『選択』 〜ヒーローになるための〜   作:りんごあめ

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第11話よろしくお願いします。


第11話 バカなやつら

オールマイトがピンチかもしれない、そう悟った俺は轟と一緒に中央の噴水広場を目標に走っていた。そんな中、わずかな違和感を感じる。

 

「広場のあたり、あれほど騒がしかったのにいきなり静かになったな」

 

「そうだな、やけに静かだ。オールマイトが戦ってるとは思えねえくらいに」

 

ついさっきまでは爆発音みたいなのが何度も鳴っていたしどデカい水しぶきも立っていた。だというのに今はなんの音も聞こえない。もう既にヴィランを捕まえたってことならいいが、やはり活動限界のことを知っていると心配になってしまう。さっきから胸騒ぎが収まる気配がない。やっぱり自分の目で確かめずにはいられない。

 

 

 

 

 

「おい……なんだよあれ…!?」

 

「連中は本当に策を持っていたみたいだな」

 

「つっ立ってるヒマなんかねぇ救けるぞ轟…!」

 

結果として悪い予感は的中していた。オールマイトは気味の悪いヤツに捕らえられその下には黒いモヤが妖しく揺らめいている、まさに絶体絶命という状況だった。

すぐにオールマイトを救けようと走り出したその瞬間、気づく。

 

「……っ!?おい轟、オールマイトは任せたからな!」

 

「…?何をするつもりだおまえ」

 

 

 

 

「決まってんだろ、ダチを救けんだよ!」

 

そう告げて進路を変えデックンのいる方向へ駆ける。

涙目になりながらこちらへ向かうあいつの前にモヤのヴィランが立ちふさがり今すぐにでも呑み込もうとしていた。

そんなことはさせるかとモヤの中からうっすらと見えた首のようなところめがけて飛びかかりそのまま地面に叩きつけた。

 

「っしゃ、確保!!……ありゃ?爆豪なにしてんだこんなことで」

「っるせェ!!テメエこそなにしてんだ邪魔だ殺すぞ!」

 

ヴィランをやけに軽く叩きつけることができたことを不思議に思い横を向くとそこにはギロりとヴィランを睨む爆豪がいた。まぁ、頭上で爆発が起こってたり怒鳴り声が聞こえたから薄々わかってはいたけど。とぼけた声で問うと案の定キレられた、あ〜コワイコワイ。

 

「無事か?……デックン!」

 

そんなこんなでいまにも泣きそうなデックンに思いっきり笑みを見せてやった。

 

 

 

轟や切島が体に手をつけまくる気味の悪いヴィランと向かい合う中、

先程よりも小さな爆発が起こった。

 

 

 

 

 

「動くなァ!へっ、怪しい動きをしたと俺が判断したらすぐ!爆破する…いいなァ!!」

「いでてでで!オマエ!俺も触れてんの忘れてんのか!?痛えし熱いだろうが!」

 

「あァ!?んなモン知るか引っ込んでろノアァ!!」

 

俺がいることもお構いなしに爆破をしかけた爆豪に抗議するがそんなこと知ったこっちゃないといったように怒号を返される。やはりコイツには共闘する気など毛頭ないらしい。

はぁ、とため息をつき抑えているヴィランに視線を落とす。

 

「まぁでも、俺も同じだからな?怪しい動きをしたらすぐ地面にめり込ませる……。わかったかモヤモヤヴィランさん?」

 

「っ…!ん、キミはもしや……。」

 

人差し指でコンコンと首をつつきながらそう言うとヴィランは不満げな息をもらし俺を見上げた、と思ったら意味深につぶやき黄色の目をスっと細めた。

 

「ん、なんだよ俺はお前みたいなやつ知らないぜ。実は俺とアンタは親戚だから見逃してくれとかそういう情に訴える作戦なら無駄だから諦めてくださいごめんなさ〜い」

 

コイツは何やら俺を知っているふうだったがこっちは身に覚えがないので適当なことをまくしたてみた。こう言って見ればなぜ俺を知ってるのかポロッとこぼしてくれないかと思ったんだがヴィランは何も答えず大人しくなった。そのかわり、

 

「ごちゃごちゃうるせェ黙ってろクソが」

 

なぜか爆豪に怒られた。答えてほしかったのはお前じゃねぇんだよチクショウ。

 

 

 

 

「攻略されたうえに全員ほぼ無傷、すごいなあ最近の子供は……」

 

