『選択』 〜ヒーローになるための〜   作:りんごあめ

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お久しぶりです。
あれれ、11月中に投稿するつもりだったんだけどなぁ〜気づけば12月も半分終わってるよ、今年ももう終わっちゃうよおかしいなぁ〜……
お待たせしてしまいすみません!文量も今までで一番長くなってしまいましたので時間のある時に読んでいただいたほうがいいかも?(^^;

第27話よろしくお願いします。


第27話 プロヒーローをたずねて・知る者たち

 ヒーロー殺しとの一件があった翌日。俺達4人は保須にある病院で治療を受け入院することとなっていた。

 4人共ケガの度合いに差はあれどここでひとまず落ち着いて療養をしろ、ということだったはず……なのだが、

 

「人を救けるのがヒーローの仕事だろ!!」

 

「だから君は『卵』だ……まったくいい教育をしてるワンね。雄英も……エンデヴァーも」

 

「っ……この犬ッッ!!!」

「うおお待て待て轟ぃぃそれはさすがにマズイって!相手は警察署の署長さんだって!たしかに犬だけどさぁぁ!!」

 

 落ち着いてなどいられない修羅場と化し、最悪の空気となっていた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「寝られたか?緑谷」

 

「ううん……あんまり」

 

「だろうな、俺もだ…………爆睡してたのは三神くらいか」

 

「ホントになんでってくらいぐっすり寝てたよね……羨ましいよ、あんなことがあったばかりなのに。なんなら寝相悪くてベットから落ちかけてたし」

 

「おい俺を無神経なバカみたいに言うんじゃないよ。俺だっていろいろ思うことはあったぜ?それでも今やるべきことはゆっくり休むことだと言い聞かせて無理やり寝ただけだからな……ほんとだぞ?」

 

 各々のベットに腰掛け向かい合うデックン達。一晩立ってそれなりに落ち着いてはきたものの、やはりまだ普段通りにとはいかず、病室には少しだけ重苦しい空気が流れていた。

 

 ……え、みんな疲れてなかったの?たしかに思うことはあったんだけどそんなこと考えてられないくらいベット入ったら疲れて即眠りに落ちてしまったんだけど、これは俺がおかしいのだろうか。

 

 

「冷静に考えるとすごいことしちゃったね。あんな最後見せられたら、生きてるのが奇跡だって思っちゃうよ」

 

「……そうだな」

 

「僕の脚、これ多分殺そうと思えば殺せてたと思うんだ」

 

「あぁ、俺達はあからさまに生かされた。あれだけ殺意向けられてなお立ち向かったお前はすげぇよ」

 

「いや違うさ、俺は──」

 

「おう、起きてるなケガ人ども」

 

 飯田がそう言いかけたところでノックもなしに病室の扉が開かれた。そこにいたのはグラントリノ、そしてマニュアルさん。

 

「小僧、お前にはものすごくグチグチ言いたい!……が、その前に来客だ」

 

 ズカズカと乗り込んでデックンに詰め寄るグラントリノはそう言って、くるりと後ろを振り返る。それに釣られて俺達も視線を病室の入口へと向けてみると、現れたのは

 

「保須警察署・署長の面構 犬嗣さんだ」

 

 

 

 

 

 

「すげぇ、犬のお巡りさんだぁ……!」

 

 やたらと背の高い、カッコイイ黒スーツを着たお犬さんが姿を現した。

 

 

 

 

「掛けたままで結構だワン」

 

 語尾にワンってキャラ徹底してんなぁこの人。

 

 立ち上がろうとした俺達を止める署長さんにそんな失礼極まりないことを思いつつ、やや強ばった顔で話に耳を傾ける。

 警察署の署長が直々に来るとか、もしかしてかなりヤバい話をされるんじゃないだろうな。俺達無事に家に帰れるんだよなぁ……?

 

「君達がヒーロー殺しをしとめた雄英生徒だワンね?」

 

「は、はい!そうですだワン!!……イテッ」

 

 即座にデックンから背中をはたかれた。つい、緊張して変なこと口走っちゃった。いけないいけない、失礼のないように気をつけないと。

 軽く咳払いをして念のため、「はい。」と改めて返事をしておいた。

 

「逮捕したヒーロー殺しだが……」

 

 ①火傷や骨折やらで結構重症だから厳戒態勢のもと治療してるよ。

 ②個性を『武』に用いないっていう決まり知ってるよね?

