森の中を進んでいる祐樹と雪乃。其々既に数体のゴブリンを倒している。
「もう結構倒しているけど…未だに転送が始まらないな。このゴブリン星人ってのは、しょうとく星人とかジーンズ星人みたいに数で来るタイプなのか?」
祐樹がレーダーを見ながら呟いた。
「…田中星人みたいに女王蜂的なのが生んでいるって事はないよね…」
雪乃が不安そうに呟いた。
「大方RPG的だと、ホブゴブリンかゴブリンキング辺りがボスの星人だろ…おかしいな?」
「どうしたの?」
突然立ち止まった祐樹に、雪乃は声を掛けた。
「レーダーだと、此処に居る筈なんだけど…居ないんだよ」
「えっ?」
祐樹の言葉を受けて、雪乃はレーダーを覗き込んだ。確かに今現在雪乃達が居る所に、敵の光点も重なっていた。その時…
「グギャゴイャ!」
突然上から声が聞こえたので、二人は上を見上げると、上から棍棒を構えたゴブリンが降ってきた。
「がぁ!?」
ゴブリンは祐樹に覆いかぶさる様に落ちてきた。
「祐樹!」
「ぐっ! この野郎!」
雪乃は右ホルスターに収納していたXガンを取った。そしてゴブリンに向けて構えるが、撃つことは出来なかった。何故ならガンサイトには祐樹の姿も映っており、祐樹にも当たってしまうからである。
そうこうしている内に、ゴブリンは棍棒を振りかざして、祐樹の頭を砕くべく、振り下ろした。
バキィン!!!
砕ける様な音が、森の中に響いた。だが砕けたのは祐樹の頭では無かった。
「グギャ!?」
砕け散ったのは、ゴブリンの棍棒の方であった。それ処か祐樹の方は全くの無傷であった。
「そうだった。僕らスーツを着ているんだった」
すっかりスーツの事を忘れていた雪乃であった。
「オラァ! お返しだ!!!」
バキッ!!!!!
祐樹の右の拳がゴブリンの頬にめり込み、そのまま吹き飛んでいって、木に激突しそのまま死んだ。
「大丈夫? 祐樹」
雪乃が手を差し出しながら尋ねる。
「ああ…しかしこのスーツのパワー相変わらず凄いな!」
差し出された手を掴みながら、祐樹は言った。ガンツスーツには装備者の防御力を上げるだけではなく、パワーも上げる性能があった。
祐樹は落としたXショットガンを拾った。
「兎に角、上からも来る可能性も出てきたから、これからは上にも気を配らないとな」
「そうだね」
二人はレーダーで敵を探して、更に森の中を進んでいった。因みに今現在雪乃が倒したゴブリンは十体であり、祐樹が倒したゴブリンは、先程のを含めて十三体であった。