ぼくの名前はインなんとか   作:たけのこの里派

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第七話 チェック

「あはハははハははアははははは!! 風呂だ風呂だァ!!!!」

 

 上条の隣で、片手に洗面器を抱えたインデックスが、笑顔というよりは嗤顔という造語を作った方が正しい気がする程の高笑いをしていた。

 そして今、我、復活ッ!!! と言わんばかりにパジャマ代わりの即席Tシャツを脱ぎ、法王級の防御霊装のカソックを着込んでいる。

 

「随分テンション高いですねインデックスサン。つか、そんなに風呂に入りたかったのか?」

「まぁね。ホントなら噂の第二二学区のレジャー風呂が最高らしいけど、距離的に足がないし。汗ベタベタの男とかマジ誰得って話だよ」

「淑女?」

「頭文字に変態が付くわ」

 

 あれから一日で、つまり原作から二日も早くに体力が回復したインデックスが最初に言い出した事。それは風呂だった。

 ちなみに小萌先生宅のアパートに『風呂』という概念は存在せず、結局最寄りの銭湯に行くことが決定した。

 上条も一旦寮に戻ることも出来たが、しかし二手に分かれればもれなく斬撃か爆炎がどちらかに飛んでくるだろう。

 

「――――で、何の話してたんだっけ?」

「ど忘れ激しいよこの子!! 教会の話してたんじゃねェのかよ!?」

 

 人は、テンションが上がると前後不覚に陥り、ぶっちゃけどうでもよくなるのである。

 勿論完全記憶能力を持つインデックスがど忘れなどあり得ないのだが。

 

「ハハッ。あぁ、そうだった。つまりローマ正教はローマ教皇のマタイ氏がガチ泣きする様な惨状な訳なんだよ」

「どういう状況!?」

 

 幾らなんでも掻い摘まみすぎだったが、現在インデックスが説明しているのは、イギリス清教を含む世界三大宗派だ。

 十字教という一つの枠組みに対し、インデックスが所属()()()()イギリス清教、ロシア成教、そしてインデックス曰くそれなりに終わってる世界最大宗派ローマ正教、旧教、新教、ネトリウス派、グノーシス派、アタナシウス派と複数に分かれてしまっている事実。

 それは何故か、理由は極めてシンプル。

 

「宗教なんて、政治に混ぜんのには最適だよね」

 

 とてつもなくゲッスイ顔でインデックスが述べたように、宗教は悉く政治に混ぜられるのだ。

 それにより発生する分裂、対立、抗争。

 神という存在は、そういう類いの人間にとって、極めて都合が良いのだ。

 やがて、海から地上に上がった生物と海に残った生物がそれぞれ別の進化を遂げたように、各十字教宗派は独自の発展を見せ、『個性』を手に入れた。

 国の風土や状況、それぞれの事情に対応し、変革したのだ。

 

「20億人の信者を擁するローマ正教は、『世界の管理と運営』。……教皇と最暗部の傭兵、そして極々少数……片手の指程の下っ端は、それなりにマトモで常識人だが、ソレ以外の大多数の人間は狂信者。確か今の枢機卿の一人は腐敗済みの屑だっけ? 修正の余地あるだろうけど」

「大丈夫なのか……ソレ?」

「大丈夫じゃない、問題さ」

 

 学園都市と戦争おっ始める最有力候補である。

 なんせ原作に於いて、幹部の数人が学園都市の人間を異教の猿呼ばわりしているほどの狂信だ。

 バチカンのカトリックはどいつもコイツも狂信者ばっかりなのかと、ローマ正教の最大戦力が銃剣(バヨネット)持ってなくて心底安心したりするインデックスだった。

 そして正史に於ける第三次世界大戦、その発端の大きな一つでもある。

 

「トップに男の娘を据えているロシア成教は、基本オカルト専門だね。『オカルトの検閲と削除』を特化させた『殲滅白書』。人間以外の、それこそ悪霊とか心霊現象の原因を撃滅するオシゴトで、最高戦力が部下の少女に拘束具を強制させる変態淑女」

