死神に鎮魂歌を   作:seven74

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 今回は設定集と同時刻に投稿しましたので、そちらも読んでいただければ幸いですッ!



戦姫絶唱しないシンフォギア(彼方へ翔ける神船編)

 

 

 ――――――ケータリング――――――

 

マリア「ケータリングッ!」

ケアン「日々食事を取らないと生きていけないとは、人間というのは不便だな」

マ「そんな事言ってないで、貴方も手伝いなさい。あ、わかってると思うけど、ちゃんと栄養バランスが取れるように確保するのよ」

ケ「了解。……………それにしても」

マ「? なにかしら?」

ケ「仲間の体調を気遣って食料を確保していくその姿。これを世間では『オカン』と呼ぶのか、と思ってな」

マ「お、オカン? なに言ってるのよ。私はマム達の体を気遣っているだけ。ほら、さっさとタッパー持つ」

ケ「仕方ない。ここぞという時に栄養失調で倒れられても困る」

マ(充実したケータリングに巡り合えた時、アイドルやっててよかった、って思えるわね……………)

ケ(マリアをオカンと仮定した場合、さしずめ私はそれに付き合わされる『旦那』、という事になるのだろうか。……………ふん、馬鹿馬鹿しい。私は彼女達の道具だ。人と結ばれるなど、あり得はしない)

 

 

 ――――――護衛こそ我が務め――――――

 

切「うおわぁッ!?」

ケアン「? 切歌か。こんな夜更けにどうした」

切「それはこっちのセリフデスよッ! まさか、こんな時間まで巡回デスか?」

ケ「いつ侵入者が現れるかもわからん。その時に早急に対処できるようにしているまでだ。それで、私の質問に答えてもらおうか」

切「ト、トイレデスよ。恥ずかしいので言わせないでもらいたいデス」

ケ「了解した」

 

切「……………なんでついてくるデスか」

ケ「護衛だ。用を足している間に襲われてしまったら大変だろう。護衛という名目でついていくので、問題はないだろう?」

切「問題大ありデスよッ!? え、なんデスか? もしかしてアタシ、ケアンに監視されながら用を足す事になるんデスかッ!?」

ケ「お前が望むなら、その通りに……………」

切「絶対望まないデスよッ! アタシを変態だと思ってるんデスかッ!?」

ケ「では、付近にて待機させてもらう。怪しい音が聞こえ次第、飛び込ませてもらうが」

切「できればアタシの事なんて気にせず巡回を続けてほしいデスが、認めてくれないデスよね……………」

ケ「もちろんだ」

 

切「ただいまデス……………」

調「おかえり、切ちゃん。……………どうしたの? なにか嫌な事でもあった?」

切「……………調。お手洗いは出発前に必ず済ませておくデスよ」

調「え? う、うん。わかった」

 

 

 ――――――別種の恐怖――――――

 

 武装集団『フィーネ』がアジトにしていた街はずれの施設の場所を突き止める為、彼らと関わっていると疑われているヤクザの事務所に来た緒川と剛三と京水。

 

 

緒川「司令からの指示ですので、殺しはしないでくださいね。それなりに付き合いが長いので、貴方達をしょっ引きたくはないので」

剛三「雇い主の指示にはちゃんと従うさ。気絶程度に済ませてやるぜッ!」

京水「じゃあ、行きましょ」

 

 

 三人は事務所に侵入し、突然の訪問者に驚いたヤクザ達に緒川が武装集団『フィーネ』と関わっているか、と訊ねた結果、血相を変えて襲い掛かってきた。

 

 それを、三人は持ち前の身体能力で迎え撃つ。

 

 

緒「どうやら当たりみたいですね。あそこの金庫、気になりませんか?」

剛「こいつら、ちらちら見てるもんな。あれで間違いねぇだろ。なぁ、京水? ……………京水?」

京「中々いい体つきしてるじゃなぁい♪ ワタシ好みの男ねッ! このままお持ち帰りしたいところだわッ!」

ヤクザ「な、なんだこいつッ! 気持ち悪ぃッ!」

京「く~ねくね~くねくね~~♪ 当たらないわよ~ッ!」

 

 

 近寄ってくる京水に何度も拳を突き出すが、それは全てひらりひらりと躱され、ついにヤクザが京水に捕まる。

 

 