 ③ヒーローがその『武』に個性を使うのを認められてるのって先人の皆様がモラルやルールをしっかり守ってきたからなんだよね。

 ④資格を持ってない俺らが許可なく個性を使ったのはたとえ凶悪なヴィラン相手だろうと立派な規則違反だよ。

 ⑤だから俺達4人と師匠達プロ4人には厳正な処分が下されなきゃいかんよね。

 

 署長さんの話をまとめるとこんな感じだろうか。

 そうして飯田が駆けつけなきゃネイティブさん死んでたやろ、俺らがいなきゃ飯田達死んでたやろ……と轟が食ってかかったところで話は冒頭に戻るというワケだ。

 

 いやぁ署長さんが来て処罰がどーのと言われた時はびびったけど、今はその署長さんの胸ぐらを掴みそうな勢いで食ってかかってる轟にびっくりしてるね。まさか警察署の署長を犬呼ばわりするとは思わんだ。

 

「まぁ話は最後まで聞け!」

 

 とここでグラントリノが轟の前に立ち止めに入る。どうやら話は終わっていないらしい、ここまで言われるとこれ以上何言われるんだか皆目見当もつかないが。

 

「以上が警察としての公式見解………で処分云々は公表すればの話だワン。公表すれば世論は君達を褒め称えるが処罰は免れない。だが汚い話、公表しなければ火傷や弾丸などの傷跡から、エンデヴァーやジャッジメントを功労者に擁立できるワン。目撃者も限られているしこの違反はここで握りつぶせるんだワン。

 だが君達の英断と功績も誰にも知られることはない。どっちがいい?

 ……一人の人間としては前途ある若者の偉大なる過ちにケチをつけたくないんだワン!」

 

 

 なんだよこの人めちゃくちゃいい人じゃねぇか!

 最後にそう言って親指をピンと上に突き立てる署長さんに心の中でそう叫んだ。

 警察署の署長ということもあり最初は規則に厳しくて現実を見せつけてくる人だと思っていたが、評価がぐるりと変わってしまった。ちくしょう、すげぇカッコよく見えてきたぜ署長さん。

 

 目先の手柄を取るか、これから先の俺達を取るか。

 互いに顔を見合わせる。しかしそれも一瞬のこと、小さく笑ってすぐに答えは出た。口に出して確認するまでもなかった。

 

 

「迷惑かけてすみませんでした、よろしくお願いします」

 

 全員で謝罪をして静かに頭を下げる。俺達が選んだのは今回の手柄は捨てて公表はせず、これからへ活かすため反省するほうだった。

 

「大人のズルで君達が受けただろう称賛はなくなるがせめて、共に平和を守る人間として……ありがとう」

 

 署長さんはそう言って深々と頭を下げてくれた。

 

「たしかに俺らの頑張りってやつが知られることはなくなったけどいいんです、俺達がお互いの必死な姿を見てたから。それを知ってるやつらならここにちゃんといます」

 

 思いきり笑って親指でデックンたちの方を指して言うと、署長さんも小さく笑みを見せて頷いてくれた。

 

 

 こうして路地裏での俺達の戦いは人知れず終わりを迎えた。

 本当ならニュースなんかでも取り上げられてお手柄だと褒められることかもしれないがこれでいいんだ。

 それを知る人ならちゃんといる。俺達の活躍は俺達が知っている、知っているやつが3人もいるんだ。ただそれだけでいい。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その日の午後。

 

「ノア君飯田君、さっき麗日さんがね!」

 

「緑谷、飯田さっき診断が終わったとこなんだが……」

 

 電話するため病室を出ていたデックンが明るい声で戻ってきたところで、轟がそれを遮って黙る。

 そうなればデックンも何か悪いことがあったと察して不安の色を浮かべ、飯田のほうを見る。

 

「左手に後遺症が残るそうだ。左腕のダメージが特に大きかったそうでな、神経をやられてしまったらしい。まぁでも手指の動かしづらさと多少のしびれくらいで神経移植すれば治る可能性もあるらしい」

 

 淡々と状況を説明する飯田に苦い顔をして俯いてしまうデックンを横目に、ベッドに座り直した俺は少々気になったことを問いかけてみる。

 

「動かしづらさとしびれくらいって神経を損傷してる時点でなかなかに重症だろ。なのに思ってたより落ち込んでたりショック受けてる感じしないな、おまえ」

 

「ヒーロー殺しを見つけた時、何も考えられなくなった。マニュアルさんに伝えるべきだった、なのに怒りで我を忘れてしまった……ヤツは憎いがその言葉は事実だった。

 だから俺が本物のヒーローになれるまでこの腕は残そうと思ったんだ。……戒めというやつさ、この腕と共に俺は前へ進む。そう考えたらここで落ち込んでなどいられないからな!」

 

「……そっか、もう全部受け入れてのみ込んだってワケか?強いな、お前は。カッコよすぎて惚れちゃうねぇ」

 

「はは、そんなことないさ。強くもカッコよくもないさ俺は」

 

 そう言って苦笑して頬をかいているがそんなことはないだろう、と俺は思う。

 

