Jojo/Grand DIOrder OVER HEAVEN 作:ユフたんマン
「よく来ました。我が同胞たち。私が貴方たちのマスターです」
俺の目の前にいるのは堕ちた聖女、ジャンヌ・ダルク。彼女の
そして俺が彼女に惹かれるのはやはりこの理由だろう。彼女は『与える者』から『奪う者』になったのだ。これだけでも充分に面白いが、さらに裏切った人間、そしてフランス、世界を恨み復讐しようとしている。聖女という者はあのエリナや母のように、どの様な事態に陥っても、その清い魂は一切変わることがないと思い忌み嫌っていた。
しかしどうだ。彼女は聖女と呼ばれながらも、純粋に人を恨む心は存在していたのだ。それが僅かであったとしても、存在するという『事実』があったということに喜びを隠せない。
そしてジャンヌから一体のワイバーンを支給される。黒い鱗を纏った竜だ。周りの他のサーヴァントを見るに、全員同じワイバーンのようだ。しかしそれは納得がいかない。このDIOはいつ如何なる時でも特別でなくてはならないのだ。
まず始めたのは鱗の塗装だ。鱗は俺的に気に入っている黄色にする。これだけでも随分愛おしくなってきた気がする。
名前は『パルチーニャ』だ。やはり名前は必要だろう。
早速、黒竜から黄竜となったパルチーニャに跨り街に向かう。勿論大勢のワイバーンの群れを連れてだ。一人で皆殺しにしてもいいが、やはり時間もやや掛かるし何より面倒くさい。よってワイバーンたちに喰わせてやろうではないかと考えたのだ。
しかし何故俺はライダーのクラスなのだろうか。やはり100年間棺桶に乗っていたからなのか?どちらかと言うと入っていたほうが正しいが…
低いランクではあるが、『騎乗』のスキルもあるため乗り心地は悪くない。
おっと、街が見えてきたな。あちらもワイバーンの存在に気付いたようだ。武装した者たちがワラワラと城壁から飛び出してくる。
「やれ…」
大勢のワイバーンによる炎のブレスが兵に襲いかかる。そして兵の大半が焼け死に、腰を抜かす者、立ち向かう者、逃げ出す者といった多種多様な人間共が視界に映る。まぁこのDIOには関係のないことだ。ブレスを始めとし、ワイバーン達が兵に襲いかかる。
性格が出ているのだろう。四肢を捥ぎながら見せつけるように肉を食べるワイバーン、一瞬で頭を喰らうワイバーン、ブレスで兵を香ばしく焼いた後に肉を貪るグルメなワイバーンと様々だ。
さて、俺も一仕事するとしようか…
パルチーニャに上空で待機するように命令し、街へと飛び降りる。衝撃と共に着地した俺は、悲鳴を上げながら逃げ惑う人間を一人一人殺していく。勿論女子供も容赦しない。『平等な死』こそが彼女の命令だからだ。人間の血を味わいながら街を闊歩する。
しかしパルチーニャは女の肉が好きとはな…柔らかいとかそういうのがあるのだろうか…肉を食べない俺にはわからないが…
生きたまま女を上空に投げると、それをパルチーニャが見事に口でキャッチし咀嚼する。
しかしこう人間の数が多いと時間がかかるな…兵も無駄な抵抗を辞めない…
『宝具』を一度試してみるか…
あれから数十日が経った。そして今俺はジャンヌの命令で、バーサーク・アサシン、バーサーク・ランサー、バーサーク・セイバー、そしてジャンヌ・オルタと共に、ジャンヌの生誕地、ドンレミへと向かう。五騎というサーヴァントが行動するのは今まで無かったことであり異例なことだ。ジャンヌ曰く、人類最後のマスターとやらがこのフランスに現れた為という。その程度、気にすることじゃあないと思うのだがね…
まずはワイバーンを先行させ、マスターを誘き出すという。正義感の強い奴ならそれで釣れるし、ない奴ならそれはそれで町を一つ消し去ることが出来る。どっちになろうが俺達に損はないだろう。
「フフッ…馬鹿なマスター…釣れたわ。行きますよ」
釣れたようだ。どうやらかなりお人好しのマスターのようだな。しかしそうなれば少し注意が必要だ。そいつに『黄金の精神』を持つようならこのDIOが直々に始末する必要がある。まあそれは杞憂だとは思うが…
少し飛ぶとドンレミが見えてきた。そこには何体ものワイバーンの死体、そしてこちらを睨む4つの人影が見える。大きな盾を持った少女、赤い服をきた双剣使い、そして黒髪黒目の少年…そして…あの顔は…ジャンヌ…?
