死神に鎮魂歌を   作:seven74

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 やっと投稿できました…………。一週間更新できず、申し訳ありません。

 今週から(遠隔授業ですが)大学生活が始まり、期待と不安を胸に授業を受け始めましたが、家で受けているからか、気楽に課題に取り組む事が出来たので良かったですはい。先生も優しい人達が多かったので、これも良き。

 それでは本編、どうぞですッ!

 P.S.
 ラックドライバーの変身音声を『イクシード!』から『Exceed Active』に変更しました。



古の残滓

 

 声が聞こえる。

 

 瞼を持ち上げようとするも、まるで石になってしまったかのように動かない。

 

 

『わしももう歳じゃ。この研究を続けていられるのも、あと少しじゃろう…………』

『先生…………』

 

 

 一つは今よりも幾らか若いナスターシャの声。そしてもう一つは、誰のものかわからないが、どこか懐かしい老人の声。

 

 どちらも悲哀の言葉を吐いている。老人の声に覇気は無く、彼の言う通り、彼が生きていられるのも後僅かなのだろう。

 

 

『ナスターシャよ…………。愛弟子であるお主に頼みがある』

『…………なんですか?』

 

 

 老人がなにかを頼み込む。だが、そこは今までの会話と違ってノイズが走ったいるかのように聞こえず、内容はまるで聞き取れなかった。

 

 

『頼んだぞ…………ナスターシャ…………』

『はい、先生…………』

 

 

 ナスターシャの了承の声を聞き、声を漏らして笑った老人が弱々しく言う。

 

 

『ケアンよ…………どうか――――――』

 

 

 そこで老人の声は途切れ、場面は次へ移る。

 

 足元に幾つも転がるのは、物言わぬ骸。

 

 頭を撃ち抜かれた者、首があらぬ方向を向いている者など、原因は様々ではあるが、共通しているのは、その場にいる全員が、その命の炎が消されているという事。

 

 与えられた『役割』を果たした自分の視界が、遠くから呆然と見つめている女性達を捉える。

 

 四人の内、三人は驚愕と恐怖を。

 

 理解不能だ。自分は与えられた命令を遂行したまでの事。いずれ彼女達にも牙を剥きかねない害悪を排除しただけ。

 

 そして最後の一人。あの女性陣の中では最高齢の彼女の瞳に宿っていたのは――――――

 

 

 

「――――――どうですか? 体の具合は」

 

 

 

 そこで、夢から覚めるように、ケアン・ディークスは現実に引き戻された。

 

 

(…………なんだ、今のは)

 

 

 先程までのものを思い出そうにも、全く思い出せない。いや、違う。どちらかと言えば、『思い出そうとしていない』が正しい。

 

 思い出そうとしているのは気持ちだけで、体の機能はそれを実行に移さない。思い出そうとするだけ無駄だ、と告げているのだろう。

 

 

(ならば、それでいい。道具として活動する自分に、過去にこだわる必要など無い)

 

 

 先程までの考えを捨て、武装集団『フィーネ』がアジトとして利用している施設の一室で目覚めたケアンは、椅子から立ち上がって体の調子を確かめる。

 

 

「動きに支障無し。いつでも出撃出来る」

「それは結構。今後とも、期待していますよ」

 

 

 それにしても、とウェルはケアンの顔をじっと見つめる。

 

 

「本当、不気味なまで無表情ですね。財団Xの連中が思い出される」

 

 

 机に置いていた二つの道具を手に取る。

 

 三ヶ月前、克己達が相手にしたエージェントによって財団Xに送られたT3ガイアメモリとガイアドライバーのデータを基に作り出されたT3ガイアメモリと、それを挿し込む事で使用者を超人へと変化させる変身アイテム。それがT3イクシードメモリとラックドライバーなのである。

 

 

「彼らの事は正直快く思ってはいませんが、これらを用意してくれた事には感謝しませんとね。でなければ、貴方は今頃廃棄(・ ・)されていた事でしょう。まぁ、その前に彼女が、貴方を連れ出したでしょうが」

「なぜだ? それらがあるからこそ、私は道具としての価値を証明出来る。道具としての価値が無い私に、存在意義など無いはずだが」

「知りませんよ。彼女が貴方にどんな感情を抱いてるかなんて」

 

 

 受け取ったT3イクシードメモリとラックドライバーを懐に仕舞った直後、施設内に警報が鳴り響いた。

 