 短期間にあれだけの悲しみや怒りを背負わされたのに。

 感情のままに選んだ道を間違っていたとすぐに受け入れ、同じ過ちは繰り返さないと前を向くのはそんなに簡単なことじゃない。復讐が動機なら尚更だ。

 それができるお前はほんとに強いよ、強い心の持ち主ってやつだろうよ。

 

「僕も同じだ。一緒に強く……なろうね」

 

「あぁ……!」

 

「おいおいなに2人だけで盛り上がってんだよコラ、俺も混ぜろっての」

 

 ぴょんと勢いよく腰掛けていたベッドから立ち上がり、互いに頷いて拳を突き合わせるデックン達に近寄る。強くなりたいと思ったのは俺も同じだ。

 

「そうだね、ごめんごめん。みんな気持ちは一緒だよね」

 

「そりゃそうさ。ほら轟!お前もこっち来いよ」

 

「……あ、あぁ?」

 

 何故か遠慮気味に首を傾げなからノソノソと歩いてくる轟。おまえだってみんな気持ちは一緒だよねっつった時頷いてたの俺はしっかり見てたんだからな。

 

 

「よぉ〜し!んじゃ『路地裏の戦いで運良く生き残った友の会』の諸君!」

「なんだそのダサい名前は。……いつの間にそんなこと決めてたんだ?」

 

「いま俺がテキトーにつけた。あれ?もしかして轟クン自分だけ仲間はずれにされたと勘違いしちゃった?」

 

「……………ちげぇ。」

「んだよその間は。図星かよ分かりやすいな、心配すんなって今更んなことしねぇよ」

 

「…そうか」

 

 あ、今こいつ明らかにほっとしたぞ。ちょっとニヤっとしたぞ。

 轟クンったら意外と可愛いとこあるじゃねぇか。そんなん見せられたら惚れちゃうぞ?惚れないけど。

 

「まぁともか〜く!今後はこのようなことにならないよう反省し、正規の活躍ができるよう強くなるぞぉ〜!!」

 

「「お、おぉ……」」

 

「声が小さあぁぁいもう一度!あと轟テメェはそもそも声を出しやがれ!!強くなるぞぉお!!」

 

「「お、おぉー!!」」

「ぉぉ……」

 

 そんなことを言って4人の拳を一斉に突き合わせる。俺の変に高いテンションに戸惑ってこそいたが、合わせていた拳を見る皆の顔にはそれぞれ笑みが浮かんでいた。

 

「若干1名声が小さいけどまぁいいか」

 

「急にテンションが元に戻ったな三神君」

 

「も〜さっきのは一体なんだったんだよ、びっくりしたじゃないか」

 

「茶番。」

「自分で言っていいのかよそれ………というか、何か…悪い」

 

 各々のベットに戻ったところで他愛もない話をしていると、思い出したように轟が苦い顔して謝ってきた。なんのことだかさっぱりわからず3人揃って首を傾げる。

 

 

「俺が関わると手がダメになるみたいな感じになってる……呪いか!?」

 

「「「ッッ!?!?」」」

 

 轟が関わると手がダメになる?ケガするとかそういうことか?え〜??

 デックンは体育祭で轟と闘って手術が必要になるほどに腕をぶっ壊した。

 

 あ、そういや俺も体育祭で轟と闘り合って右腕をぶっ壊したんだっけ。

 

 そして飯田も昨日の一件で腕を負傷してしまったと。

 

 ……なるほど、確かに轟の関わったところで3人揃って腕ケガしてるなぁ。ふ〜ん…………

 

「「「ぷっ!あはははは!」」」

 

 と、納得したところで揃って笑い声を上げる。当の轟はなんで?とでも言いたげな顔で爆笑している俺達を見ている。

 いやいや、これは笑わずになんていられないだろう轟クンよ。

 

「と、轟君も冗談言ったりするんだね、はははっ!」

 

「ホントホント!マジメな顔して何言うのかと思ったら、呪いって……ふっ……!」

 

「いや笑い事じゃねぇよ!ホラ、なんか…アレだ、ハンドクラッシャー的存在に……!」

「「「ハンドクラッシャー!?!?ぶっ、アッハハハハハ!!!」」」

 

 轟の口から予想だにしていなかったハンドクラッシャーとかいう素っ頓狂な単語が飛び出してきて、俺達3人は声を裏返し腹を抱えて大爆笑する。

 アカン、コレはアカン。あの低い声であんなにマジメな顔してそんなこと言われちゃあ笑うなと言うほうが無理だろう。轟のやつ、俺が思ってる以上にギャグ線が高いのかもしれない。これは思わぬライバルの登場だ。適度にふざけて笑いを取ることを心がけている俺からすれば、これは大問題だ。今後は轟と笑いにおいてもしのぎを削らなけばならないのかもしれない……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あァ?なんだ、ケガ人にしちゃあ随分と元気がいいじゃねぇか」

