詳細は活動報告に載せましたので、今後ともよろしくお願いいたします。
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海堂高校のスカウトと話した日に、家に帰ると今度はEL学園からのスカウトの人が来ていた。
会って話をしたあとに、海堂高校からもスカウトが来たことを両親に話すと、驚きつつも喜んでくれていた。
「それで、2人はどっちに行きたいんだい?」
「……僕は海堂高校に行きたいかな。EL学園も名門だし良いとは思うんだけど、父さんや母さん、美穂と簡単に会えなくなるのは寂しいから」
「寿也……」
家族思いの寿也の言葉に母親が感動しているが、翔は黙ったままだった。
父親が翔に再度問いかける。
「翔はどうしたいとか考えているのか?」
「えっとね、まだ悩んでるよ。そもそもEL学園や海堂に行ったら、プロ野球選手にはなりやすくなると思う。
でも、母さんにせっかく進学校に入れてもらっているんだし、大学を視野に入れて勉強する環境も良いのかなって」
翔の言葉に母親も納得しつつも、ゆっくりと話し始める。
「翔……確かに勉強も大切よ。良い大学に行って、大手の会社に就職するのも選択肢の1つだわ。
でもね、これだけ頑張って野球選手になる道が開けているのであれば、あとは翔が好きな方を選んでいいのよ」
「母さん、ありがとう。じゃあそれも含めてもう少し悩んでみてもいいかな?僕には今すぐにどうしようとかは決められないからさ」
結局、翔はその場で自分の意見を言うことなく就寝する。
中学三年になっても同じ部屋の寿也に、一晩中説得され続けたが、それでもYESともNOとも答えなかったのであった。
◇◇◇◇◇◇
それから横浜シニアが全国大会出場を決めるまでに、多くの高校からスカウトが来た。
北は北海道から、南は沖縄まで。あとで見てみたら全ての都道府県から来ていたことに驚く2人であった。
「佐藤! お前達、色んな所からスカウト来てるのにまだ決めてないのか?」
横浜シニアの練習が終わったあとに、堂本がやってきて翔と寿也に話しかける。
後ろには長渕と天野もいるので、全員が気になっているようであった。
「ああ、そのことか。僕は大体決まってるんだけど、翔がまだ答えを出してないんだよね」
「そうなのか……俺達は海堂からの推薦でほぼ決まりだからな。もし海堂行くなら、また一緒に野球ができると思ったんだよ」
堂本、長渕、天野は翔と寿也を敵に回したくないと思っているため、海堂に行くように仕向けたいと考えていた。
寿也も海堂に行こうと考えているが、翔が答えを出していないため、正式に回答するのは控えていた。
「ああ、まだ決まってないよ。もうちょっと考えたいかなぁ」
「横浜シニアの俺達全員で海堂の全国制覇を達成してやろうぜ!」
堂本に肩を組まれて翔は苦笑いをするが、そろそろ候補を絞らないといけない時期にはなってきたと思っていた。
翔は「もう少し考えてみるよ」と3人を躱して、家に帰っていくのであった。
◇◇◇◇◇◇
「フン、全体的に小粒だな。頭数もまだまだ足りん」
海堂高校の一室で編成担当部長の北川とチーフスカウトの大貫が今年の中学三年生のスカウト状況について話し合っていた。
入学内定していた選手の資料をテーブルに置き、北川は大貫に現状に対しての不満を漏らす。
「困るね。チーフの君がこの程度の報告では。もう8月だというのに、もっとイキの良さそうなのを内定取れるんだろうな?」
「はぁ……色々当たってはいるんですが……」
「とにかく急ぎたまえ。
「分かりました……失礼します」
人の苦労も知らないでと大貫は思いつつも部屋を出ていこうとすると、ちょうどシニアではなく、中学校の県大会の組み合わせがFAXにて届く。
北川は大貫を呼び止めて、コピーを持っていくように指示する。
(まぁ県大会で再度スカウトをしていくしかないか……。それにしても佐藤兄弟が獲れれば、
どこの高校に対しても正式に回答をしていない佐藤兄弟の進学先は、高校野球の強豪校から注目されていた。
大貫としてもなんとか獲得したいが、無理に攻めても引かれるだけだと分かっているため対策を練る必要があったのである。
廊下を歩いていると、大貫を呼ぶ声が聞こえ振り返る。
「大貫さん、ここにいらっしゃいましたか」
「ああ、江頭さん」
大貫を呼び止めたのは、海堂の野球部部長であり、一軍のチーフマネージャーでもある江頭。
スカウトをやっている関係でたまに話すことはあっても、そこまでの関係性があるわけではなかった。
「聞きましたよ。スカウトの状況が思わしくないって」
「はあ……」
「佐藤兄弟は獲得出来そうなのですか?」
「まだなんとも……本人達はどこの高校に対しても返事を保留にしているようです」
「ふむ…それでは他校に取られてしまう可能性ありますね」
(
大貫は江頭の真意が分からず、返事をせずに考えていると江頭が笑みを浮かべて話し出す。
「佐藤兄弟を獲得できるなら、少し強引な方法を使ってもいいので確実に獲得してください。
弱みを調べるなりすれば、可能性も出てくるでしょう。……例えば父親の会社の不正を調べて脅すとかね」
「あ、あんた……何を……」
「それくらいの脅しを遠回しに使ってでも獲得してください。あの2人は次世代の海堂には必要ですからね」
笑いながら去っていく江頭に対して、大貫は寒気がして、両腕には寒イボが出てしまっていた。
そして、それは海堂高校の門を出るまで収まることはなかったのであった。
◇◇◇◇◇◇
全国大会を明日に控え、外を軽くランニングしている翔を大貫が呼び止めた。
「あなたは海堂の……」
「ああ、明日から全国大会があるのに悪いね。ちょっとだけ付き合ってもらえるかな?」
翔は大貫について行き、あまり人がいないカフェに入っていく。
水を飲んで一息ついた翔に対して、大貫はA4サイズの紙が入る封筒を渡した。
中を開けると、そこには15枚ほどの束の紙が入っており、怪しみながらも取り出して読み出す。
「こ……これは……!?」
「……やはり君なら読むだけで分かるようだね。それは事実だよ」
そこに書いてあったのは、翔の父親の会社での経費の水増しの資料であった。
明らかに経費を架空で増やしており、利益を減らすことで法人税の支払い金額を下げていたのであった。
(あの
「この情報は……どこから得たのですか?」
「……匿名希望者からだよ」
「もう誰かに話したのですか?」
「いや、俺としてもこれを世に出すのは良くないと思っているんだよ……
その一言で大貫の言いたいことが分かった翔。
大貫も翔が察したことに気付いて、煙草に火を付けて薄く笑う。
「少し……考えさせてもらえますか……?」
「ああ、いいとも。
大貫は「今日はこれで失礼するよ」と言い、資料を持ってそのまま店を出ていった。
翔は顔を若干青くしながらも、難しい顔をして俯いていたのであった。
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