 

 

 

 ――――――すぐに施設の隔壁を閉じて『それ』の活動範囲を制限したナスターシャが、モニターに映る『それ』を見つめる。

 

 

「あれこそが伝承にも描かれし、共食いすら厭わぬ飢餓衝動…………。やはりネフィリムとは、人の身に過ぎた…………」

「人の身に過ぎた、先史文明の遺産…………とかナントカ思わないでくださいよ」

 

 

 無我夢中で餌を貪っている異形の怪物――――――ネフィリムを見ていたナスターシャに、ケアンを連れて現れたウェルが言う。

 

 

「たとえ人の身に過ぎていても、英雄たる者の身の丈に合っていれば、それでいいじゃないですか」

「マムッ! さっきの警報はッ!?」

 

 

 そこへ別室にいたマリア達もやってきて、モニターに映っているネフィリムの姿に息を呑む。

 

 

「次の花は未だ蕾故、大切に扱いたいものです」

「…………」

 

 

 ウェルの言葉を聞いてか、それともネフィリムの姿を見てか、マリアの目が伏せられる。が、それも一瞬の事で、ナスターシャの言葉に耳を傾ける。

 

 

「心配してくれたのね。でも大丈夫。ネフィリムが少し暴れただけ。隔壁を下ろして食事を与えているから、直に収まるはず」

 

 

 その時、再びネフィリムが暴れ、施設が軽く揺れる。

 

 

「出撃の用意は出来ている。いつでも鎮圧に向かえるが?」

 

 

 ケアンが懐のラックドライバーを手に取ろうとするが、ナスターシャに止められる。

 

 

「対応措置は済んでいるので大丈夫です。第一、今のネフィリムと戦っても、まともな戦闘データなど得られるはずもありません」

「了解した」

 

 

 自分達のリーダーの言葉に従い、ケアンはドライバーに伸ばしていた手を下ろす。

 

 

「それより、そろそろ視察の時間では?」

「『フロンティア』は計画遂行のもう一つの要。起動に先立って、その視察を怠るわけにはいきませんが…………」

「こちらの心配は無用。留守番がてらにネフィリムの食料調達の算段でもしておきますよ。あぁ、でもケアンはここに残してもらっても? 二課(むこう)にここの存在がバレないとも限りませんし、ソロモンの杖で抑え切れない場合の保険として」

「構いません。…………予定時刻には帰還します。行きましょう、皆さん」

 

 

 三人の装者を連れ、ナスターシャは部屋から出ていく。

 

 

「…………ねぇ、マム」

 

 

 ウェルとケアンのいる部屋からある程度離れた頃、マリアに声をかけられたナスターシャは、振り向かずに反応だけ返す。

 

 

「なんですか?」

「このまま行動してもいいの? 博士の口ぶりから察するに、なにかしら仕込んでいるとしか考えられないけど」

「彼の言うようにこのアジトの所在が向こうに割れてしまえば、我々は活動拠点を失う事になります。ですが、ここはあくまで仮拠点。計画に多少の差異は生じるでしょうが、それまでの事。それに、向こうが来るという事は、ケアンの成長にも繋がります」

「この前の戦いで、ケアンは充分成長したと思うけど?」

「念には念を、というものです。彼が何者にも屈しない、最強の存在になれば、誰も私達の計画を止められません」

 

 

 なぜか哀しみが含まれているその言葉に、マリアが眉を顰める。

 

 

「どうして哀しむの?」

「…………出来る事なら、彼をこういう風に扱いたくは無かったんです。『約束』を破ってしまう事になりますから」

「約束? 約束ってなんデスか?」

「えぇ、もう八年も前の話になりますがね。彼の祖父との約束です」

 

 

 昔を思い出すように遠くを見るナスターシャだったが、それも一瞬の事で、その目は現実を見始める。

 

 

「彼には申し訳ありませんが、こうするしかありません。ですが、この計画が達成すれば、彼の望みも果たせます」

 

 

 だからこそ、この計画はなんとしてでも達成する。その決意を胸に、ナスターシャはマリア達と共に進み始めた。

 

 

 

 

 ――――――放課後の《私立リディアン音楽院》。普段であれば誰もがそれぞれの帰路につく時間帯であるが、ここ最近はそういった生徒の姿はあまり見られなくなっている。

 

 それはなぜかというと、三日後はこの学院の学園祭が開かれるからであり、誰もがその準備に追われているのである。

 

