仮面ライダーツルギ   作:大ちゃんネオ

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?+1ー35 仮面ライダーの再臨

 項垂れ、ただ地面を見つめることしか出来なかった。

 涙はとうに枯れ果てた。

 真実を受け入れたくはない。

 だが、この今にも壊れてしまいそうなカードデッキがそれを許さない。

 青い色に赤黒いものが固まって、死を連想させる。

 

「射澄、さん……」

 

 僕が、僕がデッキを奪われたりしていなければ。

 僕が仮面ライダーであったならば、射澄さんを助けに行けたはずだったのに。

 

『────』

 

 ふと、脳に響いたこの音に顔を上げる。

 何度も聞いてきた、ミラーワールドの音。

 ライダーでなければ聞くことは出来ない音。

 デッキを奪われた僕には聞こえることはないはずだった。

 

「射澄さんのデッキ……」

 

 射澄さんのデッキは壊れかけではあるがまだ機能自体は働いているらしい。

 けれど、それでどうするというのだ。

 このデッキで変身出来るかは怪しいし、変身したところでデッキがいつまで保つか分からない。

 ただ、それでも……。

 

 身体は動き出していた。

 鏡となるものを探して。

 幸い、すぐ近くにカーブミラーがあったので見つめてみるとそこには僕と契約を結んだ者がいた。

 白き聖剣の竜、ドラグスラッシャー。

 

「……どうした。契約破りだから僕を食べに来た?」

 

 ドラグスラッシャーからの返答はない。

 僕に襲いかかってくるでもない、ドラグスラッシャーは自分を僕に見つけさせると飛び立つ。ドラグスラッシャーの姿を目で追っていくと近くの家の屋根に止まり、僕を見つめる。

 

「ついて来いってことか……?」

 

 一体、どこへ連れて行こうと言うのか。

 今更、こんな僕に。

 どこへ連れて行っても僕には、なにも出来ない……。

 

 ────本当に、そうなのか。

 

 声がする。

 僕の内から声が聞こえる。

 

 ────本当に、なにも出来ないのか。

 

 ああ、そうだ。

 僕にはなにも出来ない。

 

 ────なにも出来ないから、行かないのか。

 

 そうだ。

 なにも出来ないから、どこへ行ったところで……。

 

 ────変身出来なければ、戦えなければ、仮面ライダーではないのか。

 

 それ、は……。

 

 足が、動き出していた。

 どこへ行くかも分からない。

 なにをさせようとしているのかも分からない。

 なにも出来ないだろうというのに、この身体は動き出していた。

 ああ、そうだ。

 ここで動かなければ仮面ライダーを、仲間達を裏切ることになる────!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明かりなき夜の森林で、刃と縁は剣戟を繰り広げていた。

 

「────大したものだ、影守美也。死者に呑まれながらも心を維持し続けるその精神力は賞賛に値する」

「ぐっ……」

 

 戦闘は刃が優勢で、縁には全身に切り傷が刻まれていた。

 一度距離を取った縁は蛇腹剣を伸ばし、刃へと向けるが弾かれ、一瞬で距離を詰められる。

 そして、脳天から一閃。

 普通のライダーであれば死は確実の一撃だが、ミラーライダーである縁からは血飛沫のように泥が溢れ出る。

 

「ああああああああ!!!!!!!!!!」

 

 縁は崩れ落ち、溢れ出る泥を塞き止めようとするも泥は止めどなく溢れる。

 

「影守美也。這い上がってこい……!」

 

 

 光届かぬ深海に、一筋の光が見えた。

 あの光へ向かっていけば……!

 もがく、もがく、もがく。

 私を捕らえて離さない腕達から逃れようと。

 昇る、昇る、昇る。

 光へ、向かって。

 

「み、ヤ……」

 

 しかし、ここに来てこいつが足を掴む。

 そして、私の力も限界が近付いてきている。

 ずっと自分を保つのに力を注いできていたから、肝心な時にガス欠だなんて……!

 また、引きずり込まれていく。

 光が、遠のいて……。

 

「ここが勝負所だろう、お団子君」

「え……」

 

 聞き慣れた先輩の声がした。

 

「ぐあああ!!!!!」

 

 次に、陽咲の叫び。

 私の足を掴んでいた陽咲の腕が切り裂かれ、私はまた浮上を開始する。

 そうだ、ここが勝負所だと。

 そして光へと向かっていく途中、誰かとすれ違った。

 

「振り向いてはいけないよ。まっすぐ上を向いて進んでいくんだ」

 

 ああ……どうして。

 あなたが、ここにいるのか。

 そんな、そんなのって……。

 

「ほら、早く行きたまえお団子君。いや……。美也……」

「……やっと、名前で呼んでくれた」

 

 光に包まれる。

 射澄さんの姿を見ることは出来なかった。

 振り向くなと言われたから。

 けれど、その姿は確かに私の心に刻まれた。

 