「大丈夫なのかそれェ!!?」

 

 切実な意見だった。

 幻想をブチ殺された上条は、あらんかぎりに叫びを上げた。

 実はその最高戦力は不死一歩手前なんて怪物具合なのだが、インデックスはそこまで語る気は無いのか、ガン無視を決める。

 

「ローマ正教より遥かにマシだよ。なんせ組織に諸々が囚われない程奔放で、組織が腐敗し始めたら腐敗部分を即座に叩き潰せるって意味だから。ストッパーとしてはこれ以上のモノは無い。

 ………………変態だけども」

「別の意味でその人が一番腐ってるぞ!! 上条さん的に一般常識には囚われて欲しいですッ!」

 

 激しく不安な上条だが、インデックスにそんな上条の心境など、ぶっちゃけどうでもイイ。

 勿論ロシア成教の人間は変態の集まりでは決して無く、最高戦力のワシリーサのみがいろんな意味で手遅れなだけである。

 

「そしてイギリス清教。英国の命令系統三本柱の一角で、『悪い魔術師から市民を守る』という方針を極め過ぎた結果、魔女・異端狩りや宗教裁判といった対魔術師技術特化の宗派だ」

 

 英国は三つの派閥と四つの文化を併せ持つ『連合王国』。

 英国女王と議会の『王室派』、騎士団長以下の騎士団を含む『騎士派』、最大主教と信徒で成る『清教派』という三つ巴の命令系統に加え、それと重なってイングランド・スコットランド・ウェールズ・北部アイルランドという、四つの地方文化が存在するひどく複雑な国家だ。

 

 そしてその中の『清教派』こそ、インデックスが所属していた派閥。

 魔術師を殺す為に魔術を磨き、調べ、対抗策を練り上げる対魔術機関。

 

「そもそも魔術は穢れたモノと見なされている十字教に於いて、魔術を習得しているってのは異端なんだよ。故に『汚れを一手に引き受ける』って意味で、その機関が『必要悪の教会(ネセサリウス)』って呼ばれてる訳」

「汚れを一手に……ソレって」

「自分の魔法名、言ってたっけか。『献身的な子羊は強者の知識を守る(dedicatus545)』。魔術書って世界最大の“汚れ”を全て引き受ける……何とも面倒な魔法名と生き方を選んだものだよ。前の自分は」

 

 自分のことをまるで他人のように語るインデックスを見て、思わず拳を握り締める。

 真実他人なのだろう。過去の記憶が無いインデックスにとっては。

 

 (チクショウ……)

 

 上条はこの世の理不尽を呪った。

 ここ数日インデックスと過ごしたが、上条から見てインデックスは自分の友人と大差無い、少しばかり頭が良い少年だった。

 勿論インデックスがどんな修羅場を潜ってきたのか上条は知らないし、まだ上条に決して見せていない顔だってある。

 それでも、インデックスは上条にとって既に掛け替えの無い友人だった。

 

 そんなインデックスが、自分より年下の少年が、どうしてこんな目に遭わなくちゃいけないのだと、憤らずにはいられなかった。

 

「そんな顔しなさんなってば」

「インデックス……」

「自分は十分恵まれてるよ」

「あんな、人を物扱いするような奴らに追われてんのを見て、恵まれてるなんて思えるかよ!」

「事情があるのさ。それに、ステイル達の事あんま悪く言わないでやってくれないかなぁ」

「でもッ……」

「――――確かに、最初の一ヶ月は地獄だと思ったよ。だけど自分には生き残る術を教えてくれた人がいた。共に助け合う仲間が出来た。お人好し過ぎる友人も出来た。だから自分はずっとマシなんだよ。そして自分には――――救いがあった」

 

