番犬の流され物語1(旧題:ケルベロスは青い人魚に吠える) 作:白ノ宮
2038年日本ではある作戦の会議が行われていた。
主人公の玄霧・ヴァイズヴィッヒは上官である暁 真太大佐に謎の確認を受けていた。
「では玄霧中佐、太陽系連合軍とは何か説明せよ」
「何故そんな事を?」
玄霧はあからさまに面倒そうな表情を浮かべてその発言の意味を探る。
「いいから答えろ。上官命令だ。」
とても下らない事に上官権限を使う真太に対して
(こんな無駄話してるより会議に参加したらどうなんだ)
と思っていたが口に出す訳にも行かず、命令に従って太陽系連合軍の概要を説明する。
「西暦1540年頃、ガイウス星で発足された太陽系惑星の秩序を守る巨大組織です。日本が加盟した年は2021年で、太陽系連合軍の技術を取り入れた事により、日本の技術革新は目を見張るものとなりました。」
玄霧の説明を聞いた真太は満足げに頷く。
「正解だ、流石は第三期首席卒業生。外国が太陽系連合に加盟しない理由は何だ?簡潔に答えろ」
玄霧は一瞬迷ったが気にせずに答える事にした。
「未知の技術を取り入れて国が劇的に進化する事を恐れたからですかね?」
玄霧の答えに真太は口角を少し上げる。
「合っているぞ、玄霧。やはりお前の考え方は我が国の重鎮達と同じようだ。上官として誇り高いぞ、外見を除いてな」
真太の最後の余計な一言で玄霧は少し機嫌が悪くなる。しかも余計な一言の部分はあからさまにからかっているような顔がニヤついていたのだ。
「外見は関係ないじゃないですか...。」
そんな玄霧に対して真太は鼻で笑った。
「いや、そんなことはない。何せ初対面の奴から毎回なんで子供がこんな所に?って言われてるじゃんか。流石に25の男性でそりゃねえよ。」
玄霧は腕は確かだが見た目だけ見れば可愛い系少女である。これで男性で25となれば見分けられる人間は最早居ないと考えられる。
「髭があれば間違えられる事ないのに...」
玄霧の発言に吹き出す真太。
「ぶっ、髭ってお前...。ただ気持ち悪いわ。普通に体格と身長だろう。そんな華奢で低めの身長だと士官学校下級生に混じっても違和感ないぞ」
そこで玄霧は本来の話題から外れている事に気付き、修正する。
「大佐、明日の作戦についての概要説明を求めます。」
真太は、ああそうだったなと言って作戦の説明をする。
「今回は月との共同作戦で鎮圧戦に分類される。どうやらイマンギ星にて四つある国の三つがクーデターにより首都が陥落。クーデターを起こした勢力はイマンギ星防衛軍で過酷な労働環境と安い賃金で不満が溜まって武装蜂起したそうだ。残りの一つは太陽系連合軍が駐留していたからすぐに制圧できたものの、他の国ではクーデター軍の兵力増強のために工場を全力稼働している。このままでは資源を使い切ってしまいそうな勢いなのでこれを鎮圧。尚、民間人の被害も報告されており、民間人を保護しながら戦っていく事になる。ここまでで質問は?」
「一つあります」
「何だ?言ってみろ」
「クーデター軍に対して手加減は?」
「ああ、安心しろ。手加減無しで殲滅してやれ」
それを聞いた玄霧の目は輝いていた。
「はい、ありがとうございます。」
真太は玄霧に対して少し引いていた。
(一体何がありがとうなんだか。こいつってほんと敵を撃墜だったり射殺だったり、全く容赦がないっていうかなぁ。しかもその状況が一番楽しそうに見えるし、今も冷静そうに見えるが微妙にニヤつきが出ている。全く怖い話だ)
「ということで作戦決行時間は1240。横須賀港出港は0810だ。あとお前の乗る艦は試作小型戦艦だから脳波を適応させておくように。戦艦の名前は朧月零式だ、13番ドッグに入っていて形式番号は/056だ。明日の集合時刻は0600、遅れるなよ。艦内ネットワークにログインすれば作戦の詳細が発行されるから当日はそれに従って行動しろ。良いな?」
「分かりました」
真太が去っていたのを確認してから玄霧は壁に寄りかかった。
(遂に自分にも専用機が来るなんて、何という光栄!これで更に国に貢献できる!全ては殺戮とお金の為に。フフフ..。)
側から見れば可愛いらしい光景だがこんな事を考えているなんて思いもしないだろう。
この物語の主人公は殺戮とお金を愛し、仲間を捨て石にしか思っていない変人である。
そういえばチートって言っても模擬弾だし意味ない気がする。艦これの方が良かった感強め。丁度主人公少女の見た目してるし。