 周囲からここはどうすべきか、あれはどうすべきか、という会話が引っ切り無し聞こえる廊下では、克己と翼が並んで歩いていた。

 

 

「風の力を上手く扱う事が出来れば、超高速で敵を倒す事が出来る。サイクロンメモリには使用者のスタミナを回復させる力があるから、それを活用すれば疲労を最小限まで抑える事も出来る。今度の訓練はそれを意識してやってみよう」

「助かる。やはりガイアメモリの力に関して相談するのはお前が一番だ」

学院(ここ)で『お前』呼びはやめろ。仮にも俺達は、『教師と生徒』の関係なんだぞ」

「む、そうだったな」

 

 

 丸っ切り学園祭とは関係ない話をしているが、別にサボっているわけではない。クラスメイトに準備に必要な材料を取ってきてほしいと頼まれた翼が、道中翼と同じ経緯で行動していた克己と出会ったので、自分の身に宿ったT2サイクロンメモリの力はどう活用すべきかと相談していたのだ。

 

 二人が曲がり角に差し掛かった時、そこから人影が飛び出してきた。

 

 

「わッ!?」

「なッ!?」

 

 

 流石の翼もこれに反応出来ず、飛び出してきた人影とごっつんこ。

 

 克己が尻餅をついて痛がる人物を確認すると、それはクリスだった。

 

 

「クリスか。どうした、そんなに焦って」

「奴らが…………奴らに追われてるんだ。もう、すぐそこまで…………ッ!」

「なんだと?」

 

 

 まさか、以前対峙した『フィーネ』の誰かが学院にやってきたのか。国家機密として扱われているこちらと違い、向こうは既に世界に宣戦布告しているため、周囲の目を気にする事無く戦える。この場で戦闘するのはまずいが、致し方ないとばかりに克己がロストドライバーを取り出そうとするも、翼に止められる。

 

 

「待てッ! ここに奴らは来ていないッ!」

「どういう事だ?」

「どうやら、雪音を追いかけているのは『フィーネ』ではなく、彼女のクラスメイトだそうだ」

「ややこしかったな。すまん」

「それならいい。…………それで、なぜ追われているんだ?」

 

 

 克己の質問にクリスは、忙しなく周囲を確認しながら答える。

 

 

「なんやかんやと理由をつけて、あたしを学校行事に巻き込もうとしてるんだよ」

「褒められた行為では無いな。生徒である以上、学校行事には参加してもらわなければならない」

「仕方ねぇだろ、あたしはこういった生活に慣れてねぇんだ」

「なら、代わりに私達を手伝ってもらおうかな?」

「なんでだッ!?」

「このままなにもしないのは教師として見過ごせない。安心しろ、軽めの仕事だ」

 

 

 クリスを連れ、翼と克己は既に教室で待っていた女子生徒と共に学園祭の準備を着々と進めていく。

 

 そして今日中に片付けようと考えていた作業が全て終わり、生徒もそれぞれの家に帰るのと同時に、弦十郎から通信が入る。

 

 弦十郎曰く、『フィーネ』のアジトがわかったとの事だ。

 

 

 

 

『――――――いいか、今夜中に終わらせるつもりでいくぞッ!』

 

 

 日も暮れ、月明かりが照らす街の外れに存在する施設に、エターナル達は足を踏み入れていた。

 

 今回選ばれたメンバーは三人の装者は当然として、エターナル、ヒートドーパント、トリガードーパントである。他のNEVERの二人も連れて行くべきかと考えたが、施設内となるとルナドーパントの伸縮自在の腕が活かし切れず、NEVER随一のパワーファイター、メタルドーパントは論外だ。彼が戦うと間違いなく施設が破壊されてしまう。

 

 緒川と彼に同行した京水と剛三によって所在を突き止めたこの場所は人気がほとんど無い場所にあり、テロリスト集団である彼らが隠れ家として使うにはもってこいの立地だった。

 

 ちなみに三人がこの場所を突き止める為に訪れた場所はヤクザの巣窟だったらしいが、実は忍者の家系である緒川の忍術、NEVER特有の強靭な身体を持つ京水と剛三の前ではまるで歯が立たず、特に京水を相手にしたヤクザは暴力によるものとは別の恐怖を与えられたらしい。

 

 

