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ドラゴンクエストΩ 〜アルテマこそ至高だ!〜
https://syosetu.org/novel/226246/
メリッサはため息をついていた。
あれだけの楽しい日々が終わってしまい、またいつもの生活に戻ってしまったからである。
(パパもママもひどいわ! あーあ、どうしてこうなったのかしら……)
本人も気付いている。
それは小学校1年生に上がる夏のことだった。彼女はその日、誰かがやってくるということまでは知っていた。
ただ、当時の彼女は良く分からない人と会うのだけはどうしても好きになれなかった。
◇◇◇◇◇◇
『あら、いらっしゃい。ようこそアメリカへ! 私はジョーの妻のローラよ! こっちは娘のメリッサ、よろしくね!』
メリッサは突然現れた男4人に対して、どうして良いかわからなかった。
3人は兄であるジュニアと同い年くらいで、もう1人は大人の男性だった。
日常が崩れる。そう思うと、なんとも言いようがない恐怖に襲われて泣きそうになってしまっていた。
しかし────
『メリッサちゃん……だよね? 僕は翔っていうんだ。よろしくね』
頭に置かれた優しい手と少年の温かな雰囲気に、先程まで抱いていた気持ちは全て吹っ飛んでしまった。
顔を赤くしながら、『う、うん……』とだけ答えたメリッサ。
普段であればその後も近付くこともなかったのだが、目だけは翔を追いかけていく。
それからジュニアを含めて4人が庭でキャッチボールをしている様子を見ていたメリッサ。
ずっと翔のことばかり目で追っていたら、不意にローラに話しかけられる。
『メリッサ、翔のことが気になっているの?』
『え……わ、わかんない』
『ふふふ。どうせなら仲良くなれたらいいわね。彼、優しそうだからメリッサとも仲良くしてくれるわよ』
『え……! 本当!?』
『ええ、本当よ。ほら見てごらんなさい』
ローラがそう言って指をさすと、そこには翔がローラとメリッサのところにやってくるのが見えた。
メリッサは顔を赤くしてローラの服を掴みながら俯く。
その様子を見て、ローラはくすくすと笑うのであった。
『メリッサちゃん。ずっと見ていると暇でしょ? 一緒に遊ぶ?』
『……』
『メリッサは野球やったことがないのよ』
メリッサは俯いたまま何も答えない。
代わりにローラが答えるが、その様子を見た翔はかすかに笑い、メリッサの隣に座り込む。
『そうだったんだね。じゃあ良かったら僕と話そ!』
そのままジュニア達とキャッチボールに戻ると思っていたメリッサは、驚いて翔の顔を見る。
翔の温かな雰囲気に、どんどん吸い込まれていきそうになった。
その後は翔の前世で培われたコミュニケーション力のおかげで、最初はぎこちなかったメリッサも徐々に笑顔を見せ始める。
『……驚いたわ。あのメリッサがここまで私達以外に懐くなんて』
1時間もすると、メリッサが常に話して翔が聞き役に回るというパターンに変わっていた。
翔の聞き上手な特徴もあり、メリッサは話すのが楽しくなっていた。
そんな夢のような数週間だったからこそ、別れは辛かったのである。
◇◇◇◇◇◇
あれから3年の月日が流れた。
翔は中学生になったと手紙で知り、お祝いしに日本に行きたいと両親にお願いしたところ、反対されたのだ。
そして部屋に閉じこもっていたのである。
(私だってもう
再度ため息をついたメリッサは、のんきに庭で野球をしている
(私がこんなに悩んでいるのに、なんで
……翔も翔よ! あれから3年も経つのに手紙ばっかりで全然会いに来てくれないじゃない!)
翔に対しての文句を心の中で言ったとき、なぜか翔とおままごとをした時のことを思い出す。
いつもは友達としかしていなかったのに、翔もずっと付き合ってくれていた。
そのとき、ふと思い出したのである。
『でね! エミリーやエリザベスとお母さん役とか選んで、一緒にご飯作ったり食べたりして遊んだりしてるんだ!』
『そうなんだね。日本にもそういう遊びあるよ。日本語で
『オママゴト?』
『そう! メリッサは日本語も上手になりそうだね!』
『ほんと!? じゃあメリッサ、日本語も勉強する!』
(……そういえば私、全然日本語の勉強してなかった。翔が英語で話してくれるから、いつもそれに甘えていた気がする)
翔に気に入られようと話したことではあるのだが、翔はいつもメリッサに気を遣ってくれていた。
会話のレベルに関してもだが、目線の位置や歩くスピードなど常にメリッサに合わせてくれていたことに気付いた。
そして今まで貰った手紙を読み返す。
(やっぱりだわ! いつも私の話に対して色々と気を遣ってくれていたんだ……)
翔の優しさに気付くと、今まで文句を言っていた自分が恥ずかしくなってくるメリッサ。
それでも翔に会いたい気持ちを抑えるのは難しく、のんきに野球をやっている
(あの2人も翔くらい気を遣えるようになりなさいよね! ……はぁ。本当に日本語を勉強しようかしら)
再度ため息をつくメリッサ。
これから成長期に入るメリッサの憂鬱は当分続くのであった。
ジュニアと吾郎が気を遣えないダメンズになってしまってました笑
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