「ありがとう……射澄さん……」

 

 

 

 目を覚ますと、そこは現実の世界であった。

 何度か訪れたことのある森林公園のベンチに寝かされていた。

 

『目が覚めたか』

 

 どこからともなく声がする。

 ベンチの裏にある管理所の窓ガラスから、黒いツルギが話しかけてきていた。

 

「……あなたが、助けてくれたの?」

『いや、お前自身の頑張りが大きい。そうでなければ、俺はお前を殺すつもりでいたからな。目を覚ましたところで悪いが、頼みたいことがある』

「頼みたいこと……?」

『御剣燐のところへ行け。あいつはデッキを持たないまま、戦おうとしている。力になってやれ』

 

 燐君が……。

 

「分かった。……ねえ、ところで貴方はなんなの。陽咲と同じ、ミラーライダーなんでしょ?」

『……そうだ。だが、今は関係ない。早く行け』

 

 答えをはぐらかされた気がするが、確かに今はそれどころではない。

 急いで燐君のもとへ向かわなければ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 懐かしい、中学校の制服を着ている私がいた。

 入学したばかりの頃、クラスメイトは知らない顔ばかり。

 大してクラスメイトに興味を抱かず、一人で本を読むことが多かった私に友達と呼べるような人は少なかった。

 社交性は持ち合わせている方なので雑談は出来るし、学校行事などクラス全体でなにかするって時にはクラスメイト達と歩調を合わせることはした。

 だから、友達はいなくとも孤立はしていなかった。

 ただ、私のクラスには完全に孤立している女子生徒がいた。

 名前は、神前射澄。

 幽霊のような不健康的な白い肌と同年代の女子の中では背が高く、それでいて痩せ型。そして、腰まで伸ばした長い髪。

 恐らく切るのが億劫だからという理由で長いのだと思うし、そんな人が髪の手入れをするはずもなくいつもボサボサの髪。

 授業中以外は常に本を読んでいた。

 私と似たような行動パターンだったけれど、彼女は完全に孤立していた。

 いじめの標的にされてもおかしくないが、不気味がって誰も近寄ろうとしないのでそういったことはなかったが、むしろそれは彼女にとって好都合だったのだろう。

 彼女は、本と独りを愛していた。

 そんな彼女にシンパシーを感じた……わけではない。

 むしろ、私は彼女に苛ついていた。

 

 ある時、たまたま教室で二人きりになったことがあった。

 そこでついに、私は彼女に声をかけた。

 

「ねぇ」

 

 多分に苛立ちを含んだ声は、いつもの声よりだいぶ低かっただろう。

 

「……なんだい」

 

 彼女は本から一切、目を離さなかった。

 眼中に私はいなかった。

 だけど、次の私の言葉に彼女は流石に目線をこちらに寄越した。

 

「髪、手入れしていい?」

「……は?」

 

 手入れしていいかと聞いておいてだが、私は彼女の返答を待たずして髪を梳かしていった。

 

「なんの真似?」

 

 抵抗はしないでされるがまま、彼女は私に問いかけた。

 

「貴女の髪の惨状を見て、いつもイライラしてたから」

「なんで君がイライラするんだい?」

「多分、ママ譲り。美容師だったから。髪は女の命って、いつも言ってたわ」

「髪がどうこうして死ぬ人間はいないよ」

「うるさい。黙って」

 

 沈黙の中、私は髪を梳かし続けた。

 髪は長いし、毛量も多いから時間がかかる。

 

「……私の母さんは、諦めてたよ」

「え?」

「母さんも、髪の手入れしなさいって言ってたんだけど、最近とうとう言わなくなってね。そしたら君が現れた。なんなら行動にまで移して私の髪を弄っている。母さん以上だよ、君は」

「貴女の母親になったつもりはないわよ。第一、子供を持つならもっと可愛げのある子がいい」

「君はいい母親になるだろうけど、遅そうだ」

「貴女に言われたくないわね」

 

 以外と、彼女は饒舌だった。

 それからとにかく彼女の冗談に付き合い続け、髪の手入れをしてあげるようになって、私達は友人になったのだ。

 

 

 

「……射澄」

 

 目が覚めると、私は涙を流していた。

 今のは、夢。

 現実に呼び起こされて、先程のことを思い出す。

 射澄のバッグを見つけて、それから、それから……。

 

 手と足は縛られ、寝かされていた。

 畳の匂いが鼻につく。

 和室だが、木の格子で部屋は遮られている。

 いわゆる、座敷牢。

 

「お目覚めかな」

 

 嫌な声がした。

 鐵宮武が、格子の向こう側から嫌らしい目でこちらを見ている。

 

「おめでとう。君は選ばれたんだよ。聖なる供物としてね」

「アリスと私を殺せば、ってやつ?」

「やはり神前から聞いていたか。そうだ。君達の尊い犠牲によって、大多数の幸福が生まれる。聖女なのだよ、君達は」

「ふざけないで。誰がそんなものに!」

「既に私の配下達がアリスを捕えるために動き出している。もう時間の問題だ」

 

 ……最早、打つ手はないのか。

 アリスがただのライダーに負けるような存在とは思えない。

 だがそのコアという者がアリスよりも上の存在であるならば、アリスになにかしてライダー達でも倒せるようにしてしまうなんてことも可能かもしれない。

 本当に、全てこの男の手のひらの上だというの?