ここまで一言も発してこなかった手のヴィランが静かに声を上げた。それにつられ俺達も警戒してヴィランの方へ視線を移す。

 

「恥ずかしくなってくるぜヴィラン連合。……脳無」

 

冷たい声でそう言うと脳無と呼ばれたソイツは不気味なうなり声を上げると轟に凍らされた腕と脚を切り離されながらも動きだした。

 

「なんだ…?ショック吸収の個性じゃないのか!?」

 

何事もなかったかのように再生されていく手足。その異常な光景にオールマイトも含め全員が絶句している中、ヴィランが薄気味悪い笑みを浮かべながらその問いに答えた。

 

「別にそれだけとは言ってないだろ?これは『超再生』だね。脳無はお前の100%にも耐えられるよう改造された超高性能サンドバック人間さ…!」

 

完全に再生され元通りになったソレに俺達が身を固くする中、続けてヴィランが指示を下す。

 

「まずは出入口の奪還だ、行け脳無」

 

出入口の奪還、その言葉の意味に気づくまでの2秒とかからない僅かなその時間に脳無は既に俺と爆豪の前で拳を振り上げていた。

出入口とはつまり俺達が抑えていた黒モヤのヴィランのこと。

コイツを手放すのは惜しいがオールマイトすら苦戦したコイツの攻撃をくらってはひとたまりもない。

眼前に迫る大きな拳に無傷でいられる可能性は低いと悟りながら僅かな可能性に賭け、爆豪の腕を掴み後ろへ飛び退こうと個性を発動させようと両足に意識を送る。

 

 

 

 

直後、暴風と爆音が辺りに轟く。

 

 

「…ぁ!かっちゃん、ノア君!!」

「あ、はい」

「ノア君!?!?避けたの…?すごい!」

 

「いや……」

 

声を荒らげ名前を呼ぶデックンに寝起きのような生返事をする。

一瞬の出来事だった。

俺が個性を使うよりも早く体が浮いた、気づいた時には既にここで尻もちをついていた。

速すぎて何も見えなかった、この一瞬でそんなことできんのは1人しかいない。今もなお粉塵の立ちこめる方へ目を凝らす。

 

「……ハァ…加減を知らんのか…!」

 

そこには着ていたシャツは破れ、ぜぇせえと肩を息をするオールマイトの姿が。

あの一瞬の間に俺達2人をここへ投げて庇ったってことか…。オールマイトの救けに少しでもなればとここへ来たっていうのに、自分達のせいで彼に余計な負傷をさせてしまったことへの後悔に唇を噛む。

 

「仲間を助けるためだ、仕方ないだろぉ?

俺はなあ…怒ってるんだよオールマイト!同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に!

なぁにが平和の象徴、所詮抑圧のための暴力装置だオマエは!

暴力は暴力しか産まないと!オマエを殺すことで世に知らしめるのさ!!」

 

「めちゃくちゃだな…。そういう思想犯の芽は静かに燃ゆるもの。

自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ…!」」

 

声高らかに上げた主張を嘘つきと厳しく切り捨てるオールマイトの言葉を聞くと顔を覆う手の指の間から覗く目を妖しく細め、

 

「バレるのはやっ……」

 

嘘を看破されたにも関わらず愉しそうに一言発した。

 

 

 

 

ヴィランの狂気を感じる行動や言葉にやや引きながらも俺達生徒もヴィランと交戦する姿勢を見せる。

 

「…3対6だ」

「モヤの弱点はノア君達が暴いた…!」

「とんでもねえやつらだが俺達もいりゃあきっと撃退できる!」

「ま、やるっつっても俺達にできんのはサポートぐらいだろうけど…やるか!」

 

 

「ダメだ…!逃げなさい!」

 

しかし、プロの本気を見ていなさいと俺達の救けは不要だから逃げるよう促すオールマイト。

 

「オールマイト血が!それに時間だって!……っ」

 

デックンの心配にも黙ってピンッと親指を上に立てる。

私なら大丈夫、そう語るその大きな背中を俺達を黙って見つめる。

 

 

「脳無、黒霧やれ。俺は子供をあしらう。

さあクリアして帰ろう…」

 

ヴィランの1人が俺達を狙い駆け出す。

 

「お、マジで来やがった」

「やっぱやるしかねぇ!」

 

俺と切島の声にデックン達も戦闘態勢に入りヴィランを睨む。

 

 

 

 

