今年最後の投稿です。並行して執筆しているモンハン×fgo小説のお気に入り登録者数が700人を超えました。どんどん増えていくお気に入りユーザーにニヤニヤが抑えられません。
シンフォギアXDUで新イベントが告知されましたね。今度は並行世界のアダムがカストディアンに操られてしまい、それに黄金錬成のキャロルちゃん達が立ち向かう、というものでしたね。キャロルちゃん最推しなので、絶対にゲットしますッ!
ゼロワン・セイバーの映画が観た~いッ! だけどコロナとか年明けのfgo福袋ガチャでお金ががが。
それでは2020年最後の本編をどうぞッ!
白銀と黒銀の剣が衝突し、火花を散らす。
セレナが咆哮と共に繰り出した刺突を受け流したマリアはそのまま妹の体を投げ飛ばすが、そこへすかさずガリィが迫ってくる。
「くぅ……………ッ!」
「アンタの相手はそいつだけじゃないんだよッ!」
氷槍による連撃を防ぐマリアに、背後からセレナが攻撃を仕掛けてくる。咄嗟に片足でセレナの溝を蹴って距離を開けさせるが、そちらに意識が向いたせいでガリィへの注意が僅かに薄れる。
「喰らいなッ!」
「ぐはッ!?」
氷槍を叩き込まれて吹き飛ばされるマリア。さらにそこへ、彼女の頭上に二本の短剣が飛んできたと思いきや、円を描くように回転し始めた二本の間から、無数の流れ星が降り注ぐ。
『DARK IGNIS†FATUU』
「マリアさんッ!」
「来ては駄目……………ッ!」
凄まじいエネルギーを誇る連撃を受けて崩れ落ちたマリアに未来達が駆け寄ろうとするが、マリアは片手を上げて制止する。
これぐらいのダメージを受ける事など当然の事だ。LiNKER無しにも拘わらずに生前よりも強力な力を発揮するセレナに、純粋な戦闘力で装者を凌ぐオートスコアラー。彼女達を相手にまだ倒れていないのが幸運だと思えるくらいだ。
「だけど、負けるわけにはいかないッ!」
覚悟を決めたような叫びと共に、マリアはマイクユニットを手に取る。それを見たガリィは今までの笑顔を消し、真剣な表情になって彼女を見つめる。
「……………聴かせてもらうわ、アンタの歌」
「イグナイトモジュール、抜剣ッ!」
禍々しい形状に変化したマイクユニットがマリアの胸に突き立ち、彼女の全身を赤黒く染め上げていく。
「ぐ、ぐわあああああああああああああッッ!!」
心を喰らい尽くさんと暴れまわるどす黒い感情に絶叫を上げる。
「弱い自分を、殺す……………ッ! ぁ、ガ、あ……………アァ……………ッ!」
これ以上、弱いままの自分でいるわけにはいかない。弱い自分を殺し、強い自分に生まれ変わる――――――その決心を胸に、マリアは呪いに抗うが――――――
「そんなの、呪いを受け入れるようなものじゃない」
ダインスレイフは、心の闇を増幅させる呪いの剣。そんなものの力を借りておきながら、『弱い自分を
「ガアアアアアアアアアッ!」
だからこうして――――――闇に呑まれてしまうのだ。
「獣と堕ちやがったか……………」
「ガアアアアアアアアアッ!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」
破壊の獣と化したマリアの咆哮に反応したのか、同じく咆哮で返したセレナが飛びかかる。
そこからは、もう先程までの戦いではなかった。
最早、彼女達は姉妹などではなく、一匹の獣として、眼前の相手を殺し尽くす事しか考えていない。霊長の長たる人間が、己より下位の存在である獣畜生に堕ちた結果に起きた殺し合いとなってしまっていた。
「いやいや、こんな無理くりなんかでなく――――――」
「グガ……………ッ!?」
セレナの一撃を飛び退いて躱したマリアに接近したガリィが、彼女の頭を鷲掴みにしようとした、その時。
「ハァ――――――ッ!」
「……………ッ!? チィッ!」
ビーチから駆けつけてきたアクセルのエンジンブレードが迫ってきている事に気付き、咄嗟にマリアから距離を取った。
「……………仮面ライダーか」
「追いついたぞ。ここでお前を倒す」
エンジンブレードを構えるアクセルに対し、ガリィは心底めんどくさそうに溜息を吐いて額に手を当てる。
「悪いけど、アンタとやり合う気はないのよ。ようやく呪いの旋律を手に入れられるかと思ったのに……………ハズレ装者にはがっかりだよ。帰るよ」
セレナが隣にやって来たのを確認してからガリィはテレポートジェムを砕き、セレナ共々姿を消す。
「逃げたか。……………むッ!」
「照井さんッ!」
「ガアアアアアアアアアッ!」
振り向いたアクセルに暴走状態のマリアが迫るが、アクセルは容易く彼女の攻撃を躱し、すれ違いざまに彼女に当て身を行う。
そのまま崩れ落ちるように倒れたマリアの武装が解除され、元の水着姿に戻る。