俺を含めた全員がワイバーンから飛び降り、4人の前に降り立つ。
「なんて、こと。まさか、まさかこんな事が起こるなんて…ねぇ、お願い、誰か私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。ヤバイの。本気でおかしくなりそうなの。だってそれぐらいしないと、あんまりにも滑稽で笑い死んでしまうそう!」
ジャンヌが白いジャンヌを見て笑う。同じ容姿…恐らくだが彼女は聖女としての『ジャンヌ・ダルク』なのだろう。そして反転した存在がこの『ジャンヌ・オルタ』…
「すまない、水はないが血ならある。かけてやろうか?」
「いや、辞めて…今のは比喩よ。だから辞めて…本当に辞めて…!!辞めなさいって!!」
俺が持っていた死体が燃える。はぁ…俺はかけてと言われたからかけようとしただけだったのだが…お節介だったようだな。
その後、ジャンヌとジャンヌ・オルタが話し合い、戦闘に移行する。バーサーク・ランサーとバーサーク・アサシンがカルデアのマスターに襲いかかるが、それを退けたマスターは、新たに現れたマリー・アントワネットとアスモデウスの宝具により、彼らの逃走を許してしまう。
「……ふん。ライダー!追いなさい!貴方なら追いつけるでしょう!」
「人使い…いや、吸血鬼使いの荒い奴だ…仕方ないな…パルチーニャ!」
こちらに滑空してきたパルチーニャに飛び乗り、カルデアのマスターが逃げていった方角へと飛んでいく。このパルチーニャ、通常の個体よりも速い個体らしく、スピードだけならワイバーンの中でも一番なのだとか。それ以外にも、『騎乗』のスキルの為、他のサーヴァントよりも上手くワイバーンに乗りこなすことができる為、ジャンヌは俺を指定したのだろう。
しかしそれで追いかけろ…とはな。このDIOに命令するなど何人たりとも許される行為ではないのだが…バーサークとして召喚された以上マスターの命令は絶対だ。先程のような嫌がらせのようなものしかやり返すことが出来ない。
しかし先程の戦い振りからしてカルデアのマスターとやらは警戒するに値しないと思うのだが… 指揮もめちゃくちゃ、後方支援も下手…彼の何処を警戒しろというのだ…どう見ても彼は戦いの素人だ。
と、そうこう考えている内に夜になったようだ。夜はこのDIOの時間だ。必ずカルデアのマスターとやらを殺してみせよう。
森を上空から見渡していると、獣の血の臭いが鼻をくすぐる。この臭いは『新鮮』な、流したばかりであろうものだ。それはまさしくカルデアのマスター達が仕留めた獣達の血の臭いだろう。その臭いを辿り進んで行くと、地上から剣が射出される。それを弾き、射出された方向を向くとそこには弓を構えた赤い双剣使いがいた。
奴はセイバーではなくアーチャーなのか?それはどうでもいいか。パルチーニャから飛び降りアーチャーの前に降り立ち、向かい合う。
「君のマスターを始末させてもらう。それが私のマスターの命令なのでね…ついでだ…貴様も私が『支配』してやるぞッ!!」
「フンッ、私の知った事ではないな。それに始末されるのは…マスターではなく貴様の方だなッ!!」
「ムッ!?」
左の木の影から魔力弾が飛んでくる。それを弾くと同時にアーチャーは双剣を携え俺に接近する。双剣は俺の腕を切り裂き切断するが、俺は気にせず回し蹴りをアーチャーに叩き込む。しかし手応えはない。アーチャーは咄嗟に身を引くことで衝撃を和らげたのだ。そのまま双剣を俺に向かい投げ付ける。弧を描いて迫る双剣を身を屈ませ躱し、切断された手を拾いアーチャーとの距離を詰める。そしてどういう原理なのか、回転しながら戻ってきた双剣を弾き落とそうとした瞬間、またもや魔力弾が先程とは逆の方向から飛んでくる。
「小賢しいッ!!」
魔力弾にワザと突っ込み、撃ち出された方へと駆ける。アーチャーは後回しだ。まずはちょこざい動きをするサーヴァントからだ。背後から射出された剣が迫り、身体に刺さるが、それを無視して走る。そこにいたのはマリー・アントワネット。腕を振り上げると同時に、俺とマリー・アントワネットとの間に大盾が割り込み、俺の攻撃を防ぐ。かなりの強度だ。しかしそれだけではこのDIOは止められんぞッ!!
「気化冷凍法ッ!!」
大盾が急激に冷やされ、凍りつきそうになるが、その前に花吹雪が俺を襲い、背後に吹き飛ばされる。そしてアーチャーが先程よりも長い灰色の双剣を携え、吹き飛ばされる俺の身体を十字に切り刻む。
そして地面に放り出された瞬間、不快な音楽と同時に、彼らが撤退した時と同じ重圧が襲い掛かる。そして俺の首筋に、背後から現れたジャンヌの旗の先端を添えられる。
「これで終わりです!貴方には聞きたいことが山程あります。一つ一つ、私達の質問に答えてください!」
「フン…流石は英霊だ…少しは貴様らのマスターもやるようだな…侮っていた…やはりこういう所が私の欠点だ。昔からのな…」
「負け惜しみはそこまでにしておけ」
森の暗闇から大盾を持った少女とマリー・アントワネットが現れ、その後ろから黒髪の少年、カルデアのマスターが姿を現した。
「バーサーク・ライダー…貴方は一体何者なんだ!」
「何者…か。貴様に教える名などない…が、一目近くで貴様を見て気が変わった…!私の真名はDIOッ!!常世全てを『支配』し、やがては『天国』へと辿り着く者だッ!!
