黒い球の戦士達   作:黒猫キッド

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0002・神の言葉

 「…乃…雪乃!」

「んっ…」

 聞こえてきた親友の言葉に、意識を覚醒していった雪乃。

「あれ…祐樹…此処何処…? ガンツ部屋?」

「いや、少なくともガンツの所じゃないな…」

 祐樹が辺りを見回しながら言った。雪乃も起き上がって辺りを見回すが、其処は真っ白な空間であった。

「…病院でもないよ」

「ああ…玄野じゃないけど…俺達轢かれたよな?」

「うん、轢かれた…けど何で生きてんの? 怪我もしてないし…」

 雪乃が言った。すると…

「やあ、目覚めたみたいだね」

「「!?」」

 突然二人の耳に、少年の声が聞こえてきて、二人は驚いた。

「だ、誰?」

「こっちだよ」

 戸惑う雪乃に答える声、声がした方を振り向くと、其処には先程迄居なかった少年が立っていた。姿から見て雪乃達と同じ位の年頃の様だった。

「こんにちは、鹿島 雪乃、阿野 祐樹」

「誰だお前は? 何で俺達の名前を知っている?」

 祐樹が警戒心を露わにしながら尋ねた。

「まあ落ち着きなよ。まず、君達の身に起こった事は覚えているかな?」

「…車に撥ねられて死んだ?」

 雪乃が答えた。

「半分正解で半分間違い。車には撥ねられたけど、君達は死んでいない。僕が死ぬ寸前に此処に連れてきた」

「連れてきたって…お前は何者なんだ」

 死ぬはずだった人間を連れてきて、怪我も直してしまうガンツの様な存在に、祐樹は恐怖心の様な物を感じ始めていた。

「僕はね…君達で言う神様かな?」

「…神?」

 神と名乗る少年に、雪乃は戸惑いの声を漏らす。

「といっても、君達の世界の神じゃない。異世界の神さ」

「異世界の神…? もしかして異世界転生でもさせようという事か?」

 祐樹が言った。ガンツ以外にもラノベ等も読んでいる祐樹や雪乃は、それらの知識も持っていたのだ。

「う~ん、正確には異世界転移なんだけどね…まあ殆ど正解さ」

「一つ良いかな?」

 雪乃が神に質問した。

「何だい?」

「何で僕達なの? 僕達が死にかけたから?」

「それもあるけど…実は今日君達のクラスは、異世界に召喚されたんだ」

「はぁ?」

 祐樹は驚きのあまりに声を上げた。

「俺達のクラスが…異世界に…?」

「うん。召喚されるのは僕が管理している世界なんだ」

「…お前が呼び出すのか? 俺達みたいに」

 祐樹が聞いた。

「いいや。その世界のとある王国さ。何かの目的の為に行うみたいだ」

 神が否定しながら説明をした。

「じゃあ僕らも召喚されるの?」

 雪乃が尋ねる。

「いいや。君達は事故にあった為、教室には行かなかった…だから君達は召喚されなかった」

「じゃあ何で俺達は、異世界の神であるお前に会っているんだ?」

「うん。折角だから君達にも、異世界に行ってもらおうと思って…君達に素敵な力を与えて…」

「僕達も異世界に…でも素敵な力って?」

 雪乃が聞いた。

「GANTZ…君達二人なら知っているだろ?」

 その言葉を聞いて、雪乃と祐樹の二人は目を合わせる。

「そりゃ俺達、重度のガンツファンだけど…それが何か関係あるのか?」

「簡単に言えば…君達に異世界でのガンツの武器やアイテムを使う権利を与えるって事」

「「…ええっ!?」」

 驚きのあまりに、声を上げる二人。

「そしてそれを使って、自由に生きていい…どうかな?」

 二人に尋ねる神。すると祐樹が…

「なあ、良いか神?」

「何だい?」

「どうしてそんな事をさせてくれるんだ? お前には何にもメリットはないだろ?」

「実は君達が行く世界は、魔物や盗賊であんまり治安が良くないんだ…それを何とかして欲しいという思いもあるんだ…どうかな?」

「「……」」

 神から尋ねられ、二人は考えた。そして…

「…俺は良いぜ。ガンツの武器を使って魔物と戦えるなら、俺は大歓迎だ! 雪乃は?」

「僕も良いよ。祐樹と共に戦えるなら、怖くないし」

 二人はそう言った。

「どうやら決まったみたいだね…じゃあこれから君達をその世界に送るけど、その前に二つ言うことがある。まず一つは君達二人は他の皆とは少し離れた街に転送させてもらう。それともう一つ、ステータスプレートと呼ばれるアイテムも送っておくから、必ず確認する様に…じゃあ二人共、頑張ってね」

 神がそう言うと、二人の視界は暗転した。

 

 




 ちょっと急ぎ足になってしもうた…
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