MAJORで吾郎の兄になる   作:ねここねこねこ

53 / 104
本日8:00の「第四十七話」からリトルリーグ編が終わるまで1時間ごとにノンストップで更新しています。
ぜひ、最後まで楽しんでいってください。

あと、1話ごとに感想や応援くださっても嬉しいです!
今日だけはログインしていない方でも感想書けるようにしておきますので、ぜひお願いします!
高評価やお気に入り登録もぜひお願いします!



第五十話

 4回の裏。三船リトルの攻撃は三者凡退となりチェンジとなった。

 大地はキャッチャーが寿也になってから、誰一人としてヒットを打つことが出来ていない現状に危機感を抱いていた。

 そんな(なか)──

 

「ボール! フォアボール!」

 

 吾郎は5回表の先頭打者である羽生(はぶ)をフォアボールで出塁させてしまった。

 横浜リトル相手にここまで全力投球を続けており、体力をかなり失っていたのだ。

 

「吾郎……大丈夫か?」

「あ、ああ! まだまだやれるさ!」

 

 大地は吾郎を心配して声を掛けたが、元気そうな声を上げた吾郎を見てまだ大丈夫だと判断する。

 最悪自分が交代も出来るが、今後のことも考えると出来れば吾郎で乗り切りたいと考えているのであった。

 そしてここで打席に入るのが、

 

『6番、キャッチャー佐藤君』

 

 寿也はこれがラストチャンスだと考えていた。

 ここで追いつかないのであれば絶対に勝てないと思っていた。

 

(このチャンス、絶対に打ってみせる!)

 

 吾郎はセットポジションから初球ストレートを投げて寿也を空振りさせる。

 疲れているが、まだまだやれるつもりの吾郎も寿也を絶対に抑えようと力が入る。

 そして2球目、小森のサインを見ている吾郎の右手に汗が落ちていくのを大地は見てしまった。

 

(……あっ!!)

 

 大地は吾郎に声を掛けようとしたが、投げる体勢に入ってしまったため声を掛けそびれてしまう。

 そして吾郎がボールをリリースした瞬間。

 

「なっ!!」

 

 吾郎の手が汗で滑り、ど真ん中に絶好球が投げられた。

 寿也がそれを見逃すはずがなく──

 

 

 

 

 

 

 寿也によって打たれたボールはレフトのホームラン用のフェンスを越えていき、2ランホームランとなってしまうのであった。

 

 

 寿也と横浜リトルの選手は土壇場で3対3と追いついたことに大きな声を上げて喜ぶ。

 逆に三船リトルの選手は追いつかれてしまったことに対して、深く落ち込んでしまっていた。

 

「ど、どうする?」

「どうするって、まだ逆転されたわけじゃないし……」

「……ご、ごめん。こんな打たれちゃいけないときに打たれちまうなんて……」

 

 吾郎は、明らかに自身の失投で打たれたことに落ち込んでいた。

 その様子を見て、大地が話し出す。

 

「いや、今のは俺も悪かった。実は投げる直前に吾郎の指に汗が流れていくのが見えたんだ。俺がなんとしてでも声を掛けておくべきだったんだ。

……でもまだ同点だ!しかも俺達にはまだ2回も攻撃するチャンスがある!」

「……そうだな! 最終回には吾郎と大地にも打席が回ってくるし、その前に俺たちで逆転して勝つぞ!」

「「「おお!!」」」

 

 大地の声に選手の雰囲気が良くなっていく。

 吾郎も自分だけのせいだと落ち込んでいたところに、大地が声を掛けてくれたおかげで気持ちが軽くなっていた。

 その勢いのまま、9番までを打ち取り、チェンジにする。

 

 5回裏。なんとか逆転したいと1番の長谷川は気合を入れたが、

 

「ストライク! バッターアウト! チェンジ!」

 

 3番の小森まで三者連続三振でチェンジとなってしまう。

 吾郎は5回のピッチングで体力の限界になってきていたが、気力を振り絞って6回のマウンドに上がる。

 1番の伊達、2番の村井を気迫のピッチングで抑えると、3番で代打が送られる。

 

『3番、ピッチャー菊地君に代わりまして、代打矢部君』

「矢部! なんとかして出てくれよ!」

「真島に回すんだ!」

「分かったでやんす! ここはオイラに任せるでやんす!」

 

 メガネが特徴の矢部が代打として打席に入る。

 どんな打者なのか分からない吾郎と小森は、ストレート(ジャイロボール)で攻めることにした。

 

(や……や……矢部君……!?)

 

 大地はあまりの光景に口を開けてしまっていたが、その間に吾郎が振りかぶってボールを投げる。

 矢部はその瞬間、バントの構えをしてサードにボールを転がす。

 

「セ、セーフティーバント!?」

「サ、サード!」

 

 急いで夏目が前進するも、矢部の足が速く、間に合うか微妙である。

 夏目がボールを捕り、ファーストに投げたが、慌てたせいもあり暴投してしまう。

 

「よっしゃ! 矢部! 二塁へ行け!」

 

 このチャンスを逃さずに矢部は二塁に進塁し、2死(ツーアウト)、ランナー二塁となった。

 吾郎は膝に手をついて、息を切らしていた。

 

「タ、タイム!」

 

 小森がタイムを取り、内野手全員が集まってくる。

 吾郎を少しでも休ませたいのと、対策を練るためだ。

 

「ご、吾郎君……大丈夫?」

「はあ……はあ……」

「げ、限界なら大地に代わるって手もあるぞ!」

「そうだな! それも手だ──」

「──ダメだ」

 

 田辺と長谷川が話しているのを大地がNOと言う。

 

「吾郎。まだイケるだろ? ……こんなところで交代するようじゃ、俺達は全国にも行けないさ」

「はあ……はあ……ああ、ま、まだ大丈夫だ」

「で、でもピンチなのに!」

「あ、そうか。俺たちもアイツを敬遠しちゃえば良いんだ!」

「……やめてくれ」

 

 今度は敬遠ムードになるが、それを吾郎が止める。

 

「……俺は敬遠をしたくない」

「そんなこと言ったって!」

「吾郎……勝てるんだな……?」

「……ああ! 絶対抑える!」

「……って言ってるんだ。みんなも()()()()()()を信じてくれ! 頼む!」

 

 大地が全員に頭を下げて、吾郎が真島と勝負出来る様にお願いをする。

 みんなも大地がここまでしたことに驚くが、これで反対が出来る人は誰もいなかった。

 

「……分かったよ! 勝負してみようか!」

「だね! ピンチだけど、吾郎ならやってくれるさ!」

 

 もうここまで来たら勢いでやっていくしかないと全員が腹をくくった。

 そして、審判に促されて全員がポジションに戻っていく。

 大地だけがマウンドに残り、吾郎に声を掛ける。

 

「吾郎」

「……どうした?」

「ピンチにスマイルだ! 俺たちで勝利を掴むぞ!」

 

 大きく笑った大地に乗せられて、吾郎も笑顔になる。

 その笑顔を見た大地もショートの守備位置に戻っていくのであった。

 




なんと本話にあの有名なゲストがお越しになりました!笑


面白い!また続きが見たいと思ったら、ぜひ高評価、お気に入り登録、感想をお願いします!

『MAJORで寿也の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216813/

『テイルズ オブ デスティニー〜7人目のソーディアンマスター〜』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/218961/

『ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/226246/
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。