 インデックスは知っている。本当に地獄の奥底に居て、生命の神秘が見えなくなる程人体を毟り取られ、生身の体が脳の一部分しか残っていない――――なんて、どうしようもない成れの果てが『最後の救い』だなんて境遇を。

 なのに自分は五体満足五臓六腑が揃って、おまけに明確な救いすらある。

 この世界の『闇』とも呼べる、本当の地獄を知っているインデックスに言わせれば、自分の状況は既に地獄ではないのだ。

 何より―――――

 

「だってさ、ホラ――――金髪美人のお姉さんが激しすぎるスキンシップしてくれるんだよ? 最高だろ」

「チクショオォおおおおおおおぉぁああああああああああッ!!!!!!」

 

 金髪美女とは勿論ブリュンヒルドのことである。

 ちなみにインデックスの精神年齢は前世を合わせると二十歳前後である為、十八のブリュンヒルドはお姉さんとは言い難いのだが、美人なのは美人なのである。

 まぁぶっちゃけ、男とは結局そんな生き物なのだ。

 

「知っている当麻? ――――女の子の唇と舌って、仄かに甘いんだぜ?」

「がァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!!!」

 

 如何にかの上条属性と言えど、所詮はラッキースケベ。精々胸に触ったり押し倒したり裸を覗いてしまう程度が限界。

 しかも、この分際でかなり純情少年やってる上条当麻。舌などはレベルが高すぎたのである。

 妬みと絶望とか諸々を絶叫に変え、一人走り出した。

 彼女無し歴イコール年齢の上条には走らずには居られなかったのだ。

 

「――――まぁ『前』の経験だけどね……って、聞こえてないか」

 

 上条には最早銭湯という目的地すら頭にはなかったりするのか、インデックスから見ても上条の姿は殆ど見えないほどまで爆走特急と化しており、インデックスの周囲はあっという間に静かになった。

 

 

「漸くセッティング出来たか。さっさと出てきたらどうだ?」

 

 

 まるで通りにインデックスしか居ないかのように。

 

「……」

 

 全て予想通りといった口振りのインデックスの背後には、魔術師ステイル=マグヌスが立っていた。

 一人で、ということはつまり、上条の方へもう一人――――神裂火織が向かったと言うことだ。

 瞬間、上条との道を塞ぐかのように炎の壁が出来上がる。

 

「宿題はやってきたかな?」

防水加工(ラミネート)したルーンで周囲2キロに渡って結界を刻んだ。君はもう逃げられない」

「だァから、お話しよォぜッつってんでしょ。是非お茶したい聖人サマといい、人間会話しないと。じゃないと知れる情報(モン)まで判らなくなるよ?」

 

 苦虫を噛み潰した様な顔で、ステイルはインデックスの言葉を受け止めるが、即座に意識を切り替える。

 感情の一切を排除し、右手に炎剣を携えながら目的を最優先に達成するために。

 そんなステイルにインデックスは困り顔を作る。

 炎剣は確かに喰らえば致命傷だが、しかしステイルの持つ魔術ではインデックスの『歩く教会』の装甲を抜くことは出来ない。

 対神格用術式を持つ聖人の神裂ならば解らないが、ならば神裂をインデックスに当てるべきだろう。それをしないのは――――

 

 (時間稼ぎかな? やっぱり当麻を“鎖”として利用する気満々じゃないですかやだー)

 

 元より学園都市から逃げるつもりが無いので、上条をインデックスを縛るための鎖に使われるのは構わない。が、その為に上条が半殺しにされるのは、感情的にも打算的にも気分が悪い。

 

 

 

 

「フム、だったら――――とうッ!!!」

 

 そして今度こそステイルが絶句する。

 インデックスはステイルをガン無視して、一目散に炎の壁に飛び込んだのだ。

 

 (成る程、『歩く教会』が健在なら確かに壁を突破出来るかもしれないが……相変わらず無茶をする!)

