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「よーし、ちょっと皆集合!」
安藤の呼びかけで全員が集まる。
内容は来週から秋大会が始まるので、それに対して横浜のバッティングセンターに行って特打ちを行うといったものだった。
バスで移動する三船リトルメンバー。
「一回戦の
「別にどこだって関係ねーよ。全国行くには全部倒さないといけないんだからな」
「横浜リトルとは3回戦になりそうだね」
トーナメント表を見ながら、小森、吾郎、大地の3人が話している。
大地としては偵察行かなくていいのかと思っていたのだが、安藤が行こうと言わないということはまだ必要ないのかとひとまず置いておくことにした。
「そうそう、ボールがあってもなくても、素振り通り腰を使って振ったほうが当たるし、飛ぶよ」
「あ、清水さんはボールから目を離さないで。リズムを大事にして」
「沢村も手だけで振り過ぎだよ。下半身を意識して」
安藤と大地でメンバーのバッティング練習を見ていく。
吾郎は早々に速球や変化球の投げるゲージに移動していった。
「大地君はやらなくていいのかい?」
「んー、まぁやるのはいいんですけど、俺が打つよりもみんなで打って勝ったほうが楽しいじゃないですか?
最悪吾郎がいるし、とりあえずみんなのフォローをするってことで」
(んー、やっぱり大地君はキャプテンの素質があるみたいだな。これを機会に正式に話してみるか)
「大地君、あのさ──」
「──ねえ、ちょっとあんた! いつまで1人で独占してんのさ! 人が待ってんのに3打席も4打席も1人でやんないでよ!」
吾郎の大声が聞こえて、声のする方を見る大地と安藤。
そこではゲージの中にいるであろう人に向かって話している吾郎の姿があった。
一旦安藤に選手を任せて、大地が吾郎を見に行く。
「何言いがかり付けてんだよ! 独占なんかしてねーよ。俺は今さっき金入れたんだぜ」
「吾郎。どうしたんだよ」
「なんもかんも、こいつが1人で何打席もここのゲージを独占してるんだよ!」
「え……失礼ですが、そうなのですか?」
「ちげーよ」
「違うってさ」
「い、いやいや! なんで向こうの言い分を信じてんのさ!」
「もういいから行くぞ。……失礼しました」
吾郎を引きずって戻っていく大地。
離せと言って暴れるが、大地が睨むと大人しくなったのであった。
「ったく、周りに迷惑かけんなって」
「だってあいつが……!」
「ほら、よく見てみろよ」
「え? ……あれ? 同じ顔が3人!?」
「大方三つ子とかそんなんだろ?俺らみたいな双子だっているんだから、三つ子だっているだろ」
大地が指を指した方向を吾郎が見ると、そこには先程ゲージで打っていた人と同じ顔をした人が合計3人いたのであった。
原作知識を持っていた大地は、吾郎が恥をかかないように早めに対処して問題を起こさないようにしていたのであった。
(たしか……ブラックトライアングルだっけ? きっと彼らのユニフォームからブラックって取ってるんだろうけど……中学になってユニフォームが変わったらどうするんだろ?)
くだらないことを考えながら、文句を言っている吾郎をなだめつつ指導を再開するのであった。
◇◇◇◇◇◇
そして秋大会1回戦の日を迎えた。
大地達の家では、朝から慌てている吾郎がいた。
「おはようございまーす!」
呼び鈴が鳴り、大地が出るとそこには小森、沢村、清水の3人が迎えに来てくれていた。
「おはよ。ちょっと待ってね。吾郎がまだ支度中だから」
「ほら吾郎! 友達来たわよ!」
「え? もうそんな時間?」
「だから早く起きなさいって言ったでしょ!」
「仕方ないじゃん。夕べ興奮して寝れなかったんだよ!」
吾郎が支度を終えて玄関で靴を履いていると、桃子が呼び止める。
そして大地達に1枚の写真を渡すのであった。
「これ、バッグでいいから入れていってあげて」
「「……おとさん」」
「母さんも応援に行くけど、スタンドからだとちょっと遠いでしょ? 息子達のデビュー戦の晴れ姿、きっとおとさんもベンチで見たいはずだから…」
桃子の配慮に嬉しそうな顔をする大地と吾郎。
写真は大地が丁寧にバッグの中に入れて、家を出る。
そして集合場所に向かう途中、桃子のことをずっと綺麗だと言っている沢村を無視し続けるのであった。
リトルリーグ秋季大会。
場所は横浜マリンスターズの2軍球場で行われる。
開会式の行進の後、吾郎がキョロキョロと何かを探していた。
「吾郎、どうしたの?」
「ん? 横浜リトルがいないと思って」
「ああ、たしか別ブロックだったから球場が違うんだよ。寿くんに会いたかったよね」
「だなー。合宿以降会えてないからさぁ」
「俺は会ってるけどね。寿くん家行ったし」
「え、だから誘ってって言ってるじゃん!」
「だから声掛けても寝てるのお前だろ。しかも勉強メインだぞ?」
「…あ! 宣誓の挨拶するみたい!」
宣誓の挨拶をしているのが先週揉めたブラックトライアングルの1人であることはもう忘れているため、特に何も感じずに見ている吾郎であった。
そしてついに吾郎と大地の公式戦デビューが始まるのであった。
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