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エターナル達がイクシードと交戦し始めた頃、トリガードーパントは正体不明の怪物が入ったケージを運ぶノイズを追いかけていた。
まだこの身が死人のものになる前はSWAT隊員だった事もあり、その射撃能力はNEVER…………いや、二課に所属する誰よりも高いだろう。だが、彼とノイズの間の距離はかなり開いており、今や標的は海の上を飛んでいる。
この距離で光弾を撃ったとしても、途中で光弾を構成するエネルギーが霧散してしまうだろう。如何に精密な射撃能力を持っていようと、撃ち出した弾丸が標的に当たらなければ意味を成さない。
それなら、距離を縮めて標的を射程距離内に入れるだけだ。
「ボス、ノイズとの距離を縮めたい。頼む」
『了解だ。仮設本部、急速浮上ッ!』
トリガードーパントの前に広がっていた水の大地を突き破り、巨大な潜水艦が出現する。
浮上したそれこそ、特異災害対策機動部二課の仮拠点にして本部である。
『行け、賢君ッ!』
「了解」
ドーパント化による超人的な身体能力で潜水艦の船首に飛び移り、右腕と一体化したライフルを構えて狙いを定める。
標的のノイズは射程距離内に入っている。光弾は風の影響を受け付けない為、風向きを確認する必要は無い。
「チェックメイト」
ライフルから発射された光弾がノイズを貫き、怪物の入ったケースが落下していく。
後はあれを回収するだけだ、とトリガードーパントがジャンプの体勢をとったその時、背後から気配を感じ取る。
「…………ッ!」
咄嗟に身を翻して攻撃を躱して光弾を発射するも、突然の襲撃者はそれをマントで防御した。
海の彼方から昇ってきた太陽を背に船首の上に立つのは――――――
「マリア…………ッ!」
『フィーネ』に所属するシンフォギア装者、マリア・カデンツァヴナ・イヴだった。
「――――――ぐわぁッ!」
「克己先生ッ!」
施設の外に殴り飛ばされたエターナルに追撃を仕掛けようとしたイクシードの攻撃を響が阻む。
響が何度も攻撃を繰り出すも、イクシードは全く怯む様子を見せず、繰り出された拳を受け流すと同時に響の背中を蹴る。
先のライブ会場での戦いで強化された鎧の防御力に、二課の中でもずば抜けて頑丈なメタルドーパントにも明確なダメージを与える攻撃力。
素のスペックだけでも、既にイクシードは単体でエターナル達を相手に善戦出来る程までに至っていた。
「ハァッ!」
T2サイクロンメモリの力を引き出し、天羽々斬・翼風刃を身に纏った翼が攻撃を仕掛ける。緑色の風に体を委ね、妖精のように舞いながら二本の刀で高速でイクシードを切り裂いていく。ヒット&アウェーの攻撃スタイルで動く翼を捕らえようとイクシードが手を伸ばすも、翼はそれを紙一重で躱しながらさらに連撃を叩き込んでいく。
先の霧の影響で、ギアは未だ重い。こんな高速移動をしていては恐ろしい速度でスタミナが無くなっていくが、それもT2サイクロンメモリの力で発生させた風でスタミナを回復させて無理矢理高速移動を継続させる。だが、流石に技を使うのは無理だ。使えば最後、押し留めている疲弊が一気に襲い掛かってくる。
ここでギアが解除されてしまえば、最悪イクシードに殺されかねない。
背後に回り、側面から首に刀身を叩き付ける。
相手は生身ではないが、首は人体にとって重要な部位。装甲で防御されていようと、そこを攻撃されれば多少の隙は出来る。一瞬の隙が生じれば、エターナル達が一斉にそこを突くべく攻撃を仕掛けるだろう。そこで一気にイクシードを追い詰める。
だが、翼の試みは上手くいかなかった。
「
「な…………ッ!?」
痛みを感じさせない声色。振り返りざまの回し蹴りが脇腹に直撃し、蹴り飛ばされた翼は施設の壁を破壊して、破壊された壁の破片に埋もれた。
「翼さんッ!」
「おい、起きろッ!」
「ぐ…………うぅ…………ッ!」
近くにいたクリスに助け起こされる翼から離れた場所では、ウェルがイクシードに称賛の拍手を送る。
「実に素晴らしい。どれだけ攻撃を受けても、敵対者の排除を優先する。それこそが貴方ですよ、ケアン」