『
「クッ!?危ないマスターッ!!」
ザ・ワールドはジャンヌを弾き飛ばし、マスターへと向かうが、アーチャーが突き飛ばし代わりにザ・ワールドの拳を受ける。
そして俺は一度距離を取り、切断されていた腕を取り付け傷を癒す。
『…ッ!!?ディオの背後に高魔力反応確認ッ!!気をつけて、藤丸くんッ!!ディオと言えば「ジョジョの奇妙な冒険」で語られている不死身の吸血鬼だッ!!
けどこの物語にはこんな力は伝承にはなかったはずだぞ!?』
「当然だ…その物語は1888年に起きた者だ…そしてその物語で語られる吸血鬼はディオ・ブランドー。そして私はディオ・ブランドーでもなくッ!ディオ・ジョースターでもなくッ!!純粋なるDIOッ!!ジョジョの肉体を乗っ取りッ!!100年の眠りから目覚めたのがこの私だッ!!」
『ジョジョ…ジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取っただって!?じゃあ「ジョジョの奇妙な冒険」はまだそこで完結していなかったのか!?』
藤丸…人類最後のカルデアのマスター…彼からはジョースターと同じ『黄金の精神』を感じる。ならばここで始末しておかねばなるまい。今は脅威でなくとも、いずれは確実にこのDIOに牙を剥くだろう。しかしこのアーチャー…まるで俺のスタンドが見えているような動きでマスターを庇ったな…
「そこの弓兵…貴様…このDIOのスタンドが見えているなッ!!」
「その趣味の悪い容姿をした人型の何か…だろう?」
やはり見えているか…では奴もスタンド使いか?
「マシュ、何か見える?」
「いえ、私には何も…しかし膨大な魔力は感じます…!」
藤丸は見えないのか…奴も見えると思っていたのだが…となるとやはりこのアーチャーがスタンド使いという線が強くなった…奴は一体何処の英霊だ?
「マスター…これから私は私でなくなるだろう。マシュ、マスターを頼んだぞ…!!」
「何をするつもりだエミヤ!」
「ーーーー
その言葉をエミヤが放った瞬間、手には金の鍔をした、日本刀のような滑らかな刀身をした刀が現れる。そしてエミヤの顔つきが変わる。より凶悪な顔へと…
「絶対に…絶対に絶対に絶っ…〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜対に!!!貴様を殺…させてもらうッ!!」
それを俺は知っている。かつて我が部下だったエジプト九栄神の『アヌビス神』、剣にスタンドが宿り500年程一人歩きしていた『妖刀』だ。博物館に展示していたところを回収した物だが…奴は承太郎にやられナイル川に沈んだと聞いたのだが…
「フン…アヌビス神か…それはナイル川に沈んだ筈だが何故貴様がそれを持っている?それに自我を保てている以上、その力は低くなっているようだな…」
「そんなのどうでもいいッ…だろうッ!!マスター!俺にッ!!私に誰も近づかせるな!巻き込んでしまうッ!!」
ザ・ワールドとアヌビス神がぶつかる。大きな音を立てながら連続でぶつかる。エミヤは意識を持っていかれないようにしているのか、やけに攻撃的な攻め方や、守りに徹した戦い方…噛み合っていないような、チグハグで読みづらい剣戟に何度かザ・ワールドの身体に擦り、傷が出来るがすぐに再生する。拳を打ち合わせてわかったが、『学習』する能力は失われているのだろう。先程から学習した形跡はない。しかし…これは…そうか。
「貴様、時間稼ぎしているな?」
「…さてな」
「しかし残念ながら私は既に太陽を克服している。日の出になったとしても消滅することはない」
「なんだと!?」
「それに私はまだザ・ワールドの真の力を使ってはいない。それは日が出るまでに貴様達を始末するのもわけないということだッ!!ザ・ワー……ッ!?」
振り下ろされたアヌビス神を真剣白刃取りし、エミヤを蹴り飛ばす。そしてザ・ワールドを引っ込める。足元に落ちたアヌビス神は粒子となって消える。やはり本物ではなかったか…
「先輩、敵の魔力反応が消滅しました…スタンドというものを引っ込めたようです…」
「どういうつもりだッ!!」
藤丸が叫ぶ。しかし、今はそれどころじゃあない…
「まったく…『竜の魔女』にリヨンで出た『竜殺し』…そしてこのDIOに…まったく忌々しいものだ…『運命』はこのDIOが死して尚邪魔をするか…
パルチーニャ!!」
名を叫ぶと、パルチーニャが猛スピードで滑空し、それに飛び乗りその場から去る。
ああ…、痣が疼く…
これからの進路
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オリジナル特異点
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幕間からのオリジナル特異点
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第二特異点以降
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時間神殿
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幕間から第四特異点