「ぐっ……!なぁ俺らのサポート、マジでいらないんじゃないかこれ!?」

「真正面からの殴り合い…!?」

「す、すげえ!!」

 

 

俺達はヴィランと戦うために前に踏み出すことはできず後ろへ吹き飛ばされていた、それはヴィランも同じくだが。

ただ2人、オールマイトと脳無と呼ばれるヤツを除いて。

 

オールマイトと脳無の拳が激突した直後、凄まじい暴風が吹き荒れる。それはその2人を中心とし他の誰もが近づくどころか立ち上がるのがやっとなほど、俺達もヴィランも2人の戦いの行く末を見ることしかできなかった。

 

目にも止まらぬパンチの撃ち合い、その最中オールマイトが叫びを上げる。

 

「私対策?私の100%を耐えるなら!さらに上からねじ伏せよう!!

ヒーローとは……常にピンチをぶち壊していくもの!

ヴィランよ!こんな言葉を知ってるか!?

さらに向こうへ…!

PLUS ULTRA!!!!」

 

 

無数のパンチの後、雄叫びと共に放たれた渾身の一撃が炸裂し、

脳無は一直線にUSJの天井付近の壁に激突するとその勢いは弱まることなく壁を突き破り青空の彼方へと吹き飛ばされていった。

 

 

「始まってから1分も経ってなかったぞ…流石はNO.1ヒーロー…」

 

「究極の脳筋だ……」

 

「デタラメな力だ、再生も間に合わねぇほどのラッシュってことか……!」

 

俺と切島、それに爆豪までもが呆気に取られ立ち尽くす。

ちょっとチンピラを楽に倒せたからといって俺達は調子に乗っていた…。ヒーローを目指す生徒とプロのヒーローの力の差ってやつをそれはもう見事に見せつけられてしまった。

デックンと轟も同じように目を見開き驚愕している。

 

 

そんな俺達が見守るなか、オールマイトは残った2人のヴィランに向き直る。

 

「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに…、

300発以上も撃ってしまった。

……さてとヴィラン、お互い早めに決着つけたいね」

 

 

「衰えた?嘘だろ...完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を...チートが!!

全っ然弱ってないじゃないか!…アイツ俺に嘘を教えたのか!?」

 

「どうした?来ないのか?クリアとかなんとか言ってたが...できるものならしてみろよ…!!」

 

冷静な声で語りかけたオールマイトに対しヴィランはというと、自らの首を掻きむしり取り乱していた。どうやらここにはいない誰かに激怒しているらしい。これは逃げ帰るのも時間の問題だろう。

 

 

「落ち着いてください死柄木弔」

 

モヤの男が取り乱すヴィランに声をかける。何か話しているようだがここからでは聞こえない。だがそれより今気になることは……。

 

 

「……なぁマジでやばいんじゃないか?」

「…うん、あれは虚勢だ…。土埃に紛れてるけど変身の時の蒸気みたいなのが出てる、オールマイトは!」

 

デックンも気づいていたようだが、オールマイトはやはり限界を迎えている。

入試までの特訓の時に何度も見たあの姿から痩せこけた細男になる時、あるいはその逆になる際に噴き出していた煙がオールマイトの至る所から出ていた。このままいくとヴィランや他の生徒達にバレてしまう。

平和の象徴の秘密が知られることになる、絶対に阻止しないと…!

でも俺達に何ができる…?俺達にオールマイトを救けることなんてできな……

 

「僕だけが知ってるんだ……危険度で考えればモヤの方だ。オールマイトは限界を超えてしまってる、モヤに翻弄されてしまえばきっと…!」

「……は?おまえ何言って…!?」

 

俺が必死に頭で考えを巡らせるなか、隣のデックンが突然ぼそぼそとつぶやく。まさかと思い腕を掴もうと手を伸ばす、がその手は虚しく空を切る。オールマイトへとモヤを拡げるヴィランめがけ飛び出していた。

 

「オールマイトから離れろ!!!」

 

そう叫びながら拳を引きしぼるデックン。両足は折れぐにゃぐにゃとなりモヤから手のヴィランがデックンに触れようと手を伸ばしていた。

 

 

 

 

 

 

 

まったく、バカなやつだ。

自分にはそんな力はないと分かっていながらヒーローが現れたらいつもその現場に駆けつけ子どものように目を輝かせ、ヒーローに憧れて、役に立つかも分からないノートを何冊も作って。

 

