやがって……。けどまあ、それもライダーバトルの醍醐味か。ハアッ!」

 

 スティンガーは純白のライダーに向かって駆け出す。

 純白のライダーはなにもしない。

 ただ、歩くだけ。

 やがてスティンガーが純白のライダーを射程圏内に捉え、右腕の針を突き刺そうと殴る。

 そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 何が起きたのか、単純なことだった。

 純白のライダーが腰の剣を抜き、スティンガーを切り裂いたのだ。

 やったことは単純。

 だが、その居合の速さは……神速と言っても過言ではない。

 戦いの様子をもっと間近に見たくて、私も純白のライダーの近くへと駆け寄った。

 

「……戦いを、止めてください」

 

 ポツリと、純白のライダーは呟いた。

 とても、聞き慣れた声。

 なんで。

 どうして。

 どうして、燐がライダーになっている。

 

「あ?その声……アンタ、男?おいおいなんだよそれ。ライダーバトルに参加するのは女だけってのは嘘なの?」

 

 吹き飛ばされたスティンガーは体を起こし、胡座をかいて地面に座り彼と会話する。

 

「ライダーバトルに参加するのは女だけ……?」

「アンタ、アリスから聞いてないのか?ライダーバトルのこと。だったらアタシが教えてやるよ。直接……身体になぁッ!!!」

 

 地面を殴り、その衝撃を利用して立ち上がったスティンガーが燐への距離を一気に詰めて今度は盾の大顎で鋏み、砕こうとする。

 燐は剣を大顎に挟んで防御する。

 ……援護しなければ。

 デッキからカードを引き抜きバイザーに装填する。

 

【SHOOT VENT】

 

 音声が響くと矢筒が召喚され、背中のハードポイントに装着され、エッジウイングの柄を連結させると弦が現れ弓となる。

 

『アローウイング』

 

 私の最も得意とする武器。

 矢筒から矢を取り出し、番える。

 膠着して、動きのない今なら狙わなくとも当たる。

 放たれた矢は真っ直ぐにスティンガーの背中に直撃し、爆ぜる。

 

「ガッ……!?」

 

 背後からの攻撃により力が抜けたスティンガーを燐は振り切り、バイザーである剣にカードを装填した。

 

【SWORD VENT】

 

 天から召喚されたのは日本刀。いや、太刀と言った方がいいか。

 反りの深い、長刀。

 白い柄に鍔はなく飾り気はないが、ないからこそ気品というものを感じさせる武器。

 それを右手に駆け出し、スティンガーに袈裟斬りを喰らわせた。

 

「でやぁぁぁ!!!」 

「は、はは……。こんなん勝てるわけないじゃん……。時間も時間だし今日は撤退するよ……」

 

 そう言ってスティンガーは近くに停めてあった車から現実世界に戻った。

 彼女が時間だと言うことは……。自分の手のひらを見ると、少しずつ砂になっていくかのように分解されていく。

 消滅が始まっている。

 燐のほうは……まだ変身してそう経っていないのか消滅は始まっていない。

 

「燐」

「え?その声まさか……美玲先輩!?え!?ちょ、なんで!?」

 

 予想通り、彼は驚いた。

 

「話はあと。今は取り敢えず、あっちに戻りましょう」

「は、はい……」

 

 さっきまでの達人然とした雰囲気はどこに行ったのか。

 仮面を被っていても彼は彼のままだと安心出来る。

 二人でさっきスティンガーが使った車の窓ガラスから現実世界へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜の住宅街を歩く。

 風に靡いた、ボサボサの色が抜けてきた金髪がうざったい。

 月のおかげでだいぶ明るいが、心は暗いままだった。

 あの乱入してきたライダー……。

 敵わなかった。

 これまで、三人のライダーを倒してきたアタシだけど、勝てなかった。

 相手が男だったから負けたとかそういうものではない。

 純粋に、強さの壁というか、プレッシャーを感じていた。

 頭の中はあのライダーのことで一杯になっていたおかげか、思っていたよりも早く家に着いた。

 古いアパート。

 ここで、母親と二人で暮らしている。

 『片月』という煤けた表札が提げられた202号室が私の家。

 ドアノブを回すと、珍しくドアが開いた。

 だけど、すぐに私はドアを閉じた。

 母の……女の声なんていう聞きたくないものが聞こえたからだ。

 ちらと見たが見覚えのない男物のスニーカーが乱雑に脱ぎ捨てられているのを見た。

 知りもしない男がいるようなところに帰りたくはない。

 アパートの階段を降りて、あてもなく歩く。

 今日の宿はどうしようか……。

 SNSを開き、今日泊まれるところ探してますと可愛らしい絵文字を添えて投稿するとすぐにどこ住み?とメッセージが。

 それを皮切りに次々と人の皮を被ったケダモノ達が集まること集まること。

 その中から一番近い奴を選ぶ。

 そのケダモノの巣が今晩の私の巣だ。

 今日は思いの外近くの奴が釣れたので近くの公園で待ち合わせて、そいつのところに案内された。

 

「き、君……名前は……?」

 

 年齢に不相応な幼さを残した男が質問してきた。

 無視してもいいのだけど、なにも喋らないのも面倒に繋がる場合が多い。

 

「瀬那」

 

 短く、それだけ言ってケダモノの質問に答えた。

 するとケダモノは次々とセナちゃんは、セナちゃんはと質問ばかりしてくる。

 つまらない……。

 ケダモノの中でもつまらないやつだった。

 テキトーに質問に答えていると彼の住むアパートに着き、部屋に通されたアタシは早速ベッドに寝転んだ。

 疲れた……。それに、戦いの傷がまだ少しばかり痛む。

 

「え、あ……そ、その……」

 

 ケダモノはここに来て躊躇しているらしい。

 目当ての物が目の前にあるのに手を伸ばさないなんて、弱い奴の証拠だ。

 こんな奴の相手なんて普段はしたくないのだが……。

 だけど、アタシはストレスを発散したくもあった。

 

「いいよ。好きにしな」

 

 そう言うとケダモノは気持ちの悪い笑みを浮かべて私に覆い被さってきた。




次回 仮面ライダーツルギ

「叶えたい、願い?」

「約束ですよ!」

「それじゃあ、また明日」

「殺しあっているのよ、私達ライダーは」

願いが、叫びをあげている────。



ADVENTCARD ARCHIVE
SHOOT VENT(仮面ライダーアイズ)
アローウイング 2000AP

アイズの用いる弓。
ガナーウイングの青い翼を模している。
ガナーウイングと連携することで鳥形の炎を放ち広範囲の敵を焼き払うことが可能。

その炎が焦がすものは敵か、己か。
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