プロローグ
『依田龍一さん、あなたにはこれから転生してもらうことになりました』
龍一にはなにがなんだか分かっていなかった。
(転生?俺は死んでしまったのか? 一体どうやって?そもそも俺は何をしていたんだっけ?)
『混乱するのも無理はありません。あなたは先日56歳という寿命を全うされました。とても素敵なご家族だったのですね。
皆様に囲まれて見送られていましたよ。そんなあなたが転生するという機会を得たのです』
(そういうことか。全く覚えていなかったな。ところであなたはどなた様でしたでしょうか?)
『私はあなたの世界でいう神という存在です。今回あなたにはあなたの世界で昔流行っていた【MAJOR】という世界に転生していただきます』
(か、神様!? 大変失礼いたしました!! MAJORという漫画は私が読んだことがある、あのMAJORでしょうか?)
『大丈夫ですよ。むしろそうやって丁寧な話し方になるのは日本人の美徳ともいえる部分ですね。MAJORに関してはその通りです』
(しかし……私は転生して何かをしなければならないのでしょうか?)
『いいえ、あなたはあなたがしたいことに関して頑張ってもらえれば大丈夫ですよ』
(分かりました。それなら……)
龍一にはどうしてもやりたいことがあった。野球をやっていた龍一は、MAJORが本当に好きな漫画であり、アニメまで観て覚えているのであった。
そこで茂野吾郎──旧姓本田吾郎──がいつも逆境に立ち向かっていくところが好きでもあり、歯痒くもあったのである。
俺があの世界にいたら……絶対に彼を助けるのに! と。
(私は主人公である茂野吾郎を助けたい。彼の身内となってこれからを見守っていきたい)
『分かりました。では、転生先は茂野吾郎の双子の兄にしましょう。あといくつかあなたには特典を授けます』
(え……何個も頂いていいのでしょうか?)
『ええ。あなたは実況パワフルプロ野球というゲームはご存知でしょうか?』
龍一は知っている。人気ゲームの実況パワフルプロ野球──通称パワプロ──はやり込んでいて、サクセスと栄冠ナインがすごい好きだった。
『その成長ステータスを特典の1つとして授けます。もちろん多少のアレンジはさせてもらいますけどね。これを使えば相当のアドバンテージになるでしょう』
(ありがとうございます。それはぜひ欲しいです)
『他に原作知識と前世の知識は残しておきますね。もちろん余計なものはこちらで省いておきますが』
龍一は何が省かれているのかが気になったが、それを知ったとことで何も出来ないのは分かっているので聞かないでおいた。
『最後に、これだけは気付けば覚醒するような特典を渡しておきますね』
神がそう言った途端、龍一は意識が薄れて何も考えられなくなっていた。
頭の中にパワプロの成長に関しての内容が刷り込まれていく。
◇◇◇◇◇◇
・パワプロのステータス特典について
従来のパワプロはステータスG〜Sとなっており、ポイントを割り振ることで成長できるようになっている。
今回はG-から始まり、S+で終わるようになっている。
【ステータス基準】
S+:メジャーリーグでトップレベル
S:メジャーリーグで活躍するレベル
S-:メジャーリーグの中の上レベル
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G+:素人でトップレベル
G:素人レベル
G-:ど素人レベル
他にもパワプロで使う特殊能力──いわゆる特能──などもポイントを割り振ることで習得できる。
能力の習得数やステータスの上昇具合によって習得ポイントは増えていく
ピッチャーとしてのステータスも同じである。
能力の習得に関しては野手と二刀流にする際に必要なポイントは別のため、ポイント数が増えていくことはない。
ただし、速球と肩力に関しては比例するものなので、どちらかに集中していた方が良い。
変化球に関しては、種類数や曲がる精度に応じてポイントが増えていく。
これはオールドスタイルにするか、そのときの流行に合わせるかで変わってくる。