お前本当にレベル1?   作:千点数

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 あるPSチート少女とのお話。


イントロ
ザ・ワン


 ポリゴンで出来た仮想世界の空を見上げる。

 ゲーム内時間は午後八時。満天の星空が広がる。

 

 New World Online・・・・・・略して、NWOの第二回イベントは広大な自然が舞台だ。街の光が一切無いから、綺麗に星が見える。普段は見えないような六等星も鮮やかに見えるのだ。

 星空を見上げる少年は、銀色のメダルを指で弾きながら、感動的で幻想的な風景に目を輝かせている。

 

「これは良いな。運営も良い仕事をするじゃあないか。僕は田舎で過ごしているから、綺麗な夜空は見たことはあったが、それ以上の美しい夜空があるとは思いもしなかった。凄いや。本当に」

 

 少年は、メダル以外には腰に一振り、片刃の、異常な大きさの大剣をつり下げ、革で要所要所が守られた群青色のパーカーを着込んでいた。

 それ以外の装備も、そのパーカーに合わせたモノのようで、腰の片刃大剣が無ければ、少々物々しいだけの日本のありふれた少年である。

 

「さて、夜空に感動した所で、そろそろ僕のこのメダルを付け狙うハイエナ娘を相手しましょうかね・・・・・・」

 

 彼はメダルを弾くタイミングで自らのインベントリにそれをしまい込み、おもむろに大剣を()()で引き抜く。

 

「あらら、ばれちゃってましたか・・・・・・」

 

 そう言って出て来るのは、青いマフラーとコートを纏い、深い、深海のような二本のダガーナイフが特徴的な、髪型がポニーテールの少女。プレイヤーを示すHPバーがその近くに浮かんでいる。短剣武器を最初に選んだ場合の初期HPだ。

 

「けっこう本気で姿隠していたんだけれど・・・・・・」

「一応こんなでも気配察知のスキルレベルはマックスまで上げているものでね。それに僕は、かくれんぼじゃあ負け無しなんだよ」

「うわぁー、とんでもないのに目をつけられちゃった・・・・・・」

 

 少女はダガーナイフを構えながら、少年は大剣を担ぎながら相手の出方を伺う。

 今のイベントは、メダルの探索イベントでいてかつ、メダルの争奪戦でもあるのだ。

 この、少年の目の前に現れた少女も少年の持つメダル目当てであろう。

 

「で、どうするね。ダガー少女。やるかい?」

「勿論。こちとら三時間粘って漸く二枚なのでっ!」

 

 異常なスピードでいきなり少女は駆けて来る。

 少年はそれを目で追いつつ・・・・・・動かなかった。

 勿論、自分の防御値とHP値に期待して、である。

 何せ、今少年の防御値(Vit)、HPは何の強化も無しに100もあるのだから。これにスキル絶対防御、及びHP強化を加えると実数値は防御値だけで200と恐ろしい事になる。大抵の攻撃はその防御の前では殆ど無意味なのだ。

 

「余り通ってない・・・・・・防御貫通スキルにパワーアタックまで使ってHPバーを一ドットって嫌になっちゃうなぁ・・・・・・」

「まぁ、なんだ。少々アホらしい内容のスキルを手に入れたもんでね。デメリットが目を見張る程に大きいけれど、案外有用なのさ」

「うへぇー、うちのパーティーメンバーと同じ感じかぁ・・・・・・こりゃ退散しますか」

「逃げる、というなら追わないよ。僕はもう集まっているからね。君を倒すメリットもありはしない」

「・・・・・・その寛大な心に感謝感激」

 

 そうして、たった一合いの勝負は終了した。

 後に残った少年は一人。また、夜空に感動を覚えるのだった。




【ザ・ワン】
全ステータスに割り振られたステータスポイントを無効。(デメリット)
レベルを1で固定。(デメリット)
ステータスポイントが手に入らなくなる。(デメリット)
全ステータスの最低値(・・・)を0から100に上昇。(メリット)

・取得条件
()()()1()()()()()()()()()、初期設定が終わってから丸三日以内にボスを単独撃破。

このレベル1、どんなプレイヤーと戦わせますか?

  • 防御極振りの天使(化け物)
  • PSヤバイ回避盾ポニーテール
  • 炎帝
  • 第一回イベント一位のヤベー奴
  • 質実剛健、常識的な大盾使い
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