 

 轟の投下してきた爆弾にやられ腹を抱えていると、いつの間にか病室のドアが開かれており、そこにはわざとらしく首を傾げる男が一人。

 

「あれ、師匠何してんスか。ここはレストランでもホテルでもないですよ?」

 

「ほう?カワイイカワイイどこぞのバカ弟子の見舞いに来てやった優しい師匠をお前は蔑ろにするのか。カナシイねぇ?」

 

「可愛いにも悲しいにもまるで感情が篭ってないんスよ、ちゃんと感情込めて出直して来てもろて」

 

「けっ、相変わらず口ばかり達者なヤツだ。せっかく見舞いの品まで持ってきたってのによォ」

 

「え、どれどれ〜?うおおおマジか、すげぇ初めて見た!」

 

 そう言って近くの机にゴトンと鈍い音を立てて、持っていた布をかけられたカゴを置く師匠。なんだろうとその布を取っ払うと、それはやたらと豪華なフルーツの盛り合わせだった。俺はもちろんデックン達も感嘆の声を上げる。

 

「こんな立派な物頂いていいんですか!?もったいないです!」

「そうですよ!僕らそんな大したことは、むしろ咎められることをしてしまったというのに……!」

「………美味そうだな」

 

 

 謙遜する2人と誰とは言わないがボソっと本音を漏らす男達に師匠はフンと得意げに鼻を鳴らす。

 

 

 

 

「まっ、こういう美味いモンでも食ってとっとと回復しておくことだ………バカ弟子以外はな」

 

「やぁ〜美味そうどれから食べようかなぁ…………いまなんて?」

 

 美味しそうなフルーツ達に目を輝かせていたところで何やら不穏なことを言われた気がして、くるりと師匠のほうへ身体を向ける。

 

「……聞こえたままの意味だが?」

 

「いやぁ〜よく聞こえなかったなぁ〜オカシイナァ〜」

 

「……そうか、それは残念だったな」

 

 と、ここで気づく。何だか師匠の様子がおかしいのだ。

 いや、あの人は元からおかしいのだがそういうことではない。あまりに静かすぎる、返事も淡白だし声色がいつもより静かだ。カツカツと靴を鳴らしゆっくりと俺に近づいてくる。

 なんだろう、すごく嫌な予感がする。お願いだから止まってほしい。いやほんとに止まって、一生のお願い、多分まだまだお願いするけど。

 俺の願いは叶うことなく、師匠は俺の前まで来るとピタリとその歩みを止めた。そして俺の肩を左手でガッシリと掴み離さなくなった。その力の強さから逃がさないよ?とでもいうような圧が伝わってくる。

 

 そうして師匠にしては気味の悪い笑みを浮かべながら右腕がゆっくりと上げらていく。

 あれれ?なんだか世界がやけにスローに見えるぞ?おかしいなぁ??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このバカ弟子がァァァ!!!」

 

「ふぁぁあァああああああああぁぁぁ!?!?!?」

 

 ものすっごい勢いで頭をはたかれた。

 

 ベチィィィィンン!!と凄まじい音をではたかれ、宝くじでも当たった人の喜びや驚きに満ちた雄叫びか、もしくは何かしら楽器を力任せにブーッ!と吹き鳴らしたようなやかましい耳障りな音のような声でで悶えしゃがみ込んで頭を抱える俺の姿に、ここにいる師匠意外の全員がギョッとして俺と師匠を交互に見ている。

 

 痛い、ものすごく痛い。『ヒーロー殺しに刺されたのとどちらが痛いですか?』と問われたらこっちですと即答します、現在それくらいの激痛が俺の頭を走り回っています。

 どうしてこうなった……?

 

「バカ弟子よ俺は言ったよな?俺だけには迷惑をかけるな、定時連絡をしろと」

 

「…………ハ、ハイ……」

 

「それが来なくなり外も騒がしいなと仕方なく出てみりゃ街はあの有り様だ。何故連絡をよこさなかった?」

 

「そ、それは連絡をする間もないくらいのっぴきならない事態が……」

「ならば尚更俺に連絡をすべきだったんじゃないのか?おかげで減給処分くらっちまったじゃねぇかよオイ……!」

 

「それは、まぁ……ハイ」

 

 悔しいが反論の余地がない、だからといってあんな思い切りはたくことはないと思うけど。

 確かにあの街の状況に脳無の出現、ヒーロー殺しとの戦闘、師匠に報告すべき緊急事態だった。飯田を救けなければ焦るからこそ協力を仰ぐべきだった。もしあの場に師匠がいたら……ヒーロー殺しは簡単に倒せていたかもしれない。

 

「すんませんでした……」

 

