MAJORで寿也の兄になる   作:ねここねこねこ

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第三十五話

「い……今なんと?」

「ですから、僕達は海堂高校には行きません」

「……それでは()()がどうなっても良いと? お父さんの不正を世間に公表されても何も構わないということかな?」

「ええ。ご自由になさってください。ちなみに、ここまでのやり取りは全て録音させてもらっていますから」

「……なっ!?」

「それでは僕達はこれで」

 

 翔達は席を立ち、カフェから出ていく。

 席には、大貫が悔しそうな顔をしてただ1人座っていたのであった。

 

 

 

「ふぅ。ようやく終わったね!」

「だね! でもまだ油断はできないよ。万が一世間に公表されたら、少なからずダメージはあると思うし」

「そっか……」

「でもワールド高校は受け入れてくれるってギブソンも言ってくれていたし、頑張っていこうよ!」

 

 2人は改めてワールド高校で頑張っていくことを決意し、自宅へと帰っていく。

 周りに助けられながらも少しずつ前に進んでいく翔と寿也。

 絶望が見えながらも、なんとかやっていくことが出来ているのは自分達のお陰ではないと分かっていた。

 だからこそもし周りが困っていたら、自分たちの出来る限りのことをして恩返しをしようと胸に秘めていたのであった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 海堂高校のある一室にて。

 

「……もう一度言ってもらえますか?」

「……佐藤兄弟の獲得に失敗しました。彼らは別の高校に行くとのことです」

「私が用意した()()はちゃんと使ったんですよね?」

「はい……。父親の不正を公表されても構わないと言っていました」

 

 気まずそうに返事をする大貫に対して、江頭は怒りを抑えるのに必死だった。

 誰から見ても怒りが頂点に達しており、様子がおかしかったのである。

 

「ふふふ……そうですか。じゃあ遠慮なく公表させてもらいましょうかね。

私達をコケにした代償は彼らにきちんと払ってもらわなくてはいけませんからね!」

 

 その時、1本の電話が鳴る。江頭が不機嫌そうな口調で電話を取るが、大きな声で「なんだと!?」と叫んだあと、少し話を聞き乱暴に電話を切った。

 

「ど、どうされたのですか?」

「やられましたね。佐藤兄弟の父親が修正申告をして、きちんと追加分の税金も支払ったそうですよ」

「な……!?」

「これでは公表したところで精々心象が悪くなる程度です。修正申告前であれば、申告を間違えていたのかわざとやっていたのかなんて関係なく()()()()()()()()()()()ものを……」

「……だから彼らはあれだけ強気だったのですね。私とのやり取りもボイスレコーダーで録音していたと言われました」

「……ちっ。これでは少しでもダメージを与えるつもりで公表しても、我々が脅したことが世間にバレて、海堂のイメージが最悪になりかねないですね……。

ふふふ……ふはははははっ!!!」

 

 急に笑い出す江頭。大貫はいきなりだったため、身体を震わせて驚く。

 しばらく江頭が笑ったあとに俯いたかと思うと急に静かになり、顔を上げて大貫を見る。

 

「こうなったら仕方ありませんね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……え?」

「大貫さん、もう彼らのことは忘れなさい。今は海堂の戦力補強を進めていきましょう」

「は、はい」

 

 江頭が気にするなといいつつも目が血走っており、明らかに()()()いた。

 大貫は江頭の顔を見て恐怖を覚え、予定があると言ってすぐに部屋を退室した。

 そして、海堂に残ることへの危険性を感じつつ、今後の身の振り方を考えるのであった。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 これは吾郎が翔達と久しぶりに会った数日後の話である。

 

「おう、清水!」

「ほ……本田!? いつこっちに帰ってたんだよ!?」

「つい……1週間前か?」

 

 三船東中の学校の帰りに久しぶりに吾郎と会った清水は、ファストフード店に入りお互いの近況を話していた。

 

「本田は高校からこっちに戻ってくるのか!?」

「ああ、そうだな。もう少ししたら、一旦アメリカに帰るけど数ヶ月したらこっちに戻ってくる予定だ」

「高校は……どうするんだ?」

「ああ、実はな……」

 

 清水にもワールド高校が出来ることを話すと、清水はその話を聞いていなかったのもあり、とても驚いていた。

 そして吾郎の本題はここから始まる。

 

「それでな……お前()()()()()()()()()?」

「えっと、聖秀高校にしようと思っていたんだけど……」

「そうか……良かったらワールド高校に来ないか? お前がソフトをやっているんなら、良い環境になるはずだぞ」

「え……?」

 

 清水は吾郎と久しぶりに会っても、変わらず全力で野球をし続けているところに心惹かれていた。

 ソフトに変わったとはいえ、中学に入ってもきちんと続けていたのは吾郎との繋がりを断ちたくなかったからだ。

 

「で、でも私だとついていけるか分からないし……レギュラーになれるかも……」

「お前なら出来るさ。三船リトルであれだけ一生懸命にやっていたお前なら、絶対に出来る。……なんなら練習にも付き合ってやるしな」

「ほ、本当か!?」

「ああ、もちろん!」

「……な、なら考えてみようかな」

 

 清水は少し照れて髪の毛をいじりながら、もじもじしていた。

 吾郎はそれに気付かずに、「おお、そうか! じゃあパンフレット渡しとくから、来年また会おうな!」と言って、ハンバーガー口に放り込んだあとすぐに帰っていってしまった。

 清水は吾郎の切り替えの早さに呆然としていた。

 

 

 

 

 

「……いやさ、もうちょっとこう、なんていうか色々とあるじゃんか……。まぁ本田に期待した私がバカだったか……」

 

 

 

 

〜中学生編 完〜

 

 

 

【佐藤 翔ステータス】

◇投手基礎能力一覧

球速:148km

コントロール:D+

スタミナ:D+

変化球:

チェンジアップ:5

スラーブ:4

 

◇野手基礎能力一覧

弾道:3

ミート:D+

パワー:D+

走力:D+

肩力:D+

守備力:D+

捕球:D+

 

◇特殊能力

【共通】

ケガしにくさC+

 

【野手】

送球C+

チャンスメーカー

外野手○

パワーヒッター

レーザービーム

 

【投手】

ノビC+

回復C+

対ピンチC+

緩急○

ジャイロボール

尻上がり

リリース○

 

◇コツ

重い球LV3

キレ○LV3

威圧感LV4

 




これで中学生編が終了です。
いつもどおり吾郎sideと合わせるので、一旦更新をストップします。
間話は載せるかもしれません。

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『MAJORで吾郎の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216811/

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