京「う~~んッ! 見れば見るほどいい体つきッ! さぁさぁ、とっと邪魔な服脱いで、もっとワタシに貴方の体を見せてッ!」

ヤ「ひっ、ひいいぃぃぃ……………ッ!」

剛「見なかった事にしよう。同じ男として、あいつには同情せざるを得ないけどな」

緒「激しく同意ですね。今京水さんに組み伏せられている人が自分だったらと考えるとゾッとします」

 

 

 ――――――お互い様じゃん――――――

 

 ヤクザを殲滅し、金庫の前にたどり着いた三人。

 

 

剛「しっかしお前、まさか忍者だったとはなッ! なんだあの動き。人間業じゃねぇだろ」

緒「あくまで末裔で、兄には負けますがね。……………しかし、これをどうやって開けましょうか。彼らに聞いてもいいのですが、少し時間がかかりそうですね」

剛「あん? なに言ってんだ、緒川? こんなのはな、力業で解決すんだよ」

緒「え?」

剛「見てろよ」

 

 

 拳を軽くスナップしてから、剛三は「オラァッ!」と気合を入れた叫びと共に拳を突き出す。拳は強固な金庫の扉など知らんとばかりに扉をぶち抜き、そのまま内側から金庫を開けるのだった。

 

 

剛「うしッ! これで解決だな」

緒「貴方も大概じゃないですか」

京「言うだけ無駄よ。剛三ちゃん、人間鍛えればこれくらいやれる、って考えてるから」

 

 

 ――――――龍宮の牢獄にて――――――

 

ケアン(共に戦う日に、か)

 

 

 《深淵の龍宮》に設けられた収容室の中で、ケアンは克己が別れ際に口にした言葉を思い浮かべる。

 

 彼にとっては、あくまで勘に過ぎなかったのだろうが、その一言は、自分にとっては嬉しいものだった。

 

 道具として在り続けた自分を殺してくれたあの男は、微かであろうとも、自分と共と戦う日を望んでくれているのだろう。ならば、自分も望もうではないか。

 

 『心』を学ぼう。人という生き物を理解しよう。そうすればきっと、ナスターシャの願う『自由な世界』を築けるはずだから。

 

 

ケ(ではその日まで、私はこの牢獄で待つとしようか)

 

 

 人と違って疲労を感じず、いつまでも思考をフル回転させる事も出来るケアンにとって、この海底牢獄のセキュリティを突破し、脱獄する事は容易いが、そんな事をしても一寸の得にもならない事は重々承知している。

 

 いつか、この身が解放されるその日まで、ケアンはこの地に腰を据える事にした。

 

 

 ――――――予期せぬ来訪者――――――

 

 計画完遂への準備は着々と進みつつある。

 

 シンフォギアシステム、ライダーシステム、ガイアメモリ、ルナアタック、フロンティア事変……………それらの情報は結社と、そのスポンサーの座についている財団の支援によって容易に集まり、それらも自らの策謀に組み込んだ。

 

 居城の建造は未だ完了していないが、そもそもあれはトリガーパーツ無しには完成しない代物。今は後回しにしておいていい。

 

 自らの心象をモチーフに設計した終末の四騎士(ナイトクォーターズ)は一体を除いて問題なく活動している。いつ出撃しても大丈夫だろう。だが、それでは足りない( ・ ・ ・ ・)。相手がシンフォギア装者のみならばいざ知らず、仮面ライダーやドーパントも戦線に加わるとすれば、彼女達だけでは心許ない。

 

 

 故に、目覚めさせねばならぬ。彼女達と同一の存在ではない――――――最後の騎士を( ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 

 扉の前に立つ。この先にある部屋の中心に浮かぶ氷の棺の中で、()の騎士は眠っている。

 

 数百年ぶりの再会だ。見た目こそ変わらないが、それなりに精神は成熟している上、今は彼を含めた騎士達の長。威厳を以て再会を喜ぼう。尤も、そんな自分を見たところで、『なにやってんだお前』と、小馬鹿にしたように笑うのだろうが。そして、それもそうだ、とばかりに笑う自分の姿も想像できてしまい、思わず頬が緩みそうになる。

 

 

(……………いかんいかん。オレは成長したんだ。いつまでも子ども扱いされて堪るかッ!)

