黒い球の戦士達   作:黒猫キッド

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0003・こんにちは、ギルド

 「…んんっ」

 木の匂いを感じながら、雪乃の意識は覚醒した。目を開けて起き上がると、隣では祐樹が倒れていた。

「祐樹、祐樹」

 雪乃は祐樹を揺さぶり起こした。

「ん…雪乃か?」

 祐樹は起き上がり、辺りを見回した。

「! おい雪乃…あれ…」

 祐樹が、雪乃の後ろを指さして言った。雪乃が振り向くと其処には…1m位の黒い球・ガンツが鎮座していた。

 

※        ※

 

 改めて自分達が居る場所を知らべてみると、其処は民家の様であった。雪乃は民家の中をどれだけ探しても、自分達以外の存在を見つける事は出来なかった。

 一方祐樹は、ガンツの前に居た。

「おいガンツ。これからミッションが始まるのか? おい」

 ガンツを叩きながら尋ねる祐樹であった、ガンツから返事は無かった。

「この家、僕ら以外誰も居ないみたいだよ」

 戻ってきた雪乃が言った。

「マジか。このままじゃ俺らだけでミッションを行うのか?」

「それ以前に、今からミッションが行われるのかな?」

 祐樹と雪乃がそれぞれ言った。

 改めてガンツが置かれている部屋を見回すと、ガンツの右側には窓があり、其処からは塀に囲まれた庭が見えた。

 左側の壁には扉が二つあり、祐樹はその内ガンツの奥にある扉に近づき、ドアノブに触れた。しかしどれだけ力を入れても、ドアノブは捻れなかった。

「…実写版と同じで、触れるけど、開けられないってやつか…雪乃、玄関はどうだった?」

「あ…見てなかった。開かないと思ってたから…」

「とりあえず、行ってみるぞ」

 祐樹は雪乃の案内を受けながら、民家の廊下を進んでいった。すると外に通じている木製の扉を見つけた。

 祐樹は扉のドアノブを握った。するとドアノブは簡単に捻る事が出来て、扉を開ける事が出来た。

「…開けるぞ」

「うん」

 祐樹は扉を開いた。

「「……」」

 扉を開いて外に出た先の光景に、二人は言葉を失った。其処は中世のヨーロッパの様な街並みだったからだ。

 

 ガシャン

 

「「!?」」

 二人が外に出た瞬間、民家の扉がしまった。

「ヤバい、ガンツ部屋の扉って、全員出たら鍵が閉まっちゃうじゃん」

 雪乃は慌てて、扉のドアノブを捻った。

 

 ガチャ

 

「あれ?」

 扉は何事もなく開いた。

「…どうやら鍵は閉まらないみたいだな…どうする雪乃。ミッションがあれば、ガンツが呼び出す筈だし、何処かに行かないか?」

「それなら冒険者ギルドに行かない? 異世界なら冒険者ギルドもある筈だし、それに神が言っていたじゃない。『この世界は魔物が居る』って。冒険者登録をすれば、魔物と戦う機会もある筈だよ」

「そうだな…そうするか…んでギルドは何処にあるんだ?」

「う~ん…とりあえず、その辺の通行人に聞いてみようか」

 雪乃の提案で、二人は通行人からギルドの場所を聞いてみる事にした。

 

※          ※

 

「…なあ、雪乃」

「…なに、祐樹」

「俺らの服装…浮いてるよな?」

「…うん」

 横二列に並びながら、二人は会話をする。街中を行きかう人々は、雪乃達の服装を物珍し気に見ていたのだった。因みに現在の二人の服装は、高校の制服姿だった。

「ま、まあ良いんじゃない…変わった服装と思われているだけだろうし…」

 雪乃が誤魔化す様に言った。やがて冒険者ギルドが見えてきた。

「あそこが冒険者ギルドか…行くぞ雪乃」

「うん」

 二人は冒険者ギルドへと入っていった。

 ギルドの中は、ラノベとかにある様なイメージそのままであった。

「頼むから、テンプレだけは勘弁してくれよ」

 祐樹はそう言いながらギルド内を進み、雪乃も後に続いた。そして女性が立っているカウンターに向かった。

「いらっしゃいませ。ご用はなんでしょうか?」

 営業スマイルで応対してくれたのは、二十代くらいの人であった。

「冒険者登録を頼みたいんだが、俺とコイツの二人で」

「冒険者登録とパーティ申請ですね。失礼ですが何か身分を表せる物はありますか?」

 受付の女性に言われて、二人は困惑した。

「どうする祐樹。僕達身分証といったら、生徒手帳しかないけど」

「それなら俺だって同じだよ…何か他に無いか…」

 二人は小声で会話をし、ブレザーのポケットを弄った。すると…

「んっ? 何だ此れ」

 雪乃がポケットの中に何か固い感触を感じ、取り出してみた。それは長方形の形をしたプレートの様な物であった。そしてそれは、祐樹のポケットにもあった。

「これってステータスプレートか?」

 神がこの世界に送る前に言っていた事を、祐樹は思い出した。するとプレートに文字が表示された。

 

 名前・ユウキ アノ

 

 種族・人間族

 

 性別・男

 

 職業・ガンツ戦士

 

 レベル・1

 

 スキル・言語理解

 

 力・50

 

体力・50

 

魔力・25

 

精神力・50

 

「あっ、僕の方にも表示された」

 

 名前・ユキノ カシマ

 

 種族・人間族

 

 性別・男

 

 職業・ガンツ戦士

 

 レベル・1

 

 スキル・言語理解

 

 力・30

 

 体力・30

 

 魔力・50

 

 精神力・50

 

「これが俺達のステータスか」

「そうみたいだね…そういえば、此処の人達と会話出来るのは、スキルのおかげみたいだね」

 祐樹の言葉に、雪乃はそう答えた。

「あの…」

 受付の女性が声を掛けてきた。

「あっ、此れで良いですか?」

 雪乃は女性にプレートを差し出し、祐樹もプレートを差し出した。

「…はい、結構です。ようこそ冒険者ギルド・ミルティル支部へ」

 受付女性が言った。ミルティルとはこの街の名前の様だ。

 その後はとんとんと話が進み、二人は最低ランクのFランクとして登録する事が出来た。

「これで登録は終了です。何かご質問はありますか?」

「依頼を受ける場合、どうすれば良いのですか?」

 雪乃が訪ねた。

「でしたら、あのボードに貼っているのが依頼が出ている物です」

 受付嬢に言われて、雪乃達はボードに向かった。其処には色々な依頼が張ってあった。

「どれか受けようか祐樹」

「そうだな…これなんか良いんじゃないか?」

 そう言って取った依頼には、『ゴブリン退治』の依頼が書かれていた。

「うん。最初だから此れくらいが良いかもね…でも武器はどうする? 僕ら丸腰だよ」

「…ガンツを無理矢理でも開けるしかないだろ」

 そう言いながら祐樹は、依頼を受ける為に先程の受付嬢の元に向かった。

 

 




 明日仕事が早いので、大急ぎで書きましたわ。
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