まさかの翔と大地を間違えるイージーミスをするとは…。
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『MAJORで吾郎の兄になる』という作品も掲載しておりますので、下記から併せてご覧いただけますと幸いです。
https://syosetu.org/novel/216811/
「ギ、ギブソン……!? て、てめーどんなツラ下げてこんなとこに来てやがんだ!」
「茂野!」
茂野が病室に現れたギブソンに対し、胸ぐらを掴もうと向かっていったが、茂治に一喝されて止まる。
ギブソンは英語で話し始める。
『何だ……生きていたのか。命の危険を伴う緊急手術だと聞いたから来てやったが、まるで俺が悪いみたいじゃねーか』
「あ、あの! ミスターギブソンがこの度は申し訳なかったと言っています。本田氏の手術が成功して本当に良かったと安心したと申しております」
通訳の日下部の話を聞いて、佐藤家の父親以外の4人が反応した。妹の美穂だけは上手く聞き取れていなかったが、内容と違うことだけは分かったみたいだ。
その他の人達は英語が分からないので、日下部の話を鵜呑みにしている。
「わざわざありがとうございます。お陰様で助かりました」
茂治は頭を掻きながら、軽く笑って返事をする。
日下部はボソボソとギブソンに伝える。
『ふん、あの程度避けられないなんて、やはり日本のレベルも大したことないな。俺はもう帰るぞ』
「え! ええっと、茂治氏の体調には気を付けてお過ごし下さいとのこ──」
『もう良いよ。下手に誤魔化す通訳なんてしないで』
日下部の言葉を遮って、英語で話し出す翔。
それを聞いて日下部は黙り、ギブソンは帰ろうとしていたが翔を見た。
『ミスターギブソン。あなたは人を1人殺しかけた自覚はあるのですか?』
『何だと……?』
『あなたのデッドボールのあと、もし一晩時間が空いていたら、茂治氏はこの世にいなかったと医師は言っていました』
『……』
翔があまりにも流暢に英語を話していたことと、そこまで危険な状態だったと思っていなかったギブソンは思わず絶句する。
『ここにいる少年は吾郎といって、茂治氏の息子です。おそらくあなたの息子と同い年くらいでしょう』
『その少年が……!?』
『ええ、もし茂治氏が亡くなっていたとしたら、この年齢でこの世で唯一の肉親を失っているところだったのですよ』
『……母親もか』
『ええ、2年前に他界しています』
ギブソンは吾郎を見て、自身の息子である
その
『確かに野球は硬球を使うため、最悪の事故はあり得ます。今回もわざとではないのでしょう。ですが、この場でそういった発言をするのはおかしいことを自覚してもらいたいです』
『……』
『あなたは茂治氏に打たれました。そして、今茂治氏は死を免れてここにいます。ミスターギブソン、あなたがプロとして今やらなくてはいけないことは何でしょうか?』
『俺が……やらなきゃいけないこと……』
ギブソンは顔を俯かせてしまった。
英語が分からない人達は何がどうなっているかも理解出来ていないため困惑している。
1分ほどの沈黙の後、ギブソンが吾郎のところに行き、立て膝になり吾郎と目線を合わせる。
『ボーイ。今いくつだ?』
「え? ……え?」
「吾郎君が今何歳か? だって」
吾郎は意味を理解して、両手を使って「6歳です!」と伝える。
通訳しなくてもギブソンには意味が通じたのか、軽く笑って吾郎の頭を撫でる。
『6歳か……確かに
そのまま茂治の元へ行き、日下部に今度はきちんと通訳をしろという。
『ミスター本田。本当にすまなかった。あなたの大切な息子を1人にさせてしまうところだった』
「あ、いえ……」
『昨日あなたに打たれたことはとても悔しかった。でも俺とあなたが生きている限り、また対戦出来る。次は絶対に負けないからそのつもりでいてくれ』
「……! ああ、俺も負けない!」
そう言って2人は笑顔で握手を交わした。
こうして本来であればあり得ないはずだった縁が結ばれることとなるのであった。
『本田茂治の命を救ったため、ボーナスポイントが付与されます』
◇◇◇◇◇◇
「翔、凄かったね! あんなに大きなギブソン相手に色々と言えるなんて!」
「本当ね。私も英語を勉強しておいて良かったわ。息子の格好良い姿を見れたんだもの」
「私だけ英語分からなかったのが悔しいな……今からでも英語の勉強を始めようかな」
帰りの車で疲れて寝てしまった美穂以外の全員で翔を褒めていた。
翔は嬉しかったが、茂治の命を救ってしまった以上、ギブソンにも何かフォローをしないと今のままメジャーに帰ってしまうと感じていたため、出来る限りのことはしたつもりでいる。
これで何も変わらなければ茂治に負けっぱなしの日本滞在になるであろうと翔は予測する。
「何にせよ、吾郎君のお父さんが助かって良かったよ」
翔は心の底から安心していた。
本当に賭けだったのだ。これ以外に接触する方法が思い浮かばなかったのだ。
横浜スタジアムに行っても良かったのだが、確実に会える保証がなく、そもそも観戦に行くだけでも黙って出ていくよりハードルが高い。
翔はギリギリだったかもしれないが、これがベストなのだと思うことにした。
車の中で談笑しながら、佐藤家は温かい気持ちのまま家に帰るのであった。
◇◇◇◇◇◇
『小学校に入学したため、ボーナスポイントを付与します。また、基礎能力をFに上げるための必要ポイントが減少します』
翔は小学校に入学した日、急に出てきたアナウンスに驚いた。
入学時にポイントを付与されたのは予測していたが、まさかGからFに上げるための必要ポイントが減少するとは思っていなかったのだ。
(よくよく考えたら当たり前だよね。体が出来ていないのにS+とか1つの項目でも達成していたら、相当な化け物になってしまいそうだよ)
早速翔はポイントを割り振ってみることにした。
◇◇◇◇◇◇
【佐藤 翔ステータス】
◇投手基礎能力一覧
球速:80km
コントロール:F-
スタミナ:F-
変化球:なし
◇野手基礎能力一覧
弾道:2
ミート:F-
パワー:F-
走力:F-
肩力:F-
守備力:F-
捕球:F-
◇◇◇◇◇◇
全体的に1段階ずつ上げて体を慣らそうと決める。
他にも特殊能力を取ろうと思ったが、前回無理に上げすぎて身体が動かなくなってしまったため、一旦保留にした。
(吾郎君のお父さんを助けたときのボーナスポイントがかなり多くて、まだまだ上げられそうなんだよね。でも今は我慢しよう)
小学校に入っても特にそこまで変わることはなかった。
学校が終われば吾郎と野球の練習をして、少しずつ身体を作っていく。
寿也と一緒に吾郎が公園でやっている訓練にも付き合うようになり、身体能力も上がっていた。
「みんな、かなり上手くなってきたよね!」
「だね! 小学校4年生が待ち遠しいなー!」
「吾郎君はリトルリーグに入るの?」
寿也の問い掛けに吾郎は「もちろん!」と答える。どこに入るかまではまだ決めていないが、茂治と一緒に決めていくとのことだ。
これからがスポーツ選手になっていくための
〜幼少期編 完〜
これで翔君の幼少期編が終わります。
最後駆け足になりましたが、早めにリトルリーグ編行きたかったので。
4年生までの話は時間がある時に間話などで作ってみたいと思います。
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