 大人しく頭を下げ謝る。今回は確かに俺の対応に非があった。学生という身分だ、先程の署長さんの話然り、こういう時の報告は特に重要であろう。

 

 

 

 

 ……だがそもそも師匠が最初から一緒に来ていればよかったのでは?というツッコミはしないでおいたほうが身のためかもしれない、俺の頭を守るためにそうしよう。自己防衛ってやつだ、うん。

 

「まぁだが捕まえてきた相手が相手だ。今回だけはさっきの愛ある右腕だけで許してやろう。

 ヒーロー殺しを倒して捕まえてきたのは予想外だった、ソイツを俺とシバキに行くのを最後の修行にしようと思ってたんだが」

 

「へ?そんなこと考えてたんスか。ヴィラン退治なんてまともなことしないかと思ってました」

 

「お前俺をなんだと思ってんだ。これでも一応ヒーロー、それにヤツはヴィラン連合と接触したって噂もあったからな。それでヤツを狙ってんだよ」

 

「っ、やっぱり師匠はそれを分かってて保須に来てたんですね!」

 

「まぁな、だが結局たいした情報は掴めなかったがな。昨晩連合のヤツらもこの街に来ていたようだが。しかし脳無とヒーロー殺しは特に共謀したってワケでもないようで、お互い勝手に暴れていただけらしい。仲は悪かったんだろう、捕らえたヒーロー殺しに連合のことを聞いたとしても有益な情報は得られそうにない」

 

 師匠の話にヴィラン連合に対しての進展はほぼなかったとみていいのだろう、USJでの一件もあるしアイツらの動きはどうしても意識せずにはいられない。とっとと捕まってほしいところだ。

 

「まっ、それは置いといてお前ら昨日はお手柄だったな」

 

「あ、はい……まぁ………」

 

「おいおい何しょぼくれた顔してんだ、プロの手も借りず自分らの手で掴んだ勝利だろ?もっと素直に喜べよ」

 

 浮かない顔をしている俺達を見た師匠は大きなため息をつき再び口を開く。

 

「どうせアレだろ、お前らは資格もってねぇから処罰がなんのって話されたんだろ?それは大人が社会のルールのために取るべき行動、言動としては間違ってないだろうな。

 でもめんどくせぇよなそういうの、自由をこよなく愛する俺としてはそういうルールだなんだって堅ッ苦しい話嫌いなんだよなァ……!」

 

 そう言って一度話を遮り俺達全員の意識を自分へ向けさせた師匠は改めて口を開く。

 

「だから俺はハッキリと言ってやるぜ。取って付けたようなオマケとしてじゃなく声高らかにな。

 

 

 お前らよくやった、自分のやったことにドンと胸を張れ!うるせぇ大人の言い訳なんて気にせずほっとけ、反省なんざその後いくらでもすりゃいい。今くらいはとりあえず頑張った自分達をしっかり褒めちぎってやれ……!!」

 

「「「「……ッッ!!」」」」

 

 そうハッキリと言い切った師匠は修行の時に何度も見た鋭い目つきで前を見据え、ニッと口元だけを緩ませるそんな力強い笑みを浮かべていた。

 

 そんな師匠の言葉に俺達はハッと息を呑み、

 

『はいっっ!!』

 

 こちらも負けじと力強く頷いて笑い返した。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ言いたいことは言ったし帰る。俺はとてもとても忙しいからな」

 

 

「ありがとうございましたジャッジメントさん、あなたのおかげでこれからも頑張れそうです!」

 

 背を向けて病室から去ろうとした師匠にデックンがパアっと明るい笑顔を浮かべて頭を下げる。

 

「そりゃよかった。ならとっととその力、モノにするんだな…………9代目」

 

「はいっ!…………え、えぇ!?!?」

 

 一瞬なんのことだときょとんとしていたデックンはわずかな沈黙の後、その意味を悟り口をあんぐりと開ける。

 飯田や轟もいるから落ちつけと苦笑いを浮かべて目配せするしてやると、ハッとしたような顔をしてすぐに真顔を取り繕うデックン。

 それでも口をもにょもにょとさせている辺り完全には驚きを隠せてはいないようだった。あとで師匠のこと軽く教えといてやるか、とそう決めて病室を出ようとするその人の背中に声をかける。

 

「師匠!まぁそのなんつーか、色々文句言いたいこともあるけど……ありがとうございました。明日退院なのでまた修行よろしくお願いします」

 

「あァ?やらねえよそんなの。さっきも言ったが最後に予定してた修行をお前勝手に終わらせちまったし、教えることはもう教えたし。あとは自力でどうにかするんだな。学校に出す書類はテキトーにでっち上げとくから心配すんな、じゃあな」

 

「え、えぇ……そんなんテキトー過ぎやしませんかい?」

 

「いいだろ別に、学校じゃ体験できないことはできただろうが。お前はしっかり職場体験しましたよエラいエラい」

 

