毎日投稿は難しいですけど、なるべく面白いお話をお届けできるように頑張ります。
そして、皆様お気付きの方もいらっしゃるとは思うのですが、ご質問があったのでここでお答えします。
私が感想のお返事をするときは次話の投稿予約をしたあとなのです。
つまり感想のお返事が来ていたら、当日か次の日には投稿される目安となります。
ご参考までによろしくお願いいたします。
『さあ1回の裏、ナ・リーグのマウンドに登るのは、現在11勝0敗。防御率0.61とナ・リーグの大スターであるサンフランシスコ・ガンズの
(よくアメリカまで来たな
吾郎達を見ながら不敵に笑うギブソン。
3人も見られているのが分かったのか、同じように笑い返す。
そしてギブソンは1番打者であるロプトンを見る。
審判によるプレイのコールのあと、ギブソンはいつもの変則フォームから外角真ん中へファストボールを投げ込む。
2球目も同じくファストボールだが、今度は154km/hとスピードが上がっていく。
(よし、次はスプリットフィンガーで1球目と同じコースだ)
キャッチャーのマイクがサインを出すもギブソンは首を振る。
カーブが良いのかと思い、サインを出すもギブソンはさらに首を振り、
『No!
ギブソンの言葉にロプトンもマイクも驚きの表情を見せる。
『な、何でしょうか? 今、ギブソンがキャッチャーに何か言ったようですが……』
(こ、この野郎! なめやがって! ナ・リーグの速球王とか言われて調子乗ってんじゃねーぞ!
ファストボールだけで抑えられるほど、ア・リーグのバッターは甘くねぇんだよ!!)
ギブソンの言葉を聞いていたロプトンは、怒りで少し冷静さを欠いてしまい高めのボール球に手を出して三振になってしまう。
まさか三振するとは思っていなかったロプトンだったが、ベンチに戻る前に2番打者のカルロスにギブソンが話していたことを伝える。
「ス、ストレートだ。ギブソンはさっき、ストレートだけで勝負するって言ったんだ」
「……うん! きっとそうだね」
『え? 今吾郎達は何を話しているの?』
『えっとね、ギブソンが今ファストボールだけで勝負をするって言ったんだと思うって予想していたんだよ。僕もそう思うし』
『え!? 父さん、そんなことして抑えられるの!?』
ジュニアが吾郎と寿也の会話が気になって聞いてきたので、翔が通訳すると驚き、そんなことが出来るのか不安になっていた。
しかし、その不安を払拭するかのように、2番のカルロス、3番のマルチネスも三振に仕留める。
解説もファストボールだけで抑えられるほど甘くはないと言っていたのだが、三者三振に言葉を失っていた。
「本田選手の時と一緒だ!」
「え……!?」
「ギブソンは相手が一流の打者であればあるほど、直球勝負にこだわるんだよ。
そして君のお父さんは彼の160km/hの真っ直ぐをホームランにした。もしかしたらだが……ア・リーグのスーパースター達を直球だけで抑えることで、本田選手がどれだけ素晴らしい選手なのかを改めて君に伝えようとしているんじゃないかな」
『なんと初回のギブソン、強力ア・リーグ打線を三者連続三球三振! しかも全部予告したファストボールのみ!
驚きました! どよめく、オークランドアスリーツ・スタジアム!』
(おとさんは……アメリカのメジャーのスーパースター達よりも凄いのか……。ギブソン、嬉しいデモンストレーションをしてくれるね!)
吾郎は嬉しそうな顔をして、ジュニアも吾郎の隣で父であるギブソンを誇らしげに見ていた。
2回の表、ナ・リーグは三者凡退となり、ギブソンが再度マウンドに登ってくる。
『空振り三振ー! 2年連続MVPの主砲であるトマスも三振! これでギブソン、4連続奪三振! あと1つでメジャーリーグのタイ記録です!』
続く5番のビルも三振に仕留め、メジャーリーグオールスターの連続奪三振タイ記録に並ぶ。
三振にした際の最後のボールが160km/hを記録したため、会場の興奮もどんどん高まっていく。
『さあ、あと1つでオールスター新記録! 今日のギブソンは恐ろしく気合が入っています! 打席には鉄人リブキン!』
ギブソンはいつものように大きく足を上げ、直球を全力で投げ込む。
リブソンはかすることも出来ずに空振りする。
2球目は外角低めに投げ、リブソンは見逃すもギリギリ入っており、ツーストライクとなる。
(吾郎、見ていてくれ。君の父である茂治がどれだけ素晴らしい選手なのかを証明するぞ。そして君の悩みの手助けに少しでもなればと願うよ)
そして最後に160km/hのファストボールを投げて、空振り三振にしてオールスターの奪三振新記録を達成したのであった。
◇◇◇◇◇◇
『ライトフライ! マンデシー捕って試合終了! 3対2、今年のメジャーリーグオールスターはナショナルリーグが勝ちました!
