MAJORで吾郎の兄になる   作:ねここねこねこ

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本日8:00の「第四十七話」からリトルリーグ編が終わるまで1時間ごとにノンストップで更新しています。
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第五十二話

『5番、ショート本田大地君』

 

 大地がバッターボックスの外で素振りをしている。

 寿也はタイムを取って涼子のところへと向かう。

 

「……敬遠は──」

「──嫌よ」

「……だよね。でも今回だけはどうしても譲れない。(大地)だけはここでチャンスを与えちゃいけないんだ」

「それでも嫌なの! 大地君とは正々堂々戦いたいの! ……きっと私がちゃんと勝負できるのは、()()()()()()()()()()()()()()んだから……」

「え……?」

「これから男の子は成長して、私が身体能力で勝てなくなっちゃう……だから、今だから正々堂々ちゃんと戦いたいの!」

 

(涼子ちゃん……)

 

 涼子の思いを聞いて、寿也は一瞬戸惑う。

 しかし、すぐに涼子の気持ちを理解して賛同する。

 

「……分かった! 僕が責任取るよ! 監督は後で──」

 

 「後でなんとかする」と言おうとしたところで、後ろに気配を感じて振り向くと、そこには樫本が立っていた。

 

「「か、監督!!」」

「いい度胸だな、川瀬。女だからどうした!? そんな個人的な感情で、お前はチームを犠牲にするつもりか!?」

「い……いえ、ただ私は……」

「もういい、勝手にしろ! ただし、それで負けたら、責任はとってもらうぞ! ……帰りのバスまで俺の荷物運びだ! それが嫌なら必ず本田大地を打ち取れ! いいな!」

 

 樫本の言葉を聞いて涼子は笑顔で返事をする。

 そして、寿也が座ったのを見て、スタジアム内は勝負をするのだと理解する。

 

「へっ」

「オッケー!」

「そうこなくっちゃな!」

 

 横浜リトルの選手全員も涼子が勝負をするというのを理解して、気合が入る。

 野球好きにはたまらない状況に、全員の気持ちが盛り上がっているのである。

 大地は微かに笑いながら打席に入る。

 

(大地君……勝負よ! この場では浮ついた気持ちなんて一切無しで勝ってみせる!)

 

 涼子と大地はお互いに睨み合った。

 そして涼子は寿也の方を向いて、サインを確認する。

 頷いた後、振りかぶって、左足を大きく上げて全身を使って投げ込む。

 

「ストライーーク!!!」

 

 涼子のムービングファストボールが外角低めに決まり、ワンストライク。

 審判もいつになく気合の入った声を上げている。

 寿也からボールを受け取り、再度サインを見る。

 

 そして2球目。外角へのスライダーを大地は見逃すが、ギリギリ外れておりボールとなる。

 カウントは1-1。ボール1個分のコントロールが出来る涼子は寿也にとってとてもリードがしやすいピッチャーだった。

 

(よし、じゃあ次のカーブでファールを打たせて……)

 

 寿也の狙い通り、外角低めのカーブを大地が打ち、ファールとする。

 しかし、予想と違っていたのは、大地が打った打球があわやホームランになりそうなほどギリギリだったからだ。

 

(あ、危ない……でも次のSFFで引っ掛けておしまいだ!)

 

 涼子が真ん中低めにSFFを投げて、大地がバット振る。

 寿也が打ち取った!と思ったが、バットが大きな音を鳴らした。

 そして、レフトのポール周辺に球が飛んでいったのであった。

 

「入ったぞ!」

「いや、ファールか!?」

「どっちだ!?」

 

 観客、三船リトルメンバー、横浜リトルメンバー全員が声を上げるが、それを判断できるのは審判だけである。

 そして三塁の塁審が判断を下す。

 

「ファール!!」

 

 ボールは僅かに切れており、ファールボールとなっていた。

 この判定にため息と安堵の息が同時に漏れる。

 

(い、今のは危なかった……大地君、どんなセンスをしてるんだよ……)

 

 まさか涼子のSFFが打たれるとは思わず、寿也はかなり焦った。

 涼子もこれで終わるのだけは嫌だった。

 

(負けられない! 負けたくない! あなたのことをどんなに好きでも、()()では負けたくないの!)

 

 涼子は大地に絶対に負けたくなかった。

 だからこそ最後の球は一番自信のある()()()にしたいと寿也に要求した。

 寿也も同じ球のサインを出そうとしていたので、受け入れて頷く。

 

 

 涼子は大リーガーである尊敬するジョー・ギブソンのフォームで振りかぶる。

 そして一番自信のあるムービングファストボールを投げ込んだ。

 大地はこの一振りに、この試合の全てを掛けてバットを振り切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カキィィィン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大きな音とともに、飛んでいった球は────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────レフトスタンドのポールに当たったのであった。

 




大地が吾郎のあとの5番に入っている理由の1つが、このシーンのためでした。
3番でも4番ではなくて、5番大地君の方がリトルリーグ編は良かったのです。

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『MAJORで寿也の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216813/

『テイルズ オブ デスティニー〜7人目のソーディアンマスター〜』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/218961/

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