自分にはそんな力はないと分かっていながらそんなことお構い無しに考えなしに誰かを救おうと飛び出す。俺がいじめられていた時も爆豪とヘドロヴィランの時も…そして今も。

自分が危険に晒されるのに、今なんか殺されようとしてるってのに頭では分かっていながらお前はいつも考えるより先に体を動かして…。

 

 

ほんっとバカなやつだ。大バカ者だ。

 

 

 

 

 

でもそんなお前と同じくらい、下手すりゃそれ以上にバカなやつもいる。

 

 

 

 

「そいつに触るなああぁあ!!!!」

 

 

 

そんなお前の後を追ってヒーローのことで子どもみたいにはしゃいだり、

そんなお前の後を追って考えなしに危ないとこに飛び出していく俺も…!

 

 

 

 

大バカ者だよな!!

 

 

 

 

ヴィランが触れる直前、オールマイトのいるあたりまでデックンを後ろへ弾き飛ばす。そうして姿勢を低くし左手を地面に叩きつける。

ヴィランも俺の乱入に一瞬動きを止めたがすぐに標的を変え俺へと手を伸ばす。

 

ヤツの手が俺へと届くまで1秒もない。

……だがそれだけで十分だ。あるイメージを浮かべながら左手に力を込め個性を発動させる。思い浮かべたイメージは……、

 

 

 

 

 

 

『壊す』。

 

 

 

その瞬間、俺を中心として地面に円形にヒビが入る。と同時にオールマイトのパンチの爆風にこそ届きはしないがそれに負けず劣らずの爆風が吹き荒れ、ヴィランも驚いたように顔を腕で覆って後方へと吹き飛ぶ。

 

 

俺の個性は拒絶することで3つのことができる。

『透過』、『反射』、そして『衝撃波』。

 

壊したい、そうイメージすることで発動できる母親譲りの個性。

触れている物にヒビを入れるほどの衝撃を与えるだけでなく、大きな爆風も引き起こしてしまう。

少しでも時間が稼げりゃそれでいい、きっと増援が来てくれるはずだ。

 

 

「ノア君!」 「三神少年!!」

デックンとオールマイトが叫ぶ。顔からしてめちゃくちゃ心配してくれているらしい。大丈夫だと右手を振って答えておく。

ヴィランもこれでビビって帰ってくれたり……

 

 

 

「ほんっと……最近の子供は乱暴なことするなぁ…、危ないじゃないか……。」

 

しなかった。

 

「があぁ、ぁあっ…!くそっ、やっぱ無理か…」

 

流石にやばいと立ち上がり後退しようとするが左手に走る激痛に悶えすぐに膝をついてしまう。

 

最後に『衝撃波』を使ったのはもう何年も前だ。あの頃より体は鍛えていたし腕が折れてしまうほどの負荷にも耐えられるかと思ったがそう上手くはいかなかったらしい。左腕は折れ、少しでも動かそうとすれば激痛が走り立ち上がるのも一苦労なくらいだ。

ほんとにまずいな、ヴィランがこっちに進みだしてきてるってのに動くこともままならい。

俺このまま死ぬんじゃないか…?

 

俺が動けないと知りわざわざ歩いて気味の悪い笑い声を上げながら近づいてくるヴィラン、

もう一歩近づけば触れられてしまうというところまで来たその瞬間、ヴィランの手に1発の弾丸が撃ち込まれた。

 

「来たか!!」

 

 

オールマイトの嬉々とした声に振り向くとそこには雄英の教師…いや、プロヒーローの群勢が。そしてその先頭に立つやつが1人声を張る。

 

「1-Aクラス委員長、飯田天哉!ただいま戻りました!!」

 

さすがは委員長、増援を呼んできてくれたのは飯田のようだ。後でお礼言っとこう。

 

飯田の呼んできた教師陣が来てからはそれはもうあっという間だった。

プレゼントマイクやエクトプラズム、スナイプをはじめとした大勢の現役プロ達は次々に残ったヴィランを倒し、生徒達を保護していった。

 

 

 

 

 

 

「まっ…たく、また考えなしに…!突っ込みやがって」

 

「ノア君だって同じじゃないか…!でもありがとう……

僕は、何も……できなかった」

 

左腕の痛みに顔をしかめながらよろよろと歩き声をかける。デックンは体を震わせ自分を責め悔しさに拳を握りしめていた。そんなことないぜと慰めの言葉をかけるが首を横に振り続けている。これはどうしたもんか、聞く耳もってくれそうにないなこれは…

 

 

「そんなことないさ…!