 

「燐……」

 

 思わず、その名を呟いていた。

 だが、燐はデッキを失い普通の少年へと戻ったのだ。

 ライダーとはなんの関係もない。

 ただ、それでも……。

 燐に、会いたい……。

 

 

 

「会長」

「なんだね佐竹君」

 

 生徒会副会長の佐竹が入室してきた。 

 鐵宮に緊急の要件を告げるべく。

 緊急ではあるが、佐竹はひどく冷静に簡潔に報告した。

 

「襲撃です。喜多村遊がここを嗅ぎ付けたようで現在ライダー達と交戦中……ですが、ほとんど蹂躙に近いかと」

「ほう。先日、叩きのめしてやったというのにな。いいだろう。儀式の前の余興と洒落こもう」

 

 二人は美玲のことなど気にも留めず退室し、喜多村遊のもとへと向かう。

 閉じられた座敷は、天井近くの窓から差し込む月光のみが明かりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「会長くーん! あーそーぼー!」

 

 鐵宮家旧本邸へと至る石階段を昇り終えた遊はそう呼び掛けた。

 門番を任されていた二人の女子が遊の前に立ち塞がったが遊の拳の前にあえなく撃沈。

 遊は、門をくぐり抜けて敷地内へと足を踏み入れた。

 

「おーおー君達全員ライダー? まとめてかかってこい! 変身!」

 

 仮面ライダーレイダーへと変身した遊を見て、集められていた少女達もまた一斉に変身し遊へと迫る。

 現実世界での戦闘。

 レイダーはライダー達を一撃で屠っていくが少しずつ多勢に押されていく。それでも負けじと押し返し、庭園の池からライダー達共々ミラーワールドへと戦場を移したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 茜と合流した瀬那は今日起こったことを全て話した。

 もしかしたら、この悲劇は起きなかったのかもしれない。

 けれど、起きてしまった。

 あの少女は自分達とは違う。

 きっと、ライダーとは関係なく生きていけたかもしれないと。

 

「……アタシはあのライダーを追う」

「……その子の、復讐のため?」

「そんな大層なもんじゃない。ただ、気に食わない。あいつを殴らなきゃ気が済まない。だから……」

 

 拳を強く握りしめる。

 出会って数時間の付き合いの人間の復讐なんて。

 復讐なんて、ものではない。

 そんな大義名分は自分には背負えない。

 

「これはアタシの戦いだ。お前は帰ってろ」

 

 茜が付き合う理由は皆無だ。

 全て、自分の周りで起きたことなのだから自分で解決すると瀬那は、茜に来るなとそういうつもりで言った。

 

「そのライダー、この間の奴なんだよね。二人で戦っても押された奴」

「そう、だけど……」

「なら私も行く。この間のリベンジマッチ」

「お前……」

「結構痛め付けられたからさ……。私自身の復讐? みたいな。だから、私にも戦う理由はあるよ」

 

 真っ直ぐ瀬那を見つめて、茜は戦う理由を示した。

 固い決意の現れた、射抜くような瞳に迷いはなく、この目をした茜を説得する方が戦うことより何倍も難しいと瀬那は折れた。

 

「……行くぞ」

「うん」

 

 ここから玄汐夏蜜柑の追跡を開始しようと二人は動き出した。

 正直、とにかく当てずっぽうで街を探し回るつもりでいたが、二人に心強い助っ人が現れた。

 ミラーワールドから響いた、猛禽類の鳴き声に似た声。

 

「あれは……あいつのモンスター!」

 

 少女が契約していた赤茶色のトンビのようなモンスター『ビークフライヤ』が二人に向かって声をかけていた。

 瀬那がビークフライヤに気付くと、ビークフライヤは飛び立ち二人について来いと言っているよう。

 

「あいつについてくぞ!」

「うん!」

 

 駆け出す二人。

 二人の瞳には、強い意志が宿っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鐵宮の屋敷の一室には巨大な鏡が奉られていた。

 それはコアのために与えられたもので、この部屋に入られるのは限られた人間のみ。

 その部屋で黒峰樹はこの部屋の警護と、とある任務を言い渡されていた。

 

「本当にその公園に現れるの? アリスは」

 

『ええ。あの娘、バカだけど真面目だから』

 

「了解っと。じゃあ送信」

 

