MAJORで寿也の兄になる   作:灰猫ジジ

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本日2話分出しています。

両方とも時系列はほぼ同じですが、内容が違います。
どちらの話で続きが見たいのかを是非お聞かせください。
1話目は8:00に掲載済みです。

※誤解が無いようにもう一度伝えておきますね。【第二十七話①】と【第二十七話②】は繋がった話ではありません。
どちらかの話の流れで中学生編へ進むということです※

そのために初めてアンケート機能を使ってみました。
両方読んでからアンケート回答くださいませ!
これからの話が変わってくるので、ぜひアンケート記入をお願いします!



第二十七話 人生の分岐②※

 吾郎がアメリカに旅立ってから2年の月日が流れていた。

 そしてその日は翔と寿也にとって、生まれてから最悪の日となったのだった。

 

「「ただいまー!」」

 

 翔と寿也が家に入ると、いつもは迎えてくれるはずの母親がいなかった。

 妹の美穂も今日は休んでいたので、一緒に病院に行ったのかなと思い、リビングに行く。

 そして驚きのあまり、背中から下ろして手に持っていたランドセルを落としてしまった。

 リビングへのドアを開けると、そこには何も無かったのだ。

 

「翔、そんなところに立ってないで早く中に入ってよ……って…………え?」

 

 寿也が翔の顔の横からリビングを除き、何もない光景に驚きのあまり絶句していた。

 

「こ、これってどういうこと?」

「……寿也、一旦落ち着こうか。ちょっと考えさせてもらってもいい……?」

「う、うん」

 

 リビングに入ってソファーもなにも無いので、床に座る2人。

 翔は冷静な素振りをしていたが、そこで頭を抱えていた。

 それはそのはずである。平和に暮らしていて愛情を持っていた家族が急にいなくなれば動揺するのが当たり前なのである。

 

(し、しまった……! そうだよ。小学6年生って、寿也が親に捨てられた年じゃんか……! ()()って、そういうことだよな……)

 

 不安そうな顔をする寿也を見て、翔は決心した。

 現時点で嘘をついてもいいから、寿也が精神を病まないように支えようと。

 

「寿也、今考えたことを言ってもいいか?」

「う、うん……」

「多分だが、お父さん達は夜逃げしたんだと思う」

「え……! な、なんで!?」

「落ち着けって。続きを話すぞ?」

「う、うん」

「本当に憶測だから、変に動揺しなくてもいいからな。一応僕もこの後の対策も考えているから。

多分だけど、お父さんの事業が失敗したんじゃないかなと思っている」

「お父さんが……!」

「ああ、僕達は今日学校行っていただろ?だから、僕らを連れて行く時間的余裕がなくて、たまたま家にいたお母さんと美穂を連れて行ったんだと思う」

 

 翔は努めて冷静に話そうとしていた。

 心の中は動揺しっぱなしである。捨てられたことが分かっているからだ。

 今日、美穂が急に病欠で学校を休むとなったときもおかしいと思っていた。

 

 

 

 

 なぜなら、()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

 

 

 そこで不審に思うべきだったのだ。よくよく思い返せばおかしいことはたくさんあった。

 母親がたまに伏し目がちに思い悩んでいたり、父親が帰ってこない日が続いていたり。

 それでも一緒にいるときは仲良くしていたから、そこまで不思議に思っていなかったのだ。

 

 完全に翔の落ち度である。だが、これを悔やんだところで何も始まらない。

 むしろこれからをどう過ごしていくかを考えていくかが大事だと、翔は前世の経験で分かっていた。

 

「本当なら僕らも学校を休んで、一緒に行くことになっていたのかも。……お母さんはそれを助けてくれたんだと思うよ」

「え……お母さんは僕らを見捨てたんじゃないの?」

 

 寿也は泣きそうな目をしながら、翔に聞く。

 不安で仕方がないのだ。だが、目の前に翔がいるからまだ堪えられていた。

 

「ああ。そうだと思う。おそらく今日僕らが一緒に行っていたら、お父さんに対して失望して、最悪手を上げられていたかもしれないし」

「な、なんで……!? お父さん、そんなことしたことないのに……」

「いや……寿也はお母さんがたまに何かを隠そうとしていたのに気付いてたか?」

「うん、なんだろうな? って思っていたけど、もしかしてお母さん……!」

「そうだね。きっとお父さんに手を上げられていたんだと思う」

「じゃあ美穂は!? それなら危ないじゃないか!」

「分かってる……だから本当なら学校に行かせようとしていたんだけど、体調悪くなっちゃったから仕方なく連れて行ったんだよ」

「お母さん。僕らのことを助けてくれたんだ……」

「ああ。だから僕らは、僕らを助けてくれたお母さんにまた会えるときまで2人で支え合っていかないといけないんだ。

()()()1()()()()()()()2()()()()()()()

 

 寿也はその言葉を聞いて、泣きそうだった顔を袖で拭うと「このあとどうすればいい?」と真面目な顔になって翔に質問する。

 

「まずは吾郎君の家に行こう。おじさんとおばさんに事情を話して、今日泊めてもらうんだ。

そこからおじいちゃんの家に連絡取って助けてもらえるかを聞いてみよう」

「分かった!」

 

 翔と寿也はすぐに茂治の家に向かった。

 元自宅の玄関のドアを開けたときに、不意に寿也が翔を呼び止めた。

 

「翔」

「ん? どうした?」

「本当にありがとう」

「………何言ってんだよ! 兄貴として当たり前だろ!」

 

 急にお礼を言われて戸惑った翔だったが、すぐに笑顔になって寿也に返事をする。

 寿也も釣られて笑顔になり、2人で玄関を出た。

 

 

 

 

 

 

 今日という日は翔と寿也にとって人生最悪の日だったが、これからの未来が絶望ではないことを教えてくれた日でもあったのだった。

 

 

 

 

〜リトルリーグ編 完〜

 

 

 

 

【佐藤 翔ステータス】

◇投手基礎能力一覧

球速:120km

コントロール:E+

スタミナ:E+

変化球:

チェンジアップ:3

 

◇野手基礎能力一覧

弾道:3

ミート:E+

パワー:E+

走力:E+

肩力:E+

守備力:E+

捕球:E+

 

◇特殊能力

ノビC-

回復D+

送球C-

外野手○

チャンスメーカー

 

 

◇コツ

ジャイロボールLV3

パワーヒッターLV2

レーザービームLV2

 




これでリトルリーグ編が終わります。
最後は卒業まで話を一気に飛ばしていますが、このままリトルリーグ編を続けていても同じ感じになるし、吾郎は戻ってこないとテンポ悪いので。

また吾郎sideが追いつく頃に続きの話を書きますので、8:00に投稿した話も読んでからぜひアンケートの記入をお願いします!
基本、①か②のどっちかなので!笑

面白い!また続きが見たいと思ったら、ぜひ高評価、お気に入り登録、感想をお願いします!

『MAJORで吾郎の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216811/

どっちの話で中学生編に突入したい?

  • 家族と上手くいった話(原作と違う)
  • 家族に捨てられる話(原作通り)
  • メリッサと同棲してしまえ
  • 茂治に養ってもらえ

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