そして、とウェルは海辺の方を見る。つられてエターナル達もそちらへ視線を移すと、そこにはケージを回収しているマリアの姿があった。
「時間通りですよ、
「なッ、フィーネだとッ!?」
ウェルの言葉にエターナル達が驚愕する。
「終わりを意味する名は我々組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある。そう、彼女こそが、新たに目覚め、再誕したフィーネですッ!」
遠くにいるマリアを見つめ、ウェルは高らかにそう叫ぶのだった。
(――――――いや、
モニター越しに叫ぶウェルに、思わず心中でそう呟いてしまう。
となると、今ケージを奪取しようとしているトリガードーパントと交戦しているマリアは、偽物として持ち上げられてしまっているという事になる。
「弦十郎君、少し席を外すわね」
「…………あぁ、行ってこい」
フィーネが生き延びているという事を『
司令室から退室し、甲板へ続くハッチの真下に到着する。
「力を貸しなさい、ネフシュタン」
着込んでいた白衣が消滅し、代わりに刺々しい鎧が彼女の全身を包み込む。
ハッチを開け、甲板へ飛び出す。
「な…………ッ!?」
「フッ!」
今まさにトリガードーパントに槍を突き出そうとしていたマリアの視線が自分に向いた隙を突いて、挨拶代わりにフィーネは右手に持った鞭を向かわせた。
咄嗟に飛び退いて鞭を躱したマリアの前に降り立ち、背後のトリガードーパントに振り返る事無く言う。
「貴方は下がってなさい。ここから先は、私のステージよ」
「…………了解」
トリガードーパントが下がるが、変身は解かない。万が一という可能性もあるかもしれないと考えているのだろう。正直、そんな可能性など、ありはしないのだが。
「貴女、何者…………?」
謎の乱入者に困惑の表情を浮かべているマリア。
二課に所属する戦士や、彼らの使う力については事前に調べていたが、目の前に立つ女性は知らない。
否、
「私が誰かって? 私の遺伝子を持つ貴女なら、わかっているはずだけど?」
「なに?」
目を顰めるマリアに、神話世界に生きた巫女は己の名を告げる。
「私はフィーネ。偽物の
ここに、偽物と本物。二人の『フィーネ』が対峙した。
「――――――なんて事…………。まさか、彼女が生きているなんて…………ッ!」
飛行機のコックピットで戦況の確認をしていたナスターシャは、ネフィリムの回収を目的に出撃したマリアの前に立ちはだかる女性に驚愕する。
まだ自分がF.I.Sに所属していた頃、何度か彼女を見かけた事があり、回数は少ないが会話をした事もある。見慣れない聖遺物を身に纏っているが、それでも、彼女から放たれるオーラからわかる。
彼女はまさしく、本物のフィーネだ。
「調、切歌。マリアの援護に向かってください。彼女は危険です。マリアだけでは絶対に勝てません」
「了解」
「りょ、了解デスッ!」
普段は見せる事が無い、焦った様子のナスターシャの姿に驚きながらも、二人はすぐに出撃の準備を始めた。その間にナスターシャはウェルに通信を取り始めた。
『――――――ウェル博士、聞こえますか?』
ナスターシャからの通信を受けたウェルが応答する。
「えぇ、聞こえていますよ。声色からして大分焦っているようですね。原因はあの女性ですか?」
『その通りです。現在調と切歌を向かわせましたが、もしもの場合もありますので、ケアンも向かわせてくれませんか?』
「仮面ライダー達との戦闘データがまだ足りていませんが…………仕方ありません」
エターナルとヒートドーパントの蹴りを受け止めていたイクシードに声をかける。
「ケアン、彼らとの戦闘を中断し、マリアの援護に向かいなさい。あぁ、私も連れて行ってください。流石に私一人で彼らから逃げ切るのは難しいでしょうから」
「了解」
今まさにエターナルを殴ろうとしていた拳を止めたイクシードは彼らから距離を取ってウェルを抱え上げ、T2ゾーンメモリを取り出す。
『ゾーン!』
封じられた地球の記憶の名を叫ぶメモリを胸元に押し当てる事で取り込んだイクシードは、マリア達のいる潜水艦がある方角へ走り、大きくジャンプすると同時にT2ゾーンメモリの能力を発動。彼らの姿は一瞬にして潜水艦の甲板に移動した。