 チャットアプリでコアから指示のあった住所を鐵宮の配下となったライダー達のグループに送信する。

 こうしてアリス狩りの指示を行っていたのだ。

 あとはコアとの雑談に付き合ったりと、なんともまあ暇な仕事であると樹は欠伸を漏らす。

 そんな時、勢いよく襖が開くと甲高い声が樹の耳をつんざいた。

 玄汐夏蜜柑である。

 

「ねえねえイツイツ暇!」

「あっそ。侵入者の相手でもしてきたら?」

「うーん。会長が相手してるんだって~」

「混ざってくれば」

「なるほど! 混ざればいいのかイツイツ頭良い! ……そんじゃ、さっきのストレス発散といきますか」

 

 勢い良く、というよりも荒々しく襖を閉めて出ていった夏蜜柑を見送り、ため息をついた樹。

 ここ最近、ため息をつく回数が増えた気がするなんてことをぼんやりと思った。

 

『貴女は戦いに行かないの?』

 

「冗談よして。死にに行くようなもんでしょ。誰かが数を減らしてくれるならそれが一番いいってのがモットーだし。願いが叶うチャンスがこんなに近付いてるのに死んだらもったいないでしょ」

 

『へぇ。貴女、賢いのねぇ』

 

 樹は、褒められた気がしなかった。

 

「馬鹿にしてるでしょ」

 

『違うわよ。ただ強いだけの人よりも、頭のいい人の方が生き残る確率は高いわぁ。リスクを避けるのは賢いことよ』

 

 そう、リスクを避ける。

 そのために樹は鐵宮に付き従った。

 今、まさに大船に乗っているのだ。

 そう、思っていたのだが。

 

(なんなの……この胸騒ぎは……)

 

 無性に、不安に駆られていく。

 何か、途轍もない災厄が近付いてきている気がしてならなかったのだった。

 

 

 

 

 

「ねぇ、本当にアリスを捕まえられるのかな……」

 

 召集をかけられ、郊外にある古びたお屋敷に集められたライダー達。

 先程、アリスを捕えるように指示を出された私達は屋敷を出て街の方を探索中。

 聖山高校の制服を着た女子が唐突にそんなことを言い出した。

 それは、誰しもが思っていたことだろう。

 

「ここにいる皆で生徒会長を倒した方が現実的じゃない?」

「けど、生徒会長すごい強いって……」

「数で押せばいけるって! 今9人もいるんだからさ。9対1なら余裕でしょ」

 

 裏切りの気運が高まっていく。

 私は正直……。

 

「乗り気じゃない?」

 

 小声で、私に話しかけてきたのは松生高校の人だった。

 小柄ではあるけれど、お姉さんといった風な印象を受けた。

 お姉さんというよりも、お姐さんの方が正確かもしれない。

 

「藤女の人が珍しいね。名前、なんだっけ」

「華甸川、真里亞です……」

「マリアちゃんか。あたしは栗栖(くりす)夕紀(ゆき)。でさ、どうよ。このままアリスを捕まえに行った方がいいかあの聖山の生徒会長だかを裏切った方がいいか。どう思う?」

「どうって聞かれても……。あなたはどう思うの?」

「さぁてね。願いが叶うんならなんだっていいさ」

 

 願いが叶うなら、なんだっていい。

 それはきっと、鐵宮という男に従った誰もが思ったことだろう。

 願いのためにもう殺し合う必要はなく、皆の願いが叶う。

 そんな素晴らしいことがあるだろうか。

 アリスと、もう一人誰か知らないライダーが犠牲となるけれど仕方ない。

 願いが叶うのならば、それでいい……。

 

「生徒会長裏切ってまた全員で殺し合うよりかはアリス捕まえに行った方が生き残って願いが叶う可能性は高いと思うけど……」

 

 このグループを指揮する新島陽菜がそう言うと皆、やっぱり辞めようと口々に言い始めた。

 

「そ、そうだね……」

 

 ひとまず、裏切り騒動のような面倒になりそうなことは阻止するとスマホに通知が。

 黒峰樹という鐵宮の側近のような立ち位置のライダーからである。

 

「……アリスの居場所が分かった?」

「お、ここから近いじゃん。行こうぜ」

 

 チャットアプリに送られた住所。

 確かにここから近い。およそ10分も歩けば着くだろう。

 ……こんなに上手く物事が進むものだろうか?