 唖然としている俺にテキトーにまくし立てて歩きだす師匠。ほんとにこの人がプロヒーローなのか日を重ねるたびに首を傾げたくなってくるよ……。

 

「あ、1つ言い忘れてた」

 

 突然くるりとこちらに向き直った師匠、そしてその目はじっと俺のことを捉えていた。

 

「な、なんスか?」

 

「お前に1つ助言をしてやろうと思っていたんだ……いやこれは忠告とも言えるか。

 

 

 

 ……三神乃亜、お前が本当にヒーローを志すというのなら。見失わないことだ、自分自身をな」

 

 

 

「……は?ちょっ、どういうことですかそれ!?」

 

「さぁ?そのうち分かる時がくるさ。じゃ、二度と会わないことを切に願う」

 

 

 

 まるで何かを知っているかのような口振りで、そんな捨て台詞を残し去って行った師匠。その言葉の意図が分からず、俺は師匠の背中をただ睨みつけるように見ていることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんかスゴい人だったね。こう……色んな意味で」

 

「ほんとだよ。まったくあのバカ師匠、どういう意味だったんだよ最後の捨て台詞。俺は俺だろ、当たり前のことじゃねぇか……!」

 

 

 デックンの言葉に不機嫌な声でつぶやく。今度会うことがあったらその時は溜まってた文句を全部ぶつけてやろう、そう思っていると轟が俺を呼んだ。

 

「おい三神、お見舞いのやつになんか紙が挟まってんぞ」

 

「え?なんだ…………ハッ!まさかまた請求書を……!!」

 

 舌打ちをしながら轟から折りたたまれた紙切れを受け取り、嫌々ながらその紙を開く。

 

「ん?どうしたんだ三神君そんな固まって」

 

「何が書いてあったの?」

 

 じっと紙切れを見つめたまま動かなくなった俺に不思議そうにする飯田達。そんな問いかけに答えることなく俺は、

 

 

「ふっ、ハハハッ。まったく、あんたも素直じゃないねぇ師匠……!」

 

 雑な字で書かれた電話番号とメールアドレスを見ながらそう微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ、わりぃ。もう1枚あった」

 

「ん?どれどれ、今度はなんだ〜??」

 

 轟がカゴからもう1枚折りたたまれた紙を掘り出して俺に渡してくる。

 それを受け取り頬を緩ませて開いた俺は、

 

 

 

 

 

 

「やっぱり請求書あるじゃねぇか!!!あのバカ師匠オオオオ!!!!!!」

 

 俺宛の請求書を床に叩きつけ雄叫びを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 日が沈みかけ茜色に染まる住宅街を一人の男が歩く。時折人とすれ違うことがあってもそんなことには目もくれず、目線は常に前を捉えたままに男は迷う様子もなくその住宅街を進む。

 

 

 そうしてたどり着いた他よりやや大きな家のインターホンを押す。

 ……何度も、子供のイタズラのようにインターホンを鳴らし続ける。

 

 

 

 

 

「ハイハイ、まったくもうーそんな急かすことないじゃないですカ」

 

「こっちは嫌々来てやってんだよ、とっとと出てきやがれっての」

 

 そんな迷惑な行為を気にも止めないといった様子でドアを開け現れた家主に、男はその顔を見てうんざりしたように悪態をつく。

 

「そのわりには時間通りに来ましたねぇ〜遅刻、あるいはすっぽかし常習犯のあなたにしてはとても珍しいことでス」

 

「美味い飯にいい酒があると聞いたからな、ちゃんと用意してあるんだろうな?」

 

「オッホホホ、もちろんです。立ち話もなんですから上がってくださイ」

 

 誇らしげに笑う家主が再び家に入って行くのを見て、男も黙って家の門を開けそれに続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「普段はお酒飲めるのは我輩しかいませんからね、ワイン1本飲みきるにも2〜3日かかるんですよ。なのについつい買ってしまって在庫が増えてばかりで……なのでドンドン飲んじゃってくださいネ」

 

「フン、俺を舐めて貰っちゃ困るな。俺ならその在庫1日で飲みきれるぞ」

「それは飲み過ぎです。あなた、体験中も二日酔いなるほど飲んだそうですね。あの子から文句言われましたよ、あの人ホントにヒーローなの?ってネ」

 

「んなもん言わせとけ、誰がなんと言おうと俺はプロヒーローだ。自由を求めるがあまりやり過ぎることがあるのがたまにキズなだけさ」

 

「たまに、ですか。ふ〜ン………」

 

「まぁんなことはどうでもいい。さて、何から話そうか……」

 

 グラスに注がれたワインを眺めながら男は一瞬の沈黙の後、口を開く。

 