 

 出来る出来ないのではなく、やれるのかやれないのかの話なのだ。

 幾ら絶対防御手段があったとして、まともな人間ならば摂氏三〇〇〇度の炎の壁に突っ込む事など出来はしない。

 そしてインデックスの異常な速度の軽技にステイルは、インデックス本人を追うことを半ば諦めた。

 

「チッ、仕方無い……。神裂と合流してアレを人質にするか」

 

 仮にインデックスが上条に加勢しようが、神裂の絶対優位は揺らがない。

 インデックスが聞いたら、汚い! 流石魔術師汚い!! と絶叫すること間違いない台詞だが、しかしステイルは気付かない。

 

 インデックスは既にチェックを仕掛け始めている。

 そしてチェックメイトはすぐそこだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそッ!!!」

 

 その頃、上条は圧倒されていた。

 

 神裂火織。

 インデックスが絶対に戦うなとまで言わしめた、世界に二十人も居ない聖人。

 聖人の、その真価である音速超過。

 

 しかし神裂はソレを全く行わずに、上条は見えない斬撃に翻弄されていた。

 易々と鉄骨を切り裂き、地面に爪痕を刻む刃の全貌を上条は知る事が出来なかった。

 

 否、その斬撃の正体を、上条は戦う前から知っている。

 

「刀を抜く動作で、七本の鋼糸(ワイヤー)を操る手を隠して……」

「七閃を見抜きましたか。いえ、禁書目録(かれ)が貴方に教えたのですね」

 

 正体をインデックスから聞いていると言うことは、それが魔術ではなく魔術をフェイクとした完全物理攻撃だと知っている事になる。

 つまり七閃は魔術ではない。

 幻想殺し(イマジンブレイカー)は通用しない。

 

 (たしかインデックスは、あの刀こそを絶対に抜かせるなって言ってたっけ。それと、人格的に絶対に抜かないって言ってたけど……)

 

 唯閃。

 一度抜き放てば天使の翼すら切断する対神格用術式。

 そんなものを使われたら、上条は簡単に両断されてしまうだろう。

 

「クッソッ……!!」

 

 ステイルとはまるで別格だった。

 ステイル相手ならば対処出来た。炎剣も魔女狩りの王(イノケンティウス)も右手なら取り合えずは防げる。

 だが神裂は違う。

 異能が関わらない武器で、近付く事すら儘ならない。

 しかもインデックスの話が本当ならば、鋼糸(ワイヤー)を使っている間はまだマシとのこと。

 しかしこのままでは埒があかない。

 こうしている今も、上条には七閃による裂傷が増え続けている。

 避けきれなくなっている、のではない。神裂が徐々に追い込んでいるのだ。

 最初から一撃で仕止められるにも拘らず、恐怖を煽るように。

 そう、神裂は上条の心を折りに来ている。

 

「もう一度問います。魔法名を名乗る前に、彼を保護したいのですが」

 

 そう。しかも神裂は魔法名すら名乗っていない。

 

 (遊んでやがる……!!)

 

 これが聖人。

 幾ら特異な右手を持とうが、ただの高校生に過ぎない上条が本来相対出来る相手ではないのだ。

 しかもインデックスと分断された今、助言を仰ぐことも出来ない。

 そして何より、

 

「戦いの最中に考え事とは迂闊ですね」

 

 そして所詮、今の上条は戦いの素人だった。

 間合いを一瞬で縮め、咄嗟に上条が放った拳が神裂に届く前に、腹に膝をブチ込んだ。

 上条の腹が爆散しなかったのは、偏に目の前の聖人が神裂であったからだろう。

 

「ごぼッ……」

「――――七閃」

 

 そしてそのまま、七本の刃が上条に襲い掛かった。

 

「ごッ、がッぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああァァ!!!!!」

 

 ガガガッ!! と斬撃の音と上条の絶叫が木霊し、血を撒き散らしながら崩れ落ちた。

 