 

 

 緩んだ頬を叩いて気を取り直し、深呼吸する。肺に溜めた息を思いっきり吐いて、意を決して扉を開けると――――――

 

 

「――――――どなたですかな?」

 

 

 首元に刃を押し当てられた。あまりにも唐突な出来事だったため、まるで反応できなかった少女が、自分に刃を押し当てるのは何者か、と視線を動かす。

 

 薄汚れ、ボロボロになったローブに隠された、収まっているべきものがない眼窩。まさしく、伝承にて語られる『死神』と呼ぶに相応しい相貌を備えたそれが、両手で持った鎌の刃を少女の首元に押し当てていたのだ。

 

 

「ヤメロ、ソイツガコノ施設……………施設デイイノカ? ……………マァイイ。トニカク、ソイツガココノ住人ダロウ。如何ニ主人ヲ護ル為トハイエ、無益ナ殺生ハ許サレナイ」

 

 

 死神の行動を諫めたのは、全身が鋼鉄で構築された、ロボットのような怪人。背中からは一対の鋼鉄の翼のようなものが生えており、その口からはエコーのかかった声が発せられている。

 

 鋼鉄の怪人に諫められた死神は「これは失礼しました」と短い謝罪と共に少女の首元から鎌を離す。

 

 

「ご主人様、我が無礼をお許しいただきたい」

「構わん。用心深いのはいい事だが、たまには気を抜いてもいいと思うがね」

 

 

 片膝をつく死神に返事を返したのは、少女の視界に映る鋼鉄の怪人ではなかった。

 

 その時、少女は、彼が眠っているはずの氷棺の中に、彼の姿が無い事に気付いた。

 

 

「貴様ら、あいつを……………エルリンをどうしたッ!」

「エルリン? ……………あぁ、この体の( ・ ・ ・ ・ )持ち主の事か( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

 

 

 氷棺の背後から、なにかが現れる。

 

 幼い少女を抱えているそれは、『異形』の一言に尽きた。

 

 陽炎の如く揺らめく真紅の双眸に、ところどころが靄状になっている怪人。死神が主人と仰ぐのがこの怪人であるのならば、この禍々しさにも納得がいく。

 

 

「嬢チャンノ容態ハ?」

「力をかなり使ってしまっているが、命に別状はない。休めば回復するだろう」

「貴様ら、いったい何者だッ!」

 

 

 鋼鉄の怪人の問いかけに答えた異形の怪人に、少女が叫ぶ。彼女の叫びを聞いた異形の怪人は鋼鉄の怪人に抱えていた幼女を手渡してから、心臓付近に手を伸ばすと、その姿が人のものへと変わる。

 

 ところどころが銀色に変色している蒼髪に、精悍な顔立ち、そして、ライダースーツに似た衣装に身を包んだ男性。それだけは少女の記憶にある彼と一致しているが、ただ一点、目の色が、本来の黄緑色ではなく、黒色になっているという違いが見受けられた。

 

 

「我らは『ラメンター』。あらゆる命に平等を与える者達だ」

 

 

 予期せぬ異世界からの来訪者は、自分達をそう名乗るのだった。

 




 

 オリキャラ・オリジナルドーパント紹介


【エルリン・ラインハルト】

 幼き姫を護りし終末の騎士最後の一人だが、オートスコアラーではない彼は自らを象徴するアルカナを持たない。

 数百年間、コールドフリーズ状態で眠りについており、キャロルは彼に、彼との記憶を分け与える事で目覚めさせようとしていた。

 現在は異形のドーパントに体を乗っ取られている状態であり、彼の意識は表面に出ていない。


【異形のドーパント】

 半身が靄状のものとなっている怪人。禍々しい外見とは裏腹に、常に落ち着いた様子で物事に徹する、ラメンターのリーダー。


【死神のドーパント】

 ボロボロのローブに身を包んだ、死神のような怪人。異形のドーパントに忠誠を誓っており、戦闘時には鎌を使用する。


【機械のドーパント】

 鋼鉄の体を持つドーパント。背中からは一対の翼が伸びているが、生物的なものではなく、飛行機などに使われるような、人工的なものとなっている。異形のドーパントとは友人関係。


【謎の幼女】

 異形のドーパントが抱えていた幼女。なんらかの力を酷使したらしく、現在は眠っている。ラメンターの中では唯一ドーパント化していないが……………?



 勘がいい人からすれば、死神ドーパントや機械ドーパントはもうなんのメモリを使用して変身しているかわかってしまっているんですかね? 死神はともかく、機械にいたってはまんま……………ですからね。ですが、リーダーの異形ドーパントは絶対にわからないと思いますッ! そこだけは私、自信持てますッ!

 さて、いよいよ来週からはGX編ッ! なんとなく、長くなりそうな予感がしますが、よろしくお願いしますッ!
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