 出来すぎている感じがしてならない。

 それと同時に、不気味な静けさのようなものも感じる。

 嵐の前の静けさのような、なにかを……。

 

 

 

 

 

 

 

「ミラーワールドが騒がしい気がする!」

 

 そんな津喜の言葉を受けて、伊織と真央は津喜のパトロールに付き合わされていた。

 街中歩き回されて二人はくたくた。ハンバーガーショップで一休みしようと伊織が提案し、三人は休憩中。

 

「なにも、いませんでしたね……」

「いいや、なにかあるはずだ。私の勘がそう告げている」

「はぁ……。これ食べ終わったら解散しましょう」

「そんなぁ!? 絶対に何かある! 私の勘、女の勘だよ! 絶対なにか起こる!」

「北さんの女の勘はちょっと、いやちょっとどころじゃなく信用ない」

 

 伊織の言葉にとてつもないショックを受ける津喜だが、すぐに立ち直りダブルチーズバーガーにかぶりついた。

 ゆったりとジンジャーエールを味わう伊織だったが、窓の向こう側の景色にとある違和感を覚えた。

 

「ねぇ、あれ見て」

「なんですか?」

 

 真央も同じく外を見ると、そこには10人ほどの女子高生のグループがいた。

 制服を見るに、近隣の高校の生徒達が集まっている様子。

 そのグループにまた一人駆け寄ると、今度は全員でどこかに向かって走り出していった。

 

「あれは……」

「あの子達、ライダーっぽくない?」

「え? 同じ中学校だった仲良しグループとかかもしれないですよ」

「そうね、けどライダーな気がする。ライダーだとしたらあんな大人数で徒党を組んで行動するのは鐵宮の一派よ。それが目立つ行動を取るとなれば……なにか起こったに違いない」

「けど、ライダーだって根拠は……」

「女の勘」

「分かりました、行きましょう!」

「ええ」

「ちょっ! 私の女の勘は信じなかったくせに!」

 

 店を飛び出した二人を追いかけるため、津喜はダブルチーズバーガーを口に押し込み走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 古びた教会に二人。

 彼女達は爪を磨ぐ捕食者達。

 戦いの匂いというものに特に敏感であった。

 

「……今日は随分と騒がしいですね」

「そうだね。行く?」

「行きましょうか。昨日の傷は既に癒えていますから」

 

 脇腹をさする樋知十羽子は氷梨麗美と共に動き始める。

 陰謀渦巻くライダーバトルの外側で、彼女達はただ殺戮を楽しむのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミラーワールド。

 夜の公園に一人、アリスがいた。

 

『まったくなんです。こんなところに呼び出して……。時間になってもコアは来ないですし……』

 

 苛立ちを募らせるアリス。

 そんな彼女の足下が突然爆ぜた。

 

「おいおい本当にいやがった」

 

 栗栖夕紀が変身した赤い堅牢な鎧のライダー、仮面ライダーギガントの銃型バイザーの口から煙が昇る。

 アリスの足下を撃ったのは彼女であった。

 そしてギガントを中心に9人のライダーがアリスに敵対心を向けている。

 

『……なんですか、貴女達。私にこんなことしてどうなるか分かってるんですか?』

 

「さぁてね。けど、あんた捕まえればあたしらの願いが叶うって言うからさ」

 

『なんですかそれ。そんな話、ありません! ライダーバトルの管理者たるこの私を捕えるだなんてそんなこと……』

 

 アリスは手をかざす。

 自身の権能を用いて、彼女達を処理しようとするが……。

 

「あ? なんだよ、なにも起きねーじゃん」

 

『そんな、まさか……。コア! コア! 見ているのでしょう! コア!』

 

 アリスに様々な力を授けたコア。

 コアから授かった力が使えなくなったこと、ここへと呼び出したこと。

 アリスはすぐにコアの裏切りに気付いた。

 

「なんか知らないけど、今のあんたなら楽に勝てそうだな。やろうぜ、みんな」

「小夜のためにも……!」

「兄さん……」

 

 9人のライダーがアリスに向かって襲いかかる。

 弾丸が、剣が、拳が、槍がとアリスに迫る。

 

『くっ……変身!』

 

 生身での戦闘能力を失ったアリスはブロッサムへと変身する。

 ライダーとしてのスペックであればブロッサムは他のライダーを大きく上回る。

 だが、数の差とアリス自身の戦闘技能が高くないため形勢はアリスが不利。

 

「ライダーバトルの管理者ってのは弱くてもなれるんだな」

 

『ッ!』

 

 銃弾を回避し、デッキからカードを引いて手鏡型のバイザーに装填。

 

【DEMOTE VENT】

 

 次の瞬間、ライダー達の武器が消滅する。

 ディモートベント。

 カードにより召喚された装備のAP、GPの値を2000下げるという効果を持つカード。

 数値が0となるとその装備は消滅し、消滅しなくとも威力を下げることは出来る。

 また、多くの装備はAPが2000程度で調整されているためこのカードは多くのライダーに刺さるのだ。

 だが、武器が複数ある相手に使う場合は使い時が重要である。

 

「んな面倒くせぇカードがあんのかよ!」

 

【SHOOT VENT】

 

 仮面ライダーギガントの両腕に装備される2門のガトリング。

 両腕合わせて4門の銃口から、銃弾の大雨がブロッサムに押し寄せる。

 ガトリングの一斉射をもろに受けたブロッサムのダメージは大きく、膝をつく。

 

