〈Infinite Dendrogram〉 死して立ち上がる者   作:ベトベトー

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駄文ですが、見て頂ければ幸いです


スタート
第0話 始まり


 □2044年3月16日 若葉紫陽

 

 世間では学生の卒業式や大学の合格発表が終わり、街を練り歩く若者の姿が多く見られる。だが、ここではそんな浮かれた空気とは程遠い、ピリつくような空気が流れていた。

 

 場所は東京都内の某所の病室。一般的な病室のイメージとは異なり室内はオレンジや赤を基調とした明るい壁紙を使用しており、暗いイメージはない。窓は開け放たれていて、外からのまだ少し寒い風を取り込んでいる。

 

  中は白いベッドが大きなスペースをとっている。ベッドには一人の青年が思い悩むように座っていた。年の頃は童顔故に十六、十七に見えるが実際はもう四歳ほど上だ。身長は高く、175センチほどだろう。名を若葉紫陽と言う。

 

 青年というよりは少年といった顔つきのベッドに腰掛けた青年──若葉はあるゲームのパッケージを握りしめていた。そのゲームのパッケージには〈Infinite Dendrogram 〉とあった。定価の二倍近い価格──それでも安い方だが──で買ったこのゲームは今最も勢いのあるゲームだ。 

 

 そのゲームは実現不可能と言われていたダイブ型VRMMOを実現したことで有名になった。極めつけはリアルと遜色ないグラフィックと操作性だ。売り切れ続出で学校が始まるまでの間に始めようと考えている者も多いことだろう。

 

 この青年もそのうちの一人だった。ケガによって満足に身体を動かすことの出来ない紫陽にとってリアル同様に動き回れるということは常人の何倍も魅力的に思えた。

 〈Infinite Dendrogram 〉に対する期待は否応なしに高まってしまっていた。

 

 「……よし、いくぞ」

 

 ベッドテーブルに置いていたサイコロを握りしめ、投げ出す。ゲームの下調べをした際に〈Infinite Dendrogram 〉内には七つの国があることを知った。

 

 騎士の国『アルター王国』

 刃の国『天地』

 武仙の国『黄河帝国』

 機械の国『ドライフ皇国』

 商業都市郡『カルディナ』

 海上国家『グランバロア』

 妖精郷『レジェンダリア』

 

 この七つの国家。どれも心惹かれる国家で捨てがたい。故に若葉はサイコロで所属国家を決めようと考えたのだ。特に

 

 「……エルフとか雪国美女はいいよなー」

 

 ……まあ、彼も若者らしく自分の欲望に忠実であった。 

 一ならアルター、二なら天地、三なら黄河、四ならドライフ、五ならグランバロア、六ならレジェンダリアにする。

 カルディナがないのは砂漠の美女を思いつかなかったからである。

 

 「さあ、どうだ!?」

 

 サイコロの角をテーブルと指で押さえつけ、固定する。その状態からもう片方の手で面を擦るようにして回転させる。

 サイコロは白いテーブルの上を音をたてながらぐるぐると回る。少しずつその勢いは弱まっていき、最後に小さく跳ね、コツンと音を立テーブルに当たり真っ二つに割れた。

 

 「嘘っ! そんなことある!?」

 

 あるのである。若葉の決めたサイコロの目のどれでもない。とすればこれは──

 

 「……カルディナってこと?」

 

 こうして一人の青年の運命が決まった。

 この結果がどのような結末をもたらすのかまだ誰にも分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からは一人称でやるつもりです
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