MAJORで吾郎の兄になる   作:ねここねこねこ

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この世界では、リトルリーグの地方大会では3回10点差以上でコールドという方式をとっています。

◇地方大会
3回10点差、4回以降8点差でコールド
◇全国大会
4回10点差、5回以降8点差でコールド



第四十話

(おめでとう。大地、吾郎)

 

 桃子は大地達が喜んでいるのをスタンドから拍手していた。

 義治も一緒になって喜んでいた。

 そして、その近くでは2人の親子が座りながら今の試合を分析していた。

 

「次のうちの相手は三船リトルか……」

「はい」

「よし、球太。お前なりの分析をしてみろ」

「はい。まず監督の指示がハマった試合だと思います。相手の弱点を的確に突く分析力と実行力は見事です。全体的には弱くはないですが、ピッチャーとショートの2人で持っているチームだと思います」

「エースの本田はどうだ? 投げて打って華々しい活躍だったぞ」

「はい……いい選手ですが、別に大したことないと思います。あのレベルのストレートだけなら打ち崩せるでしょう」

「よろしい。だが、油断は禁物だ。では家に帰って1人1人対戦データを練っていこう」

「はい」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「さぁ食え! よし食え! 何食ってもいいぞぉ!! 5年ぶりの一回戦突破のご褒美だーーーっ!」

 

 試合の帰り、一回戦突破を祝ってファミレス『チョーサン』に来た三船リトル一行は安藤の奢りで食べ放題になっていた。

 よし来た! とばかりに三船メンバーが高いメニューの商品ばかり頼むので、安藤は少し涙目になっていた。

 

「……ところでおじさん。来週当たる戸塚西って強いの?」

「う……うむ。シードされているから、それなりに強いんじゃないかな? 去年の秋大会は準決勝まで進んでるし……」

「準決勝!? それってベスト4ってことじゃん!」

「きっつーー」

 

 安藤の言葉に沢村と清水が終わったとばかりに落ち込んでいた。

 そこまで野球に熱心になってくれたのかと安藤が喜ぶが、「来週勝ったら寿司屋に連れて行ってもらおうとおもっていたのになぁ」という言葉にずっこけていた安藤であった。

 

「んー、一応調べたんだけど、ピッチャーのワンマンチームって感じかな。その選手だけはストレートがめっちゃ速くて、フォークをウイニングショットにしてたよ」

「だ、大地君、いつの間に調べてたの!?」

 

 大地は原作知識もあったのだが、念の為事前に練習を偵察してきていた。

 ほとんど原作と誤差のない戦力だったため、ほぼ確実に勝てるつもりでいた。

 

「一応勝つ方法としては3つあるかなって思ってる。まずはフォークを捨てて、全てストレートだと思って打つ。

次に凡打でもいいからとりあえず当てて、ピッチャー以外に処理させる。

最後はフォークを完全攻略して、完膚なきまでに勝つって方法かな」

 

 最初の方法のメリットは、フォークしか投げられなくなるようにすれば、いずれ握力がなくなって甘い球が来るので、そこを確実に打ち崩せる可能性高いということ。

 デメリットは序盤全く点が入らない可能性があるのと、延長も覚悟しなくてはいけないということ。

 

 2つ目の方法のメリットは、ピッチャー以外があまり上手ではないので本牧リトルのときのようにエラーでの出塁や得点が期待できるということ。

 デメリットは出塁できるかは相手頼みになってしまうということ。

 

 3つ目の方法のメリットは、単純に大地自身の好みであること。その方が野球として面白い。

 デメリットは1番目の方法以上に点が入らない可能性があるということ。

 

 このことを伝えたところ、安藤は吾郎と大地には3番目の方法を使ってほしいと伝えた。

 その言葉に吾郎と大地は、嬉しそうな顔をして「「分かった!」」と言う。

 安藤は人を限定して勝つための方法を変えていこうと提案していた。

 

(そうか……全員が同じ方法じゃないといけないと思っていたけど、そんなこともないんだな)

 

 大地も視野が狭くなっていたことを反省していた。

 結果として、吾郎と大地はフォークを完璧に打つこと。他のメンバーは各自得意な技術を使って攻めていこうということになった。

 基本はストレート狙いのため、吾郎と大地のストレートを打つことが目標である。

 

「そうだ! 言うのを忘れていたんだけど、これを機に大地君に三船リトルのキャプテンをやってもらうのはどうかな?」

「……え!?」

「ほら、今回もだけど色々とみんなをまとめてくれてるし、いつもムードを良くしてくれてるのも大地君な気がするんだよ。みんなはどう思う?」

 

 安藤の突然の提案に大地は戸惑ったが、三船リトルメンバーは全員賛成していた。

 一部に至っては、すでにキャプテンだと思っていたと言っている人もいたのであった。

 

「ま、まぁみんながそういうならやってみようかな……。でもみんなもフォローしてね!」

 

 ファミレス内で拍手が起こり、大地が三船リトルのキャプテンに就任する。

 吾郎はその様子を嬉しそうに見ていた。もちろん桃子や義治もである。

 

(大地ならキャプテン向いてるもんな! さすが兄貴だ!)

 

 そして、安藤の財布が空になったところで、本日の祝勝会は解散となった。

 大地と吾郎は桃子と一緒に車で来ていた義治に家まで送ってもらっていた。

 車の中では自分のことのように喜ぶ義治を見て、大地は微笑んでいた。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「吾郎! 昨日から野球ばっかりで宿題やってないでしょ! テレビばっかり観て──」

「──母さん。吾郎、もう寝ちゃってるよ」

「……え?」

「デビュー戦だったからね。疲れちゃったんだよ。明日朝早くから起こして宿題させるから、今日は寝かせてあげて」

 

 大地が洗い物をしながら声を上げていた桃子に対して、吾郎を休ませてあげるように伝えて自身はバットを持って外に出ていった。

 その様子を見て、「もうっ!」と言っていた桃子だったが、吾郎がソファーで寝ている姿を見て怒る気が失せてしまった。

 

(ま、いっか! 今日は頑張ったもんね……!)

 

 大地は外に出てから近くの公園で素振りをしていた。

 毎日の習慣になっているため、やらないと寝れないのである。

 もちろん吾郎と違って、宿題も終わらせている。別で英語の勉強も順調で会話だけでなく、読み書きもほとんど問題なく出来るようになっている。

 

(来週の戸塚西戦でも負けないようにしないとな)

 

 

 そして戸塚西戦の日を迎えるのであった。

 




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『MAJORで寿也の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216813/

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