黒い球の戦士達   作:黒猫キッド

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0008・ちいてん…採点

「おい、此れで終わりか? ボスだからボスしょうとく星人みたいに、頭吹き飛ばされても、生きてだろ。多分」

 祐樹がそう叫ぶが、ボスゴブリンの死体はピクリとも動かなかった。仕方なく、討伐を証明する耳が残っていたので、それと魔石を回収する祐樹。すると…

 

 ジジジジジ…

 

「おっ」

 部屋への転送が始まった。やがて祐樹の視点は、ガンツの置かれたあの部屋に変わった。

「マジで終わりか…呆気なかったな…」

と、何処か物足りなそうな口調で、祐樹は言った。

 

 ジジジジジ…

 

 今度は雪乃が転送されてきた。

「祐樹、お疲れ様」

「雪乃もお疲れ…ってか雪乃。何でYガンで拘束したのに、『上』に送らなかったんだ?」

 祐樹が訪ねた。Yガンは拘束した敵を『上』と呼ばれる場所に転送する非殺傷武器である。因みに『上』というのは何なのか、全く分かっていない。

「だって、『上』があるかどうか分からなかったから。もしかしたら、拘束して終わりってだけの武器になっているかも知れないし」

「まあそうだよな…とりあえず今はYガンや『上』の事より…」

 

 チーン…

 

という音が部屋に響いた。

「ちいてん…採点の方が優先だな」

 そう言いながら祐樹は、ガンツへと目を向ける。

 

 それぢわ ちいてんを

   はじぬる

 

 ガンツにはそう表示されていた。

 

 ゆうき

 18点

 

 TOTAL18点

 あと82点で終わり

 

 ゆきの

 10点

 

 TOTAL10点

 あと90点で終わり

 

「俺が18点で雪乃が10点…雪乃、お前は何体ゴブリンを倒したっけ?」

「確か十体だよ…という事は、一体で1点かぁ…」

「俺は十三体…更にボスを一体…ボスは5点か」

 逆算してそう計算する祐樹。

「んで本来なら、採点が終わったから家に帰れるんだけど…俺らの家ってこの家だよな?」

 祐樹がガンツの置かれたこの部屋を示しながら、雪乃に尋ねた。

「そういう事になるね…」

「ガンツとルームシェアかよ…と、そんな事より…」

 祐樹はガンツに近づき、右側からガンツの中を覗いた。雪乃もガンツの中を覗いてみる。其処には…

「居るな…」

「居るね…」

「シューコーシューコー…」

 其処には、全裸で体育座りをした禿頭の男が居た。男は人工呼吸器のマスクを着けて目を閉じた状態で眠った様にしていた。

「おいガンツ! ホントは起きてるんだろ?」

 中の玉男‐ガンツ‐に話しかける祐樹。この中の玉男の事もガンツと呼ぶ場合もある。

「……」

 しかしガンツは何も答えない。

「おいガンツ! ……駄目だこりゃ」

 祐樹は諦めてガンツから離れて、床に落ちていた制服をスーツの上から身に纏った。そして玄関の方に足を向ける。

「どこ行くの祐樹」

「此処に居てもしょうがないから、とりあえずギルドに行こうぜ。討伐照明の耳を渡したり、魔石を売ったりしないとな…飯を食うのにも金が要るだろ?」

 祐樹の言葉を受けて、雪乃は納得して、自分の脱ぎ捨てていた制服をスーツの上から着た。

「じゃあ行こうぜ」

 そう言って、玄関の方へ歩いて行こうとした。

「ちょっと待って!」

「「!?」」

 背後から突然声を掛けられたので、二人は振り返ると其処には、ガンツ玉から顔を出している男の方のガンツが居た。

 




 描写忘れでしたが、雪乃達はちゃんと魔石も回収しています。
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