「やあぁぁぁッ!!!!」

 

 真里亞の変身する銀のライダーヴァリアスが短剣を逆手に構えて迫る。

 立ち上がり、迎え撃とうとするブロッサムだがギガントのガトリングによる援護射撃が直撃、さらにヴァリアスの短剣による斬撃もまた刻まれ、ついにブロッサムの変身は解除されてしまった。

 

『そんなっ……』

 

「さぁて、来てもらおうか元ゲームマスター」

 

『くっ……』

 

 銃口を突きつけられるアリス。

 他のライダー達もアリスを取り囲むように近付いてくる。

 窮地のアリス。

 だが、その時だった。

 

『ゴガァァァァァァァッ!!!!!!!』

 

 天より轟く怒声。

 夜空に現れる白き流星がライダー達の近くに着地し砂埃が舞い上がる。

 

「くそ! なんだ!?」

 

『グガァァァ!!!!』

 

 砂埃を裂いて、地を駆ける竜ドラグスラッシャー。

 ライダー達に襲いかかる。

 その隙にアリスはこの場から逃げ出した。

 

「なんだよこの大物は!?」

「こ、殺されちゃう!?」

「に、逃げよう!」

「チッ! 追い詰めたのによぉ!!!」

 

 アリスを追い詰めたライダー達も各々ミラーワールドを脱出してやり過ごす。

 誰もいなくなったことを確認すると、ドラグスラッシャーは飛び立ち、夜空へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 一人、逃げ仰せた。

 しかし、また追手はやってくるだろう。

 恐らくコアが手引きして、私の居場所を教えているのだ。

 なんとかして、隠れなければ……。

 

『ここ、は……』 

 

 目の前に建つ廃墟に一瞬思考を止めさせられた。

 だが、今はそれどころではないと廃墟の中に足を踏み入れる。

 

 ────見慣れた、割れた姿見のある部屋。

 

 姿見の前にしゃがみこみ、ひび割れた鏡を撫でた。

 

「燐、くん……」 

 

 彼と語らった、愛しい時を刻んだ部屋はあの時のまま。

 彼の笑顔が、私は好きだった……。

 彼が笑っていなければ、世界に意味なんてなかった。

 だから、こんな世界壊してしまえと。

 彼が笑顔でいられる世界にしたくて、私は……。

 けれど、彼の笑顔と幸福を奪ったのは私だ。

 彼は、私と出会わなければ普通の幸せを手に出来るはずだった。

 私は願った、彼の幸福を。

 それが歪んで、いつしか願いは彼と私の幸福となった。

 でも、彼の幸福と私の幸福は一致しない。

 私の幸福は、彼を不幸にしてしまう。

 それを変えたくて、何度も時を巻き戻して……。

 そして、駄目だった。

 やっぱり、彼の幸福と私の幸福は一致しない。

 彼の幸福を願うならば、私と彼は出会ってはいけない。

 そうだ、もう、諦めよう。

 

 ずっと分かりきっていたこと。

 燐くんと私は、出会っちゃ駄目なんだってこと。

 だから、だから……。

 

 もう、使えなくなったというタイムベントのカードに手を伸ばす。

 

『お願い……』

 

 タイムベントのカードに力を籠める。

 だが、応えない。

 時は、巻き戻らない。

 

『お願い……最後の一回だから。もう燐くんとは会わないから! ずっとこの部屋で一人でいますからッ!!!』

 

 そう、ずっと、一人で……。

 それでも、カードは応えてくれない。

 カードに、涙が零れ落ちる。

 私にはもうなにも、なにも……。

 

 

 

 

 

 

 ドラグスラッシャーから逃げたアリスを追うライダー達は再びミラーワールドにてアリスの捜索を続けていた。

 そして……。

 

「隠れるのには打ってつけってか」

 

 ギガントが、アリスが隠れている廃墟へと足を踏み入れた。

 

「アーリスちゃん。出ておいで。でないと蜂の巣にしちまうぞ~」

 

 廃墟の中を手当たり次第に撃ち抜いていくギガント。

 少しずつ、ギガントはアリスに近付いてきていた。

 

 

 

 

 

 嫌……嫌……。

 死にたくない……。

 こんな終わり方は嫌だ……。

 

「────キョウカさん」

 

 彼の声がした、燐くんの声が。

 

『燐、くん……?』

 

 次の瞬間、姿見が割れて燐くんがミラーワールドに現れた。

 姿見を殴り付けた燐くんの右手から血が流れている。

 

『そんな……どうして……燐くん……』

 

「キョウカさん。君を、助けに来た」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドラグスラッシャーの後を追い、辿り着いた先は先程も訪れた鏡華さんの家。