メジャーの素晴らしいプレーが随所に見られました。しかし、今日のMVPはやはり圧巻の6連続奪三振を取ったこの人、ジョー・ギブソン投手に贈られるようです。
ちょうど今、現地のインタビューを受けています』
「すごい試合だったね」
「うん。すごかった」
「すごいって言葉しか出てこないよね」
吾郎達は口々にすごいと話すも、それ以上の言葉が出てこないくらい感動していた。
ジュニアも父の偉大な姿を尊敬の眼差しで見ていた。
(父さん、すごい選手だ。俺も父さんみたいなすごい選手になりたい!)
ジュニアの中でベースボールに対しての火がさらに強くなっていた。
それは吾郎、翔、寿也も同じである。
そして、メリッサは翔の隣で眠ってしまっていた。
『ほら、メリッサ起きて。もう試合終わったわよ』
『う〜ん』
『まったく……仕方ないわね』
そう言ってメリッサを抱っこするローラ。
まだ余韻に浸っていたいが、メリッサのために全員は早めに帰ることにした。
家に着いてからはジュニアを含めて4人で今日のオールスターについて熱く語っていた。
翔と寿也が通訳をしているので、吾郎とジュニアのコミュニケーションに問題はなかった。
ローラにお風呂に入るように言われ入ったは良いが、4人で湯船の中でずっと話していてのぼせてしまい、ローラに怒られたのは次の日の笑い話だ。
「……俺さ、アメリカで野球やっていくよ」
「うん、僕も同じ気持ち。寿也は?」
「僕もだよ。あれだけのプレイを見せられて残らないって選択肢を選ぶ方が難しいよね」
ジュニアに『何話しているの?』と聞かれて、両親がOKを出せばアメリカに残って一緒にベースボールをしたいということを話していたと伝えると、とても喜んでいた。
せっかく仲良くなれたのに、このまま帰ってしまうのはジュニアとしても寂しい気持ちがあったので翔達が残る選択をしてくれたのが嬉しいようであった。
「じゃあ早速お互いの両親に聞いてみようか」
「だね」
「うちは僕が代表して聞いてみるよ。寿也、それでいい?」
「うん、翔に任せるよ!」
そしてお互いの両親に国際電話を使って確認したところ、やはり驚いていた。
本田家はギブソンの提案であれば何か考えがあるのだろうと茂治は思い、比較的早めに賛成をもらえた。
翔達に関しては、母親が渋っていたのだ。勉強もそうだが、やはり心配なのと息子達に会えないのが寂しいようであった。
「父さん、母さんに代わってくれる?」
「あ、ああ。母さん、翔だ」
「もしもし」
「母さん?翔だけど……」
「……本当にアメリカで野球をしたいの? それは寿也も同じ気持ちなの?」
「うん、ベースボールの本場で野球をしたいんだ。寿也も同じ気持ちだよ」
「勉強や学校はどうするの?」
「勉強に関しては前も言った通りだし、こっちでもきちんと勉強するよ。学校は……ごめん。夏休み最終日には帰るかもしれないけど……もし帰れなかったら休ませてほしい」
「……今までほとんどわがまま言わずに、お母さん達の言うことをきちんと聞いてきたんだものね。
分かったわ。その代わり、毎日電話すること。それとギブソンさんに挨拶をしたいから、代わってもらえる?」
「分かった! ありがとう、母さん!」
正直に話すことで熱意が伝わったのか、最終的に賛成してくれた翔達の母親。
ローラに電話を代わり、挨拶をしているようであった。
翔達の母親は、茂治の事件以降も翔達と英語を一緒に学んでいるためほとんど違和感なく話すことができていた。
「翔くん達の親もOKだって?」
「うん! 大丈夫だってさ!」
「翔! やったね!」
まだ期間は決まってないが、これから始まるベースボールの本場アメリカでの野球生活。
決して簡単なものではないだろうと翔達も思っているが、それ以上にどんな選手と野球が出来るのかを考えるだけでわくわくしていた。
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『MAJORで吾郎の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216811/