『調べたところ、丁度この前の事件の直後から、ここに少しずつ物資が搬入されているみたいなんです。現段階ではこれ以上の情報が得られず致し痒しではあるのですが、何者かが潜んでいるのは間違いないと思われます』

「尻尾が出てないのなら、こちらから引きずり出してやるまでだッ!」

「…………ッ! 待て」

 

 

 先導していたエターナルが右手を軽く上げ、後ろから続く響達を制止させる。

 

 物陰から様子を窺うと、先に続く通路を赤い霧のようなものが満たし始めていた。

 

 

「お前達、体に異変は感じないか?」

「え? いや、特に…………」

「となると、あれは毒ガスではないのか。だが、体になにか異変が起きたと思ったらすぐに言え」

 

 

 響達が頷くと同時、通路の先からノイズの群れが姿を現す。

 

 

「来やがったなッ! 全部ぶっ飛ばしてやるッ!」

状況開始(ゲームスタート)

 

 

 クリスとトリガードーパントが飛び出し、迫り来るノイズ達を撃ち抜いていく。エターナル達もそれに続いて次々とノイズを撃破していく。

 

 エターナルと翼がノイズを斬り倒し、死角からクリスとトリガードーパントを攻撃しようとするノイズは響が殴り飛ばし、ヒートドーパントは炎を纏わせた両足でノイズを蹴り飛ばしていく。

 

 

「この動き…………。やはり、こいつらは…………」

「あぁ、間違いなく制御されているッ!」

「当たりね。ここのどこかに、ウェル博士がいる」

 

 

 そうとわかればと、全員がノイズを倒す速度を上げるが、そこで翼が怪訝な表情を浮かべた。

 

 

「どうした、翼」

「…………おかしい。思うように力が出ない…………ッ!」

「なに?」

 

 

 響とクリスを見てみると、彼女達も思うように力が出せていないのか、いつもと比べてノイズを倒すのに手間取っている。

 

 まさかと思い、エターナルは足元を覆う赤い霧を見下ろして本部に響達のギアの出力について訊ねてみると、予想していた答えが返ってきた。

 

 

『装者達の適合係数が低下していますッ! このままでは、戦闘を継続できませんッ!』

『克己君、そちらではなにが起きているッ!?』

「通路に赤い霧のようなものが広がっている。恐らく、これが原因のはずだ」

『君やレイカ君に異変は?』

「特になにも。この霧の影響を受けているのは装者達だけだ」

『装者の適合係数を下げる霧…………。とんだ罠を張ってくれたな…………ッ!』

 

 

 通信越しでもわかる、微かな怒りを抱いている弦十郎に、エターナルは翼を襲おうとした数体のノイズを切り裂きながら訊ねる。

 

 

「とりあえず、この霧を吹き飛ばすぞ」

 

 

 響達は目に見えて消耗し始めている。

 

 今はまだギアを纏っているが、この霧の効果を受け続けていれば、いずれはギアが解除されてしまうだろう。そうなってしまえば、彼女達はノイズに対抗する術を失ってしまう。そんな状態でノイズに触れられでもしたら最後だ。

 

 

サイクロン・マキシマムドライブ!』

「ハァッ!」

 

 

 緑色の風を纏わせた両腕を地面に叩き付け、そこから発生させた突風で足元の霧を吹き飛ばす。それで少しは適合係数の低下速度を遅れさせる事が出来たのか、装者達は今よりもそれほど弱体化する事無くノイズの集団を消滅させていった。

 

 

「はぁ…………はぁ…………ようやく片付いたか…………」

「大丈夫か?」

「あぁ…………なんとかな…………」

 

 

 倒れ込みはしないが、それでも肩を上下させて荒い呼吸を繰り返す装者達。これ以上彼女達に作戦を続けさせるのは危険だと判断したエターナルが弦十郎に通信を開こうとした時、響が叫んだ。

 

 

「克己先生ッ! 後ろッ!」

「…………ッ!?」

 

 

 背後からなにかが襲い掛かってくるのを感じたエターナルが反射的に裏拳で『それ』を殴り飛ばす。

 

 明らかな手応え。だが、ノイズと同じ感触も、触れた箇所から炭化していく気配も感じない。

 

 

「気を付けろ。こいつはノイズじゃない」

「見ればわかるわよ。あんなノイズ、見た事無いもの」

 

 

 ヒートドーパントの言う通り、殴り飛ばされた『それ』は、ノイズとは程遠い姿を持っていた。

 