「マリアさんッ! しっかりッ!」
「マリアさんッ! マリアさんッ!」
「気絶させただけだ。しばらくすれば目覚める。だが……………」
目覚めた後、マリアがダインスレイフの力を扱い切れなかった自分をどう思うか。それが、アクセルには少々気掛かりだった。
――――――マリア達の下にアクセルが駆けつける数分前。
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッッッ!!!」
「ヤァ――――――ッ!」
奏の
「く……………ッ!」
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ!」
翼との距離が空くや否や、奏は大上段に構えたアームドギアを勢い良く振り下ろす。振り下ろされた槍から飛んできた斬撃が、寸分違わずにかつての戦友に襲い掛かる。
『BLACK POWER∞SHINE』
「ぐ、あぁ……………ッ!」
咄嗟に剣を構えた翼だが、先の薙ぎ払いよりも強力な攻撃を防ぎ切れる事など出来ず、弾かれるように吹き飛ばされてしまう。そこへデスドーパントの鎌が追撃として迫るが、長年の研鑽で培われてきた反射神経が翼の体を動かし、彼女の心臓を突いていたであろう刃先は地面を軽く穿つ結果に終わった。デスドーパントはすぐに地面に刺さった鎌を引き抜き、再び翼に襲い掛かろうとするが、翼の背後からヘッドギアを展開した状態の調が飛び出したのが見え、すぐに動きを止める。
次の瞬間、調のヘッドギアから大量の丸鋸が射出されるが、デスドーパントは鎌を回転させてそれらを防ぐ。
「デデデデースッ!」
「なに……………ッ!?」
しかし、調の攻撃は陽動にすぎず、丸鋸を防いでいるデスドーパントの背後に回っていた切歌の不意打ちを受け、デスドーパントの体が地面に転がる。
「ドーパントはあたし達が相手するデスッ!」
「邪魔はさせません」
「すまない。助かるッ!」
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ!」
「く……………ッ! ハァ――――――ッ!」
駆け出した奏と翼の得物が衝突し、鍔迫り合いになるが、翼は気合を入れるように叫んで彼女を押し返し、マイクユニットを取り外す。
「イグナイトモジュール、抜剣ッ!」
マイクユニットが胸部に刺さり、戦装束をダインスレイフの呪いを纏った漆黒のものへと変えた翼は上空に跳び上がり、周囲に無数の剣を展開する。
『千ノ落涙』
天空より飛来する刃の雨を前に、奏は右手に握る槍の穂先を回転させ、突き出す。
『BLACK LAST∞METEOR』
回転する穂先から生じた竜巻が奏に迫って来ていた剣の群れを翼ごと吹き飛ばした。
「ガ、ハ……………ッ!?」
空中にいるところを狙われたせいでバランスを整える隙もなかった翼は受け身もままならずに地面に叩き落されてしまう。そこへ奏が追い打ちを仕掛けようと走り出そうとするが――――――
「……………ッ!?」
まるで全身が金縛りにあったように身動き一つとれなくなっている事に気付いた。見れば、自分の影には一本の剣が突き立っている。
「グ、オ゛オ゛……………ッ!」
「影縫い。私がああすれば、貴女があの技を使うのは読めていた」
起き上がった翼を見た奏がギリギリと歯を食い縛りながら襲い掛かろうとするが、影縫いの影響で攻撃を仕掛けるまでにはいかない。
翼は脚部のアーマーに備え付けられているスラスターを噴射。連結させた双刃刀から紅蓮の炎が噴き上げ、一気に奏との距離を縮める。
「奏ええええええええええッッ!!」
『風林火斬』
紅蓮の連撃を受けた奏が吹き飛ばされ、その体は何度か地面を軽く削りながら跳ねる。イグナイトモジュールで強化された一撃をもろに受けたのだ。翼も罪悪感が拭えず、このまま終わってくれれば……………、と祈るように見つめる。しかし、彼女の淡い期待を裏切るように、奏はよろよろと崩れ落ちそうになりながらもゆっくりと立ち上がった。武装も解かれてはいない。
「グ、ウ、ウゥ……………ッ!」
だが、様子がおかしい。先程までの戦いを思い返せば、奏は自分を傷つけた翼に逆襲すべく襲い掛かってくるだろうに、今の彼女はそんな様子を見せず、自分の頭を抱えて苦しそうに呻いている。
「奏……………?」
柄を握る力を微かに弱めて翼が声をかけると、それに反応した奏が顔を上げる。
「つ……………ツばサ……………?」
「……………ッ! 奏……………ッ!」
確かな理性を瞳に宿している奏に翼が駆け寄ろうとするが――――――
「……………ッ! 後ろダッ!」
「……………ッ!? ぐはぁッ!?」
振り向いた翼に無数の人魂がぶつかり、翼が吹き飛ばされる。