 やっぱり、ここはアリス……キョウカさんに繋がる場所なんだ。

 けれど、さっきはなにもなかった。

 それに、あの鏡華さんのこともある……。

 

 恐れから、足が震えている。

 これ以上、進んではならないと。

 それでも……。

 

 足を動かそうとした瞬間、スマホが震えた。

 画面に表示される「母さん」の文字。

 しまったと思いながらも覚悟を決めて、電話に出る。

 

「もしも……」

「今どこにいるの! 早く帰ってきなさい!」

 

 案の定、怒られる。

 早く帰ってきなさい、か……。

 

「ごめん、母さん。今日、友達のとこに泊まるから」

「ええ!? 駄目よ病み上がりなんだから! 帰ってきなさい!」

 

 強情だなぁ。

 

「……その、さ。明日には帰ってくるから」

「今すぐ帰ってきなさい!」

 

 ……。

 

「……友達のことさ、助けてあげたくて」

「……それは、燐がやらなきゃいけないことなの?」

 

 ようやく、母さんの声色が落ち着いた。

 

「うん。僕がやらなきゃいけないし、僕じゃないといけないし、僕も……助けたいんだ。友達を。だから、ごめん母さん」

「……ちゃんと明日帰ってくるのね?」

「うん、必ず帰るから」

「……ちゃんと、帰ってきてよ?」

「分かってるって。……それじゃあ、いってきます」

 

 電話を切る。

 約束が増えた。

 必ず、帰ること。

 

「ああ、絶対帰るさ……」

 

 覚悟を決めて一歩、足を進める。

 それが、世界が切り替わるスイッチ。

 世界が変わる。

 目の前に建っていたのは豪邸ではなく、豪邸だったもの。

 廃墟だ。

 再び、意を決して廃墟の中を進んでいく。

 

 その一歩は、百万年。

 一歩歩くごとに、それだけの時間が流れ込んでくる。

 時間の濁流に今にも押し返されてしまいそう。

 けれど、ここで負けてはいられない。

 そうだ、これだけの時を僕は戦ってきた。

 今更、十万年程度がどうしたものか。

 数えるのも馬鹿らしい。

 今更、過去が僕を止めることなど出来ない。

 

 けれど、過去が今の僕を作り上げたのも事実だ。

 多くの戦いがあった。

 モンスター、ライダー、別世界からの侵略者もいた、別の世界を救うために戦ったこともあった。

 多くの仲間がいた。

 美玲先輩、射澄さん、美也さん、北さん、伊織さん、金草さん。

 他にも、多くのライダー達と出会った。

 過去が僕を作り上げた。

 仲間が僕を作り上げた。

 だから、これまでを全て受け止めていく。

 

 空っぽの僕という器に全てを注ぎ込んでいく。

 それはこれからも変わらない。

 今の僕が未来の僕を作り上げていく。

 だから、全てを受け止められる。

 

 そうして────。

 

「ここ、だ……」

 

 鏡の中の少女、キョウカさんと出会った部屋。

 僕が割ってしまった姿見も健在。

 ここは、あの頃とまったく変わっていない。

 

『お願い……最後の……から。もう燐くんとは会わないから! …………………………いますからッ!!!』

 

「キョウカさん……」

 

 キョウカさんの悲痛な叫びが鏡の中から響く。

 だが、その声は途切れ途切れでミラーワールドを認識する力が少しずつ弱まってきているようだ。

 射澄さんのデッキの限界が近付いている……。

 もう、彼女と話すチャンスは今しかない。

 こうなったら一か八か。

 あの時と同じように。いや、あの時とか違うか。

 あの時は偶然、鏡を割ってしまった。

 ならば今度は必然。

 

 ────運命を、惹き付けろ。

 

「うおぉぉぉぉぉッ!!!!!」

 

 鏡を殴り付ける。

 飛び散った破片の痛みなど気にならない。

 そんなことよりも、なにより目の前にいる少女と再び巡り会えたことが僕には嬉しかったのだから。

 

『そんな……どうして……燐くん……』

 

 どうして、か。

 理由は、当の昔から僕が持っていた。

 忘れていただけで。忘れちゃ駄目だったのに。

 

「キョウカさん。君を、助けに来た」

『……嘘です。私を助ける理由なんて燐くんにはありません! 私は燐くんの敵なんですよ! 助けるなんて!』

「理由ならあるよ」

『え……』

「ライダーになって、僕は罪悪感で戦っていた。ミラーワールドと現実世界を繋げてしまって、モンスターが人を襲うようになってしまったのは全部、僕のせいだと思ってた。だから、その罰のために戦ってるんだって。けど……うん、そうだ、なによりも僕は────大切な人達を守りたかったんだ。その大切な人達の中には、キョウカさんだっている」

 