「まず脳無と呼ばれるヴィラン。回収して少々調べてみたがやはり身体の至る所をいじくり回され、複数人の遺伝子が発見された。以前のに比べりゃだいぶ技術が進歩していたがやっていることは概ね同じ。前と比べて派手に仕掛け続けてきてる辺り、奴が再び本格的に動きだしたと考えていいだろうな」

 

「……そうですか。完成とまでは言わずとも、ここにきてようやく満足のいくモノが造れるようになってきているということでしョウ」

 

 

「まぁ奴の優秀な右腕が1人抜けたおかげだな。ソイツが今も残ってりゃあもうとっくに更なるバケモンを生み出してたろうしなァ」

 

 男の言葉に家主はうんうんと頷く。男はさらに話を続ける。

 

「そして緑谷出久。お前の予想通りやつが現在のワン・フォー・オール継承者だ」

 

「ふむ、やはりそうでしたか。突然個性が発現したという話にあの類まれなるパワー、もしやとは思っていましたが出久君が……」

 

 家主は顎に手を当てて何かを考え込むように唸る。

 

「昔お前が言っていた可能性の話、それを信じるならやつが当たりということになるが実際のところどうなんだ」

 

「あれだけ圧倒的な力を見せ戦い続けたオールマイトですら違った。しかし彼が蓄えたであろう力は膨大でしょう。これまでに蓄えられていた分も含め、あの力の核は相当に大きくなっているはず。

 

 そのタイミングで出久君へ力が渡されたのは奇跡といっても過言ではないかもしれません。今回の9代目がこの永い戦いの大きな転機となる可能性は大いにあります。今はまだでも、いずれこれまでにはなかった明らかな『変化』が見られるかモ」

 

「かもしれない、ばかりだな」

 

「そりゃあ我輩は未来が見えるわけではないですからね。ですが、今回はその可能性が高い気がします。勘、ですけどネ!」

 

「……そうか。微かに終わりが見えてきた、ということか」

 

 家主の話に男は遠くを見るようにぼんやりと目を細め、継ぎ足したワインを口に流し込む。そんな様子を見た家主は思い出したようにポンと手を叩いた。

 

「というか大事なことをまだ聞いてませんよ!あの子はどうでしたか。実際に間近で見てあなたは何を感じましタ?」

 

「どう、ねぇ……?」

 

 男はその問いかけに目を閉じ黙り込んだ後、ゆっくりと目を開け答えた。

 

「最初に連絡が来た時には半信半疑だった。永いこと待ちすぎてお前がとうとうおかしくなったのかとな?しかし実際会ってみて驚いた、本当にそっくりだった、まるでアイツの生き写しだと俺もそう思ってしまったな。

 やつが『その時』を迎える者だとすれば、体育祭の映像を見るに恐らく既に片鱗は現れてきている。もしかしたらそう遠くないうちに『その時』が来るかもしれないな……お前も打ち明ける覚悟をしといたほうがいいんじゃねえの」

 

「覚悟ですか……そんなものとうの昔にできているつもりなんですがネェ……」

 

 男の言葉に家主は声のトーンを落とし、つぶやくようにそう答える。

 

「嘘はいけねェ。その善良な保護者ヅラをいつまでも続けてんのが覚悟ができてねぇいい証拠だ」

 

「……これは我輩なりの贖罪なんです。我輩のためにやった行いであの子に苦労をさせることになる……いえ、もうさせてしまっているんです。

 だから『その時』がくるまでは、彼の思うように生きさせてあげたい。その手助けをすることが我輩のできるせめてもの償いなのでス」

 

「フッ、そうかい。だがその優しさは逆にやつを傷つけかねんぞ。結局どう転んでもお前はあいつを傷つけることになる……俺はそう思うがなァ」

 

「そうなれば仕方ありません、あの子が望むなら我輩はあの子の前から去ります。誰かを傷つけてしまうのには慣れていますかラ……」

 

「……そうかよ。まァ俺には関係ないことだ、せいぜい傷つける覚悟と傷つく覚悟もしておくことだな」

 

「えぇ、そうすることにしまス……」

 

 そこからしばらく沈黙が流れる。互いになにも語ることなく、ワインや食事に手をつけるだけで時間が過ぎていく。

 

 

 

 

 

 

 

「…………なぁ」

 

 その沈黙を破ったのは彼のほう、止まることなく飲み続けていたワインを空にしてグラスを置き、ゆっくりと口を開く。

 

「『変化』の可能性を秘めたワン・フォー・オールと『その時』を迎えるであろうアイツ、それが同時に現れた。しかもそいつらがすぐ傍にいて行動を共にしてるときた……これは偶然か?俺にはとてもそうとは思えないんだが」

 

「そうですねェ……」

 

 男の言葉に家主が熟考するようにしばらくの間黙りこくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかりませン♡」

 