「自我を取り戻している……………? これはいったい……………」
見れば、調と切歌を倒したであろう困惑した様子でデスドーパントが翼に人差し指を見せていた。先の人魂は彼が放ったもののようだ。
「翼ッ! テメェッ!」
「如何なる手段を用いたのかは知りませんが、呪縛を解かれたようですね。……………ですが」
「ガッ!?」
槍の刺突を避けたデスドーパントがカウンターに峰内を繰り出す。
「貴女単独で私を倒せるとでも?」
「奏……………ッ!」
峰内を受けて気絶した奏を抱え上げたデスドーパントはテレポートジェムを砕く。
「目的は果たしました。呪いの旋律を手に入れるまでにはいきませんでしたが、えぇ、一先ずはこれで」
そう言い残してデスドーパントは奏と共に消え、三人の装者達が残された。
――――――夕刻。政府が保有している施設の客間に、束の間の休暇を楽しんでいた面々、緒川と藤尭はいた。
「主を喪って尚襲い掛かる人形に、ラメンター……………」
「どうして優位に事を運んでも、トドメを刺さずに撤退を繰り返しているんだろう?」
「とんだアハ体験デスッ!」
マリア達を追って来たガリィの戦闘力なら、理性の欠片もない暴走状態に陥ったマリアの殺害など容易い事だったはずだ。結局、駆けつけてきたアクセルによって妨害されてしまったが、アルカ・ノイズを使って未来とエルフナインを人質にするなりすれば、それだけで戦況を有利に出来たはずだ。場合によってはマリアか竜のどちらかを殺害する事も出来たかもしれない。
「照井竜」
「ん?」
「ガリィ・トゥーマーンは撤退する直前、『ようやく呪いの旋律を手に入れられるかと思ったのに』と言ったのかい?」
「あぁ。どうやら奴らは『呪いの旋律』というものを欲しているらしい。恐らく、イグナイトモジュールの事だろう」
「あん? 待てよ、照井。イグナイトモジュール……………というより、ダインスレイフはエルフナインちゃんがあいつらから奪ってきたものだったはずだろ? なんでそれを応用して組み込んだイグナイトモジュールを奴らが知ってるんだ?」
翔太郎の御尤もな疑問に「ふむ……………」とフィリップが顎に手を当てて考え込む。そんな彼を横目に、克己は自分の考えを口にする。
「内通者、という考えもあるんじゃないか?」
「内通者……………。つまり、裏切り者という事ですか?」
「イグナイトモジュールが開発されたのは本部内での出来事だ。キャロルとアルケウスとの戦闘時、響達がイグナイトモジュールを使っても、奴らはまるで驚いた様子を見せていなかった。それどころか、こいつらがイグナイトを使う事を望んでいたようにも見えたぞ」
「言われてみれば……………」
「確かに……………」
初めて敵方にイグナイトモジュールを使った時、キャロルはまるでその存在を知っているかのような口ぶりでアルカ・ノイズを召喚してきた。初めてイグナイトを使われた相手が示す反応ではない。
「その可能性も充分に考慮すべきだろう。まだ確定したわけじゃないが、S.O.N.G.内にスパイがいると考える必要があるかもしれないね。大道克己、君はその内通者に心当たりはあるのかい?」
「あぁ」
キッパリと即答した克己に、その場にいた者達の視線が集まる。
「内通者の正体は――――――エルフナインだろう」
「そんなッ!」
真っ先に反応したのは響だ。椅子から立ち上がり、拳を握り締めて克己に反論する。
「エルフナインちゃんは絶対に裏切り者なんかじゃありませんッ! あの子、全然そんな素振りしてないじゃないですかッ!」
「潜伏先にバレるようなスパイなんて三流もいいところだ。チフォージュ・シャトーなんていう代物を用意している以上、向こうもそれなりの準備を整えているはずだ。そんな時に敵方に送り込むスパイが三流なはずがない」
「確かに、エルフナインちゃんが内通者である確率は極めて高い」
「おい、フィリップッ!」
克己の意見に賛同したフィリップに翔太郎が声を荒げるが、フィリップは臆する事無く「わからないのかい?」と問いかける。
「イグナイトモジュールの完成にはダインスレイフが必要不可欠だった。それを敵から逃げてきたエルフナインちゃんが持ってきて、尚且つキャロル・ラメンター陣営への対抗手段として『Project IGNITE』を推奨してきた。暴走という危険性を孕んではいたが、彼らへの対抗手段がほとんどなかったせいで、僕らはその選択肢を取らざるを得なかった。ところが、敵方はイグナイトモジュールの存在を把握していた。彼らが呪いの旋律を求めているのがその証拠だ。その旋律を奏でる事が出来るのは、ダインスレイフの力を宿したシンフォギアシステムだけだからね。ここまで話せばわかるだろう?