 大型犬程度の大きさを誇る全身にはマグマのような色を放つ筋が走っており、四本の足で体を支えている『それ』にエターナル達が攻撃を仕掛けようとしたその時、『それ』が背後に背負う暗闇から一人の男性が姿を現した。

 

 

「ウェル博士…………ッ!」

 

 

 響が、暗闇から現れた男性――――――ウェルに拳を握り締める。

 

 

「やっぱり、生きてやがったのかッ!」

「おや、私が生きている事は既に知られていましたか。上手く騙せたと思ってたんですがね」

「あの時は流石に騙されたさ。だが生憎と、こちらには心強い味方がいるんでね。随分と思い切った行動をするじゃないか、ペテン師」

「貴様がソロモンの杖を奪う為、召喚したノイズを敢えて自分に襲わせるという芝居を打つとは…………ッ!」

「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し、制御する事など、この杖をおいて他にありません」

 

 

 翼の言葉を否定する事はせず、ウェルは右手に持つソロモンの杖を見下ろす。

 

 

「そしてこの杖の所有者は、今や自分こそが相応しいッ! そう思いませんか?」

「思うかよッ!」

 

 

 クリスが腰部アーマーから小型ミサイルを撃ち出すが――――――

 

 

「ぐッ、ギアが…………ああああッ!」

 

 

 全身に走る激痛に耐えかねたクリスが悲鳴を上げて崩れ落ち、撃ち出された小型ミサイルはあらぬ方向へ飛んでいき、施設の壁に当たって爆発する。

 

 

「クソッ…………なんでこっちがズタボロなんだよッ!」

「適合係数の低下で、ギアのバックファイアが…………ッ!」

「クリス、その状態で大技を撃とうとしない事よ。最悪の場合、ギアに殺されるわよ」

「…………ッ! あれは…………ッ!」

 

 

 小型ミサイルによる爆発が原因か、外へ続く穴が開いており、響はそこからケージを抱えて飛んでいくノイズに気付いた。

 

 思わずウェル達の方を見ると、先程までいたはずの怪物の姿が見当たらない。という事は、あのケージの中に、あの怪物がいるはずだ。

 

 

「賢、あれを撃ち落とせるか?」

「問題ない」

 

 

 トリガードーパントが怪物の入ったケージを輸送するノイズを追って出ていく。それをウェルは止めず、それを不審に思ったヒートドーパントが問いかける。

 

 

「止めなくていいの? 彼、相当の射撃能力を持ってるわよ? 彼にとって、あれを撃ち落とすのは簡単すぎると思うけど」

「構いませんよ。それより貴方達には、彼の相手をしてもらわなければ」

「彼…………? …………まさかッ!」

「えぇ、そのまさかです」

 

 

 パチンッとウェルが指を鳴らすと、彼が出てきた暗闇から、もう一人の男性が出てくる。

 

 

「何人かは知ってるでしょうが、改めて紹介しましょう。『フィーネ(われわれ)』が所有するガイアメモリの戦士、仮面ライダーイクシードこと、ケアン・ディークスです」

 

 

 無言のまま、ケアンはロストドライバーに酷似した外見を持つベルト――――――ラックドライバーを腰に巻き、T3イクシードメモリのスイッチを押す。

 

 

イクシード!』

「変身」

 

 

 淡々と、一欠片も感情が籠められていない無機質な声でそう言い、スロットに挿し込んで展開する。

 

 

Exceed Active

 

 

 加速していく変身音声と共に周囲に構築された漆黒の鎧が白銀の素体に装着され、バイザーの奥に二つの赤い輝きを灯し、鎧から蒸気を噴出する事で変身を終えたケアン――――――イクシードは、赤い双眸でエターナル達を見据える。

 

 

「私に意志など必要ない。道具(わたし)が成す事は、ただ一つ――――――」

 

 

 自分に身構える敵に、冷たく言い放つ。

 

 

「マム達の障害を、排除する事だけだ」

 

 

 そして、意志無き戦士は、魂を持つ戦士達を排除すべく動き出した。

 





 次回はいつになるのでしょうか…………。出来上がり次第、投稿したいと思いますので、どうか首を長くして待っててくださると嬉しいです。

 次回の展開につきましては、これが言えますね。

 『■■■■vs■■■■ッ!』

 わかりましたかね? それでは次回、また会いましょうッ!
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