イクシードとウェルを追おうとエターナル達も動き始めるが、遠くから無数の光が迸ったかと思うと、彼らの前に大量のノイズが出現する。
「是が非でも追わせないというわけか」
「すぐに終わらせますッ!」
走り出したエターナル達とノイズの大群が衝突する。
――――――ウェルを抱えて突然現れたイクシードに、フィーネは僅かに目を見開く。
「驚いたわね。会場での戦闘はモニタリングしてたから知ってはいたけど、まさか本当に瞬間移動出来るなんて」
「どうして…………」
「ナスターシャ教授から頼まれたんでね。彼を援護につかせましょう」
「「マリアッ!」」
どこからともなくやってきた、『フィーネ』に所属する二人の装者が甲板に降り立ち、ここに武装集団『フィーネ』の有する戦力全てが揃う。
「マリア、援護しに来たデスよッ!」
「一緒に戦おう」
「二人共…………」
イクシードどころか、調と切歌も自分の援護に来たという事に驚く。それ程までに、目の前に立つ女性は強大な存在だという事なのだろうか。
一方、警戒を強めるマリアとは違って自然体で立っていたフィーネは、調と切歌を見て「へぇ」と声を漏らす。
「シュルシャガナに、イガリマね。ガングニールとシュルシャガナはさておき、イクシードとイガリマには用心しておこうかしら?」
援軍が駆け付けてきた事をまずいと思ったのか、トリガードーパントが動き出そうとするも、フィーネはそれを制止させる。
「貴方はそこで見てなさい。これは私がすべき戦いなの」
返答は無いが反抗の意志は感じられないところから、その沈黙を了承と受け取り、二本の鞭を軽く握る。
「さぁ、どこからでもかかってきなさい。貴方達に負ける程、
「ならばッ!」
真正面から突進してきたマリアが槍を突き出してくる。それをフィーネが難なく受け流すと、頭上から無数の丸鋸が降り注ぐ。
鞭を駆使して自らの体を切り刻もうとする丸鋸を打ち払っていくと、今度は左右から切歌とイクシードが挟み撃ちしてくる。
「無駄よ」
即座に引き寄せた鞭で陣を組ませる事で展開したバリアで二人の攻撃を受け止めて押し返し、バリアを解除するや否やそれぞれの鞭の先に生成したエネルギー弾を投擲する。
潜水艦になるべく被害が及ばないように威力はある程度抑えられてはいるが、それでもフィーネによって放たれたエネルギー弾は切歌とイクシードを吹き飛ばす。
「やぁッ!」
今度は背後からの刺突。だが、それもフィーネにとっては既に読めており、ジャンプして躱すと同時に逆にマリアの背後を取って蹴り飛ばす。
「マリアッ!」
「他人の心配より、自分の心配をしたらどう?」
「…………ッ!? きゃあッ!」
咄嗟に防御しようとするが間に合わず、鞭を叩き付けられた調が海に落とされる。
「私相手によそ見するなんて、二万年早いわ。…………ッ!」
次の瞬間、気配を感じて右腕を上げると、そこにイクシードの拳が直撃する。拳が当てられた箇所を中心に籠手に亀裂が走り、それに気付いたフィーネは「へぇ」と不敵な笑みを浮かべる。
「中々やるじゃない。彼女達よりよっぽど楽しめそうだわ」
鞭は取らず、敢えて拳でイクシードと戦う。
顔面に迫る拳を左手で打ち払い、右拳を鳩尾に捻じ込む。衝撃に一瞬体が浮いた隙を突いて拳のラッシュが全身に叩き込まれ、最後に蹴り飛ばされるも、イクシードはすぐにその姿を消滅させ、フィーネの懐に出現してお返しとばかりに剥き出しの腹部へ右足を叩き込もうとするが――――――
「痛みを感じていない…………。いえ、
伸ばされた右足を掴んだフィーネがイクシードを投げ飛ばし、一瞬で距離を縮めて彼の胸元を殴り、さらにもう一発拳を叩き込み、甲板に叩き付けられて跳ね上がったイクシードをトドメとばかりに蹴り飛ばす。
十数メートルも飛んだイクシードを見て、ウェルが驚愕する。
「なんという…………ッ! これがフィーネの実力だとでも言うのですか…………ッ!?」
『フィーネ』の有する戦力の中では能力も含めて最強と言っても過言ではないイクシードが敗れたという事実にあり得ないと頭を抱えるウェルにフィーネの言葉が投げかけられる。
「なに言ってるの? まさか、これが私の本気だとでも思ってるのかしら?」
「なんですって…………?」