「ンだよ、もったいぶって結局わからんってか」

 

 家主の返答に男は舌打ちをして落胆する。

 

「ホホホ、そういうのは神のみぞ知るってやつでしょうネ」

 

「自分は神じゃないってか」

 

「そりゃそうです、我輩は神じゃありません。強いて言うなら選ばれただけの哀れな子羊ですよ。どうなるとしても我輩はただ傍観するだけです、そう決めましたかラ」

 

「そうかい、せいぜい後悔しないよう祈って指をくわえて見てるんだな」

 

 男はそう言うと静かに立ち上がり部屋を出ようと歩きだす。

 

「おや、もうお帰りですか?もっとゆっくりしていけばいいの二」

 

「伝えることはもうないだろ、帰る」

 

「そうですね。今回はありがとうございました、助かりましたよ色々と。では最後に一つだケ」

 

「あ?」

 

 帰ろうとドアノブに手をかける男を家主が呼び止める。

 

「あなたも永いこと戦っていますよネ」

 

「そうだな、どっかの誰かさんのせいでなァ」

 

「あれから随分と経ちました、永すぎて忘れているかもしれませんが。測り間違えちゃいけませんよ、あなたの命の残量は──」

「お前は俺の母ちゃんか、んなこたぁ言われずともわかってる」

 

「それはそれは、余計なお節介だったようですネ」

 

 男はそう鼻で笑うと今度こそドアを開け、足早に玄関へ向かい靴を履く。

 

 

 

 

「こいつは独り言だが……」

 

 玄関まで見送りに来た家主に向き直ることなく男はそう声を上げた。

 

「三神乃亜、やつはあのまま行きゃあ俺と違っていいヒーローになるだろうな」

 

「フフ、それはよかったでス♡」

 

 それから何も答えることなく男はその家を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タダで飯と酒にありつけるってのはやっぱいいなァ………ん?」

 

 男が満足げにそうつぶやいているとスマホの着信音が鳴り響く。表示される番号を見て男はため息をつき、仕方なさそうに電話に出る。

 

 

「……思っていたより早かったな」

 

『ハハッ、そりゃどーも。速すぎる男への褒め言葉として受け取っときますね。お久しぶりですジャッジメントさん』

 

「で、要件は?大方上のヤツからのお達しといったところか、ホークスよ」

 

『いやぁ〜さすがですね!察しの通りです、一度公安に顔を出してくれませんかね。お偉いさん方みんなご立腹ですよ?』

 

「ふっ、だろうな。でも俺あそこ嫌いなんだよ、テキトー言って誤魔化しといてくれ」

 

『ははは……そうもいかないですよ。あなたは4年前に任務を通達されてすぐ公安から消息を断ち、以後現在まで一切の報告義務を放棄。今回突然雄英の職場体験を引き受け、東京保須市にてヒーロー殺しおよび脳無との戦闘に参加し見事撃破……4年振りに日本での活動を確認.。

 

 ってワケですからね。日本にいるのを見つけた以上、公安に来てしっかりこれまでのことを報告してもらわないと。度々あなたのことで頭抱えてたんですからね?……あなたのことだ、きっと何か理由があったんでしょ?』

 

 それまでの朗らかなものと打って代わり、真面目な声色になるホークスに男は少しの間沈黙する。そして小さくため息をついて、

 

「……仕方ねぇな。バアさんに伝えとけ、明日の昼にでもそのツラ拝みに行ってやるってな」

 

『お、ホントですか?それは助かりますねぇ〜!ちゃんと来てくださいよ?遅刻すっぽかし常習犯なんですから今回もやらかしたら今度こそ終わりだと思ってくださいね、じゃっ!』

 

 

 

 

「……どいつもこいつも常習犯呼ばわりとは酷でぇこと言ってくれるじゃないか」

 

 嬉々とした声で答え電話を切ったホークスにため息をつきながら、男は既に暗くなりかけ街灯が灯り始めた住宅街を静かに後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ただま〜アンタの愛しい乃亜くんが5日振りに帰ってきてやったぞー寂しくなかったか〜千年公」

 

「おかえりなさい乃亜、我輩寂しくて寂しくて夜しか眠れませんでしたヨォ〜」

「しっかり寝てんじゃねぇかオイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして多くの人に知られることもなく。それを知る僅かな者達だけが各々それを胸に、記憶に止め、皆いつもの暮らしへと戻っていく。




読んでいただきありがとうございました!

9話に渡ってお送りしてきました職場体験編もこれにてお終いです。最初に投稿したのが6月だったのでなんと半年もかかってしまいました。筆が遅すぎましたね、できる限り早く次も更新できるよう頑張ります┏( .-. ┏ ) ┓

お気に入りや感想、評価などもよろしければお手柔らかにお願いします(^^;

次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
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