つらつらと並べられる言葉に、誰もが納得するしかない。まるで、自分達が何者かに敷かれたレールの上を走っているような気持ちになってくる。
「あまり考えたくない事だけど、今までの出来事のほとんどが、彼らの思い通りだとしたら……………。これほど恐ろしい事はない」
「って事はなんだ? あたしらは知らず知らずのうちに、連中のお手伝いしていたって事かよッ!?」
イグナイトモジュールを手に入れて、ようやくキャロル・ラメンター陣営に対抗できると思っていたのに、それすら向こうの狙い通りの展開だとしたら、という考えに苛立ったクリスが声を荒げた。
「どうするの、克己。エルフナインの事」
「許可を貰えるのなら拷問という手もあるが……………。そんな目をするな。ボスからの指示が無い限り、俺達がその手段を取る事はない」
『拷問』という単語を聞いたNEVER以外のメンバーからの視線に、克己は軽く手を振って返す。雇い主である弦十郎が「そうしろ」と言わない限り、自分達がその手段を取るなどあり得ない。それはこれまでの生活の中でなんとなく理解できていた全員がわかっていた。
「気付かれないように監視するってのはどうだ? プライバシーを侵害するのはどうかと思うけど、敵に情報を送られるよりはマシだろ?」
「司令に連絡を取ってみます。こちらの情報が敵に筒抜けなのは見過ごせませんからね」
翔太郎に頷いた緒川は、本部にいる弦十郎に連絡を取り始めた。
(――――――私が弱いばかりに、魔剣の呪いに抗えないなんて……………)
一方、ビーチに一人佇んでいたマリアは、先の戦闘で暴走してしまった自分に対して怒りを感じていた。
オートスコアラーを倒す為、そして敵の尖兵と化したセレナに人殺しをさせない為、イグナイトモジュールを使ったにも拘わらず、自分はダインスレイフの力に抗えず暴走状態に陥ってしまった。
呪いに呑まれてしまった弱い自分が、酷く情けない。
「……………強く、なりたい。……………?」
その時、足元になにかが転がってきた。拾い上げてみると、それはボールのようだ。
「あ、ごめんなさいッ! 皆さんの邪魔をしないよう思ってたのに……………」
ボールを追って駆け寄ってきたのはエルフナインとミーナだ。響達の話し合いの場に自分達がいるのは少し違う気がしたのか、二人でビーチバレーの練習をしていたらしい。
「邪魔だなんて。練習、私も付き合うわ」
マリアを交えて、三人はサーブの練習を始める。ミーナがエルフナインが打ちやすいようにボールを上げ、それをエルフナインがマリアに向かってサーブを打つのだが、どうしても失敗してしまう。
「……………おかしいな。上手くいかないな、やっぱり……………」
「最初から出来るわけじゃないからね。出来るようになるまで付き合ってあげる」
「私もよ。……………ねぇ、エルフナイン」
「はい?」
ミーナが浮かせたボールを受け取ったエルフナインに声をかけるマリア。
「色々な知識に通じている貴女ならわかると思うんだけど……………強いって、どういう事かしら?」
マリアの問いかけに、エルフナインは一瞬黙った後、口を開く。
「それは、マリアさんがボクに教えてくれたじゃないですか」
「え……………?」
それはどういう事か、と訊ねようとした瞬間、突然海面から水柱が立ち昇った。そこから現れたのは、ガリィとセレナだ。だが、セレナの様子がおかしい。昼間戦った時よりも、より凶悪な雰囲気を纏っている。
「おっ待たせ、ハズレ装者」
「ガリィ……………ッ!」
「二人共、私の後ろにッ!」
「今度こそ歌ってくれるんでしょうね?」
エルフナインとミーナを背後にペンダントを握るマリアに笑いかけ、ガリィはアルカ・ノイズを繰り出してくる。
「大丈夫ですッ! マリアさんなら出来ますッ!」
「――――――
エルフナインの声援に応えるように、マリアは銀の左腕を用いてガリィとセレナ、そしてアルカ・ノイズを迎え撃つ。