「ここがどこかわかる? 二課の潜水艦よ? 拠点を巻き込まない程度にセーブして戦ってるに決まってるじゃない」
「…………は?」
ポカンと口を開けるウェル。
マリア達に加え、二課の仮面ライダーや装者、ドーパントを苦しめたイクシードのチームを圧倒しておきながら、彼女はそれを『本気ではない』と言い切っている。
「ば、化け物…………ッ!」
ウェルの目の前に立つ人物に対する印象は、その一言に尽きた。
「さぁ、返してもらおうかしら? ソロモンの杖を。…………ッ!?」
その時、突如として突風が吹き始め、その原因を探し始めたフィーネの視線に、巨大な飛行機が映る。
それと同時に、マリアにナスターシャからの通信が入る。
『適合係数が低下しています。ネフィリムは回収済みです。戻りなさい』
「…………ッ! 時限式では、ここまでなのッ!?」
(時限式…………? …………そう、この子達、LiNKERを使ってるのね)
飛行機から垂らされたロープを掴むマリア達を飛行機諸共海に落としてやろうかと鞭を振るおうとするが、その直前に飛行機が目の前から消え失せる。
すぐにオペレーター達に飛行機の位置を特定するよう依頼するも、彼らの返答は、飛行機の反応が完全に途絶えたというものだった。
(レーダーにも捕まらない超常のステルス機能…………。私がいた頃は完成していなかったけど、まさか完成していたとはね。という事は…………)
彼らの手には、ガングニールでもイガリマでも、ましてやシュルシャガナでもない、
ネフシュタンの鎧を消滅させ、フィーネは飛行機が消えた方角を見つめていると、ウェルが出現させたノイズを殲滅してきたエターナル達が甲板に降り立つ。
「了子さんッ!」
「随分時間をかけたわね。そんなに数が多かったの?」
「それもありますが、ギアが重くて手こずったのもあります」
「あの霧のようなものね。後でメディカルチェックしましょう。それとギアのメンテナンスもね」
「あの、了子さん」
響に声をかけられ、艦内に戻ろうとしたフィーネが足を止める。
「私達、了子さんとはわかり合えましたよね?」
「まぁ、どちらかといえばそうね」
「だったら、私、あの人達ともわかり合えると思うんです。なのに…………」
彼女達には、自分の気持ちは伝わらない。その事を気にしてる響に、フィーネが答える。
「通じないのなら、通じ合うまでぶつけなさい。言葉より強いものを、私を変えた貴方達が知らないはず無いでしょ?」
我ながら弦十郎みたいな事を言っていると内心思っていると、響が返事を返してくる。
「言ってる事、全然わかりませんッ! でも、やってみますッ!」
「それでこそ、立花響ね」
彼女の答えにフッと笑って、フィーネは艦内に戻ったのだった。
マリア「マリアと」
切歌「切歌の」
マ&切「「聖遺物解説コーナー(デス)ッ!」」
マリア「久しぶりのこのコーナー。今回は私と切歌が担当よ」
切「今日の聖遺物はこいつデスッ!」
《イガリマ》
マリア「イガリマとは、古代メソポタミアのラガシュ市の都市神ニンギルスとその妻ババ女神との間に生まれた下位の神で次男の名前よ。ガラリムという名でも呼ばれているわ」
切「おりょ? 武器の名前じゃないんデスか?」
マリア「武器としての名前も存在するわ。この場合はキシュ市の都市神ザババの持つ二振りの武器のうち片方の名前ね。
話は変わるけど、XVの貴女の変身バンクって、なんかこう…………」
切「『えっち』って言いたいんデスか?」
マリア「自分の事なのによく言えるわね貴女ッ!?」
切「だってYouTubeで私の変身バンク見てみたら、コメント欄が基本『エロい』または『エッチ』なんデスよ。しかも再生回数がマリア達を差し置いて私だけ100万回以上再生されてるんデスよ。やっぱりみんな好きなんデスね」
マリア「あれで16歳だなんて…………負けたわ(XV時は22歳)。
と、とにかくッ! 今回はこれで終わりよ。読者の諸君、また次回ッ!」
切「バイバイデスッ!」
切歌ちゃんの変身バンク、本当にえっちですよね…………。あれで16歳なんて、大人になったらどうなるか凄く気になります。きっと怒Su毛Beな体つきに…………。いい…………ッ!
?「――――――Various shul shagana tron」