「ーーーー!ーーーー!!」
知り合いの女の子の泣きじゃくる声が聞こえた
誰も居ない、誰も近寄らないこの部屋に声が聞こえてきたのだ
暫くすると部屋の扉が開き、そこには2人の少女が立っていた。涙で顔をぐしゃぐしゃにし今にも倒れてしまいそうなほど顔色が悪い
どうしたのかと慌てて2人に駆け寄ると背の大きな方がコチラに何かと鉛筆を紙を突き出してきた
その紙には稚拙な文字で「けいやくしょ」と書かれていた、どうやらこの紙に自分の名前をかけということらしい
どうやらこの2人は自分に助けを求めてここに来たのだとこの時ようやく分かった
ーーー本当にいいのか?
そう少女に聞くと力強く頷く
どうやら少女の意思は固いようだ
ここで名前を書いてしまうのは簡単だ、しかし簡単に書いてしまって良いのだろうか?いくら説明をしたと言っても相手は小さな子供だ、気の迷い....と言う言い方は悪いかもしれないが、まだしっかりと事の重大さに気が付いていない可能性がある
しかし、ここで突き返すと言うのも何とも後味が悪い
ーーーこれは受け取っておく、けどこれにはまだ名前を書かけない、君が大きくなった時、それでも自分が必要になった時にもう一度言ってくれ、それまでは仮の契約をしよう、君が大きくなるまで君達を守ってあげる。それじゃダメかな?
そう言うと少女はーーーー
「ーーーきさん、ーーぼうさきさん!犬吠埼さん!!」
「うぁ?...はい!なんですか先生!」
前方から飛んできた声で夢から現実へと引き戻される
未だに微睡んでいる頭で今は授業中だった事を思い出す
「はぁ....授業中に居眠りとは感心しませんね、そんなに先生の授業はつまらないですか?」
「は、ははは、すみません次から気をつけます....」
そう言って席に座ると隣から何やら視線を感じ、そちらを見ると見知った人物、と言うよりも妹がコチラをみてニヤニヤと笑っていた
「授業中に居眠りとは感心しませんなぁ我が兄よ」
「そうやってすぐ煽ってくるのは感心しないぞ我が妹よ」
ツンツンとシャーペンで脇腹をつつく妹を無視しながら黒板をノートに書き写していく
昔のどこに行くにも自分の後を着いてきたあの可愛らしい妹は何処へやら、今ではこんなに生意気な妹になってしまった、兄は悲しい
今でも可愛らしさが残っているのは下の妹だけだ
「あそこ、多分テストに出るぞ書き写さなくていいのか?そろそろ消されるぞ」
「え!?ちょ、ちょっと、待って!どこ?3行目?それとも8行目のとこ!?」
「はて?何処だろうな、まぁしっかり起きてた妹様は全部写してるんだろうから関係ないか」
そう言うとくそう!と言いながら急いで黒板を写し始める妹、犬吠埼風の横顔を眺める
兄の贔屓目はあるかもしれないがそれなり整っている顔、美人と言う言葉が似合う顔立ちではある、しかし彼女の事をよく知る家族や友人からすれば残念美人と言う言葉が似合う残念な少女である
うどんを食べる事を女子力とは言わない、そんなんだから未だに彼氏の1人も出来ないのだ
隣の席に座る犬吠埼風の兄こと犬吠埼
放課後
殆どの学生が部活に励む時間帯、それは自分たちも例外ではない
自分や妹達がやっている部活は勇者部、勇者なんて名前をしているが要はなんでも屋なだけだ、河川敷のゴミ拾いや他の部活の助っ人、地域の子供達の遊び相手。まぁそんな所だ
部員は犬吠埼空、犬吠埼風、犬吠埼樹、結城友奈、東郷美森の5人部活としてはギリギリな人数である
そんな勇者部の今日の活動は....
「暇ねぇ....」
「暇ですねぇ....」
部長である風と部員の友奈がボヤくように今日は特に無い
なんでも屋と言う特性上仕方ないのだが、仕事が無い時は本当にやる事が無いのだ、何も無い事の方が稀ではあるが逆に稀であるがこそその事態に対しての対策が無いのである
「ねぇ空ぁなんか面白い事やってぇ」
この愚妹はなんて難しい事を言うのだろうか?だいたい何か面白いことやって、と言われた時点でもう負けは決定しているのだ。この状況から面白くなる可能性は無い、だがしかし
ここで引いては風に煽られるの目に見えている、ならばやるしか無いのだ...
「では、犬吠埼空一発芸行きます、うどんを大量に食べた後、風呂を上がって体重計に乗った時の犬吠埼風」
「おいコラちょっと待て!」
「バカめ!もう止まらんわぁ!!」
そんなこんなしてうどんを食べて帰る勇者部は今日も平和である
最近書きたいものが定まらない病に陥っています....
そろそろ書かないと怒られそうではある
でもみんな樹ちゃんの天使を見たいでしょ?見たくない?