 人を護れと命じられた。

 それが、僕に出来る唯一の罪滅ぼしなのだと。

 ミラーワールドを開けてしまった僕の贖罪なのだと。

 けれど、ミラーワールドが開かなければ僕とキョウカさんの出会いもなかったのだ。

 僕はこの出会いを、否定したくはない。

 

『そんな、そんなの……私には燐くんに守ってもらう資格なんてありません! 私は幾億もの時を繰り返して人々を危険に晒してきた! 命を弄んできた罪悪です! 私は……守ってもらうなんて……』

「資格なんかじゃないって。僕が大切だって思ったから、守りたいんだ。……キョウカさんがライダーバトルを始めた理由は分からないけれど、その罪をキョウカさんが背負うのなら、僕も一緒に背負うよ」

『どう、して……』

「友達、だから」

『あ……』

 

「だから、大切なんだ。大切な人達を僕はまだ守らなきゃいけない。戦わなくちゃいけない。大切な人達と僕は未来を生きていきたい。キョウカさんお願いだ。僕に、デッキを」

 

 キョウカさんは逡巡し、デッキを取り出しはした。  

 だけど……。

 

『私、は……。燐くんに戦ってほしくない……!』

「キョウカさん……」

 

 僕の願いとキョウカさんの願いが衝突する。

 次の言葉を発しようとした瞬間、扉が蹴り破られて赤いライダーが侵入してきた。

 

「あ? なんだアリス。お前、男飼ってたのか?」

「君は……」

「おい、アリスを渡せ。そしたらお前は見逃してやる」

「キョウカさんを……? 一体なんのために!」

「アリスとあー……サキシマ、だったか。そいつら二人を殺せば全員の願いが叶うんだとさ。もう一人はもう捕まえたからあとはアリスだけだ」

 

 美玲先輩とアリスを……!?

 なんで、どうしてそんなことに……。

 

『……燐くん。いいですから、私は行きますから。燐くんは、生きてください』

 

 赤いライダーに向かって歩き出すキョウカさんの腕を掴む。

 こんなこと絶対に、絶対に受け入れられない。

 

「そんな、そんなの認められるわけないだろ! キョウカさんも美玲先輩も殺せば全員の願いが叶う? ふざけるな!!!」

「お前……あたしらの邪魔するってのかよ。殺すよ」

『燐くん!』

 

 一発の銃声。

 僕の頬を銃弾が掠める。

 掠めただけなのに、熱した鉄棒で殴られたかのようだ。

 だが、その程度で僕は……止まらない。

 

「今のは警告だ。次は確実に殺す」

『燐くん……!』

 

 この手を離せとキョウカさんが目で訴えてくる。

 駄目だ、それは認められない。

 

「キョウカさん。デッキをくれ。このまま僕も死んでキョウカさんが死ぬなんて、嫌だから」

『この手を離せば燐くんは助かります!』

「それで助かっても、それで生き残っても僕は嫌なんだ!」

「ごちゃごちゃと……」

 

 ギガントの指に力が籠められる。

 銃爪が、引かれようとしている。

 

「僕はみんなを守りたい。みんなと未来を生きていきたい! だから、そのための()を僕にッ!」

 

 轟く銃声。

 銃弾は、燐の胸を貫くべく直進するが……強風が、銃弾とギガントを押し退けた。

 

「ぐあっ!?」

 

 風はデッキを中心に巻き起こり、キョウカの手から離れると燐の眼前に浮遊する。

 

『まさか……燐くんの願いが……。最後の一人ではないのに、どうして……』

「……掴み取ったんだ、願いを。これで僕はまた、戦える。ライダーバトルではない、人を護るための戦いを」

 

 デッキを掴み取り、突き出す。

 ベルトが巻かれ、抜刀するように腕を回し、叫ぶ。

 

「────変身ッ!」

 

 バックルにデッキを装着し、虚像達が舞い踊る。

 身体に虚像達が重なり、実像としてその姿を鏡の世界に現す。

 その仮面を纏いし白き剣の騎士は……。

 

『仮面ライダー、ツルギ……!』

 

 仮面ライダーツルギが今、再臨する────。




次回 仮面ライダーツルギ

「正義だって? ……僕の願いは、大切な人を守ること。あんたは僕の大切な人達を殺そうとした。だから、あんた達は僕の悪だ! 僕は、あんた達の願いを斬り捨てる……!」

 それは叫びを聞き届け、嵐と共に現れる。
 悪を切り裂く嵐の剣
 
【SURVIVE】

「────お前が視ていた未来は、嵐の中だッ!」

【TIME VENT】





ADVENTCARD ARCHIVE
FINAL VENT(ツルギ)
スラッシュライダーキック
AP6000
ドラグスラッシャーの放った斬撃を身に纏い放つ飛び蹴り。
打撃と斬撃の二つの特性を併せ持ち、キックの衝撃と鋭い斬撃でモンスターを撃破する。
余談であるが、これまでの(全ての周回含む)ファイナルベントでの撃破率は100%である。

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