君達のあの数秒がなければ、私はやられていた。

また…救けられちゃったな!」

 

そんな中でオールマイトが静かに語りかけてくれる。

蒸気を上げ本来の姿に戻ってしまったが変わることのないその力強い瞳で見つめ優しく微笑む。その姿にこらえていた涙が溢れだし、ぐしゃぐしゃになった顔で精一杯の笑顔でうなずいてくれた。

 

「オールマイト、無事で…よかったです……!!」

 

───こうしてUSJ襲撃事件は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なるほどねぇ〜、確かに急に疲れるなコレ…」

 

「うん、そうだよね…腕もう平気?」

 

「おう、すっかり元通りだ、心配ありがとな」

 

「2人とも本当にすまない、そしてありがとう。私のために…」

 

「「いえいえ、無事でよかったですオールマイト」」

 

 

俺とデックン、そしてオールマイトは学校の保健室で3人川の字になってベッドに横になっていた。

 

 

飯田の呼んできた先生達によってすぐにヴィランは拘束、そしてA組の生徒達も保護された。幸いにも自分の個性で自爆した俺とデックン以外は大した怪我もなく無事だったらしい。

 

俺達を心配し駆け寄ってくれようとした切島にトゥルーフォームのオールマイトを見られそうになって大慌て…なんてこともあったりして大変だった、めちゃくちゃ焦ってるオールマイトは少しおもしろかったけど。

 

 

そんなこんなで保健室に運ばれた俺達はリカバリーガールの治癒を受け今に至る。

 

「多分だが…私また活動限界早まったかな……。」

「えぇ…!?」

「…まじすか」

 

突然ぼそっとオールマイトが衝撃的なことを言いだした。

 

「1時間くらいはまだ欲しいかな……

まっ、仕方ないさ!こういうこともある」

 

仕方ないと割り切ったような言い方をするオールマイトであったが、そう語る背中はトゥルーフォームであることも相まってかひどく小さく、そして悲しげに見えた。

 

 

 

 

 

 

「「ありがとうございました」」

 

リカバリーガールとオールマイト、そして先ほどやって来たオールマイトの友人だという警察の塚内さんを一瞥し頭を下げ保健室を後にする。

 

オールマイトは塚内さんと今回の事件について話をするらしく俺達はひと足先に帰ることにした。

 

 

 

そうして校門を出ると近くに見慣れた車が停まっていることに気づく。

 

「2人とも無事でよかったです、お迎えにきましタ♡」

 

 

 

「なぁ千年公、なんで迎えにきてくれたの?」

 

運転する千年公に問いかける。

 

「学校から連絡があったんです、君達のクラスがヴィランに襲われて乃亜が怪我してしまったと。まさか出久君もだったとは思いませんでしたけどネ、オッホホホ」

 

「すみません、僕まで車に乗せていただいちゃって…」

 

「家も近いんだし気にしないでください、それにいつも乃亜と仲良くしてもらってるんですからこのくらい当然ですヨ」

 

申し訳なさそうに言うデックンに高らかに笑って答える千年公、治癒を受けたこともあるし今日はめちゃくちゃ疲れてたから正直車で帰れるのはすごくありがたい。

 

いつもの間にか隣に座るデックンは眠っていた。それを見た俺もその後すぐに眠気に襲われ気づくとデックンの家の前に着いていた。

手を振って家路につくデックンを見送って自分達の家に着くまで外の景色を眺めながら考える。

 

 

 

保健室でオールマイトが言っていた。

 

「生徒達もまた戦い、身を呈した。

こんなにも早く実戦を経験し、生き残り…

大人の世界を、恐怖を知った1年生などいままであっただろうか。

ヴィランもバカなことをした。このクラスは強い、強いヒーローになるぞ!

私はそう確信しているよ」

 

そう俺達のことを見て力強く言ってくれた。

 

オールマイトがこれだけ言ってくれたんだ、その期待に応えられるように。今日のオールマイトや他の先生達のように皆を救け、安心や希望を与えられるヒーローになろう、強くなろう。と。

 




読んでいただきありがとうございました!

更新が2ヶ月ぶりになってしまいました、すみません。
またできるだけ早く更新できるように頑張ります(^^;

前回言っていた通りUSJ編はこれにて終了です。
次回からは体育祭ですね。展開はもうある程度決めているので、できるだけ早く書き上げられるように努力いたします(笑)

次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
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