「もう良いでしょう。貴方がそこまでして禁書目録(かれ)を庇う理由は無い筈です」

「ぐ……あッ……」

 

 呻く上条に何度目かになる言葉。

 余りに無表情な美貌から告げられるソレは、まるで作業的なものさえ感じてしまう。

 

「……は、ははは……強ェ……つか、勝てる気しねぇな……」

「……」

「インデックスの、言った通りだ……。相性最悪だ、から……出会ったら迷わず逃げろって意味が、よくわかった」

「……なら何故、すぐに逃げなかったのですか」

「確かめたかったのかもな……。でもホント、インデックスの言う通りだったよ。あぁ言うの、曲者って言うんだっけか……?」

「確かめたかった事……何をですか」

 

 その言葉に、呻き声を漏らしていた唇の端が、僅かに吊り上がる。

 

「アンタ、本当につまらなそうだ」

「――――」

 

 ここで初めて、神裂の表情が驚愕に、苦痛に歪む。

 その姿に満足し、上条は起き上がった。

 

「本当にアンタは強いよ。でもソレだけだ」

「……それが何だというのですか」

「そんなやる気も無い、ただ『強いだけ』の奴に。そんだけ強いのに、俺より年下の奴を切り刻むことにしか出来ない奴に――――――――俺が諦めるとでも思ってんのか?」

 

 そしてゆっくりと、そしてしっかりと立ち上がる。

 ステイルを殴り飛ばした時以上に、強い光をその瞳に宿して。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 神裂火織は一つ、勘違いをしていた。

 

 上条当麻はその特異な右手故に、インデックスが何等かの目的を果たすためだけが理由で選ばれた人材だと考えていた。

 勿論その考えは間違ってはいない。

 ただ、致命的に情報が不足していたのが原因だろう。

 その勘違いを勘違いだと知る事が出来るのは、この世界で唯一、その本質が表に出てくる未来を知っているインデックスだけだろう

 

 上条当麻の脅威とは一体何か。

 幻想殺し? 今後習得するかもしれない経験則による受け流し? 前兆の感知?

 その右手の()()()()()()

 

 否。

 断じて否である。

 

 その程度で禁書目録というモノを取り巻く戦いに首を突っ込むものか。

 

 あり得るかもしれない未来で、一方通行(アクセラレータ)が心底恐怖して、その言葉によって悪という枠組みから脱出した様に。

 浜面仕上がその姿に憧れ、アレイスターのプランの最大のイレギュラーとなり、一つの勢力と化した様に。

 右方のフィアンマがその姿に感化され、新たな一歩を踏み出そうとするものか。

 科学も魔術も問わず、数多の時代文化に於けるリーダーやカリスマ達。一つ間違えれば異端や狂人として排除されたであろう人物を調べ、研究している組織の頂点たるレイヴィニア=バードウェイが、本気で『イカれている』などと断じる訳がない。

 

 上条当麻が上条当麻足り得る本当の理由。それは特別な右手や、絶体絶命を一手で覆す性質などでは決して無い。

 諦めないという、その異常なまでの不屈。

 幸福だろうと不幸だろうと、そういった曖昧なものを全て自力で乗り越え、踏破する力。

 

「『“諦め”が人を殺す。諦めを拒絶した時、人間は人道を踏破する権利人となるのだ』」

 

 迫り来る、明らかに戦意のみを焼き付くそうとしている爆炎を避けながら、軽業師さながらの動きでインデックスは遠目で立ち上がっている上条を見据えながら呟いた。

 

「本当に、恩返し難しそうだよ。とーま」

 

 そしてこれ以上傷を負わないためにも、インデックスはその場に急行する。

 

 

「――――さァ、チェックメイトと行こうかな」

 

 

 




※インデックスはローマ正教に偏見があります。
それでもマタイ氏は泣いて良いと思う。どっかのミニスカサンタやろうとした女狐に比べればマジイイ人。

誤字脱字は随時修正します。
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